ルビコン解放戦線

登録日:2024/10/16 Wed 23:06:26
更新日:2025/05/21 Wed 11:01:15
所要時間:約 19 分で読めます





灰被りて、我らあり!

コーラルよ、ルビコンと共にあれ!

ルビコン解放戦線とは、ゲーム「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」に登場する架空の組織である。

以下、作中のストーリー等についてのネタバレも含みますのでこれから当該作品をプレーしようと考えている方、ネタバレを回避したい方は閲覧しないことを推奨します。


◎目次



◎概要

惑星ルビコン3において嘗て発生した大災害「アイビスの火」を生き延びた人々、通称ルビコニアンによりコーラル搾取を目論み不法侵入した企業に対抗するべく立ち上げられた組織。
大元は「コーラルとの共生」を唱える思想家サム・ドルマヤンとその教えに共感した者達の集まり…即ち一種の宗教集団であり、本編時点でも己の死を厭わず戦い続けるような人員が散見されており、一部構成員からもそう言った過激派や宗教テロリストのような思想的傾向を危惧されている。
チャプター1のミッション「武装採掘艦破壊」に登場するストライダー乗員たちなんかは特にこの手の傾向が顕著であり、621に機体を次々に破壊されていっても通りいっぺんに警句を唱えながら「諸君は誇り高いルビコンの戦士だから狼狽えずに何とかしろ」と繰り返すばかりで、結局具体的な対策を取れぬままに機体と運命を共にすることになっている。

戦力としては主に土着企業「BAWS」の製造する2脚・4脚MTやAC、その他汎用兵器を有するものの、人的資源や技術力の差から企業勢力を完全に押し返すには至っていない。
一方でBAWS製品の中には解放戦線の新兵向けに大量生産されたものがあることからそれなりの数のACを戦力化しているらしく、その他にも武装採掘艦ストライダーや「壁」と呼ばれる難攻不落の要塞、重装機動砲台ジャガーノートなど、企業も手を焼く攻め手や守り手も保有している。
因みに土着勢力だが惑星封鎖機構からは排除対象と見なされているらしく、しばしば攻撃を受けている。
実際インデックス・ダナムのアリーナ解説文にある通り解放戦線は「惑星封鎖の打破」を目標に掲げているうえ、コーラルが生命線のルビコニアンとコーラル関連施設を押さえている封鎖機構は利害が対立しているため、敵対関係と言ってよいと思われる。

過去作におけるインディーズユニオンマグリブ解放戦線らといった立ち位置だが、企業の傀儡だったり企業になすすべなく蹂躙されたりする事が多かったそれらと違い、総合戦力では複数の企業と正面から戦えるほど強大であり、企業にスパイを潜り込ませたり裏工作で各企業グループから技術供与を引き出したりと諜報や戦略の面でもかなり強か。
この辺りはfAORCA旅団、上述の宗教集団的な要素からはVDのEGFとも重なる所が見出だせる。

更に蜂起の理由も「コーラルを奪われればルビコニアンの食料源であるミールワームを育てられず、皆飢えて死ぬしかなくなるから」と至極真っ当かつ切実極まるものだった上、彼らを支援する各企業も同じルビコニアンの土着企業であるため謀略など皆無であり「所詮どこかの企業の傀儡だろう」と考えていた古参傭兵からは驚きの声も上がっている。

組織の警句は「灰被りて我らあり」「コーラルよ、ルビコンと共にあれ」

◎構成員

ネームドのACパイロット6名の名前は5本の指の名称(とその次の数字である6)が由来となっている。

サム・ドルマヤン


おそらくお前は…あの声を見るのだろう

CV:ふくまつ進紗
AC// アストヒク
ルビコン解放戦線の帥父と称される
歴戦の軍事指導者にしてコーラル神秘主義思想家

青年期を流浪のドーザーとして過ごしたドルマヤンは
アイビスの火を生き残った後 コーラルとの共生を
強く志向するようになる

彼の思想はやがて解放戦線の支柱となり
多くの戦士がそれに殉じた

ルビコン解放戦線の帥父(すいふ)*1と呼ばれる最高指導者。サムズアップの「親指」。
エンブレムは「天の川と天秤」で、アストヒクはアルメニアの神話における星空を司る女神の事である為、それにちなんだものだろう。
アリーナランクは解放戦線最高の4位と屈指の実力者だが、表舞台に姿を現さず「全ては消えゆく余燼」として完全に気力を失った厭世的な老人と化しており、現在はフラットウェルが実質的指導者として解放戦線を率いている。
彼の内心はミッション中に時折取得できる若き日の彼による随想録からある程度推察することができる。
詳細については個別項目にて。

インデックス・ダナム


我々ルビコニアンが屈することはない
鉄の棺桶で送り返してやる

CV:後藤光祐
AC// バーンピカクス
ルビコン解放戦線のゲリラ指導者のひとり

彼はグリッドの建造に携わる職工であったが
コーラルとの共生および惑星封鎖の打破を掲げる
帥父ドルマヤンの思想に共鳴し解放戦線に加わった

ダナムは清廉で士気も高く見敵必殺を誓う烈士だが
パイロット適性には恵まれなかった

ルビコン解放戦線のゲリラ指導者。インデックスフィンガーの「人差し指」。エンブレムは機体名通り「燃えるツルハシ」。
元はグリッドの建造に関わる職工でドルマヤンに感化され解放戦線の一派を率いる烈士だが、高潔な思想や演説家としての才能に恵まれた一方でACの操縦技能は持ち合わせなかった模様。
詳細については個別項目にて。

ミドル・フラットウェル


そいつは使われるだけの猟犬ではない
可能性が見えるのだ!

CV:藤井隼
AC// ツバサ
ルビコン解放戦線の実質的戦争指導者

帥父ドルマヤンに次ぐ重鎮であり、内部では帥叔の尊称を以て支持されている

彼には密偵として星外企業に潜伏していた時期があり
中でもシュナイダー社の人事部門には太いパイプを持つという

ルビコン解放戦線の帥叔と呼ばれる実質的指導者。ミドルフィンガーの「中指」。エンブレムは「空高く飛ぶ鳥」。アリーナランクも13位と中々強い。
過去にスパイとして星外企業に潜入していたらしく、とりわけアーキバス系列企業シュナイダーとは強いコネクションを持つ。
作中では着実に結果を残す621を評価し、ルビコン解放戦線を代表してある任務を依頼する。
詳細については個別項目にて。

リング・フレディ


偽りの名義で何をするつもりだ

CV:綿貫竜之介
AC// キャンドルリング
ルビコン解放戦線に参加する戦士のひとり

フレディは帥父ドルマヤンに近侍する男娼であり
他の同志たちとは一定の距離を置いている

彼はドルマヤンの精神世界を敬愛し
その孤独に寄り添うべく戦場に身を投じた

ルビコン解放戦線の戦士。リングフィンガーの「薬指」。アリーナランク21位。エンブレムは「環状のロウソク」。
ドルマヤンの思想に惚れ込み、男娼として周囲と距離を取りながら解放戦線に身を置いている。
アリーナではメーテルリンクやヴォルタ同様、ランク詐欺の一角を成している…
というか解放戦線のネームドではドルマヤンに次ぐ実力者と言っていいくらい。
詳細については個別項目にて。

リトル・ツィイー


欲に塗れた傭兵とは…違うんだよ!

CV:泊明日菜
AC// ユエユー
ルビコン解放戦線に参加する戦士のひとり

ツィイーの両親はコーラル採掘による富貴を求め
まだ乳児だった彼女を抱いてルビコンへの密航を試みた

墜落現場にて奇跡的に一命を取り留め
解放戦線の帥叔フラットウェルに保護された彼女は
ACのコアを揺りかごに育ち長じて戦士となった

ルビコン解放戦線のテロサーの姫女性戦士。リトルフィンガーの「小指」。
アリーナランク24位。エンブレムは「川から跳ねる鮭」。機体名は中国語でアカマンボウを意味する「月魚」をピンイン読みした物と思われる。
赤ん坊のツィイーを抱えてルビコンで一攫千金を狙った両親を墜落事故で亡くした過去があり、フラットウェルに保護され解放戦線で育てられた。
詳細については個別項目にて。

六文銭


三途の渡しの六文銭、しかと受け取れい!

CV:小西克幸
AC// シノビ
ルビコン解放戦線に身を寄せる流浪の独立傭兵

今では失われた古典芸能に造詣が深く
中でも「ニンジャ」 「カブキ」 といった日系移民文化は
六文銭のスタイルに強い影響を与えた

彼はかつて餓死寸前のところをツィイーに救われ
そのとき施された一宿一飯の恩義に報いるため
彼女ら同志に仇なすものを敵としている

ルビコン解放戦線に所属するルビコニアンニンジャ独立傭兵。5本指に続く「6」。エンブレムは「鏡写しの"忍"の一文字」。
忍者や歌舞伎といった大昔の芸能文化に影響を受けており、独立傭兵でありながら義理人情を重んずる(AC世界には)珍しい性格の持ち主。
ちなみに、同じ機体名のACがLRのアリーナにも登場していた。
詳細については個別項目にて。

アーシル


独立傭兵レイヴン
貴方に引き受けてもらいたい作戦がある

CV:浜田洋平
ルビコン解放戦線の一員。
普段は名前が出てこないが、解放戦線の仲介担当の人である。
彼がヘリを駆り出す「捕虜救出」ミッションの終了時には敢えて個人としてツィイー救出の礼を言うことから、二人の間には何かしら特別な感情がある様子がうかがえる。
いかにもレジスタンスという感じの愚直そうな青年だが、独立傭兵が相手でも礼は欠かず、頼り切りにしてしまう事を恥じるなど言動からは良識を感じさせる。
1周目では621に壁越えの一件があるものの「あなたが企業に雇われるだけの狗ではないと信じている」と解放戦線からの初依頼を出してくる*2ある意味凄い人。
しかも、ストライダーを破壊されたために解放戦線内部で慎重論が強くなり、異変があったBAWS第2工廠の調査を依頼する事になったにもかかわらず「身内の恥を晒すようだが助力して欲しい」と
ストライダー破壊の張本人である621に依頼してくる聖人かな?
さらにはツィイーを含む解放戦線メンバーを次々に殺している状態で依頼を受ける場合もあるが、その場合それを彼は知っているのか否かなどは定かではない。
本作では仲介担当者がAC乗りと兼任傾向なので(もっと言えば、ウォルター等も含めた「ブリーフィングに顔を出す人物」は彼以外何かしらの形でACに乗る)、意外と貴重な非AC乗りである。*3

メッサム


詳細不明。とあるミッションで捕虜の1人となっていた彼(彼女?)を救出に向かうのだが、
時既に遅く、企業からの過酷な尋問に耐え切れずに亡くなっていた。

救出に立ち会ったアーシルやツィイーの反応からして、戦線メンバーにとっても重要且つ親しい仲だったと予想される。

???


企業勢力内部でスパイとして諜報活動を行っている戦線メンバーの1人。
企業や封鎖機構に脅かされ続けているルビコニアンたちの真の夜明けを目指す熱意は強いものの、
思想に凝り固まって客観的な視点を失いがちな現在の戦線の在り方には不満を持ってもいる。
詳細についてはリンク先参照。(かなり重大なネタバレのため注意)


◎作中の動向

本編開始時点において、アーキバスとベイラムの企業間抗争のついでにちょっかいを出されたり、惑星封鎖機構にいじめられたりと、苦しい立場にある。

チュートリアルミッションでは封鎖機構の大型ヘリに追い回され、
チャプター1のミッションでも621の実績作りのために、移設型砲台や物資輸送ヘリ、多重ダム施設の変電設備を壊されたり、
重要戦力である武装採掘艦「ストライダー」や、重要武装拠点である「壁」及び防衛兵器のジャガーノートを攻略されたりと散々。
加えて621の立ち回り次第では下位とはいえランカーACパイロットの2名(ダナムとツィイー)が早々に撃破されるなど、戦力的に大ダメージを受けてしまう。

チャプター3では惑星封鎖機構が本格的な武力介入に乗り出し、アーキバスやベイラムと三つ巴の争いを開始。
そんな混乱の最中で621にも、壁の奪還のためにヴェスパーの隊長格の排除や、封鎖機構の特務機体の撃破などを依頼するようになる。
しかし、最終的にはアーキバスが封鎖機構の勢力を吸収し一気に戦力強化。ライバルのベイラムに大きく差をつけることとなり、
両企業と封鎖機構、纏めての消耗を見込んでいた解放戦線にとっても大きな逆風となってしまうことに。




◎拠点

武装採掘艦「ストライダー」
コーラル採掘と輸送のための移動拠点だったものを武装・改修したもの。
ユーザーの検証によれば実に全長約5km・全高約1.3kmに及び、シリーズを通しても最大級の巨大兵器と言える。*6
多数の砲塔やミサイル砲台が全体に配されているが、艦首に据えられた巨大レーザー砲台「アイボール」が最大の脅威。

▷「壁」
文字通り壁のような巨大建造物を中心に据えた要塞。元はルビコン3のベリウス大陸における物流の要衝であったらしく、中央にそびえる「壁」や街区を囲む外周壁に多数の砲台とMT、さらに守りの要として重装機動砲台ジャガーノートが配されており、主人公C4-621ことレイヴンの活躍で陥落するまで星外企業の侵攻を退け続けていた。
星外企業側でもこの要塞を攻略する作戦を「壁超え」と称して特別視していたことに加え、その「壁超え」のためにトップランカーを動員する予定であったらしいことからも、その防備の堅固さがうかがえる。

▷ベリウス本部
解放戦線の本部らしいが、ブリーフィングで一度言及されるのみで作中には登場せず、位置も不明。

▷中央氷原支部
ミドル・フラットウェルが自ら司令官を務めている支部。事実上の指導者が直接指揮を執るという意味では、中央氷原での戦いはかなり重要視されている模様。
エア曰く「中央氷原はルビコニアンにすら捨て置かれてきた」とのことなので、Chapter3で戦いの場が中央氷原へ移ったことに伴い新規に設置された拠点なのかもしれない。


◎関連組織

BAWS
古くからルビコン3に存在する土着企業の1つ。「顧客を選ばない」という経営姿勢から、アーキバスやベイラムのような星外系企業には当然頼れない解放戦線にとって貴重な戦力供給源である。
また、BAWS側も本当に単なる死の商人というわけではなく、敢えてそういった姿勢を演じつつあらゆる勢力に手を貸して得た資金を裏ではエルカノや解放戦線に流し、コーラルの井戸を星外系企業には隠匿してルビコニアン側に提供しているなど、云わば汚れ役を進んで担っているという一種の高潔さを併せ持っており、解放戦線がこの内情を理解しているのはもちろん、ルビコニアンの一般市民達ですら、表向きを掻い摘めば「星外系企業にも媚びを売っている」ように見えかねないBAWSに対して暴動を起こすような話題は一切ない事からBAWSの内情を理解している可能性がある。
最初期のフレームである「BASHO」シリーズを手掛けていることなどから考えるに、恐らくはアイビスの火以前から存在しているだろう老舗企業であり、となれば当然彼らもまた解放戦線と同じく大半がルビコニアンであるため、上下や利害の関係が存在しない、本当の意味での同志と言えるなど、歴代ACシリーズの企業としては非常に珍しい存在でもある。

エルカノ
こちらもBAWSと同じでルビコン3での活動を主とする土着企業。
解放戦線のネームドであるフラットウェルやフレディがエルカノのフレームを使っていることや、情報ログから得られる記載、何よりレイヴンの火ルート及びルビコンの解放者ルートの終盤で参戦するある人物の新型機のことなどもあり、BAWSと同じく解放戦線に強く肩入れしているのは間違いない。
BAWSの技術力不足をカバーする要であり、両企業が共同で開発したパーツなども見られる。一方でBAWSはエルカノを資金面で支える要となっており、互いを補い合うベストパートナーとなっている。
ちなみにBAWSとは違い基本は解放戦線が主な顧客のようだが、こちらもこちらでRaDと手を組むくらいにはヤンチャ。


◎余談

実は本編での立ち回り次第では、ネームドキャラの大半を生存させたままエンディングを迎えることが可能だったりもする。

唯一どうにもならないのがラスティなのだが、*7
直接手にかけることになるレイヴンの火ルートはともかく、ルビコンの解放者ルートでは死亡が断言されたわけではないので、
強引な考え方によっては彼もどうにか生き延びており、解放戦線はフルメンバーでその後も企業勢力との徹底抗戦を続けていると考えることもできるだろうか。





追記・修正はコーラルと共にありながらお願いします。

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最終更新:2025年05月21日 11:01

*1 「師父」ではなく「帥父」

*2 2周目以降でも流れ自体は同じだが、これ以前に解放戦線の依頼を引き受ける機会がある。

*3 忘れられがちだが、「捕虜救出」でヘリに乗り込んでNPCになるので非戦闘要員ではない。

*4 飽くまでも自分たちが生き延びるための資源としてコーラルを守りたいと考えるルビコニアンたちが、エアのような変異波形の存在を知ったらどうなるかはプレイヤー間でも議論されている。

*5 というのも、ドルマヤンが死んだ時点でも解放者ルートへの到達は問題なく可能なので、彼の死で大きな影響があったようには見えなくなってしまうため。

*6 過去作に登場したものではACfAのグレートウォール(全長7km、全高600m)などが存在するが、演出上の「巨大感」は間違いなくトップと言える

*7 「賽は投げられた」ルートでは生死不明とはいえ、上述したようにエンディングの結果がアレなので生存云々どころの話ではない。