Bluetooth(通信規格)

登録日:2024/12/29 Sun 18:54:00
更新日:2025/01/03 Fri 13:11:22
所要時間:約 7 分で読めます




ま 私こう見えて「最先端」の人造人間だからねえ!

もち”
Bluetooth”よ

うーん。それそこまで最先端かなぁ…


Bluetooth(ブルートゥース)とは、コンピューター機器の近距離無線通信規格である。


目次


概要

コンピュータ機器向けの無線通信規格の一つ。
現代では非常に広く普及した規格であり無線なら大体Bluetoothと思えるほど。

Bluetoothという企画はエリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の5社によって策定された。
2024年現在では後から加入した会社含め9社がプロモーター企業となっている。エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝、マイクロソフト、モトローラ、Apple、ノルディック・セミコンダクターの9つ。


Bluetooth(ブルートゥース)という名称はインテル社のジム・カーダック氏がつけたものである。 「乱立する無線通信規格を統合したい」 という願いを込めた命名であり、
かつてノルウェーとデンマークを交渉統合して、文化の橋渡しをしたデンマーク王、ハーラル・ブロタン・ゴームソンの二つ名「青歯王」に由来している。

横向きリボンみたいなロゴはオタク大好きルーン文字を組み合わせたもの。アニメの魔法陣や伝説の剣に書かれてるアレ。
ハーラル・ブロタンの頭文字のH()とB()を重ねたロゴ。


特徴

  • 無線通信できる
無線通信規格なので当たり前ではあるのだが、ケーブル要らずで電波による通信が可能。
10m程であれば間に障害物があっても通信できる。

  • 消費電力が少ない
他の無線通信規格と比較して通信時に消費電力が少ないのも長所。そのためマウスやワイヤレスイヤホンといった小型であることが求められ多量のバッテリーを積めない機器にもBluetoothならば採用できる。

  • ペアリングが簡単
①マウスやイヤホンなどのペアリングボタンを押してペアリングモードにする。
②パソコンやスマホでペアリングしたいデバイスを選ぶ。
以上!
基本的にこの短いステップで接続できるのも長所。簡単かつパスワード入力等も不要なのでお手軽に使える。

バージョン

1999年のバージョン1.0から始まり、そこから5回のメジャーアップデートを重ねて2025年現在の最新バージョンは5.4。
なお機器同士でバージョンが違っても後方互換性がある。例えばスマホが5.0、イヤホンが5.3ならば低い方である5.0に合わせて接続することが可能なのでバージョンはあまり気にしなくて良い。
しかし4.0で実装された「Bluetooth Low Energy」が原因で4.0以後と以前では互換性がないためそこだけは注意。一応頭の片隅に入れておこう。

プロファイル

Bluetoothは様々な機器を接続できるため、それぞれの言語的なものとしてプロファイルが設定されている。
音楽を転送するなら「A2DP」、リモコンで使うなら「AVRCP」などなど。
それぞれの役割に分けて数多のプロファイルが存在し、その数は約40種と非常に数が多いのでここでは取り扱わない。気になるアニヲタはWikipedia先生なりGoogle先生に各自聞いて欲しい。

クラス

BluetoothにはClass(クラス)という分類が存在する。
これは電波の最⼤出⼒や電波の届く距離を規定した規格
クラス1、2、3と数字が増えると距離が 短くなる 。キャンプなどで利⽤距離が気になるのならclassにも気をかけたいところ。
Class 最大出力電力 最大距離
Class1 100mW 約100m
Class2 2.5mW 約10m
Class3 1mW 約1m

Bluetooth採用機器の例

親機側

パソコンスマートフォン、ゲーム機など現代の主要な通信端末ではBluetoothを搭載しているのが一般的。
もしもいま使用している機器が非対応でも大丈夫。「Bluetoothアダプター」をUSBに挿せば簡単に使えるようになる。

子機側の採用例

現代ではマウスなど大半の入力機器がBluetoothに対応したワイヤレス化をしている。ただし操作遅延や通信速度や安定性などを理由に有線を選び続けるマニアも大勢いる。

  • マウスおよびキーボード
現在はBluetooth接続のものが有線と肩を並べる程に普及している。
ただし、Bluetoothでは規格上どうしても遅延が発生するため、特にゲーマー向けのマウスやキーボードではBluetoothではない無線レシーバーを採用していることも多い。中でもFPS/TPSのガチ勢は遅延を気にして有線マウスやキーボードを求める。

  • ゲームコントローラー
家庭用ゲーム機でも「Wii」、「PS3」以降ではコントローラーなど周辺機器にBluetooth接続を採用している。
更に近年の「Nintendo Switch」、「PS5」などではBluetoothを使用した音楽機器も接続できる。
なお、Xboxシリーズでは一貫してBluetoothを採用せず、wi-fiダイレクトを使用してコントローラー接続をしている。

このため家庭用ゲーム機を持っているゲーマーが、
パソコンやスマホでコントローラー対応のゲームを遊ぶ際、わざわざ新たにコントローラーを買う必要はない。
Bluetoothでペアリングすれば遊び慣れたコントローラーをそのまま使える。非常に便利。
ちなみにXBOXワイヤレスコントローラー自体はBluetoothに対応しているので箱派でも安心。

余談。「ニンテンドーDS」はBluetoothに対応していないが、周辺機器「ニンテンドー ワイヤレスキーボード」はBluetoothに対応している。これがどういうことかというと、タイピング用ゲームカードの一つ一つにBluetoothとの通信用のチップを入れるという力技で対応させている。

  • ワイヤレスイヤホン/ヘッドホン
パソコンやスマホからドライバー(耳に入れてるところ)への音楽データ転送にBluetoothを用いるものが主流。
有線特有の絡まったり断線したりというトラブルとは無縁であり、小型なので持ち運びもしやすい。

その一方でコアなオーディオマニアからは音質面の文句をつけられやすい。
現代の上位コーデック*1では人の耳で聞き分けられるほどの差はなくなっているので心配せずに買うと良い。

詳細はヘッドホン/イヤホンを参照。

Apple Watchを代表とした腕時計とスマホを合体したようなデバイス。
単なる時計以外の機能も含めて色々詰まっているのだが、スマートフォンとの接続にはBluetoothを採用するのが一般的。バッテリーを多く積みにくいため相性がいい。
この接続によって通知などをスマホからスマートウォッチに転送して、腕にくる振動で装着者へ確実にお知らせできる。
またスマホに来た電話をスマートウォッチから出て通話したり、スマートウォッチで測った運動の記録をスマホ側で確認できたりと様々な形で活用されている。

  • ペンタブレット
通称ペンタブ。一般人には馴染みがないがイラストレーターや漫画家には必須のお絵かき機器。
有線型のものもあるが、Bluetooth接続のものもあり、手軽に使えるのが長所。そして接続が切れやすいのが短所。
デジタルペンもただの棒ではなく、側面にいくつかボタンがあり機能を割り当てられるのが一般的。

  • 左手デバイス
左手デバイスというと抽象的な名前だが要はショートカットキーの独立化。
一つのスティックといくつものボタンが付属しており、それぞれに「Ctrl + Z(一つ戻る)」「ダイヤルでペンの太さ変更」などのショートカットを設定できる。
PCをよく使う人ならあると結構便利。
しかし有線だとケーブルが邪魔なのでBluetoothを採用した無線式が一般的。

  • デジタルカメラ
取った写真をスマートフォンやパソコンに送る機能としてBluetoothに対応していることが多い。
また物によってはPCとBluetoothで接続してwebカメラ代わりに使えることも。

  • 紛失防止トラッカー
名の通り置き忘れなどの時に役立つ機器。転ばぬ先の杖。
Appleの「AirTag」が代表的だが他社も出している「Anker」とか「Tile」とか。
GPSを内蔵した薄いカード状になっており、鍵や財布や推しのぬいぐるみなどに付けておくと、もし失くした際にスマホから探せるという代物。
Bluetooth通信が途絶えたまま(=スマホとトラッカーが遠く離れている)だとスマホに通知が届くという親切設計。
製品にもよるがBluetoothの範囲内にあれば音を鳴らしたりして見付けやすくする機能も。

  • (モバイル)ルーター
ルーターってインターネットに繋ぐための機器でしょ、なんでそんなものにBluetoothが?と思う方はいるだろう。
だが考えてほしい。モバイルルーターともなれば、内蔵バッテリーで動くれっきとした携帯機器だ。携帯機器はバッテリーとの戦いとも言われるジャンルであり、可能な限りの省エネが求められる。
そんな環境ともなれば、Wi-Fiより速度は出ないが省エネなBluetoothは有力な選択肢となってくる。
機種によっては速度は求めないのでとにかくバッテリー持ちを優先したいときに、Wi-FiではなくBluetoothでルーターと接続できるものもある。
またBluetoothをスマホアプリと組み合わせてルーターの「リモコン」として用いることも少なくない。

余談


基本的に手軽さよりも安定性や速度を求めるのであればUSB等の有線の方が良いのだが、例外的に「Nintendo Switch」ではBluetooth接続の方が良い。無線の方が有線で接続するよりも応答速度が速いのだ。
設定項目にわざわざ「Proコントローラー有線通信 ON/OFF」がある始末。これをOFFにするとコントローラーの充電は有線で行われるが、操作の通信はBluetoothで行われるようになるので気になる人は変えておこう。

追記・修正はBluetoothでペアリングした機器からお願いします。

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最終更新:2025年01月03日 13:11

*1 圧縮技術のこと