ウイングマン(ドラマ)

登録日:2024/12/14 Sat 22:49:01
更新日:2025/03/27 Thu 13:39:59
所要時間:約 22 分で読めます





チェイング!
悪!裂!ウイングマン


WING-MAN(ウイングマン)

『ウイングマン』は、2024年10月23日から12月25日にかけてテレビ東京系の水曜24:30〜1:00(火曜深夜)のドラマチューズ!枠にて放映されたドラマ作品。
制作はテレビ東京と東映で、DMM TVが制作協力にクレジットされている。

【概要】

漫画家・桂正和の初連載作品にして、代表作の一つである『ウイングマン』の実写ドラマ化作品。
2023年11月に『ウイングマン』生誕40周年を記念して、原作者の桂正和も関わる形で実写ドラマ化がされることが発表された。*1

主演は東映特撮とも関わりの深いというか代表格の藤岡弘、氏の長男である藤岡真威人。
単独主演でのヒーロー役ということでも話題を集め、劇中にて仮面ライダー1号の変身ポーズを披露するサービスが。
また、劇中最大のライバルであるキータクラーを声優の宮野真守が人間態も含めて演じて大爆笑大好評を博している。

内容については原作を尊重しつつも、総監修として加わった桂正和の意向*2や、深夜枠故の限られた予算や放映期間から変更された要素も多いものの、再現部分では現役読者世代が関わっていることもあってか丹念に演出が練り込まれ、変更部分についても現代に合わせた自然な改変や設定のスリム化を図るなど、内容を詰め込みつつも“見やすい”作品が目指されているのが特徴。
また、原作当時にあった曖昧な部分やツッコミ所があった部分も現代化に伴い改められた箇所*3もあり、より展開が自然な流れに感じられるものになっている。

実際、短い場面でも多くの情報を盛り込める実写作品とあってか、役者達の演技部分だけでも細かな感情の機微や補足情報が盛り込まれるなど隙のない作風となっており、最近の実写化作品の中でも太鼓判を押される出来栄えとの声も。

また、東映制作とあってか主人公のヒーロー好き設定が東映のお墨付きで拾われることとなり、過去の東映作品の玩具が登場したり、状況説明の場面にて番組タイトルや情報が実名で触れられるなどのメタ的な面白さも。
令和製作の特撮番組として、原作同様の昭和どころか平成世代までの特撮ヒーロー情報そのものが作品の設定補足に使用出来るのは大きな強みか。
第4話に至っては、ヒーローショーという設定ながらも宇宙刑事ギャバンが登場。
放送局の垣根を越えた客演となった。

また、放送局を越えたと言えば同じ東映(東映アニメーション)制作だったアニメ版『夢戦士ウイングマン』から主題歌とEDがアレンジ使用される嬉しいサプライズがあった。

番組の配信はTVerのほかDMM TVでも行われており*4、DMM TVの配信では特撮ドラマ枠に分類されている。


【物語】

広野健太は、生まれつきだったと言っても過言では無いレベルの特撮ヒーロー好き。

高校生となった今に至っては、自らオリジナルヒーロー“ウイングマン”のコスチュームを自作して自警活動を行い、それを配信ネタとしてコスられたり、その動画を見た同級生からは更に嘲笑の対象とされる有り様であったが本人は何処吹く風。

そんなある日、唯一の友達である福田を付き合わせてのいつもの活動の帰り道でクラスメートの小川美紅がガラの悪い他校の生徒達に絡まれているのを見つけた健太は、格闘技経験があるという相手にボコボコにされながらも怯まず、ヒーローとしての心意気のみで追い払うことに成功。

痩せ我慢にも程がある状況だったが、美紅の見送りを福本に任せた後に痛みに耐えつつも喜びを噛み締めながら自宅近くにまで来た健太だったが、聞こえてくる異音に視線を上に向けると奇妙な空間から降りてくる女の子の姿が。
女の子の纏うコスプレ衣装の出来栄えに感心しつつ、眠ったままの少女を取り敢えずは自宅に連れ帰った健太。
トラブルもなく自宅に戻れたが、頼りにしていた母親は不在で少女も眠ったまま。

そんな中でウイングマンの新しいアイディアを思いついてしまった健太は例の如くノートにアイディアを書き留めようと思ったのだが、美紅を助けようとしたドサクサで公園にノートを入れたバッグを忘れてきてしまったと焦る健太。

……煩悶する中で、謎の少女が抱えているのがノートだと気づいた健太は申し訳ないと前置きしつつもウイングマンの情報を書き記すが━━それによって、本当にウィングマンに変身してしまうのだった。

そんなことをしている間に目覚めた、自らを異次元ポドリムス人であると名乗る謎の少女……アオイ。

━━2人の出会いから、物語は新生する。

【主要登場人物】


主人公と高校*5・アクション演劇部関係者


■広野健太

演:藤岡真威人

本作の主人公。
特撮ヒーロー好きのコスプレ少年。
その知識は、自分が生まれる遥か以前の昭和期のマイナーヒーローから現役ヒーローにまで網羅されている程で、自室には所狭しと特撮ヒーローの玩具やポスターが犇めいている。
高校生にもなって未だに本気でヒーローになろうとしている熱い魂の持ち主だが、それ故に周囲から浮きまくっており、そんなバカな話にも付き合ってくれる福本くらいしか友達がいなかった。部分的に濃いけど長身の爽やかイケメンなのに……。
とはいえ、数多のヒーロー番組を見続けてきたとあってか、その発想力とドリムノートが作用するのに必要な具体的なイメージ(説得力)を付与する能力には非凡なものがあり、それが健太の大きな武器となっている。
最初の戦いではドリムノートの特性を知らなかったこともあってか“ただの変身した人間になってしまい”窮地に陥ってしまったものの、
以降はアオイのアドバイスと何よりも怖い目にあっても折れなかった持ち前の勇気と機転で土壇場で使える装備と技を描き込むことで初戦を切り抜けると、その後は順当にウィングマンをパワーアップさせていく。
尚、元々は学ランの下に自作のウイングマンスーツを着込んでいたのだが、学校での騒動を経て(高クオリティのヒーローショーをやったと思い込まされて)存在が認められてからは、指ぬきグローブに腕まくりで校内でもブーツ履きの原作スタイルに変化する。
その後、北倉によってアクション演劇部の結成を勧められて部長に就任することになり、青春に恋にヒーローとしての生き様に邁進する。
演じたのはご存知仮面ライダー1号の藤岡弘、の長男。

■アオイ/夢あおい

演:加藤小夏/演(スタントダブル):山本夢

メインヒロインその1。
帰宅途中の健太の目の前に空から出現した謎の少女。
実は、3次元とは別の異次元ポドリムスから父ラークが創造した“ドリムノート”をポドリムスには存在しない火で燃やしてしまう為に3次元にやってきたのだが、自分が眠っている間に健太にウイングマンの情報を描かれてしまうことに。
そんな中でポドリムスからの刺客がやって来てしまい、もはや単純にドリムノートを消滅させればいいという状況ではなくなる中で、不安を抱えつつもウイングマンの戦いを支える覚悟を決めて従姉妹という設定を植え付けて広野家に入り込んだ。
気が強く、ズバズバと物事を言うキツい性格に見えるが実際には情に篤く、何だかんだで希望や可能性を信じたくなるタイプのようで、健太の無茶な申し出を小馬鹿にしたような態度を取っていたが、その非凡な発想力には素直に感心していたツンデレ系ヒロイン。
アオイもディメンションパワーを備えるが、ポドリムスから離れて回復が出来ない状況の中でウイングマンの戦いの痕跡を消すために健太にすら事情を話せないままに疲労を重ねていってしまうことに。
一方、ドリムノートを守るためと言いつつ健太と生活を共にする中でポドリムスでは体験できなかった穏やかな生活や楽しさを経験することに。原作漫画と違い健太のことは「ケン坊」ではなく、終始「健太」と呼ぶ。
尚、本来は他のポドリムス人と似た姿なのだが、父ラークと別れる際にディメンションパワーにより3次元人の姿に変えられている。
モデルとしても活躍する中の人とあってか、コスチュームからチラ見えする腹筋の線やくっきりと浮き出た筋が美しいと評判。*6

■小川美紅

演:菊地姫奈

メインヒロインその2。
健太のクラスメートで、新体操に打ち込んでいる少女。
密かに変わり者の健太が気になっていた所でタチの悪いナンパ学生に絡まれていた所を助けられたことから本格的に健太に惹かれることになったが、それと同時に突如として出現したアオイの存在にやきもきすることに。
当初は危険な目や自分の偽物が現れてもアオイに記憶を消されていたのだが、ティールに姿を利用された際に健太がアオイに待ったをかけている間に目覚めて(健太の気持ちを知ることも出来たこともあってか)記憶を消さないように頼み、健太とアオイの事情を知ることになる。
その後のザシーバとの戦いでは無数の虫に纏わりつかれる幻覚を見せられた後に崖から転落してしまうも(恐らくは謎のヒーローに)助けられており、その後の健太とラークとの会話の中でもディメンションパワーを授けられてアオイの窮地を救った。
尚、ザシーバが変身していた黒津はアオイの姿を借りて健太からドリムノートを奪っていたのだが、美紅にはその幻覚が通用していなかったが理由は現時点では不明。*7

■福本智夫

演:丈太郎

健太の唯一の友人と言っても過言ではなかった、太めの眼鏡男子。
原作では親友ポジながら本当に序盤にしか登場しないのだが、ドラマ版では改められている。
アクション演劇部が結成された時には「断れないんだろう?」とサムズアップ付きで快諾。
いざ活動を開始すると積極的に監督の役目をこなそうとしたり、特撮作品の視聴を開始したりと覚醒していた。

■布沢久美子

演:片田陽依

健太達のクラスメートで、元々は健太の特撮趣味に対しても特に辛辣な言葉を投げかけていた眼鏡女子。ドラマ版キャストの中では異様に再現度が高いとして話題に。
実はノンフィクション方面での作家、ジャーナリスト志望であり、北倉ことキータクラーが仕掛けた校内の人間が凶暴化する騒動に於いてスマホを手に実況記録を残そうとしていた所で、健太がウイングマンに変身する場面を記録してしまう。
戦いの後で布沢もアオイに記憶は消されたのだがスマホの記録映像は残っていたことから、その秘密を探るためにもアクション演劇部に入部する。

■森本桃子

演:上原あまね

健太達の後輩で、実は健太にも勝るとも劣らないレベルの特オタ女子。
密かに健太の活動に注目していた所で、健太が俄に有名人となったのを機に接触を試みようとでもしていたのか、健太が北倉にアクション演劇部の結成を持ちかけられている場面にて飛び込み、自ら入部を志願した。
ギャバンショーへの参加については、他のメンバーが距離を問題としていたのに対して姉の結婚式で参加できないことを悔しがっていた。
ヒーローアクション部の設定がアクション演劇部に変化し、セイギマンとウイングガールズの登場がオミットされ、他のセイギマンのメンバーである楠富らの設定も集約されたことで原作での桃子とは全く別物のキャラクターとなってしまった。
普通ならここまでやると批判も多そうなもので、実際に原作でも人気があった“負けヒロイン”枠だけに惜しむ声もあったものの、普通に魅力的すぎて「これはこれで」との声も多い。
実際、原作の桃子の要素はメインヒロイン格のアオイと美紅がシェアして早い段階からラブコメ路線になってるので納得が行くとの分析も。

■松岡先生

演:映美くらら

健太達の担任。原作とは年齢設定が違うが先生も再現度が高い。
問題児と言いつつも健太のことを優しく見守っており、健太の起こしたヒーローショーの騒動については注意しつつも、惹かれている北倉の勧めもあってアクション演劇部の顧問についてからは差し入れを持ってくるなど寛大な態度も。


■健太の父

演:的場浩司

■健太の母

演:中山忍


ポドリムス関係者


■ドクターラーク

声:関智一

アオイの父。
ポドリムスでも最高の科学者で、リメルの依頼によりドリムノートを創造するも、その願いの邪悪さから実際に悪用されることを避ける為にアオイと共に3次元への逃亡を目指すも、キータクラーに追い詰められたことからアオイを最後の力で送り出し、ドリムノートを託す形で離れ離れとなっていた。
生死不明であったが、ドリムイレイザーを手に入れたいリメルの思惑もあってか殺されずにおり、ザシーバとの戦いの前あたりから密かにコアから繋がっているドリムノートを通じて健太に呼びかけ、ウイングマンの情報が消された後で姿を現して助言を与え、美紅に残ったディメンションパワーを授けた。

■キータクラー/北倉

演/声:宮野真守/演(スーツアクター):清水林太郎

帝王リメルの右腕と呼ばれる、強大な戦闘能力を誇るポドリムス人。
戦闘狂的な一面があるのか、健太の発想力により力を増していくウイングマンを自分の獲物として定めて執着している。
健太達の高校にも、謎の新任イケメン教師の北倉として入り込んでおり、アクション演劇部の結成を(健太の成長のために)勧め、自ら顧問にも就いている。
リメルの命でアオイ達を追いラークを捕らえた張本人であり、3次元に於いてもドリムノート捜索の指揮官を務めていたものの、リメルの願いを実現させるためのドリムノートの進化と、その可能性を秘めるウイングマンへのスタンスを巡って食い違いが生じ、後には裏切り者になったと判断されることに。
原作では裏切りが発覚した後には幽閉状態となっており、そのことが後述の謎の戦士の登場に繋がっているのだが、ドラマ版では裏切り者と判断された後にも姿を見せたままとなっている。
ディメンションパワーにより広範囲で目標とする人物以外の動きを止めるのを得意としており、他にもピアノをオーバーアクションで奏でて校内の人間を凶暴化させて暴れさせた。

演じているのは言わずと知れた有名声優である宮野真守で、長身でイケメンなのは確かなのだがそれ以上に余りにも濃ゆい存在感に腹筋崩壊する人間が多数出現することに。
……何なら、スタッフの中にまで見かけただけで笑ってしまう人まで出てしまったらしい。いや、流石に失礼やろ……笑える話だけども。
因みに、ウルトラマンゼロとして声では出演していたが顔出しで坂本監督と関わったのは今回が初。
特撮番組への出演は子役の時(『特捜エクシードラフト』)から数えて32年ぶりだったそうな。

■ティール/坂上

演:大原優乃

キータクラーが怪しい動きを見せていたことから、それを牽制する意味でも送り込まれたリメルの配下の一人。
ディメンションパワーを利用した変身(擬態)能力を得意としており、劇中では教育実習生の坂上と美紅の姿を利用して健太達を翻弄した。
一度はドリムノートを奪い、健太が“自分だけが変身できる”としていなかったウイングマンにも変身するが、ファイナルビームの撃ち合いに於いて僅かに押し負けて変身解除に追い込まれ、ダメージを負っていた所をキータクラーにトドメを刺されて消滅した。

■ザシーバ/黒津

声:戸松遥/演(黒津):三原羽衣/演(スーツアクター):安川桃香

リメルの配下の一人で、捕らえたラークに拷問を繰り返していたサディスティックな性格。
先に登場したティールと共に、原作でのシャフトの立ち位置をシェアしているようで、キータクラーへの牽制とドリムノートの入手(成長)の役割を果たすべく送り込まれた。
目的を果たすべく、映画に詳しい女子生徒の黒津としてアクション演劇部に加入して健太に接触。
ラークから奪ったドリムイレイザーでウイングマンの情報を消去して健太を窮地に陥らせるが、謎の戦士とラークの助けを借りて復活したウイングマンと戦うことに。
ラーク曰く、以前に描かれていた分のウイングマンの能力と技には対処済みとのことだったが、まだアイディアを思いついただけで描いてまではいなかったデルタエンドを新たに描き込まれて倒される。

■ナァス/斉藤達夫

演:橘春軌

突如として健太のクラスにやって来た長身イケメン転校生。
……その正体は、かつてのアオイの恋人で婚約を交わしたこともあるナァスで、当初は思いやりのある言葉で健太と美紅の仲と二人との関係に悩むアオイに取り入り惑わせるが……。

■リメル

声:大塚明夫/演(スーツアクター):坂井良平

現在のポドリムスを支配する邪悪な帝王。
3次元からポドリムスまでキータクラーを抵抗させる間もなく転送させる程の桁違いのディメンションパワーを持つ。
それ程の力を持ちながらも裏切り者になったと判断したキータクラーすら放置しているのは解せない所だが、リメルの邪悪な願いを実現させるためには今のドリムノートでは目的を果たすことが出来ないらしく、その成長を促すためにもウイングマンを強化させようとしているらしい……?

その他


■謎の戦士


ザシーバとの戦いの中で窮地に陥った健太達を助けてくれた謎の戦士。
元はギャバンショーにて見かけた謎の戦士の着ぐるみで、戦う力なんてある筈がないのだが……。
一体、何ータクラー者なんだ?

主なゲスト


■不良生徒

演:蒼井嵐樹、橋渡竜馬、牧野裕夢、桜田航成

■ギャバン

声:関智一

■進行のお姉さん

演:日南理沙

■ショーの舞台監督

演:桂正和

■美紅の服を汚してしまった子供の母親

演:広瀬仁美

■ニュースキャスター

演:登坂淳一



【ドリムノート】

アオイの父であるドクターラークがリメルの命により創造した“書いたものを実現させてしまう”夢のアイテム。
書き込むには専用の“ドリムペン”が、内容を消すには専用の“ドリムイレイザー”が必要となり、ドラマ版では最初から全てが揃って生み出されたが、悪用を防ぐためにラークは自身がドリムイレイザーのみを持った状態で、ノートとペンをアオイに託して3次元へと送り出した。

尚、ドラマ版では原作やアニメとは設定が変更されている部分もあり、安全装置なのか、最初に書き込まれたものに関連したもの以外は以降は受け付けなくなるという機能が設定されている。

━━そのために、ドラマ版では健太が勝手にウイングマンの情報を描き込んだ時点で敵にとっても無用の長物に化したと言っても良くなってた筈なのだが、ドリムイレイザーで消されてしまうとリセットされてしまうので、それについての懸念も途中まではあった。

ただし、後に現在のドリムノートではリメルの願いを実現させるには力不足であることからドリムノートを成長させる余地が必要ということが判明。*8

そのため、リメルもキータクラーの進言もあってか、現時点でドリムノートの内容を占拠しているウイングマンを強化させることによりドリムノート自体の進化を促す方向性にシフトしてのだと思われる。

尚、ドラマ版ではセキュリティが強化された分だけ、割と何でも叶ってしまう反面、何よりも“具体的に書くことが大事”だと語られている。

【登場ヒーロー】


■ウイングマン

演(スーツアクター):橋渡竜馬/声:藤岡真威人

ヒーロー好きが昂じて、予てから健太が設定とデザインを煮詰めていたオリジナルヒーローで、高校生2年生となった現在ではスーツを自作して着込んでは、放課後に福本を付き合わせて自警活動(ゴミ拾いレベルだが)を行っていた。
尚、ドラマ版では如何にも手作り感満載だった原作とは大違いの本番にも使えそうなレベルの造形になっていたことにはツッコミの声も挙がったが、これも原作者の意向により変更された箇所の一つである。*9

その後、原作と同様にアオイの持っていたドリムノートを気軽に借りる感覚でウイングマンの情報を描いてしまったことで実際に変身能力を得ることになった。

変身コードは“チェイング”で、解除コードは“リ・チェイング”…原作版では変身が解けるまで姿を隠したりといった苦労が描かれていたのだが、展開をスムーズにするためか設定が追加された。  
また、これも原作者の意向により東映制作だが『ウルトラ』シリーズ宜しく変身時間が原作の“10分”から“5分”に短縮されている。

ドリムペンが単色で、設定段階で色指定をしていなかったことから原作同様にカラーリングが赤から黒になってしまっている。じゃあ、青はどこから来たんだドリムノート。

原作では当初の戦いでの力不足を痛感してからは自らを鍛え上げることを始めているのだが、ドラマ版では尺が短いこともあってか、アイディアで新装備や新技を開発して乗り切ってからトレーニングという順番になっている。
尚、変身によって人間だった時から圧倒的なアドバンテージを得られるようになるが、その力を発揮するには本人の鍛錬や経験の積み重ねも必要……というのが原作からの設定であり、それはドラマ版も共通していると思われる。ぶっちゃけ、ドラマ版のドリムノートなら基本スペックとか書き込めば反映されそうだが。

尚、今回の造形化に当たっては若かりし日の連載当時にスーツを製作させた上に自ら着込んで撮影もした原作者のアドバイスが取り入れられており、スムーズに動けることを意識して細かいデザインが変えられている。

■ウイングマンの装備・必殺技


◆羽根
“ウイングマン”の名前の由来でもある、背中に展開できる一対の翼。
実写版では半透明で半エネルギー体のようなイメージになっている。

◆クロムレイバー
腰に装備されている短剣。
展開することで長剣として使用可能なウイングマンの主装備。
当初は“剣の形に変化する”程度の設定しか反映されておらず全く破壊力が無かったが、アオイのアドバイスを受けて“ダイヤモンドより硬いレアメタル製でウイングスーツのパワーを増幅させるコンバータを備える”という設定を追加したことで見違えるような破壊力を発揮するようになった。
また、ドラマ版ではいきなり原作での強化案であるバリアレイバーのように破壊エネルギーでエンハンスしているような描写がある。

  • レイバー・ストレイズ
    健太が、学校での合体シードマンにトドメを刺すために使用した、ドラマ版のオリジナル必殺技。
    全身のエネルギーをレイバーに集中しての突き刺し攻撃と思われ、技の要領はファイナルビームに似ているのだが、此方の方がよりコンパクトでエネルギーロスも少なく周囲への被害も抑えられるといった利点がある模様。
    ガーダーシルエットの必殺技として設定されており、ガーダーの荷重をかけて一気に突き刺す技とされている。
    その後のアオイとの会話にてRXのリボルケインが元ネタだと明かされた。

  • ドライバーレイド
    ドラマでは原作とは違い、最初は背中に翼を展開してからの高速で周囲を飛び回りつつの二刀流クロムレイバーによる連続斬撃として披露された。
    しかし、その後の第6話にて改めてウイングマンの情報を描き直すことになった際に、原作準拠のきりもみ回転攻撃へと改められた。

◆ファイナルビーム
自身と周囲のエネルギーを集約して、胸(正確には前方の青のアクセント部分全般)から放たれる必殺光線。
初戦にてピンチに陥った健太が組み敷かれた状態からドリムノートだけは奪い返してアオイに投げ、代理で書いてもらう形で具現化させて使用可能となった。
ウイングマンの持ち技の中でも最大級の破壊力があるが、その分だけ周囲への被害も甚大となるし使用前・使用後ともに隙だらけとなることを反省してデルタエンドが考案されることになった。

◆スパイラルカット
額部分の飾りを外して投げつけるブーメラン攻撃。
原作では、自動的に帰ってはくるが逆さまに付いてしまうというお約束があったのだが、ドラマでは初使用時でもまともに帰ってきたのには原作を知るアラフィフ世代からツッコミが入った……が、実はスーツの造形を担当したスタッフは心得ていたので“ちゃんと額の飾りが外れる上に逆さまに付くように”作っていたらしいのだが、演出のスリム化もあってか活かせなかったとのこと。

◆コンティニパンチ
高速連続パンチ。
最初は余裕でウイングマンの攻撃を捌いていたキータクラーの防御を突破した。

◆ウィングルクラッシュ
爪先部分を尖らせ、翼の勢いも利用してからの両脚飛び蹴り(ドロップキック)。
ドラマ版では爪先が原作より更に長く尖っており非常に格好いい。

◆クロスバーン
両腕を交差させてガードしつつ体当たりで突っ込み、相手の懐に飛び込んた後にパワーを解放するように腕を広げて追加ダメージを与える。
原作では健太が生み出した格闘技術のような印象だったが、ドラマ版ではエネルギーをまとっている描写があるので、固有の必殺技として描き込まれているのだと思われる。

◆スプリクトフラッシュ
掌から放たれる破壊光線。

◆デルタエンド
「ブランチ!」の掛け声と共に、赤と黃の分身を呼び出した後に高速で接近して敵を拘束。
空中に飛び上がった後に、対象をエネルギーフィールド“デプスゾーン”の中に閉じ込めた後に電気のようなエネルギーの奔流で焼き尽くす。
フィニッシュの際の掛け声は「ショック!」
ドラマ版ではファイナルビームのような技では周囲への被害も甚大となってしまうことから、その代替案として開発された。
ポドリムスでも使用可能かどうかは不明。
尚、原作では途中から変身時間の経過を知らせるべく体の色が青→黃→赤と変化するように改め、最後の3分間の段階である赤になってから使えるという超必殺技として設定されていたが、ドラマ版では変身時間が短縮された代わりに変身直後から使用可能で、諸々の手順もスピーディーにこなせるようになっている等、より洗練されている。

◆ガーダーシルエット
初戦にて己の力不足を痛感した健太が、多くの特撮作品で採用されているフォームチェンジを元に生み出した強化アーマー。
原作では負傷箇所を補うための防御アーマーという意味合いが強く、防御に優れる代わりに動きが鈍くなるという特徴があったのだが、ドラマ版では力不足を補うための純粋な強化案なので防御のみならず身体強化の効果もあり、それまでは押されていたシードマンを反対に圧倒した。
開発された目的が違うためか、原作とはデザインとアーマーのバランスが違っている。

【主題歌】


■オープニングテーマ - BLUE ENCOUNT「chang[e]」(Sony Music Labels Inc.)

■エンディングテーマ - Nowlu「yoin」(バンダイナムコミュージックライブ)

■DMM TV版最終話エンディングテーマ - 山中のりまさ「WING LOVE」(アニメ「夢戦士ウイングマン」のエンディングテーマ)

【余談】


  • 声優の鈴村健一はリアル世代だけに番組の開始と内容の面白さについて発信しており、その甲斐もあってか桂、坂本、宮野が参加した第5話ウォッチパーティでは進行役として呼ばれるという栄誉を預かることになった。




追記修正は夢を信じてチェイングしてからお願い致します。

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最終更新:2025年03月27日 13:39

*1 尚、作者曰く(業界にも原作ファンが結構な数で居るためか)過去にも実写化の話を頂いてはいたのだがその度に流していたが、そろそろ生きて見られる最後のチャンスかと思い了承したとのこと。

*2 桂正和によれば、原作については長年に渡り気になっていた部分があったがファンのことを考えて変えなかったという事情もあったとのことで、その解消といった思いもあったという。

*3 ドリムノートの設定やキータクラーの行動原理など。

*4 DMM配信版ではポドリムス語が日本語吹替となっている等、一部に違いがある。

*5 私立傐額高等学校……だと思われる。(原作では仲額中学校)

*6 桂正和曰く、露出の多いコスチュームだが物怖じせずに素肌に着てくれたとのこと。

*7 単に目標の健太以外には偽装していなかっただけかも知れないが、他ならなぬアオイに見つかる可能性もあるので考察の余地がある所。

*8 ドリムノートの成長や変化は原作ではイレギュラーな要素だったがドラマ版では機能としての可能性の模様。

*9 曰く、現代のコスプレイヤーはレベルが高い。