メリニット(ACVI)

登録日:2024/03/14 (木曜日) 10:38:27
更新日:2025/06/27 Fri 04:51:20
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MELINITE
















メリニット(MELINITE)」とは、ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONに登場する架空の企業である。

◎目次


◎概要

爆発武器を専門に開発している企業。名前の由来は爆薬であるピクリン酸の別名「メリナイト」からか。
メリニットという名称は1884年のフランス軍で使われており、そのため本社はこの世界における西欧圏に当たる場所に籍を置いていると思われる。

その爆発に対するこだわりは並々ならぬ物で火薬の組成の段階から自社で賄っており、それが高じてついた通称が「業界の花火職人」らしい。
企業ロゴにも満開の花火があしらわれている。

星外企業の二大勢力であるアーキバスベイラムのどちらにも与せず中立の立場を保っており、各方面に手広く武器を供給している。
ルビコン解放戦線、独立傭兵にもメリニット製の武器を使用しているACが多数存在する。

…と、その特徴は4系に登場した有澤重工の流れを組む爆発偏重型の変態企業
有澤がACのフレームも手掛けていたのに対し、こちらは爆発属性武器の開発のみを行っているあたりその姿勢はさらに徹底している。
ということで某企業が空力に脳を焼かれていたことが判明するまでは本作の変態企業筆頭枠であった。
Borderlands 2のTorgueに近いかもしれない。大口径巨砲主義でもあるという点を除けば。


一方で中立を謳いながら腹の底は真っ黒なミサイルバカ一代や汚れ役を演じつつルビコニアンのために立ち回る地元企業そのマブダチに、空力を取り戻すために親会社に反旗を翻した疑惑のある例のアレなど、
寝返りや内通などの謀略を計っている他企業とは異なり、多くのレイヴンにとっての導きのブレードを産み出した我らがパルス狂と共に最後まで非介入中立を保ち続けるなど作中での立ち回りは至極ストイックなため、相対的にまともな企業に見える。
あくまでも相対的に、立ち回りが真っ当なだけだが。メーリメリメリ!芸術は爆発メリ!



◎製品

先述の通り扱っているパーツは爆発系武器、すなわちバズーカとグレネードの2種類のみという非常に潔いラインナップ。
バズーカは直撃補正が高い他、リロード速度や弾数・弾単価も比較的よく、敵機に対する起爆当たり判定が大きい(「近接信管」持ち)など単体戦に向く。
グレネードは爆発範囲が広く、密集した複数敵を一網打尽にしたり、上方からの打ち込みで命中率を上げやすい。
一部を除いて重量が重い物が多いので軽〜中量機に積み込む場合は積載の調整に苦慮するが、この企業の傾向として装弾数などの継戦能力よりも一撃の火力・衝撃力に重きをおいた調整がなされており、積むことさえ出来れば瞬間火力を大幅に増強する事ができる。
その殆どが取り回しや装備コスト、ミッションでの対応力に難アリだが、特にアリーナ・対人などの短期戦や、単独戦ミッション・補給直後の大型兵器戦においては強力な切り札になり得るだろう。
▷MAJESTIC
中型バズーカ。
同カテゴリの「玄戈」と比較すると、リロード速度と装弾数を低くした変わりに単発の威力を高めている火力重視型。
重量・EN負荷も能力のわりに低めで装備しやすいのも魅力的。
アップデートにて弾速が速くなり、対戦環境でトップメタに君臨していた実績もある。
コレのフレーバーテキストにおいてメリニットが「花火職人」である旨が記述されている。
「マジェスティック」とは「雄大な〜」という意味を持つ言葉。且<Ooh!majestic!

作中での使用者はシャルトルーズのみ。発射頻度が高く、後述する大グレ「EARSHOT」とともに「見つめられると死ぬ」という作中評判に説得力を持たせている。

▷LITTLE GEM
小型バズーカ。
軽量機への搭載や屋内での携行を目的として銃身を切り詰めて小型・軽量化した一品。
弾数と射撃精度は妥協して爆発能力を極力維持した」という説明文にも、メリニットの爆発へのこだわりが感じられる。
弾数は少なくなったがそれでも36発とSONGBIRDSの実質回数よりは多く、弾単価も安いので、他のバズーカではオーバーキルになるようなシーンでも出費を抑えつつ火力を確保できる。
説明文から勘違いしやすいが、四脚とタンク以外ではしっかり構えが発生する点は注意。
また、重量が軽いにもかかわらずリロードがMAJESTICよりわずかに遅いのが難点。
「リトルジェム」とはタイサンボクの小型品種の名称。小さくて育てやすく(装備しやすく)、しかし立派な大輪の花(爆炎)を咲かせるという特徴は本機にもぴったり当てはまる。
ちなみにタイサンボクが属するモクレン属の学名は「マグノリア」。過去作に登場した青いAC乗りの名はこれが由来。

作中ではインデックス・ダナムチャティ・スティックミドル・フラットウェルの3名が使用。
チャティは高速で移動しながら撃ってくるためそれなり以上の脅威だが、ダナムは全体的な火力に乏しいうえAIがアレなので大した脅威にはならず、
フラットウェルは構えのせいで紙装甲な機体に隙を作ってしまうので戦術とあまり嚙み合っていない。

▷DIZZY
腕部大型グレネード。
腕部に搭載する物としては最大級の爆発武器で、炸薬から砲身に至るまで全てが専用に設計されたというメリニットの精神が形になったような逸品。
MTの群れを一撃で巻き込み消し飛ばすのはもちろん、ACの機動力をもってしてもその爆発範囲内に等しくもたらされる絶大な衝撃力から逃れるのは容易ではない。
反面、重量と機体負荷も尋常ではなく、並の腕部積載では積むことすら叶わない代物。リロード時間も約7秒とかなり長め。
「ディズィー」とは「めまい」という意味であり、敵のめまい(スタッガー)を引き起こすためのものでもあることを示唆するかのよう。

作中での使用者はいないが、アナウンスメントトレーラーの4脚ACが肩にハンガーで積んでいる。
余談ながら、ハンガーに積んでいる間はリロード時間が倍になるというデメリットがあり、DIZZYの場合は最長で12秒と影響も大きいのでよく考えて運用しよう。

▷IRIDIUM
腕部小型グレネード。
「軽量機は手数で圧倒する」という常識を覆すべく開発された物で、なんとライフルどころかマシンガンよりも軽い。
グレネードとしては単発の威力は低めだがリロード速度が早めで、矢継ぎ早に砲弾をぶち込める。
装弾数も20からアップデートで32になって総火力も申し分なくなり、弾速もグレネードのカテゴリでは最速となった。
しかし最大の欠点が、射程距離245というグレネードとしては結構な短さ。他のグレネードのように遠距離から近接信管による誘爆を狙ったり高高度からのトップアタックで着弾させて爆風に巻き込むような運用は苦手。
必然、近距離で放つ事になるがこちらも軽そうな見た目に反してLITTLE GEM同様に構えが発生するので、二脚などで使用する場合には注意が必要。
「イリジウム」は原子番号77番の元素を指す。プラチナ類の希少金属元素で、爆薬に点火するための点火装置などに用いられていたことが由来だろうか。燃え残った全てに火を点けるにはやや火力不足なので注意

作中での使用者はリトル・ツィイーだが、近接攻撃力に特化したBAWSマンの長所を完全に投げ捨てているネタアセンの代表格とされる。
また、ツィイーはミッションでこれを用いた死角からの奇襲攻撃を仕掛けてくるのだが、アプデで射程距離が短くなったせいで想定する位置まで弾が届かず、ただの花火になってしまう弊害が発生している。

▷EARSHOT
大型グレネードキャノン。
シリーズファンには「大グレ」の呼び方でおなじみのトップランカーがよく背負って死荷重にしているアレ。
性能は端的に言えば肩キャノン版DIZZY。圧倒的な威力と爆風で広範囲を一撃で粉砕する。
しかし取り回しは劣悪の一言。特にリロードが非常に遅く、装弾数もたった16発とかなり少ないので長丁場のミッションには不向き。
以前は「これ使うならSONGBIRDS(後述)でよくね?」という場面がほとんどの不遇な武器だったが、アップデートでリロードが速くなったことで使い勝手は良くなった。
しかし、装弾数の少なさは相変わらずなので使用するなら複数機を巻き込むように撃つ、的を四脚MT以上の大型兵器に絞る、AC相手なら地上を狙って空中から打ち下ろすなど極力無駄弾は使わないように心がけたい。
「イヤーショット」は「音や声が聞こえる範囲」「耳鳴り」という意味の言葉であり、彼方の敵にも耳鳴りがする程轟音を響かせられると言わんばかり。

作中での使用者はV.VII スウィンバーンとシャルトルーズの2名。
スウィンバーンはコレでスタッガーを取ってからスタンバトンでのコンボを狙い、シャルトルーズは「見つめ合うと死ぬ」という異名通りの正面突破の火力の一翼を担う。

▷SONGBIRDS
小型連装グレネードキャノン。
上下に2本砲身が並べられており、2連バーストで砲弾を発射する。
「ウォッチポイント襲撃」クリア後に入荷という入手タイミングの早さ、調整すれば軽量機にも無理なく積み込める機体負荷の低さ、リロード等の取り回しも良く、肩軽グレながら威力も衝撃力残留も高い、欠点らしい欠点の無い万能兵器。
強いてあげるとするならグレネードの中では爆発範囲が狭い他、2発連射のため装弾数42が実質的には21回で弾単価も見かけより嵩む。
それでもよほど長丁場でないミッションなら十分に普段使いに耐えうるし、大型兵器戦でもこれ1丁積んでおけば困る場面はほとんど無いほど汎用性が高く、多くのレイヴンの導きの武器として親しまれている。
大グレの立場を完全に食ってしまっていたためアップデートで威力が低下したが、基本的な扱いやすさは変わっていない。
作中での使用者もG1ミシガンG4ヴォルタリング・フレディレイヴン(本物)と多く、フレディに至っては両肩に積んでいる。

元々は中量機体オーナーからの要望で開発された経緯がある。
「ソングバード」は「小鳥のさえずり」を意味しており、大仰な命名の多いメリニットらしからぬネーミングなのは、小型化して爆発の威力を抑えてしまった方針に対するメリニット自体の不満*1を表しているのでは?と考察されている。
なので、SONGBIRDSの人気の高さに一番納得できないのは開発したメリニット自身というのが621達の間では定説。
大豊「わかる」シュナイダー「アイツら何も理解してねえよ…!」
ちなみに、621からは「ソングバード」と呼ばれる事も多いが、正確には「SONGBIRDS(ソングバーズ)」と複数形である。連装型だからね。

◎余談

  • 製品の命名には企業ごとにある程度法則が見られるが、数字や英字による型式番号を含まない名前のみ、というのはメリニットだけ。
    彼らにとってはその名前こそが、自慢の製品を表しているのかもしれない。

  • 製品がどれも尖った性能を持つためか、アップデートのたびに少しずつ調整され続けている。
    時限信管の搭載、弾倉と装填機構の改良、装薬と炸薬量の調整など、製品の改良に余念がない。……しかしSONGBIRDだけ、時限信管こそ積まれたものの炸薬量(ダメージと衝撃力)を減らされたのみとなっている。
    これによりSONGBIRD一強の状態から大グレや腕グレの搭載も十分視野に入るようになったため、SONGBIRDばかり売れる現状に業を煮やした製造元が弾頭の炸薬を他製品に回した、という妄想をされたりもしている。


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最終更新:2025年06月27日 04:51

*1 ちなみになぜ連装モデルなのかというと「威力の低下を補うため」だと明言されており、顧客に対してというよりも技術力で爆発力を補えなかった自分たちへの妥協の産物であるともとれる