登録日:2024/10/27 Sun 01:11:08
更新日:2025/04/08 Tue 01:33:28
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概要
『知恵かり』のハイラルにおいて古くから引き起こされた「神隠し」、そして裂け目騒動の元凶。
ハイラルの伝説に残る、
力・知恵・勇気の三女神によって封印された過去を持つ。
一人称は名前そのままで
「ヌゥル」。
見た目は黒いモヤに異形の手足を生やした、不気味な造形の持ち主。
モヤに包まれた本体の形は具体的に描かれていない。
最終決戦(後述)ではハッキリとした姿を見せるも、その経緯を踏まえると真の姿と言うよりも変身に近い。
地上世界に「裂け目」と呼ばれる、黒い穴を生み出す能力を持つ。
裂け目に飲まれたものは物質、生き物を問わずヌゥルの領域「無の世界」に取り込まれ、生き物に至っては活動を停止。
そのまま長く放置されれば消滅してしまう。
仮に生還したとしても、後遺症によって言葉を喋れなくなる上に人が変わったような無気力に陥る。
これにより、普通の人間がヌゥルの姿を見ることや、見れても伝えることは実質不可能となっている。
ただ、封印されている都合もあり、自由自在に裂け目を操れるわけではない。
狙った場所に出すことはできるが、一気に地域全体を飲み込むほどの勢いまでは出せない模様。
これ以外にも裂け目に取り込んだ生物のニセモノ……
ゼルダ側で言うところの「カリモノ」を生み出す能力も行使できる。
魔物に留まらず、人間さえも同様に作れる。
カリモノとヌゥルは独立しており、自分の意思で喋れるが、彼らは全員ヌゥルに従うだけの操り人形と同義。
作中ではこのカリモノを巧みに使い、卑劣な策の数々を講じた。(後述)
性格
元々自分だけの何も無い世界に生まれたこともあってか、何よりも孤独を好む。
しかし、その本質は己以外の命が在ることを認めない排他主義の極み。
他の命はヌゥルにとって「心地よい世界」を阻む不要物であり、それ以上も以下も無し。どんな性質、どんな生き方をしていたとしても価値を見出すことはない。
強いて言えば、目的の為に他者を利用することはある程度。
天上天下唯我独尊などといった生易しいものではなく、見下すとか嘲笑するとか以前に
他者の存在そのものを必要ないと全否定している。
思想を改める気は一切無いし(故に封印されても大人しくしなかった)、行動原理は常に「今ある世界を無に帰して、自分だけの生きやすい世界を取り戻すこと」で終始一貫する。
そのため、
ゼルダをはじめとする数多の生命との対話や相互理解、ましてや共存は絶対に不可能。
たちの悪いことに、自分だけの世界を取り戻す過程であれこれ試行錯誤し、策を練るぐらいの知性は併せ持っている。
情報収集を行って障害と成りうる可能性があればその芽を摘み取り、逆に必要ならあえて泳がせ機を窺うなど非常に厄介。
存在するだけで世界に生きる全ての命を脅かす、不俱戴天の敵。
それがヌゥルという怪物である。
作中の動向
本編前
天地創造が行われる前、何もない真っ暗な世界に存在していた。
そこでは時折、他の命が生まれることもあったが、自分だけの世界を享受するヌゥルはそのたびに命を食らい、排除していた。
居るだけで他の命は貪り食われ、未来も発展も無いのは明らか。
この身勝手で醜い所業を見かねた三女神は、なんと
天地創造を行ってこれを封印。
ヌゥルと周りの領域を世界で上書きしてしまうという、
封印されしものが聖地でダイナミック封印(物理)された時以上の力技である。
空と大地……新たな世界が創られたことで、ヌゥルは臭いものに蓋をされるかのごとく無の世界に閉じ込められたのであった。
当然、これを不服として世界に裂け目を生み出し破壊しようと試みる。
三女神も精霊のトリィたちを遣わして、その度に裂け目を修復させて対抗した。
……だが、その程度で抑え込めるほどヌゥルは甘くなかった。
トリィたちの力に目をつけると、長い時間をかけて彼らを捕獲していき裂け目の修復を妨害。
更に何処かのタイミングで「
大いなる力」や「知恵の姫巫女と勇者」の伝承を知ったらしく、自分の脅威となりうる素質のある子供たちを標的に裂け目へ引きずり込んだり、カリモノの黒い魔物をけしかけたりするようになる。
しかし皮肉にもその過程で、
リンクというイレギュラーが誕生。
言葉を失ってなお無気力に陥らず、黒い魔物への対抗手段「力の剣」を持ち、無の世界でも自由に動ける特異体質の彼によって、神隠しに遭った人々を助けられるなど邪魔を受けてしまう。
そして本編開始前、ヌゥルは青い魔物……魔王
ガノンのカリモノを生み出し、ゼルダ姫を拉致させた。
事態を知ったリンクが助けに向かう所から本作の物語が始まる。
本編
カリモノのガノンはミナミノ遺跡にゼルダを連れ、クリスタルに閉じ込め、最深部でリンクと激突する。
彼が到着した際には「また貴様か」と意味深にぼやくのだが、この時プレイヤー視点ではまさかカリモノだと知る由もないため、歴戦のファンには勇者と魔王の因縁自体が一種のミスリードとしても機能した感がある。
しかし、それまでのヌゥルの行動を考えれば、恐らくリンクとの勝敗は重要ではなかったと思われる。
何故なら対決前に「二人とも道連れにしてくれる」と発言しており、明らかに敗北前提で事を進めようとしていたから。
つまりここで勝てれば儲けもの、負けても裂け目を残してゼルダかリンク、またはその両方を引きずり込めればそれで良し。
どっちに転がろうと、最低片方は無力化できる公算の高い二段構えという構図なのであった。
敗北したにもかかわらず、ガノンが不敵に笑って消滅した真意がここにある。
実際にリンクはガノン討伐で油断が生じたのか、拡大する裂け目に反応が一歩遅れ、なすすべなく飲まれてしまう。
が、最後のあがきでクリスタルにヒビを入れ、結果的にゼルダは解放された。
この時にリンクから力の剣、弓矢、バクダンを奪って弱体化させることには成功。それぞれ彼のカリモノ達に与え、後にゼルダへの刺客として差し向けた。
結局、肝心のゼルダは1体だけ捕獲し損ねていたトリィの導きで、裂け目の拡大から無事逃げおおせる。
引きずり込んだリンクも脱出に向けて無の世界で活動を続けていたが、これ以降もヌゥルはハイラル各所で裂け目と異変を引き起こし、暗躍を重ねていく。
裂け目を消して回るゼルダに魔物をけしかけながら、物語中盤、無の世界に取り込んだハイラル城でガノンが敗れると自ら登場を果たす。
まさに帰還しようとする直前のゼルダとトリィを奇襲するが、颯爽と駆けつけたリンクに棒きれ一本で後退させられる。
しかし、逆にリンクをクリスタルに閉じ込めて無力化に成功。
またしてもゼルダは取り逃すも、今度は脅威となりうる「
大いなる力」をゼルダ姫が得ないよう、三女神と関わりの深い各所に裂け目を生み出して妨害を図った。
それでもゼルダの活躍は止められず、その過程で三女神にヌゥルの存在を暴露され、「大いなる力」を得る資格の証まで3つとも集められてしまう。
……だが、実はこれこそヌゥルの思惑通り。
真の狙いとは「三女神から証を与えられたゼルダ姫」のカリモノを作り、大いなる力と接触することだったのである。
まんまと敵の思惑に乗せられたゼルダはヌゥルの不意打ちを受け、生成されたカリモノに始末されかける。
再三に渡ってトリィが彼女と逃走したので始末し損ねたが、この隙に本物より先んじて「大いなる力」との接触を果たしてしまった。
ずっとずっと 遥かな昔…
ヌゥルは 無の世界をただよっていた
ヌゥルだけの 心地よい世界。
ヌゥル以外は なにもいらない世界
三女神が 世界を作ったせいで
ヌゥルの 心地よい世界が 奪われてしまった
世界を何度壊そうとしても 三女神のしもべの力で
すべて元どおりにされてしまう
だけど この力さえあれば…
すべてを 無くすことができる…
心地よかった原初の世界への執着を覗かせ「この世の すべてを 無にもどしなさい」と願いを叶えようとしたが、カリモノ故に十分な資格が無いことを見抜かれたせいか、3つの欠片に分裂してしまう誤算に憤慨する。
2つは本物とカリモノに宿り、残る1つは無の世界へ渡っていく。
その渡った1つがリンクに宿った可能性を感じ取り、ゼルダから奪うのは最後にしてやると宣言して無の世界に撤退。
大いなる力が この場に集った。
すべて ヌゥルさまのものよ
無の世界で本物とカリモノのゼルダ姫が激突した末、負けたのはカリモノの方であった。
しかし、カリモノがヌゥル本体へ逃げ込んだことで、いよいよ世界消滅は王手が迫ろうとしていた。
暗躍
特筆すべきは引き起こした異変の中でも、他者の心理につけ込んだり騙したりなどを交えた、簡単に解決されないことを狙った狡猾な計略が多いことだろう。
過去作の黒幕たちと違って積極的にアクションを起こしており、直近で言えば『
TotK』の
ガノンドロフに近い方向性がある。種族単位で害をなすという点でもガノンドロフと似ている。
以下はその計略の一部。
- ハイラル城で裂け目を作り、カリモノでゼルダ姫を追い込む
冒頭から少し経った後の出来事。
裂け目の挙動からして当初はゼルダ諸共に取り込む予定だったと思われるが、ハイラル王が咄嗟の判断でゼルダを突き飛ばしたためここでも仕留め損ねる。
そこで取った手段が、裂け目に落ちたハイラル王たちのカリモノを生み出すことだった。
彼女が裂け目を生んだ元凶だと兵士に虚偽の証言を行い、実の娘を告発するのが心苦しいかのような演技までしながら投獄を指示した。
牢屋に捕らえた後も慢心はせず、ゼルダの処刑準備を急がせ、トリィとインパの手引きによる脱獄後も指名手配を実施するなど、権力者の立場をフル悪用。この指名手配書の似顔絵が名誉棄損レベルでひどすぎるともっぱらの評判
更には臣下らがゼルダに救出されても、本物を証明する合言葉を先に作って本人証明すら妨げるという徹底ぶり。
本物がニセモノを見分けるために合言葉を設定することはあっても、ニセモノが本物を偽るために設定する作品はそう多くないだろう。
ジャブール水域の精霊こと
ジャブジャブさまのカリモノに暴れてもらうという、一見するとパワープレイな悪行。
だが、この一帯で海と川に生息する海ゾーラ、川ゾーラの族長らはよく仲違いすることで有名だった。
この時も両者が勝手に仲違いしていた上に間の悪いことに仲違いが長期化していた為、裂け目を生んだ後もわざわざ族長、または身内のカリモノを作らずとも後手に回ってくれた。
ゲルド砂漠では族長の側近をカリモノと入れ替え、聖域に生じた裂け目から魔物が湧き出す事態に
「聖域を地中に沈め、とにかく魔物を討伐し続ければいつか裂け目は消える」
という真っ赤なウソで兵士たちを動かし、問題の本質から遠ざけた。
これは既にゼルダがミナミノ遺跡の裂け目を消したことで、他の裂け目を消されまいとする妨害工作の意図もあった。
終わりの見えぬ戦いで兵士たちを心身ともに追い込み、族長の娘が打開のために進言しても難癖をつけ、族長が心を動かされないよう頑なに信じ込ませて立ち回るなど実に陰湿。
ちなみにこのカリモノ、後に救助された本物とは口調が似ても似つかなかったりする。またどう考えてもそこまでする理由は無いのにゼルダと族長の娘を投獄すべきと進言するなど怪しい言動も目立つ。
ハイラル王や後述のゼルダの時はそれらしく振る舞っていたのに、何故こいつだけ雑なのか……。
- デクナッツ族にわたあめブームを仕掛け(?)、甘味の虜にして危機感を鈍らせる
元々フィローネ湿原のデクナッツ族は流行を追いかけ、踊らされる傾向の強い、どこか単純な気質の種族なのだが、ヌゥルはそこに目をつけた(?)。
派遣したカリモノの魔物・
ゴーマが吐き出す糸はデクナッツ族にとっては甘くて美味しいらしく、それにハマったデクナッツ達はゴーマの糸で作ったわたあめに夢中になり、ゼルダ達が到着した時点でデクナッツ族はほぼ糸わたあめに支配されてしまった。
おいし岩ならぬおいし糸。
……なんか他と被害の方向性ちがくない?
いかんせん本作のデクナッツ族がデクナッツ族なので勝手に魅入られたと言った方が正しいのだが、どこまでが意図通りなのか、あるいは本来の侵略意図が何だったのかは不明なものの、とにかく、見事に糸の味にハマってくれた。
しかも会員証の導入によって限られた一部のデクナッツしか糸わたあめを食べられなくなり、特別感は高まり、彼らはますます夢中になっていく。
結果、デクナッツ族は裂け目のことを「甘いものを生み出す黒いイガイガ」と好意的に捉えるようになり、裂け目に家を飲み込まれる被害が起きても逆にその被害者を「羨ましい」などとのたまい、全く現実が見えていなかった。
挙句の果てに、ゼルダが裂け目を消すと「黒いイガイガを消される=わたあめが無くなる」と別の方に危機感を抱き、あろうことか悪者認定して投獄する始末である。
なお、描写の限りだとゴーマの糸は別に洗脳効果があるわけではない様子。
つまり呆れたことに、彼らの言動・行動はわたあめ中毒によるものとかではなくシラフの疑いが極めて強い……。
この他にも、ゴロン族の集落を直接裂け目に飲み込んだり、ゼルダの協力者となり得るヘブラ山の獣人にカリモノで作った魔物をけしかける等の直接的な妨害も行っている。
ただ、用意周到に策略を進める一方、無計画に裂け目を広げるせいでニセモノ達のせっかくの作戦を無駄してしまうようなことも度々やらかしている。
例えば、上記のゲルド地方の場合、せっかくニセモノにより現地兵を騙せていたにも関わらず、裂け目を広げすぎたせいで怪しまれてしまっている。
裂け目の拡大を制御できていないのか、あるいは、ニセモノを従えてはいてもその作戦までは気を回さなかったりするのだろう。
ヌゥルの本体
無の世界に潜むヌゥルの本体とは、ハイラル城を包み込めるほどの超巨大な黒い球体。
心臓にあたるコアはその体内にあるのだが、強力なカリモノの魔物たちも大量に潜んでいる。
しかも残りのトリィの仲間たちも囚われており、ヌゥルにカリモノの力が行使できたのも彼ら精霊を大量に取り込んだ結果であった。
ラスボスでありながらそれ自体が本作のラストダンジョンも兼ね、「ヌゥルの体内」という小規模の迷宮が構築されている。
内装はまさに生物の体内といった有機的な造形。
BGMも静かで怪しい雰囲気に満ちており、より一層の不気味さを引き立てる。
一度入ったら後戻りできず、ヌゥルのもとに辿り着くまで複数回の戦闘や謎解きを挟む。
ここでは解放したリンクと共闘することになり、その際にお借りした装備を彼に返すので、以降は剣士モードが使えなくなる。
リンクと二手に分かれた部屋ではゼルダがうまく立ち回り、リンクを導いてあげるのがコツ。
ダンジョンと言っても一本道なのと、ラスボスの前哨戦に相当するパートなのでそれほど時間はかからない。
後戻り不可を考慮して、事前にスムージーをしこたま量産して妖精のビンも完備しておくと安心。被ダメージ2倍の辛口モードでは特に大事。
金の卵が余っていて、ねむり道場も極めた後であれば惜しみなくスムージーの材料に使ってもいいだろう。
当然、リンクに装備を返すとゼルダはリンクに変身できなくなるため、エネルゲージを回復するスムージー効果は無駄になってしまう点に気を付けたい。
知恵の姫巫女に 勇者…
ヌゥルを邪魔する いまいましい存在め…
ヌゥルを 閉じ込めた女神ども…
貴様らの力で 世界を無にそめてやる!
最深部に到達すると、待ち受けていたヌゥルのコアはカリモノのゼルダ姫を食らって、遂に「大いなる力」の1つを取り込んでしまう。
たちまちヌゥルに力がみなぎり、ハイラルはそれまでの比にならない超巨大な裂け目が出現。
だが まだ足りない…
もっと ほしい… もっと よこせ…
大いなる力の強大さを理解、魅入られたヌゥルは残る2つの欠片を欲し、ゼルダとリンクに最後の戦いを仕掛ける。
戦闘
第1段階
コアはまるで腐り落ちたトリィのような姿をしており、そこから細長い怪物の腕が3本生えている。
この腕を叩きつけ、跳ねるように這う腕型の弾を発射するのが主な攻撃パターン。
時々姿を消し、壁から腕を生やすことがある。壁の腕は弾以外にも毒沼を生成してくるので注意。全滅させるまでヌゥルは出てこない。
ヌゥルの隙を作るには、生えている腕を全部切り落とさねばならない。
腕の根本には筋繊維だけのような柔らかい弱点があり、シンクで引っ張ってやればこの部位を晒すことができる。
弱点を攻撃することによって、普通に腕を叩くだけよりも大ダメージが与えられ、すぐに千切れる。
ここはカリモノに手伝ってもらっても良いが、すぐ目の前に最高のパートナーがいるのだから遠慮せずに手伝ってもらおう。
一定ダメージを与えると、崩れた体でうわ言のようにヌゥルが呟いて逃走。
後を追うもリンクは腕の足止めを食らってしまい、ゼルダ単独で追撃することに。
第2段階
広大な水中の通路(ヌゥルの血管の中だろうか?)で、精霊たちを取り込みながら逃げるヌゥルを追いかけて戦う。
スイートスタッフ戦を思い出す人がどれだけいるのだろうか
水中は放っておくと酸素ゲージが減るため、泡に触れて補給するか、対策用のアクセサリーやスムージーで対処すること。
今度も腕が3本生えているが、引っ張る必要はなく幾らか攻撃するだけで引っ込む。
ヌゥルは腕に掴んだ精霊たちを利用し、カリモノの黒い魔物をどんどん生み出しながら逃走を続けるため、気を抜くとすぐに突き放されてしまう。
しかし一番厄介なのが「水中」という環境。
陸上型のカリモノは水中だと溺れ死んでしまい、ライネルやタートナックLv3といった超強力な近接系カリモノですら使い物にならない。
環境上、水棲型のカリモノしか使えなくなるのだ。
おまけに割と攻撃が激しく、水中ボスのウズヨビのカリモノで渦潮を生み出し、広範囲をたびたび遮ってくるので、ヌゥルを攻撃しようとしてもカリモノがことごとく狩られかねない。
水中戦としては得手不得手が出やすいと思われ、プレイスタイルによってはここが一番の鬼門。
既に述べたようにリンク変身が不可、なおかつリンク本人も不在の状況につき、剣のゴリ押しが封じられていることも痛い点である。
この戦闘で頼りになるのが「ガブフィン」のカリモノ。
彼らでさえ渦潮には無力なものの、体力が多く雑魚程度なら耐え、攻撃動作に生じるダメージ間隔も短い、呼べばすぐに突進してくれる……と、この上なく相性が良い。
きちんと敵の攻撃をよく見てかわせば、決して勝てない相手ではない筈。
ヌゥルを追撃し続けることで元の部屋に戻り、リンクとも合流。
大いなる力を更に引き出したヌゥルは腕を5本に増やし、精霊の顔が幾つも生えた醜悪な姿と化して最終決着になだれ込む。
第3段階
腕が第1段階よりも増えているが、やることも第1段階と同じ。
ただ、今回も腕に掴んだ精霊たちを使い、黒い魔物を雑魚・ボス問わずたびたび召喚する。
ボス魔物たちは雑魚と違い、攻撃演出としての出番なので倒すことはできない。
これがなかなか激しく、一度に同じ個体が複数出現する、異なるカリモノで攻撃の複合も当たり前。
更にボスの召喚時はヌゥルが姿を消す関係で、タイミングが悪いと腕を切り落とす前に逃げられることもよくある。
その代わり、精霊を掴んでいる腕は弾を飛ばして来ず、召喚実行までヌゥルが隙だらけなのもあって第1段階より簡単とも。
そして精霊の腕が無ければ召喚もして来ないので、優先して狙うと一気に弱体化を図れる。
ヌゥル自身の攻撃パターンもカリモノ召喚以外に少し増えており、地面の黒い渦が追いかけて拘束を狙ってくる。
壁の腕をシンクで引っ張っている最中に狙いすましてくるため、周りにも要注意。
捕まってしまっても慌てず、鉄球兵等の火力の高いカリモノを使って拘束を破壊してもらおう。
顛末
極限まで追い込まれたヌゥルは、露出した大いなる力の欠片をシンクで引き剥がされ敗北。
ゼルダとリンクに宿っていた欠片も飛び出し、黄金の聖三角として元の形を取り戻す。
死に体のヌゥルはこの期に及んで執着するも、大いなる力に触れたのはゼルダとリンク。
取り込んだ精霊を全て放出させられ、最後まで欲した大いなる力の光を浴びながら完全消滅するのだった。
余談
- 前述のようにヌゥルは、ガノンのカリモノを表向きの黒幕に仕立てていた。そうなると、逆説的にガノン本人も無の世界にいることになる。
- 結局、本編中ではガノン本人やその痕跡は出なかったわけだが、仮に存在してもヌゥルと絶対に相容れないことは想像がつく。
何せガノンは、いつの時代も基本的にハイラル支配を目指していた悪の権化。そのハイラルの消滅を目論む輩なぞと手を組む道理が無いのだ。
ヌゥルが彼を無力化した(上で利用した)のは、本編の動向と照らし合わせると横槍を防ぐため排除を兼ねた、とも見れるようになっている。
- 発売前は当然ながらヌゥルの情報が一切伏せられ、ガノンが謎を握る中心人物かのように強調されていた。背景でリンクと一緒に並んでいるメインビジュアルもそれを巧妙に助長した格好である。
そのため、彼が何らかの力を手に入れたのだろうと思ったプレイヤー達はガノンのカリモノ発覚に予想を外し、じゃあ誰の仕業なのか……と謎めいてきた矢先のおぞましい怪物に驚愕することとなった。- 実はゼルダの伝説シリーズにおいて「ガノンと見せかけた真の黒幕」に就いたキャラクターはヌゥルが初めて。
大抵の作品で黒幕は最初から一貫していることが多く、むしろ真の黒幕ポジションはガノン(ガノンドロフ)の方が古くから実績を持っている。
- 名前の由来はもちろんラテン語で「無」を意味する「nullus」である。だが創生以前からの存在であることを考えると、プログラミング用語の「何も無い」を意味する「Null」も含まれているようである。というか、英語版の名前はまんまコレである。
- 任天堂系列で同じ由来の名前だと、過去に「タイプ:ヌル」が登場している。
またプログラミング用語には類似の単語に「Nil」というものがあり、これも含めると「破神エンデ・ニル」もまた名前が同じ由来ということになる。
通報に アク禁…
荒らしを邪魔する いまいましい存在め…
だが お前たちの中には
追記・修正の力がある
荒らしを 閉じ込めた管理者ども…
貴様らの力で Wikiを無にそめてやる!