ゼルダの伝説 知恵のかりもの

登録日:2024/10/05 Sat 04:29:00
更新日:2025/01/22 Wed 19:40:50
所要時間:約 17 分で読めます





リンクを失ったハイラルで


ゼルダ姫がゆく "カリモノ" の旅



ゼルダの伝説 知恵のかりもの(The Legend of Zelda: Echoes of Wisdom) は、2024年9月26日に任天堂から発売された、Nintendo Switch用ゲームソフトである。

ゼルダの伝説シリーズの中でも見下ろし視点の『トップビュー型ゼルダ』『2Dゼルダ』と呼ばれるタイプのゲームで、グラフィックや音楽などは2Dゼルダの前作である『夢をみる島』Switchリメイク版を引き継ぐ形となっている。

開発は時のオカリナムジュラの仮面3DS版や、上述した夢をみる島のSwitch版などのリメイクを制作してきたグレッゾが担当。


ゼルダ史においては「トライフォース三銃士」と「初代」の間に位置する時代とのこと。


▲概要


2024年6月18日のニンテンドーダイレクトで情報が初公開。
初代ゼルダの伝説から足かけ38年目にして初となるゼルダ姫主人公のメインシリーズ作品である。えっ、CD-i? ギャメロンの杖? 知らんなあ
これによりついに「ゼルダの伝説の主人公はゼルダ」が間違いではなくなってしまった。つい最近にも別のゲームで似たようなことがあったような……

本作の大きな目玉は一度出会ったモノをいつでも召喚・設置できる『カリモノ』システム。
この高い自由度を秘めたシステムによって1つの謎に対して何通りもの解き方が可能となっており、さながら2Dゼルダ版ブレスオブザワイルドと評する声もちらほら。事実、最初のダンジョンをクリアした後はストーリーを無視して序盤からハイラル全土を踏破する事もできる
案の定というべきか 一部プレイヤーからは厄災ゼルダと呼ばれている。

ただしオープンワールドではなく、特定のステージを突破しなければ次のチャレンジが出現しないなどのようなリニア式ストーリー(基本一本道)の構成になっているため、いきなりラスボスに挑戦したり、シーケンスブレイクするような事はバグを利用しない限りできない。

▲ストーリー


突然ハイラルにどこからともなく現れた青き魔物 ガノン 。彼は魔物の王を名乗って国を襲撃し、ハイラルの王女である ゼルダ姫 を誘拐してしまう。
そのことを聞いた旅の剣士 リンク はガノンが潜むある遺跡に単身潜入し、姫の救出に挑む。

熾烈な戦いの末、見事ガノンを討ち取ったリンク。だが、しかし……
突如として謎の裂け目がその場に発生。空間を切り取る異様なその亀裂に遺跡ごとリンクは呑み込まれ、行方不明となってしまう。
リンクの捨て身の行動、そして謎の精霊 トリィ の導きにより間一髪裂け目から逃れることができたのは、ゼルダ姫ただ一人だった……。

▲システム


本作は『夢をみる島』同様見下ろし型のトップビュー、あるいは横スクロールゲームのようなサイドビューの2種類のマップからなる、いわゆる2Dゼルダ式のゲームシステムとなっている。
ただし、これまでの2Dゼルダとは異なりZLボタンを押す事で対象をロックオン(ZL注目)したり、特別なアイテムがなくとも自由にジャンプしたりできる3Dゼルダの要素が新たに追加されている。

特に縦横だけでなく高さ方向に空間が広がった事で、これまでは通行不可能が当たり前だった木の上や崖の上といった場所にもちゃんと行く事ができるようになっており、後述するカリモノやシンクという能力が組み合わさる事で、まさにハイラルのどこへでも行ける高い自由さが表れている。

ただし、ゼルダ姫はリンクとは異なり剣を始めとする武器を直接振るうことができない。一応、ダッシュ手段であるスピン(横回転)をすることで草刈りくらいはできるが、その程度である。
このため直接的に戦闘を行う事は不向きであり、いかに己の知恵でトリィロッドの力を使いこなし、様々な場面を乗り越えていくかが本作の醍醐味の一つと言える。

△カリモノ

ゲーム序盤でトリィから与えられる『トリィロッド』によって使用可能な能力の一つ。
ゼルダがこれまでの冒険で遭遇したモノを「お借り」して、何度でも自由に呼び出してマップ上に配置できる。

一応なんでもかんでもお借りできる訳ではなく、物品であればマップ上で黄色く光る物品に近づき『覚える』ことで初めてカリモノにできるようになる。すなわち光らない=覚えられない物品はカリモノにできない。
また、魔物の場合は一度倒すとドロップする『光るモノ』を覚えることによって、カリモノとして召喚する事ができるようになる*1。召喚した魔物は野生の魔物(敵)に対して積極的に攻撃を行ってくれるので、どんどん強い魔物を倒して戦力を上げていくのが戦闘のコツといえる。

ただし、一度呼び出せるカリモノの数にはコストによる制限がかかる
カリモノにする物品や魔物の種類ごとにコストが存在し、大きなものや高性能なもの、強い魔物であればあるほど大きなコストがかかる。
残りコストを上回るものを召喚しようとすると古いカリモノから順に消滅し*2、現段階で一度に使える最大コストを上回るカリモノはそもそも呼び出せない*3

なお、冒険を行っていく中でトリィがレベルアップする事により、一度に使える最大コストの量が増えたり、特定のモノのコストが減ったりする。
カリモノが厳しい場面に行き着いたら大人しく冒険を進めるのも手の一つである。



△シンク

トリィロッド のもう一つの能力。
モノにトリィを憑りつかせ、ゼルダと連動してモノを動かせるように完全固定することができる
一言でいえば「2D版ウルトラハンド」。

シンクが発動できるのはZL注目できるものほぼ全て*4
カリモノにできない大岩をどかしたり、一定周期で動く足場を止めて周期をずらしたり、はたまた魔物の動きを止めたり*5とその活用法は多岐に渡る。
シンクした魔物ごと穴に落ちて始末する*6蛮族姫や、同じように水ブロックの中へ引き摺り込む河童姫、回転しているカリモノのピーハットに魔物を引き摺り込む拷問姫は多いはず。

さらにこのシンク、少しストーリーが進むと、逆にゼルダを相手に動かしてもらうこともできるようになる。
具体的に言えばRボタンを押している間はプレイヤー操作ではなく、シンクした相手の動きと完全同期してゼルダが動く。
動かないツボや木箱などにシンクしても意味は無いが、動く足場へのシンクや、空を飛ぶキースや大ジャンプをするテクタイトにシンクをすることで大穴や崖を跳び越す、ウォールチュラで壁を延々と登る事も可能なのである。
操作反転中、ふわふわと浮いているゼルダ姫の姿はなかなかキュート。

△剣士モード

行方不明になったリンクの落とし物である剣や弓矢、バクダンなどの武器を手に入れると、なんとリンクの姿をおかりして戦うことができるようになる
ゲーム中好きなタイミングで十字キーの上を押す事によりゼルダがリンク姿に変身。いつも通り剣を振るったり弓矢を撃ったりして魔物相手と戦うことができる。

剣士モード中はジャンプ力が2倍となり、ZL注目時に盾を構えて攻撃を防ぐことができるようになる。
さらにダンジョン内に存在する黒い網状の壁(無の力の障壁)を切り裂き、破壊して通行可能にすることもできる。また、裂け目から現れる黒い魔物に対しては与えるダメージが高くなる。
しかし、発動中は常に青いエネルゲージが減り続け、これがゼロになると強制的に剣士モードが解除されてしまう。空中に浮遊する、あるいは黒い魔物を倒した時に出るエネルを回収するか、薬やスムージーなどの消費アイテムで補給しなければエネルゲージは回復しない。

また、各地にはエネルの結晶である力のかけらが散らばっており、これを集める事によってゲージの最大値や、各武器の威力を強化する事ができる。
無制限に取得できるわけではなく、ハートのかけら同様のコレクトアイテムとなっているため、これをコンプリートすることも目標の一つにできるだろう。


△カラクリ

カラクリ技師が作った魔物を模した機械。技師の依頼に応えていくと手に入る。
基本的には魔物のカリモノと同様なのだが、魔物に比べ耐久力が高く、また攻撃が爆発したり敵を眠らせたりする強力なものであることが特徴。

半面、ダメージを受けすぎて壊れたら技師に修理してもらわなければならない、ただ設置しただけでは動かずネジ巻きをしてやらないといけない、ストーリー優先で進めると入手が遅くなり使いどころがなくなりがち、といった欠点もある為、魔物とカラクリどちらを主力にするかはケースバイケースといったところ。

△スムージー

今作におけるお料理・薬ビン要素。各地に点在するスムージー屋さんで素材2つと10ルピーを渡す事で、様々な効果のスムージーを作ってくれる。
素材の組み合わせにより体力を大幅回復してくれるものや、潜水時間を伸ばしてくれるもの、体が発光するものなど様々な効果のスムージーが作れるため、手持ちに空きがあればぜひ作り溜めしておくとよいだろう。

ちなみに一度作った組み合わせであれば何ができるのか教えてもらえるほか、手持ちの素材が無くても多めのルピーを支払う事により、素材なしで作ってもらう事もできる。

△裂け目/無の世界

ハイラルのあちこちに発生した裂け目は、地形や建物を完全に呑み込んで完全に通行不可能。カリモノで飛んだり橋をかけたりして裂け目の上を越えようとしても、見えない壁に阻まれてしまう。
また、裂け目からは無の力で作られた黒い魔物が無限に召喚される場所もあるため、裂け目付近の滞在は危険。なお黒い魔物は倒してもアイテムやカリモノの素を落とさず、代わりにエネルを落とす事がある。

ただし、裂け目の中心部には稀にトリィが入口を開けられる箇所があり、そこを通る事で裂け目の向こうに広がる謎の異空間『無の世界』へと侵入する事が出来る。
無の世界の中は裂け目に呑まれた地形や物が浮島のように浮かぶ構造となっており、その中にトリィの仲間たちが封じられている。彼らを解放する事ができれば裂け目が修復され、無の世界に呑まれた地形や人、モノが元の世界に帰ってくる。

無の世界には小規模なものと大規模なものの2種類が存在し、小規模なものはあちこちに散らばるトリィの仲間を救出するのが目的。
大規模なものは最深部にダンジョンがあり、そこに控えるボスを倒してトリィの仲間を救出する事が目的となり、こちらが従来作におけるメインダンジョンとなる。


▲登場人物


△主要人物

ゼルダ姫
CV:三浦千幸
本作の主人公。ハイラル王国の姫として人々に愛され親しまれながら育つが、ある日ガノンにより誘拐され、クリスタルに幽閉されてしまう。
誘拐から7日後に訪れた旅の剣士リンクによって救出されるが、帰ってきたハイラル城で再び発生した裂け目から出てきた偽のハイラル王により無実の罪を着せられ、正体を隠す形でハイラルを救うための旅に出る。
冷静に考え、いきなり魔物に拐われ結構な時間幽閉されたあと、助けてくれた見知らぬ恩人は代わりに絶望的な状態となって追うこともできず、帰宅した瞬間親や身近な人達も消え同じ姿の偽物に心を癒やす暇もないまま投獄されあわや処刑されかけ国は未曾有の危機で自身は破魔や光のような直接戦う力がないのに退治も必須……という、あまりにも踏んだり蹴ったりな経緯である。

ハイラル城や城下町の人々から聞ける話からすると昔からかなりわんぱくな所があったとのことで、冒険を繰り広げるのに相応しい勇気と知恵を併せ持った人物像が伺える。
本作では操作キャラという都合上、過去作のリンク同様にしゃべることがないが、イベントシーンでは身振り手振りで情報を伝えている様子を見るに文字が表示されないだけで実際には問題なく会話していると思われる。

リンク
CV:斎賀みつき
ゼルダ姫をガノンの魔の手から救った剣士。物語の冒頭のみ彼を操作する。
いつもは紺色のフードを被っており、本気を出す時にそれを脱いでおなじみの緑帽子を被る勇者スタイルになる。
ガノンを倒した後に突如現れた裂け目に落ち、呑み込まれながらも放った弓矢がゼルダを囚えるクリスタルに直撃。このお陰でゼルダは脱出に成功したが、リンクは行方不明となってしまった。

今回はゼルダとリンクの間に面識が無く、ガノンと対峙した際が二人の初対面となっている。そのためゼルダは旅を続けていくにつれ、彼がどのような人物で、どうして旅の剣士をしていたのかを、徐々に知っていく事になる。


ガノン
魔王を名乗る強大な猪の魔物。手にした三又槍トライデントや強力な魔術を操るシリーズお馴染みの宿敵。
ゼルダ姫をハイラル王国から誘拐したのち、ハイラル南部のミナミノ遺跡を根城とし、リンクを迎え撃った。
しかし、敗北すると怪しげな笑みを浮かべながら黒い霧となって消滅。彼の遺したトライデントから謎の裂け目が発生し、遺跡一帯を丸ごと呑み込んでしまった。


トリィ
ゼルダに協力する謎の精霊。とある目的のためにゼルダへ自身の力を操る『トリィロッド』を与え、冒険をサポートする。
妖精というよりはゴーレムのような無機質な感じで、自身の持つ使命を果たそうと一途で一生懸命。
理解していないなりに相手を気遣うなど優しいことは端々から伝わるが会話でもあまり人の感情を理解しないような発言が多く、心の細かな機微には疎い。
しかしゼルダとの冒険を通じて、喜怒哀楽といった感情を徐々に理解していく。

また、裂け目に干渉する力を持っており、同族の仲間たちと力を合わせることで裂け目を閉じて呑み込まれたモノや生物を元通りにすることができる。
しかし現在、彼以外の同族は何者かによって全て無の世界に捕らわれた状態になっているという。
そこでゼルダは彼と協力してトリィの仲間たちを解放し、裂け目を閉じていく事が目的となる。

なお、普通の人はトリィの存在を認識できないが、一度無の世界に落ちてしまった人、およびゼルダのように無の世界でも活動できる素質を持つ人は、トリィを認識し会話する事ができる。

△ハイラル王国

ハイラル王
ゼルダの父親にして現在のハイラル王国の君主。
ガノンの元から無事逃げ延びたゼルダを温かく迎えるも、突如王城に発生した裂け目に呑まれ彼もまた行方不明となってしまう。
さらに裂け目からハイラル王と後述の側近2名の姿をしたニセモノが出現。ゼルダ姫に裂け目発生の責任をなすりつけ投獄してしまう。


サダリ大臣
ハイラル王の側近の1人。主に情報収集や執務を担当する文官で、物腰穏やかな知性を感じる女性。
ハイラル王同様行方不明になってしまい、ニセモノとすり替えられてしまう。
名前の元ネタは左(音読みのサ+訓読みのヒダリ)+左大臣。


ウギ将軍
ハイラル王の側近の1人。主に兵隊に指示を下す武官で、熱い正義感と優しさを持つ漢。
こちらもハイラル王同様行方不明になってしまい、ニセモノとすり替えられてしまう。
名前の元ネタは右(音読みのウ+訓読みのミギ)+右将軍。


インパ
ゼルダの世話役を務める老婆。彼女曰く赤ん坊のころからゼルダをお世話してきたのだという。
冤罪によって投獄されたゼルダに脱獄の手引きを行い、兄であるルーベリを尋ねるよう託す。
見た目こそ杖を突く腰を丸めたおばあちゃんだが、不意打ちとはいえ訓練された兵士3人を一瞬で倒す程の武闘派。明言こそされていないがお馴染みのマークが刻まれた上着を羽織っており、今作においてもシーカー族に属すると思われる。

ルーベリ
ハイラル南方のミナミノ平原に研究所を構える発明家の老人で、インパの兄。
謎の裂け目について研究を行っているほか、彼に力のかけらを渡す事で剣士モードの武器を強化してもらえる。
彼の研究所の内装は和風建築になっており、インパの兄という素性も含めブレワイのシーカー族、特にロベリーを彷彿とさせる。
名前の元ネタはブルーベリー。

その他、名前がついているハイリア人たちの名前の由来はブレワイ・ティアキンと同じく植物が由来となっている模様。

△ゾーラ族

ハイラル東に広がるジャブール水域と、その水が流れ込むゾーラの入り江に住む水棲の種族。
本作ではふしぎの木の実と同様に川ゾーラ・海ゾーラ2種類の種族が共存している。神トラに出てくる半魚人のような緑色のウロコを持つ方がジャブール水域に住む川ゾーラで、時オカで出てくるイルカやシャチのような方が入り江に住む海ゾーラ。
川ゾーラは陽気な性格の者が多く、海ゾーラはブレスオブザワイルドのゾーラのように気品がある性格の者が多い。ゾーラ族独特の語尾「ゾラ」をつけるのは川ゾーラのほうだけのようである。
かつての作品のようにお互いが反目しあっている訳でもなく、お互いの里に訪れたりと普通に交流を行っている。どうやら体に合う水質で住む場所を分けているだけのようだ。
また川ゾーラが敵として襲って来るという事も無く、どちらもゼルダに対して友好的に接してくれる味方側となっている。
彼らの名前は水生生物に関する用語をもじったもの。

ドラッド
川ゾーラ側の族長。立派な体格に長いひげを蓄えている。
演奏楽器は大きなラッパで、パワフルな演奏を好む。そのため幼馴染のクーシャとは音楽性が合わない。

クーシャ
海ゾーラ側の族長。ティアラを戴く美しい女性。
演奏楽器はきらびやかなハープで、繊細な演奏を好む。そのため幼馴染のドラッドとは音楽性が合わない。

ゲルド族

ハイラル南西のゲルド砂漠を住処とする、女性しかいない部族。
どのゲルド族も武術または学問に優れている描写があり、勇ましい性格の者たちが多い…と思いきや、さぼったり二の足を踏んだり、俗世的な性格の者たちも結構いる。
今作では彼女たちの街であるゲルドの街や、他地域の住民と交易を行うオアシスなどで登場。『ブレワイ』『ティアキン』に続き、今作でも味方ポジション。
なお過去作品のリンクのように、ゲルドの街に入る際条件を満たさなければいけないなんて事は無い。まあ同じ女性だし…
彼女らの名前は美容に関する用語をもじったものになっている。

セラム
現在のゲルド族を束ねる威厳ある族長。裂け目とそこから現れる魔物への対応に頭を悩ませている。

トーナ
ゲルド族の若き兵士長で、セラムの娘。未だ決定打のない裂け目への対応策を求めて奔走している。

ファセット
セラムを支える切れ者の副官。忙しいセラムに代わりトーナを育てた事もあり、三人の仲は親しい。
裂け目への対抗として、大きな裂け目に繋がるゲルドの聖域を封鎖するなどの対応を行う。

ゴロン族

ハイラル北西のオルディン火山を住処とする、岩のような体を持つ頑強な部族。
歴代のゴロン族と同じく温厚な性格の者が多い。過去シリーズではよく見かけた「豪傑で兄貴肌」なゴロンは今回は欠席。そういうタイプの兄貴分キャラは川ゾーラのほうにいるゾラ。
今回は大きな洞窟の中に拠点であるゴロンシティを構え、その中央には巨大なゴロンを象ったツボが置いてあるなど、どことなく時のオカリナを彷彿とさせる光景が多い。もちろん彼らのごちそうロース岩もある。
彼らの名前は鉱物や金属に関する用語をもじったものになっている。

ダルストン
ゴロン族の新米族長。先代である父親が亡くなったことから役目を引き継いだ。
どちらかと言えば体よりも頭を使いたがる方で、まだあまり一族を引っ張っていく自信が無い。
そのため父親が残した「族長の教え」を常に携帯し、それに頼りがちな面がある。

ゴルド・シルバ
ゴロン族のお爺さん(?)2人組。金髪な方がゴルドで白髪の方がシルバ。
老齢にも拘らず仲間を引っ張って遠出するなど中々パワフルな2人。顔を合わせる度に喧嘩を始めてしまうが、相手が居ないと落ち込んでしまう寂しがりな所もある。

デクナッツ

ふしぎのぼうし以来となる久々の登場。彼らもかつてとは異なり直接攻撃してくる事は無い。
どうも調子の良い性格の者たちが多く、ミーハーなところがある。
最もよく見るのは各所でスムージー屋を営むアキンドナッツだろう。しかし、ハイラル南東の秘境であるフィローネ湿原の密林に、普通のデクナッツたちが暮らす集落であるデクナッツタウンがあるという。(デクナッツたちは住処であるそこを流行最先端の都会であると信じている節がある)
彼らがハイラルの一地方を治める種族に選ばれたのはムジュラの仮面以来実に24年ぶり

他の地方の種族とは違いほとんどのデクナッツたちは裂け目の危険性に気付いておらず、しかもほぼ全員が前作のゴロン族みたいなことになりかけているため、この地方ではゼルダ一人(とトリィ)での活動を余儀なくされる。

名有りのキャラが少ないため分かりにくいが、彼らの名前はおそらくオノマトペをもじったものになっている。

アキンドナッツ
普通よりも大柄のデクナッツ。各地で商売を営んでいることが多い。
今回の彼らの商売はスムージー屋。本店はデクナッツタウンにあるものの、そこから各地にフランチャイズしてガッポリ儲けようと目論んでいる。
…が、肝心のレシピが無い状態で営業をスタートしてしまったらしい。是非とも彼らに協力して色んなレシピを開発してあげよう。

△その他の人々(?)

ダンペイ
ハイラルの強面禿頭でおなじみの名物キャラ。
今回は墓守ではなくカラクリ技師として登場。ハイラル北東、へブラ山のふもとに研究所を構え、日夜強力なカラクリのアイディアを練っている。
ただし、いきなり直接行っても不在なため、まずはどこかで困っている彼を助けてあげよう。
彼が研究所に戻ると、制作アイディアの詰まったメモを見せてもらえる。それを頼りにカラクリの元となる魔物のカリモノや、必要なパーツを持っていけば新しいカラクリを作ってもらうことができる。

コンデ
ヘブラ山に住む謎の生き物。
見た目は短い鹿のようなツノが生えた雪男(ビッグフット)といった雰囲気。
容貌に反して猛吹雪に苦しむゼルダを自分の住処まで案内し休ませてくれるなど心優しく素朴、純朴な性格。
一方でひとっ飛びで画面外まで跳躍する驚異の脚力など見た目通りの凄まじい身体能力の持ち主でもあり、いわゆる「気は優しくて力持ち」なキャラと言える。
普段は「お掃除」と称して雪かきをしながら暮らしているらしい。

大妖精
ハイリア湖の真ん中に浮かぶ小島の洞窟内、大妖精の泉に現れる強い力を持った大きな妖精。
本作は2Dゼルダの特徴を汲む形で美しくも可愛らしいデザインでの登場だが、美しさとルピーに強いコダワリを持つなど一部3D作品でのちょっと悪趣味な大妖精の特徴も併せ持つ。また、オシャレな人や見込みのある人には協力を惜しまない。
彼女にまとまった額のルピーを渡す事で、ゼルダが身に付けられるアクセサリー(装備アイテム)の同時装備個数を増やす事ができるほか、ある程度ストーリーが進んだ後で彼女へ会いに行くと、力のかけらを探すのに便利なアクセサリーを作ってもらうミニチャレンジが発生する。

ねむり道場の師範
カカリコ村で「寝ているだけで強くなれる」という触れ込みの道場を構える怪しげな師範。つるっ禿に黒い丸眼鏡に口ヒゲと、ポケモンのカツラみたいで見た目も怪しい。
彼の行う修業とは催眠術を受ける事で夢の中で敵と戦うというもの。睡眠学習ならぬ睡眠戦闘である。

『ふしぎのぼうし』での類似施設マロ屋とは異なり、負けても死なずに起きるだけという安心設計。さらに夢の中でいくらアイテムを消費しても起きれば全て元通りとなる。
挑戦できる戦いの内容には複数コースがあり、何もカリモノを覚えていない状態でスタートする物もあれば、アイテム持ち込みが禁じられる物、さらには倒した事のあるボスとの連戦などもある。
複数のコースをクリアしていくと、エネルゲージの減りを遅くする秘伝の巻物が手に入るため、腕に自信があるならやって損はない。

スタンプマン
生まれてこの方スタンプ一筋、ハイラルのスタンプ男を自称する謎の男。
スタンプが大好きすぎてハイラル全土にスタンプ台を設置し、訪れた人にスタンプラリーを勧めてくる今作の奇人その1
スタンプカードにスタンプを5枚押して完成させる度に空からパラシュートでやってくる。
ちなみに彼曰く、子供の頃母親の手伝いをするたびにスタンプを押させてもらっていたら、気が付けばスタンプを押す快感にハマり伝道師のような活動に至ったのだという。
ちなみにスタンプは何故か彼を8頭身のリアルな絵柄で描かれたものとなっている。
はい、お話はおわり。

どんぐり拾いのおじさん(仮)
集めて楽しい 拾って楽しい♪ どんぐり拾いをやってるおじさんだよ♪
バラまいた10個*7のどんぐりを♪ ぜーんぶ集めるタイムを競うんだ♪
上記内容通りのどんぐり拾いゲームをハイラルの5か所で開催しており、良いタイムを記録するとハートのかけらなどが貰える。
ちなみに5か所全てに同じ姿で喋る内容も同じおじさんが居るが全員別人今作の奇人その2




▲キーワード


裂け目
昔からハイラル王国を度々襲ってきた謎の現象。
地面に亀裂が走ったかと思えば、まるで空間ごと切り取られたかのようにそれが広がっていく。もし巻き込まれてしまった場合はこの世から消えてしまうのだという。

元々はトリィと仲間たちが裂け目ができる度に修復を行っており、発生しても自然と消えていくものだった。
しかし物語開始時点でトリィ以外の仲間が何者かの手によって封じられている状態で、放っておけばハイラル全土が無の世界に消えてしまう事態となっている。

無の世界
裂け目の向こう側に広がる、薄暗く不気味な世界。
暗い虚空の中に、裂け目に呑まれた地形がツギハギのように繋がって浮かび上がる奇妙な空間となっている。
ここに呑まれた生物は時間が止まったように固まってしまい、まったく動くことができない。しかしゼルダとリンクはトリィ曰く「特別」なため、通常世界と同じように自由に行動できる。
また、呑まれたものは徐々に無の世界へと溶け出してしまっているらしく、放っておくと最後には消滅してしまうのだという。

神隠し
上述の裂け目に呑まれて人が消えてしまう事。ハイラルでは昔から神隠し現象が起こっていた記録があるという。
たまに神隠しに逢った人がしばらくした後に帰ってくる事もあるようだが、その場合は元気を失う、言葉が一切喋れなくなる、といった重篤な後遺症が残る場合が多いようだ。




▲余談


開発者インタビューによると、本作は元々Switch版夢をみる島の追加要素『パネルダンジョン』を発展させたもので、自由に色んな物を置いて『ゼルダの伝説メーカー』的なソフトを作ろうという方針だったとのこと。
ところがシリーズプロデューサーであるマ・オーヌ導師青沼英二氏がそれを遊んでみた所、持ち込んだ物で謎解きをしていく形にした方が面白いのでは?となって方針転換が行われたという。

また、当初の想定がダンジョンエディタだった名残で最初は主人公が従来通りリンクだったものの、方針転換後はリンクだと手持ちの武器とアイテムで何とかしてしまい、カリモノシステムに噛み合わない事が判明。
そこでゼルダ姫に白羽の矢が当たったのだが、今度は一国の姫が旅に出る理由をどうやって作るかに難儀したのだという。その結果がアレなのだが。
スタッフ「まだ姫を冒険に出せない」「この状況ならまだ姫じゃなく自分がいく!」。





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最終更新:2025年01月22日 19:40

*1 ボス敵など一部の例外を除く。

*2 最大利用可能コスト3の状態で消費コスト1の石を4つ出そうとすると、4つ目を出したタイミングで最初に出した石が消える

*3 最大利用可能コスト3の状態でコスト4のモリブリンLv2は召喚できない。

*4 一部の敵や背景オブジェクトなどを除く。

*5 ただし敵の魔物の場合放っておくとシンクを解除されてしまうので万能ではない。

*6 今作では落下してもノーダメージ。

*7 場所によって集めるどんぐりの数はバラバラ。