六文銭(ACVI)

登録日:2024/10/20 Sun 09:03:14
更新日:2025/05/19 Mon 19:55:59
所要時間:約 7 分で読めます







一飯千金
今こそ同志ツィイーの
恩義に報いる時なり!



六文銭(Rokumonsen)とは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物。



プロフィール


所属:独立傭兵
肩書:ACパイロット
搭乗機:AC「シノビ」
アリーナランク:18/D

CV:小西克幸

  • アリーナテキスト
ルビコン解放戦線に身を寄せる流浪の独立傭兵

今では失われた古典芸能に造詣が深く
中でも「ニンジャ」 「カブキ」 といった日系移民文化は
六文銭のスタイルに強い影響を与えた

彼はかつて餓死寸前のところをツィイーに救われ
そのとき施された一宿一飯の恩義に報いるため
彼女ら同志に仇なすものを敵としている

人物

ルビコン解放戦線に身を寄せている独立傭兵。
正規メンバーではないのだが、過去に餓死寸前の所を戦線メンバーのリトル・ツィイーに助けられ、その恩義に報いるため解放戦線の協力者として活動している。
血と硝煙に塗れ自己利益のための裏切り合いが日常であるACシリーズ世界においては逆に珍しいタイプの人物といえる。

本人はルビコンの裏社会において殺し屋として名が知られる実力者らしい。
そして、何故か「ニンジャ」「カブキ」といった日系文化に造詣が深く、戦闘中もそれらの要素に通じた芝居がかった故事成語を多用するのが特徴。
BAWSのパーツ名といい、ルビコニアンの中では日本文化が流行っているのだろうか?
これについてエアは「一種の攪乱戦術」と分析しており、実際に威圧効果もあるとは思われる
…のだが、いくら作中の出番が少ないとはいえ散り際までこの調子なためプレイヤー間では専ら「たぶんあれは素」「エアちゃんの深読み」などと評されている。
イメージ的には「創作における日本知識のステレオタイプに被れた外国人」まんまであり、誰が言ったかルビコニアンニンジャ

本編における出番は1ミッションだけの上、選択肢次第ではそもそも登場しないなど出番はかなり少ない人物だが、
同ミッション本来のターゲットであるスウィンバーン共々ネタ要素に事欠かないキャラだったため、
少ない登場時間で抜群のインパクトをプレイヤーに残している。

アリーナのランクは中堅下位程度の18位だが解放戦線内ではドルマヤンフラットウェルに次いで第3位と高く、プレイヤー視点でもランク相応どころかそれ以上の強敵と評されている。
客観的に見てもツィイーが六文銭を協力者として引き込めたのは、組織の戦力的にも僥倖だったと言えるだろう。

作中での動向

チャプター3

ミッション「ヴェスパー7排除」

作品内でもトップクラスにネタ要素満載と名高いミッションにおいて登場。
ルビコン解放戦線からの依頼で、現在の「壁」における現場指揮官たる、アーキバスの第7隊長スウィンバーンの暗殺を行うスニーキングミッション。

詳しくはスウィンバーン自身の個別項目も参照してほしいのだが、彼の「会計責任者である自分が報償をやるから見逃してくれ(意訳)」という命乞いに応じることで目標を見逃す展開になるのだが、これは依頼主であるルビコン解放戦線に対する明確な裏切り行為に他ならない。


信義により立つ任務の不履行
万死に値する

三途の渡しの六文銭
しかと受け取れい!

解放戦線側もこのような可能性を考慮していたらしく、唐突なムービーと共に六文銭と彼のAC「シノビ」がエントリー介入。
621は自身の裏切り行為が災いし殺し屋との連戦を余儀なくされる。
「ドーモ、レイヴン=サン。六文銭です。契約不履行者殺すべし!イヤーッ!」


不義にして富み
かつ貴きは浮雲のごとし

雇われよ
ルビコンの土となれい!

不義なるも非才にあらず
油断まかりならん!

一宿一飯の恩義に報いるため戦う六文銭にとって621の裏切りは許し難いものだが、不義理者であろうとヴェスパー部隊第7隊長を追い詰めた実力者であることを冷静に分析し、六文銭は油断なく全力で排除にかかってくる。
そしてある種の芝居がかった言動を見てエアも「一種の攪乱戦術」と警告し、両者の激闘が続いていく。


利によりて行えば怨み多し

不義なる雇われよ
コーラルと共にあれい!

結果として闘いを制した621に対して「貴様は怨みを買い続ける、ルビコンの血の河に沈むがいい」と負け惜しみとも警告とも取れる言葉を残し、六文銭は機体と共にしめやかに爆発四散した。



いろんな人がいるものですね

そして雪原に1人佇む621の横で感慨深そうにエアは呟く。
プライドを捨て命乞いをするスウィンバーンに、躊躇なく依頼主を裏切った621、不義理を責めて乱入してきた六文銭。
正にいろんな人がいたという他無い、不思議なミッションであった。

スウィンバーンに騙し討ちを仕掛けて始末した場合、平然と不意打ちをかました621の姿に六文銭は何を思ったのか

搭乗機体


AC シノビ


画像出典:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ゲーム画面 アセンブリ
© フロム・ソフトウェア 2023年8月25日発売

  • 機体構成
部位 パーツ名 製造元
頭部 EL-TH-10 FIRMEZA エルカノ
コア 07-061 MIND ALPHA オールマインド
腕部 EL-TA-10 FIRMEZA エルカノ
脚部 EL-TL-10 FIRMEZA
右手武器 SG-026 HALDEMAN ベイラム・インダストリー
左手武器 44-143 HMMR オールマインド
右肩武器 45-091 JVLN BETA
左肩武器 MA-J-201 RANSETSU-AR BAWS
ブースター BST-G2/P06SPD ファーロン・ダイナミクス
FCS FCS-G2/P05
ジェネレータ DF-GN-06 MING-TANG 大豊核心工業集団
コア拡張 パルスアーマー

エンブレムは「鏡写しの"忍"の一文字」。
鏡写しなのは意図的とも考えられるが、ルビコン3は太陽系外惑星であり文化の遺失がある様子を踏まえると、漢字が正しく伝わっていないという可能性も考えられる。
背景には六文銭をイメージしたと思われる6つの黄色い丸が描かれているのだが、これもよく見ると穴が空いていないただの丸で、こちらも文化の欠落を示唆するものとなっている。

エルカノのフレーム「フィルメザ」をベースに、コアをオールマインド特製のマインドアルファに組み替えた軽量二脚機。
武装としては左腕のプラズマ機雷投射機と右肩の連鎖爆発ミサイルがひときわ目を引く。
連鎖爆発ミサイルは大きく迂回した後、軌道上に横に広がる爆風を散布する独特の攻撃範囲を持つ。
プラズマ機雷投射機は云わばエネルギーウィップとでも呼べるかなり特異な武装で、普通に使うと鞭のようにしなりながら敵に連撃を浴びせ、チャージ後に起動させると前方にエネルギー爆発の帯をばら撒くという、これまた他にない攻撃方法となっている。

これらのオールマインド製武装は意外にも衝撃力がかなり高く、下手に浴びるとあっという間にスタッガーに陥ってしまう。
特にプラズマ機雷投射機はFIRMEZA腕の近接適正の高さもあってかなり痛い上、こればかりに気を取られているとミサイルの爆風に引っかかりやすい。
その上六文銭自体が隙あらばブーストキックを狙ってくる行動傾向もあって、奇抜な武装と舐めてかかるのは非常に危険。
勝利するにはミサイルやプラズマの爆発範囲、攻撃の挙動に対しての理解が求められる。

ミッションで登場した際はリペアキット3回と拡張のパルスアーマーをフル活用してくるため、軽量二脚機の割にはかなり粘り強い。
スウィンバーンとの前哨戦でどれだけこちらのAPと武器弾数を温存できるかも重要になってくるだろう。
しかも六文銭にやられてしまった場合、少なくともスウィンバーン戦からに戻されてしまう。バトルログ&ステッカー回収と言う意味なら本作でもわりかし難易度の高い方。
逆にリプレイミッションのSランク取得だけ見れば戦闘を回避できるのは救いか。



余談

情報ログの一つである「STVの画稿(1)」では解放戦線のメンバーたちと思わしき者たちが描かれている。
その中の1人にツィイーらしき女性から食べ物を差し出されてるグラサンオールバックのヤクザめいた偉丈夫というインパクト特大の人物が混じっており、これが六文銭なのではと専らの噂。
なおこの人物、狙ってるのかなんなのか他と比べてかなり鮮明に顔が描かれている。主人公すら素顔が不明な本作においてこの扱いはある意味破格の待遇だろう。

項目内でも述べてきたように、彼のセリフは中国故事や古典の引用を用いた独特のものが多い。これを何語で話してんだ?というのはともかく。
決してにわかオタクではなくちゃんと古典文化の教養があることが伺え、その経験などから解放戦線の警句の真実に勘付いていた可能性もうかがえる。

+ 六文銭語録
  • 不義にして富みかつ貴きは浮雲のごとし
    • 汚いやり口で得た財産や地位なぞ、浮雲の様に儚いぞ
  • 一飯千金
    • 一膳程度の食事だろうと、千金に値する価値と恩義がある
  • 鞍上人なく鞍下馬なし
    • 人が馬を、馬が人を気にする必要がないほどに両者が一心同体である
  • 利によりて行えば恨み多し
    • 自分の利益になるかならないかだけで動けば沢山の人を害し続け、恨みを買いまくるだけだ
  • 道を失えば助け寡なし
    • 常に道理を通した行いをする者は色々な人が助力してくれるが、そうじゃない奴は誰の手も借りられず孤独を強いられるのみ


スウィンバーン騙し討ちルートの621にも刺さるのがチラホラあるが気にしたら負け

また、プロフィールや本人のセリフにあるように、彼の行動原理は命の恩人であるツィイーへの恩義が何よりも大きいのだが、
肝心のツィイーが621と敵対し散ることになる「戦闘ログ回収」のミッションで応援に現れるようなことは無い。

協力者とはいえ飽くまでも独立傭兵のため、その際は彼が駆けつけることができない事情があったのだろうと見るのが普通であるが、*1
ストーリーの流れによってはそんなツィイーの仇である621が平然と解放戦線の依頼を受けた挙げ句に裏切り行為まで働いたとなると、
敵対した際の彼の621に対する内心は如何ほどのものだったのだろうか…

因みに搭乗ACのシノビのパーツを見ると、コアとプラズマ機雷投射機、連鎖爆発ミサイルと、オールマインド製のパーツを複数使用しているのがわかる。
その他の作中使用者であるスッラオキーフイグアスの3人は皆、何かしらの形でオールマインドの思惑と関わりのあるキャラのため、
「六文銭もオールマインドの協力者、もしくはそうだった時期があるのでは?」という考察の声も多少あがっている。*2

奇矯ながらも渋くいい声の人物だが、それもそのはず。中の人はドリルで天元突破したりド派手にキメる鬼殺隊の音柱だったりで有名な小西克幸氏なのだ。メーテルリンクしかりホーキンスしかり、1ミッションだけの敵に有名声優をブチ込んでいくフロム。
氏は過去にもフロム作品でとあるキャラを演じているのだが、それはなんとBloodborneに登場した血族狩りアルフレート
爽やかな好青年(ただしとんでもない狂気持ち)と渋いニンジャという正反対の役を演じ分ける氏の手際は、まさしくベテラン声優の貫禄だろうか。






三途の渡しの追記・修正、しかと行えい!

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  • ニンジャ
  • 濃すぎるキャラクター性
  • 隠れた強キャラ
最終更新:2025年05月19日 19:55
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*1 ゲーム的な都合で言えば、あんな序盤のミッションで六文銭まで増援に来たりしたら少なくないプレイヤーが詰みかねないというのもある。周回後の条件で変化する同時期のミッションが「捕虜救出」なので、621が「戦闘ログ回収」を受けていた場合は裏でG2 ナイルと戦っていたという説もある。

*2 とはいえ、オールマインドが自身製作の特殊パーツを褒賞として渡しているのは「バトルログ回収プログラムの協力者」であり、彼女の真の目的に関与していなくても十分あり得るため、深読みだろうという反論もある。