ミドル・フラットウェル(ACVI)

登録日:2024/10/18 Fri 22:15:19
更新日:2025/05/21 Wed 12:16:45
所要時間:約 10 分で読めます







「レイヴン」…その名に違わぬ
羽ばたくような戦いぶりだ



ミドル・フラットウェル(Middle Flatwell)とは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物。



プロフィール


所属:ルビコン解放戦線
肩書:ルビコン解放戦線指導者「帥叔」、中央氷原支部司令
搭乗機:AC「ツバサ」
アリーナランク:13/C

CV:藤井隼

  • アリーナテキスト
ルビコン解放戦線の実質的戦争指導者

帥父ドルマヤンに次ぐ重鎮であり、内部では帥叔の尊称を以て支持されている

彼には密偵として星外企業に潜伏していた時期があり
中でもシュナイダー社の人事部門には太いパイプを持つという

人物

ルビコン解放戦線に所属するメンバーの1人。
組織トップの総司令である帥父サム・ドルマヤンに次ぐ組織内の重鎮で、周囲から「帥叔(すいしゅく)*1」と呼ばれている。
作中時点でのドルマヤンが既に宗教的象徴、お飾りの状態と化しているという事情もあり、
組織内では事実上、彼が組織の戦争指導者として敏腕を振るっている。

現状の実質的指導者という立場もあってか、思想や精神論に傾倒しがちな他戦線メンバーと異なり現実寄りのスタンスであることが何よりの特徴。
組織のために必要と判断したならば、目を付けた独立傭兵の起用や、暗号通信を用いての寝返り要求などのクレバーな手段も躊躇わない。
一方で、輸送機墜落事故により両親と死別した幼き日のツィイーを保護し解放戦線の仲間と共に面倒を見るなど、単に冷徹なだけではない情が深い一面があることも窺える。

また、プロフィールにあるように、密偵時代に築いたシュナイダー社の人事部門への独自のパイプを持っているようで、
ストーリー終盤に判明するある人物との繋がりや、ある機体への技術供与の関与などもあり、
裏で解放戦線の戦力を支えている重要人物であることは間違いないだろう。

ストーリー内では解放戦線側の重鎮として、レイヴンこと621へ度々接触してくるため比較的出番が多い。
またレイヴン個人への思い入れも、膠着した現状を打破する可能性を秘めた存在として高く評価していることが窺える場面も。

アリーナのランクは13位。数値的には中堅上位といったところで、
解放戦線実質指導者の立場に恥じない高い実力を備えている。

作中での動向

表立って接触してくるようになるのは2周目以降の追加ミッションやALTミッションがメインとなる。

チャプター1

ミッション「多重ダム襲撃(ALT)」

レッドガンメンバーと共にルビコン解放戦線の多重ダム変電設備を破壊していくミッションなのだが、
2周目以降に変電設備を半分破壊し終えた後、突如としてフラットウェルからの暗号通信が入る。*2


独立傭兵レイヴン
我々はルビコン解放戦線だ

単刀直入に言おう
こちらに付きレッドガン2名を排除してもらいたい

報酬はベイラム提示の2倍
色好い返事を期待している

と、作戦行動中にも拘わらずその場で寝返って背後から味方を奇襲しろというかなり大胆な交渉を行ってくるのである。

申し出を断ると1周目と同じ流れに戻るが、これを引き受けるとミッション内容変更。
今まで味方だったG4ヴォルタとG5イグアス、2名のACを纏めて撃破する流れになる。

ただしこのALTミッション、プレイヤー間でも屈指の難関の一つとして名高く、
安易に金に釣られてホイホイ引き受けるようでは確実に痛い目を見るため心して掛かろう。*3

このミッションで解放戦線側に味方することで、「捕虜救出」のミッションが発生するようになる。

チャプター3

ミッション「新型機体鹵獲阻止」

同じく2周目以降に「坑道破壊工作」との選択式で受けることができるミッション。

ヒアルマー採掘場に惑星封鎖機構の新型HCとLC機体が配備されているのだが、
これがアーキバスやベイラムに鹵獲でもされようものなら、その高い技術力と資金力で解析・再現・量産がされてしまいパワーバランスが大きく傾きかねないため、
その最悪の事態を未然に防ぐために予め破壊してほしいという内容。*4

目標のLC2機とHC機はそれぞれ全くの反対方向に配備されているのだが、
片方の撃破に手間取っていると、もう片方の目標に合流されてしまい1対3と一気に苦しくなってしまう。
比較的柔めのLC2機を即効で片づけるか、LCよりも頑丈だが1対1に集中できるHCを先に狙うかはプレイヤー各々の相性によるところ。


…あるいはお前ならば

ルビコンの灼けた空を越え
まだ見ぬ自由を選べるのかもしれん

見事、ミッションを完遂するとフラットウェルは項目冒頭のセリフに続いてこのように発言。
これを聞いたエアも「警句に傾倒するばかりで思考停止に陥ってるルビコン解放戦線の新たな可能性を模索しているのかもしれない」と推論を述べていた。

因みにこのミッションをクリアすることで、「多重ダム防衛」のミッションが発生するようになる。

チャプター4

ミッション「ヴェスパー部隊伏撃」



本作戦では僚機として私がお前に付こう
歴戦の勇士と共に戦える好機でもある

フラットウェルが登場するものでは唯一1周目から受けることができるミッション。
チャプター4時点で勢力争いのトップに立っているアーキバスの重要戦力を削ぐために、
ヴェスパー部隊長であるホーキンスとペイター2名の撃破を行うことになる。

このミッションでもフラットウェルは「スネイルの名を騙って緊急招集という体で両名をおびき寄せ奇襲を仕掛ける」というクレバーなプランを提案してくる。
そして上記セリフにあるように彼自身も621の僚機として随伴し、2対2のAC戦が展開されることに。
現実よりな視点のフラットウェルではあるものの、1人のAC乗りとして実力者として名高いレイヴンと共に戦えることには心躍る一面もあったようだ。

因みにこのミッション、襲撃タイミングや撃破順に応じてセリフパターンが多数存在していることでも有名。
特に必見なのはホーキンスとペイターの登場前から彼らの眼前に打って出るパターンで、
フラットウェルからも「自分から見つかりに行く伏兵があるか…!」と呆れられてしまうことに。
でも実は真ん前に出て敵機登場と同時にパイルなりなんなりをぶち込むのが、即効クリアやSランク取得に一番手っ取り早かったりもする。


…レイヴンの実力、見せてもらった

いつかお前が…私たちにとっての
戦友となることを祈ろう

激闘の末に見事、ホーキンスとペイターを撃破し、フラットウェルも生き残った状態だと、
621の実力をこのように評価し、いずれは自分たち解放戦線の側に立ってくれることを願っていた。
このフラットウェルの言葉通りになるかは、後の621自身のとある大きな決断にかかっているといえる。

ミッション「未踏査領域調査(ALT)」

スネイルの策略により、ウォッチポイント深部の未踏査領域においてラスティとの潰し合いをさせられることになるミッション。
通常であればラスティを撃破することでクリアとなるのだが、2周目以降に特定条件を満たしている場合に展開が変化。

待て!
先走るなラスティ!

ラスティ…そいつは
使われるだけの猟犬ではない
可能性が見えるのだ!

ラスティのスティールヘイズとの戦闘を開始してから間もなく、フラットウェルのツバサが乱入。
2周目以降ということもあり、プレイヤー側にとっても既にラスティの正体はわかっているため、
必然的にフラットウェルと既知の仲であることも理解できるという構図である。

知っているさ「帥叔」フラットウェル
だがそのとおりになるとも限らない

止むを得ん…独立傭兵レイヴン
惜しいが討たせてもらうぞ!

そしてフラットウェルは可能性が見えるという621との敵対を止めようと試みるも、
この時点では未だ「背負っていない」621を危険視するラスティはそれを聞き入れず、なし崩し的に1対2という形になってしまう。

ただ、この場面で現れるツバサはどういうわけかAPが半分しかなくリペアキットも使わないため、
AC複数機を同時に相手取るミッションではあるものの、そこまで難しいというわけでもない。
2周目終盤ということでプレイヤーの腕も上がってるだろうし、落ち着いて各個撃破していくこと。
ここにたどり着くまでにミールワームの大群にかまってされてたからとか予想する人も。


ここまでか…!
脱出する!

戦いの果てにフラットウェルも乗機を撃破されるものの、ラスティと同様に脱出するため死亡はせずに済み、
以降の流れは1周目と同様となる。

本編における主だった出番は以上。
その後は集積コーラルの発見とアーキバスのバスキュラープラント建造による1人勝ち状態になるも、
「ルビコンの解放者」ルートにおいては、レイヴンの名を使ったエアの声明を受けて蜂起したルビコニアンを率いて地上で奮戦。
戦力としてシュナイダーACなども導入しており、ここぞとばかりに彼のシュナイダー社とのパイプが存分に活かされたようだ。

搭乗機体


AC ツバサ


画像出典:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ゲーム画面 アセンブリ
© フロム・ソフトウェア 2023年8月25日発売

  • 機体構成
部位 パーツ名 製造元
頭部 EL-TH-10 FIRMEZA エルカノ
コア EL-TC-10 FIRMEZA
腕部 EL-TA-10 FIRMEZA
脚部 EL-TL-10 FIRMEZA
右手武器 MA-E-210 ETSUJIN BAWS
左手武器 MA-J-200 RANSETSU-RF
右肩武器 LITTLE GEM メリニット
左肩武器 BML-G1/P20MLT-04 ファーロン・ダイナミクス
ブースター BC-0200 GRIDWALKER RaD
FCS FCS-G2/P05 ファーロン・ダイナミクス
ジェネレータ AG-E-013 YABA BAWS
コア拡張 パルスプロテクション

エンブレムは「空高く飛ぶ鳥」
エルカノのフィルメザシリーズをベースにした軽量機。
武装はバーストライフルにバーストマシンガン、左肩の4連装初期ミサに加えて右肩には小型バズーカを格納。
内装面も各距離にそつなく対応したP05に、アップデートで各性能が大幅強化されバランスの高さが売りとなったBAWS中量型ジェネのYABAなど、悪くないチョイス。
これらに加えて通常推力と上昇推力に優れたブースターで機体名を体現するかのように軽快に飛び回り、
削り能力に優れたランセツやエツジンのラッシュを浴びせる射撃戦を展開する。

武装選択自体は悪くないのだが、スタッガーを取った後のここ一番での追撃火力、決定打にやや欠けるのが弱点。
一撃をカバーしてるのは小型バズーカだが、二脚のため足を止めて撃たなくてはならず、APが9000未満とかなり脆いこの機体には致命的。

敵対時はこの弱点を突いて、多少の被弾はお構いなしにこちらが高火力武装で攻め立てればあっさり落ちることが多い。
逆にミッションで僚機として同伴した場合は、両腕の武装からサポート火力としては頼りになるものの、
敵のホーキンスとペイターが共に防御性能の低さを突くEN武器統一&近接武装持ちということもあり、運が悪いとあっという間にやられてしまう可能性も高い。

総合して見ると意外とクセが強いと言え、このような機体で事実上のトップ戦力として前線で活躍できることが、
フラットウェルの腕前の高さの証明とも言えるだろうか。

余談

名前の「ミドル」は他の人物との共通点から、「中指」に由来すると思われる。

情報ログの一つである「STVの画稿(1)」では解放戦線のメンバーたちと思わしき者たちが描かれている。
作中内でのイメージや開示されている情報を統合してもフラットウェルがどれに当たるかは推測が難しいのだが、
その他のメンバーを当てはめていくと、消去法的に左奥にいる細身の男性が彼なのではないかと目されている。

解放戦線内でも現実寄り・客観的な視点を持ち、621にも協力的なことからかなりまとも側の人物……と、思われていたのだが、
後のアップデートで追加されたシュナイダー社の新フレーム「LAMMERGEIER」が変態レベルでぶっ飛んでいたことで事情が急変。
空高く飛ぶ鳥(かもめのジョナサン)*5のエンブレム、愛機の名前がツバサ、ブースターに空戦特化のグリッドウォーカーを使う事、621を羽ばたくような戦いぶりと評した事などが全て噛み合ってしまい、
空を飛ぶ事に脳を焼かれたAC乗りだの、実はこいつもシュナイダー連中と同類の頭空力の変態だのというイメージを押しつけられてしまうことに……

実は621と交戦したネームドキャラの中で唯一死亡描写が存在しない*6キャラだったりする。
基本的に戦えば死ぬのがデフォであるACにおいてはかなりの異例である。




「レイヴン」…その名に違わぬ羽ばたくような追記・修正だ。

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最終更新:2025年05月21日 12:16
添付ファイル

*1 ドルマヤンもそうだが、「師叔(ししゅく)」という言葉は実在するが「帥叔(すいしゅく)」は存在しない。

*2 この時は個人名こそ表示されないが、間違いなくフラットウェルの声。

*3 全要素回収という点でも、ここは3周目送りにしても特に問題はない。

*4 チャプター5でアーキバスが封鎖機構の戦力を大量投入してきたことを考えると、この見立ては実に的を射ていたと言える。

*5 構図がまんま「かもめのジョナサン」の表紙を鏡写しにしたものになっている。そしてジョナサンは飛ぶことに価値を見出した頭空力のかもめである。

*6 星自体が壊滅したレイヴンの火ルートではさすがに死亡したと思われるが。