リトル・ツィイー(ACVI)

登録日:2024/10/10 Thu 22:08:41
更新日:2025/05/16 Fri 18:22:03NEW!
所要時間:約 9 分で読めます







恥知らずの…企業の狗め!
出ていけ! この惑星から出ていけ!


リトル・ツィイー(Little Ziyi)とは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物。



プロフィール


所属:ルビコン解放戦線
肩書:ACパイロット
搭乗機:AC「ユエユー」
アリーナランク:24/E

CV:泊明日菜

  • アリーナテキスト
ルビコン解放戦線に参加する戦士のひとり

ツィイーの両親はコーラル採掘による富貴を求め
まだ乳児だった彼女を抱いてルビコンへの密航を試みた

墜落現場にて奇跡的に一命を取り留め
解放戦線の帥叔フラットウェルに保護された彼女は
ACのコアを揺りかごに育ち長じて戦士となった

人物

ルビコン解放戦線に所属するメンバーの1人。
同勢力のネームドとしては紅一点で、周囲からはみんなの妹分として可愛がられているらしい。

幼い頃に両親がコーラルによる一攫千金を狙って彼女を連れてルビコンへの密航を試みたものの、
どうやらその最中で輸送船が墜落したらしく、両親とは死に別れになりながらルビコンの地へと落着。

幼子1人で陰謀渦巻く過酷なルビコンの戦場で生きていくことなど絶望的なのは明白だったが、
ルビコン解放戦線の重要人物である帥叔、ミドル・フラットウェルに拾われることで事なきを得、
彼含めた解放戦線のメンバーたちと共に日々を過ごし生き抜いてきたことで現在に至る。

プロフィールにあるように「ACのコアが揺りかご」とあるように、
自身の命の恩人であるフラットウェルや解放戦線への恩義に報いるためにか、彼女もまた1人の戦士=ACパイロットとして戦場に立っている。

惑星封鎖機構の抑圧やコーラルを狙っての企業勢力の侵攻などを間近で見てきたためか、
そういった敵対勢力に対しては非常に攻撃的な激情家にして女戦士としての面を覗かせているが、
そうでない他者には施しを与えることもあるなど、心根は優しい1人の少女としてのイメージも強い。
(餓死寸前だった独立傭兵の六文銭を救ったのはツィイーとのことで、その恩義に報いるためにとゲーム本編時間軸では解放戦線に身を寄せている。)

総合的に見て「一人前の戦士として認められたくて背伸びをしている女の子」みたいな人物像が浮かぶ。

作中での登場回数こそ少ないものの、プロフィールにある壮絶な過去と相対時における彼女の言動、
そして搭乗機体のアセンと実際の実力等々から、印象に残っているプレイヤーも多いことだろう。

作中での動向

チャプター1

ミッション「戦闘ログ回収」

大豊からの依頼により、ヴェスパー部隊の強化人間の1人であるラスティについての情報収集を行うミッション。
621も参戦したミッション「壁越え」においてラスティが侵攻した反対側のエリアを洗っていく。
既にアーキバスの駐留拠点となっている同エリアの戦力配置換えの隙を突き、ラスティが撃破した解放戦線機体の残骸からログを回収していくのが目的。

その内の一つである四脚MTの残骸から戦闘開始前の解放戦線メンバーの通信ログが拾えるのだが、記録の中にツィイーの名前も出てきている。

ヴェスパー上位に敵うわけがない
死んだな俺ら…

でもツィイーが非番だったのは良かったよ
みんなの妹分だしな

あの子は戦場に出るべきじゃない
ちゃんと恋をして幸せな家庭をさ…

このように、解放戦線メンバーから妹分として見られているというだけでなく、
戦士として戦場に立たせること自体も本意ではなく、1人の女の子として平凡な幸せを手にすることを願われているなど、
戦線内では本当に愛されている存在だということが見て取れる。
本題のラスティの情報には全く関係ないため、ウォルターからは「価値のないログだ」とバッサリだったが。

その後も調査を続けていき、遥か下の断崖の一角にある機体残骸からもログを回収しようと近づいたその瞬間。


そこのAC! 私たちの同志じゃないね…!
お前か…お前がみんなをやったのか!?

崖上から急襲してくる1機のAC、何と件の解放戦線の妹分、リトル・ツィイーが姿を現す。
ツィイーはこちらを一目見るなり企業の手先と決めつけ、先の壁越え作戦で多大な被害をもたらした元凶の1人と断じ、敵愾心剥き出しで襲い掛かってくる。*1
尚、ミッションの主題は飽くまでも情報ログの回収のためツィイーの撃破は必須ではなく、無視することも可能。
ただし、戦闘ログの対象でもあるため、そちらの回収を行うには倒す必要がある。


私だってコーラルの戦士だ、負けるわけにはいかないんだよ…!
「灰かぶりて 我らあり」だ!
欲に塗れた傭兵とは…違うんだよ!

先の戦闘で散っていた同志たちの無念を嘆き、企業への怒りのままに戦闘に没入するツィイー。
劣勢になりながらも少しも臆することなく、自分はコーラルの戦士だと己を鼓舞しながら食らいつこうとするも、
旧式の機体と拙い戦闘技術では、既に壁越えすらも果たし戦闘に特化した621という規格外の力には遠く及ばなかった。
が、制限時間付のミッションなので特に1周目ではそれどころではない621も多かった


ごめんよ…アーシル…
約束…守れなかった…

結局そのまま621に返り討ちにされ、同志たちと同じようにツィイーもまた戦場に散る。
死の直前に漏れ出たのは戦線メンバーの1人であるアーシルへの謝罪であった。

…戦場で敵対した以上は避けられない末路だったとはいえ、
まさか情報ログで触れられた少女が直後に現れこのような形で命を落とすという流れに心痛いものを感じたプレイヤーもいた事だろう。
まあ歴戦のACプレイヤーからすれば「フロムにはよくあることだ」と達観していたかもしれないが。

ミッション「捕虜救出」

2週目以降に特定の条件を満たすと「戦闘ログ回収」に代わって発生する択一ミッション。
ルビコン解放戦線の依頼により、捕虜となった戦線メンバーたちの救出のため、
企業勢力圏内にヘリ単機で突入する電撃作戦の護衛を担うことになる。

此方のミッションを受けた世界線ではツィイーが捕虜の1人として企業に捕らえられていたようで、最初の地点で救出することになる。


助けにきて…くれたんだね…

待たせてすまない、ツィイー

大丈夫さ…生きてる
ちょっと休んで…またやり返そう

企業から過酷な尋問を受けていたためか、敵対時とは打って変わって憔悴しきった弱々しい声だったものの、どうにか生き延びていたようである。
ヘリパイロットであるアーシル*2との再会を喜びつつ、その後も621の護衛で救出作戦を続行。
2人目の同志メッサムは時既に遅く死亡しており間に合わなかったことを嘆いたものの、3人目の戦線リーダーであるサム・ドルマヤンの救出には成功。


帥父…ご無事でよかった
「コーラルよ ルビコンと共にあれ」

その警句の…
何を知っていると言うのだ…?
全ては…
消えゆく余燼に過ぎない…

帥父ドルマヤンとも再会を果たし、彼女としては安堵と敬意の気持ちを込めて言葉を掛けたつもりではあったものの、当のドルマヤンからすれば地雷を踏むに等しいものでしか無かった為、辛辣に返されてしまう。*3*4

その直後にレッドガン副長G2ナイルの急襲を受けるものの、621の手によってこれを切り抜け、救出ミッションは完了となった。




本編における出番は以上。
「戦闘ログ回収」で撃破したか否かや「捕虜救出」とどっちを受けたかどうかに拘わらず、
その後の言及は皆無であるため、本編終了時における彼女の去就はわからずじまい。

なおver.1.0*5においてのみ、ルビコンの解放者ルートのミッション「動力ブロック破壊」の通信音声で、
他の同志と共にツィイーが戦っていると思しきボイスが流れることがある。

搭乗機体


AC ユエユー


画像出典:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ゲーム画面 アセンブリ
© フロム・ソフトウェア 2023年8月25日発売

  • 機体構成
部位 パーツ名 製造元
頭部 AH-J-124 BASHO BAWS
コア AC-J-120 BASHO
腕部 AA-J-123 BASHO
脚部 AL-J-121 BASHO
右手武器 IRIDIUM メリニット
左手武器 IRIDIUM
右肩武器 - -
左肩武器 SI-29: SU-TT/C タキガワ・ハーモニクス
ブースター AB-J-137 KIKAKU BAWS
FCS FCS-G1/PO1 ファーロン・ダイナミクス
ジェネレータ AG-E-013 YABA BAWS
コア拡張

機体名のユエユーは中国語表記だと「月魚」となり、エンブレムもそれを表すように川と魚を模している。
ドルマヤンやダナムと同じ、BAWSの旧型フレームである「BASHO」シリーズをベースにした機体。
全体的な性能こそ低めなものの、負荷の低さと一定の防御性能に優れた決して侮れないフレーム……なのだが、問題は武装の方。
左肩のパルスバックラーで防御力を高めるのはいいにしても、残りの武装は両腕に2丁持ちしたメリニットの小型グレネードのみというのが大問題。

BASHOシリーズの腕部パーツは近接武器適性が最高の代わりに射撃適性と反動制御が劣悪で、
この腕部を十全に活かすなら、ブレードなどの近接武器や射撃周りの性能の低さを踏み倒せるハンドミサイルなどを積むのがセオリーなのだが、
ツィイーはよりにもよって反動制御に大きく響くハングレをチョイスしてしまっている。

二脚でグレネードを使うと構えが生じるため、一発当たりの隙が非常に大きい上に劣悪な射撃周りの性能で命中率も低い。しかも両手同時発射のきかないおまけつき。
加えてFCSがどの距離においてもロック性能の低い産廃の初期FCSなのが更にダメ。
また、左肩のパルスバックラーは通常ガードの衝撃軽減率がトップクラスな一方で、展開する毎の発熱コストが高い(=シールドを構え直すと機能停止しやすい)のだが、グレネードは構え武器なので射撃の度にシールド展開が中断されてしまうため組み合わせは最悪。
更にブースターも近接攻撃推力以外が低性能のKIKAKUのため、近接武器を持たないこの機体には完全にミスチョイスで機動力にも乏しい。
おまけに軽量タイプのグレネードのため継戦能力にも乏しく、総弾数は僅か64発しかないのも致命的。
+ ちなみに初期レギュにおいては
これでもレギュ更新でまだマシになったという経緯があり、初期レギュだと更に低く総弾数40発しかなかった。
しかも当時はグレネードの弾速も遅く、腕部とFCS劣悪補正ダブルパンチによりアリーナのACのように高速で動く機体には相討ち狙い(なおダメージレースでは大抵不利)以外本当に当たらない。
かと言って総弾数40発ではミッションの雑魚掃討にも難儀するためもはや持ち込むべき場所が見つからず、無理矢理使うなら開幕に両腕武装をパージしてBASHOの徒手空拳で戦った方がマシと言われる有様。

どこを取っても評価に困る、下手すりゃネタ機体と言われても仕方のないチグハグアセンの代表的存在としてプレイヤー間では有名である。

ただまあ、腐っても軽グレの破壊力は本物であり、2~3発も連続して食らえば瞬時にスタッガーに陥るため、
特にゲームを始めたばかりでパーツも充実していない初心者はあまり舐めすぎないように注意。
動きそのものはブースト移動が中心でABは殆ど使わずQBでの回避率もそんなに良くないが、小ジャンプ移動でこちらのロックを揺らしつつ回り込みを狙い、死角からのグレネードで上手いことスタッガーを取ったりするとここだと言わんばかりにブーストキックを叩き込んでくると、ダナムよりは遥かに良い戦闘機動を見せてくれる。
故にパターンが読みやすく、空中戦は武装の関係もあってあまり仕掛けてこないのでトップアタックを狙えばいい。
ぶっちゃけこれで武装や内装がBASHOフレームの特性をしっかり活かしたものだったら、ダナムどころかランク的には遥かに格上のフラットウェルより、下手すればドルマヤンと並び解放戦線最強格の六文銭と良い勝負が出来るくらい強い疑惑もある。

推測としてプレイヤー間では、他のルビコン解放戦線のメンバーたちが、ツィイーをあまり戦場の矢面に立たせたくないという思いから、
後方から爆撃支援をメインにした機体を勧めた結果なのではないか? などと言われることも多かったり。

因みにアリーナランクは24位と下位なのだが、その一つ下の25位がゲーム内でも屈指の初心者殺しとして名高いメーテルリンクの「インフェクション」のため、
直後に戦うツィイーのあまりの弱さに拍子抜けしてしまうプレイヤーが大半であったことだろう。通称・逆ランク詐欺
そして加速するオールドンマイのランク査定が適当すぎる説。


余談

情報ログの一つである「STVの画稿(1)」では解放戦線のメンバーたちと思わしき者たちが描かれているのだが、
その内の一人に少女らしき人物が混じっており、ここに描かれているのが作中のネームドキャラ達という前提なら他に女性は居ないのでこれがツィイーということになる。
この人物はショートヘアーで背丈低めの快活そうな少女といった感じで、戦線メンバーたちが妹のように可愛がっているというのにも頷ける。

また、本編未使用の没ボイスの中にはツィイーのものも含まれており、その内の一つがこちら。


私たちはみんなで生きてきた…
みんな頑張ってた!
欲に塗れた傭兵とは…違うんだよ!

内容から察するに「戦闘ログ回収」におけるボイスの別パターンで、
自らを戦士と鼓舞する本編とは違い、戦線メンバーたちと必死に生き抜いてきたことを叫ぶものとなっており、
こういった点からも制作陣から「仲間意識が強い優しい少女」として認識されていたことがわかる。





大丈夫さ…生きてる…ちょっと休んで…また追記・修正しよう

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  • AC
最終更新:2025年05月16日 18:22
添付ファイル

*1 同エリア内で実際に解放戦線を撃破したのはラスティなのだが、621自身も壁越えに参加して大きな被害を出してるため、大局的に見るとツィイーの断定も間違いでは無かったりするのだが。

*2 なお、このミッションで初めて「アーシル」が1周目から621に度々依頼を仲介してきた解放戦線の仲介担当の人物のことであった事が判明する。

*3 英語版では「軽々しくその言葉を使うな、小娘が」と、声色も苛立ち混じりになりより辛辣さが際立っている

*4 尤も、ドルマヤンが内に抱えている秘密と葛藤は本作の根幹にすら関わるレベルの超重要事項な上にそれを知る術もないため、地雷を察しろという方が無理な話でもあるが。

*5 所謂出荷状態のレギュレーションであり、通常はプレイすることができない。しかしゲームデータがない状態にしてディスク版をオフラインで起動することでプレイすることができる。