- この記事はコントローラーの絶対的な良し悪しを決めるものではありません。
- スティック、ジャイロセンサーの反応については未検証です。
(2019/8/15)
画像解析をプログラムによる自動検出に変更し、それに合わせて測定方法・データ処理も一部変更しました。
その影響で、
すべてのケースにおいて応答時間の数値が以前よりも約0.2F早く出るようになりました。
Switchやコントローラーの性能が変化したわけではありません。
ご不便おかけしますが、より正確な検証結果が得られているはずですのでどうかご理解ください。
詳細は
遅延検証の方法にまとめています。
はじめに
関連ページ
概要
ニンテンドーSwitch用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』において、
コントローラーのボタンを押してから画面に反映されるまでの時間を計測した。
比較の項目は以下。
-
コントローラー
- アダプター
- SwitchのUSBポート:内部・側面
- USBハブ
- GCコン接続タップの灰色端子の有無・GCコン接続数
- TV・携帯・テーブルモード
- スマブラforとSP
計測方法概略
コントローラー基板に電子回路を接続し、Aボタン入力と同時にLEDが点灯するように設計する。
カメラでLEDとゲーミングモニターを撮影し、LEDが光ってから画面に入力が反映されるまでのコマ数を数える。
この計測で測定されるのは、
-
コントローラーの処理時間
- ゲーム内部の処理時間
- モニター内部の処理時間
- モニター液晶パネルの応答時間
注意事項
時間の単位:
- 1F(フレーム) = 60分の1秒
- 1ms = 1000分の1秒
計測方法の欠点を補完して真の値に近い数値を見積もるため、
計測データには一律の補正をかけている。
詳しくは
映像解析
を参照。
経験的に、手動測定結果には±0.1F前後の誤差が含まれる。
値に誤差が含まれること、自動化への切り替えなどで掲載値が変わる場合があることに注意。
製品比較
2019/8/15現在、以下の検証が自動検出です。それ以外の項目は手動検出となります。
- コントローラー比較(一部除く)
- アダプター比較・WiiクラコンProのみ
コントローラー比較
方法
コントローラーの応答速度の差を比較する。
有線コントローラーはSwitchドック側面のUSBポートに直接接続した。
無線コントローラーは検証するもののみを接続し、混線が起こりにくい環境で計測した。
検証に使ったGCコンは、スマブラX時代に販売されていた通称「白コン」。
GCコン接続タップは純正品(WiiUのロゴ入り)。
公式サイト
によれば、Switch用として販売されているタップはWiiU用の物と同一仕様である。
Joy-ConはLRセットでの接続で、Joy-Con(R)のAボタンを押した。
Switchプロコン、CYBER無線タイプを有線接続する際は、Switchプロコン付属のUSB Type-Cケーブルで接続した。
純正コントローラー
GCコン
 5.786 F |
Switchプロコン (無線/有線)
 5.903 F / 6.733 F |
Joy-Con
 5.910 F |
ウェーブバード
 6.059 F |
国内メーカー品
HORIクラシック
 5.826 F |
HORIパッド
 5.933 F |
HORIワイヤレス
 5.949 F |
|
CYBER有線
 6.445 F |
CYBER無線 (無線/有線)
 6.455 F / 6.486 F |
CYBERライト
 6.249 F |
SN30Pro (無線/有線)
 6.464 F/6.777 F |
海外ライセンス製品
PDPGC
 5.731 F |
PDPFaceoff
 5.979 F |
PDPAfterglow
 6.032 F |
PDPRockCandy
 5.758 F |
PowerA GC有線
 6.255 F |
PowerA GC無線
 5.958 F |
PowerA Pro
 6.088 F |
PowerA Enhanced
 6.058 F |
上記以外の製品
GC類似品
 6.324 F |
プロコン類似品 (無線/有線)
 6.392 F / 6.301 F |
TNS-901
 6.087 F |
TNS-1724 (無線/有線)
 6.479 F / 6.510 F |
Tectinter
 6.015 F |
Beboncool黄 (無線/有線)
 6.414 F / 6.523 F |
KingKong Pro (無線/有線)
 8.097 F / 7.530 F |
|
結果詳細
(USB)
は、有線接続に対応している無線コントローラーをUSB(有線)接続したときの値。
標準偏差
は、応答速度の不安定さの目安。
No. |
コントローラー |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
1 |
GC |
5.786 F |
±0.335 F |
2153 |
|
2 |
SwPro無線 |
5.903 F |
±0.316 F |
4542 |
|
2.5 |
SwPro有線 |
6.733 F |
±0.461 F |
1065 |
|
3 |
Joy-Con |
5.910 F |
±0.321 F |
100 |
手動検出 |
4 |
GC Wavebird |
6.059 F |
±0.340 F |
2159 |
|
5 |
HORI GC型 |
5.826 F |
±0.333 F |
2009 |
|
6 |
HORIパッド |
5.933 F |
±0.348 F |
1087 |
|
7 |
HORIワイヤレス |
5.949 F |
±0.314 F |
4499 |
|
8 |
CYBER有線 |
6.445 F |
±0.333 F |
100 |
手動検出 |
9 |
CYBER無線 |
6.455 F |
±0.365 F |
2094 |
|
9.5 |
CYBER無線(USB) |
6.486 F |
±0.350 F |
2157 |
|
10 |
CYBERライト |
6.249 F |
±0.375 F |
2138 |
|
11 |
SN30 |
6.464 F |
±0.490 F |
2051 |
|
11.5 |
SN30(USB) |
6.777 F |
±0.538 F |
1064 |
|
12 |
PDPGC |
5.731 F |
±0.307 F |
1400 |
|
13 |
PDPface |
5.979 F |
±0.334 F |
1034 |
|
14 |
PDPAfterglow |
6.032 F |
±0.399 F |
1115 |
|
15 |
PDProckcandy |
5.758 F |
±0.330 F |
1177 |
|
16 |
PowerA GC有線 |
6.255 F |
±0.335 F |
1069 |
|
17 |
PowerA GC無線 |
5.958 F |
±0.316 F |
2206 |
|
18 |
PowerA Pro |
6.088 F |
±0.368 F |
1174 |
|
19 |
PowerA Enhanced有線 |
6.058 F |
±0.403 F |
1176 |
|
20 |
GC類似品 |
6.324 F |
±0.462 F |
2165 |
|
21 |
プロコン類似品 |
6.392 F |
±0.405 F |
2282 |
|
21.5 |
プロコン類似品(USB) |
6.301 F |
±0.379 F |
1159 |
|
22 |
TNS-901 |
6.087 F |
±0.381 F |
2047 |
|
23 |
TNS-1724 |
6.479 F |
±0.376 F |
2822 |
|
23.5 |
TNS-1724(USB) |
6.510 F |
±0.346 F |
1825 |
|
24 |
Tectinter |
6.015 F |
±0.348 F |
1170 |
|
25 |
BEBONCOOL黄 |
6.414 F |
±0.355 F |
1965 |
|
25.5 |
BEBONCOOL黄(USB) |
6.523 F |
±0.343 F |
1051 |
|
26 |
KingKong Pro |
8.097 F |
±0.586 F |
1174 |
|
26.5 |
KingKong Pro(USB) |
7.530 F |
±0.402 F |
1176 |
|
GCコンはSwitchプロコン(無線)よりも少し応答が速い。
Switchプロコンは、有線接続時の方が明らかに遅延が大きい。応答速度も不安定になる。
他の有線・無線両用タイプも、有線接続によって遅延が少なくなることはない。
サードパーティー製で応答が速いのは、PDP, HORIコン, PowerA無線。
アダプター比較
方法
MAGIC-NSは
- 無線接続・振動なしのSwitchモード(ランプ色:赤)
- 無線接続・振動ありのSwitchProモード(ランプ色:紫)
- 有線接続モード
を試した。
GC用アダプター
純正タップ+GC
  5.786 F |
CYBERタップ+GC
  6.068 F |
Mayflashタップ+GC
  6.635 F |
8bitGBros+GCコン
  6.293 F |
8bitGBros+Wiiクラコン
  6.266 F |
|
Bluetooth用アダプター
MAGIC-NS+Switchプロコン (無線/無線振動/有線)
  6.835 F / 6.948 F / 7.390 F |
Switchプロコン (無線/無線振動)
  6.950 F / 6.955 F |
8bit+WiiUプロコン
  6.748 F |
結果詳細
アダプター |
コントローラー |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
純正 GC接続タップ |
GCコン |
5.786 F |
±0.335 F |
2153 |
自動検証 |
CYBER GC接続タップ |
GCコン |
6.068 F |
±0.393 F |
100 |
|
MAYFLASH GC接続タップ |
GCコン |
6.635 F |
±0.335 F |
1174 |
自動検証 |
8bitGC |
GCコン |
6.293 F |
±0.430 F |
300 |
|
8bitGC |
WiiクラコンPro |
6.266 F |
±0.411 F |
2125 |
自動検証 |
MAGIC-NS(赤) |
SwPro無線 |
6.835 F |
±0.498 F |
50 |
|
MAGIC-NS(赤) |
WiiUPro |
6.950 F |
±0.531 F |
2138 |
自動検証 |
MAGIC-NS(紫) |
SwPro無線 |
6.948 F |
±0.530 F |
60 |
|
MAGIC-NS(紫) |
WiiUPro |
6.955 F |
±0.525 F |
2165 |
自動検証 |
MAGIC-NS 有線 |
SwPro有線 |
7.390 F |
±0.595 F |
50 |
|
8Bitワイヤレス |
WiiUPro |
6.770 F |
±0.346 F |
2135 |
自動検証 |
スーパーコンバーター |
WiiUPro |
6.876 F |
±0.575 F |
2112 |
自動検証 |
スーパーコンバーター |
WiiクラコンPro |
6.195 F |
±0.338 F |
1070 |
自動検証 |
接続タップの処理速度にはメーカー差がある。
この中では純正品が最も速かった。
使用環境比較
接続数比較
方法
同時接続されているコントローラーの数による、無線コンの応答速度の違いを調べる。
測定対象はSwitchプロコン(無線)
。
他に接続するコントローラーは、
- 無線:Switchプロコンx2, Joy-Con(L), HORIワイヤレス, CYBER無線, SN30, PowerA無線
- 有線:Switchプロコン(USB), HORI GC型, HORI有線, CYBER無線(USB), PDP, TNS-901, Tectinter
とした(それぞれ計7台)。
正確には、Switchに接続されているコントローラーの状態は以下の2つがある。
- 「認識」状態:ボタンを一度でも押した状態。操作を常時受け付けている
- 「登録」/「配線」状態:ボタンを一度も押していない状態。実質的に接続が切れている
今回は、認識、登録/配線それぞれの台数を調整して検証した。
結果
認識数 |
登録・配線数 |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
1台 |
無線登録3台 |
5.903 F |
±0.316 F |
4542 |
登録はJoy-Con×2とプロコン |
1台 |
無線登録8台 |
5.803 F |
±0.354 F |
100 |
|
1台 |
無線登録8台 有線配線7台 |
5.894 F |
±0.314 F |
2122 |
|
1+有線7台 |
無線登録8台 有線配線7台 |
5.887 F |
±0.319 F |
1532 |
|
1+無線7台 |
無線登録8台 |
6.226 F |
±0.398 F |
2150 |
|
無線コン認識数が増加すると、応答速度が遅くなる。
そのほかの要素は応答速度に影響しない。
USBポート・ハブ
方法
Switchドックの
内部・側面のUSBポート
の差、および
USBハブ
を使ったときの差を検証した。
測定対象は、GCコン接続タップとSwitchプロコン有線接続。
内部のUSBポートはUSB3.0規格だが、本体ファームウェアが未対応のため、実質的にUSB2.0と同機能である。
側面の2つのUSBポートはどちらもUSB2.0規格。
USBハブは、ELECOM社製のバスパワータイプのものを2種類、セルフパワータイプの物を1種類比較した。
GCコン接続タップは原則として黒・灰色の端子を両方接続した。
ただしGCコンを内部ポートに直接繋ぐときのみ、黒の端子のみを接続し、灰色の端子は接続しなかった。
結果
コントローラー |
USBポート |
ハブ |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
GC |
内部 |
直接 |
5.748 F |
±0.339 F |
100 |
|
GC |
側面 |
直接 |
5.786 F |
±0.335 F |
2153 |
|
GC |
内部 |
U3B |
5.820 F |
±0.345 F |
100 |
|
GC |
側面 |
U2B |
5.858 F |
±0.325 F |
100 |
|
GC |
内部 |
U3S |
5.785 F |
±0.347 F |
100 |
|
GC |
側面 |
U3S |
5.775 F |
±0.351 F |
100 |
|
SwPro有線 |
内部 |
直接 |
6.760 F |
±0.441 F |
50 |
|
SwPro有線 |
側面 |
直接 |
6.733 F |
±0.461 F |
1065 |
|
SwPro有線 |
内部 |
U3S(電源無) |
6.755 F |
±0.469 F |
2169 |
|
SwPro有線 |
内部 |
U3S |
6.742 F |
±0.456 F |
1814 |
|
SwPro有線 |
側面 |
U3B |
6.740 F |
±0.484 F |
50 |
|
SwPro有線 |
側面 |
U2B |
6.704 F |
±0.454 F |
1143 |
|
接続箇所(内部・側面)では有意な差は見られない。
USBハブも応答速度にほぼ影響しないと言える。バスパワー・セルフパワーのタイプ差もない。
電力不足状態のUSB・プロコン
方法
1つのUSBポートに対し、USBハブで大量の機器を接続した場合などには、給電量が不足して分岐先の一部の機器が反応しなくなる。
この状態にあるとき、同じハブ内の給電されているコントローラーの応答速度が影響を受けるのかどうかを調べた。
また関連として、
Switchプロコンの充電池を抜き、ポートに直で有線接続した状態
での応答速度も検証した。
測定では、側面のUSBポート1つに対してタコ足配線でスピーカー・大量のコントローラーを接続し、電直不足状態を設計した。
計測対象は
有線接続のSwitchプロコン
とし、充電池フル充電・1個目のコントローラーとして認識させた状態で計測した。
他に接続するコントローラーは手持ちのものを適当に利用し、可能な限りSwitch本体に本体に認識させた。
ちなみに、給電不足だからといって有線プロコンが勝手に無線接続に切り替わることはない。
+
|
電力不足状態の設計詳細 |
- ハブ1:ELECOM USB2.0 4ポート
- USBスピーカー
- CYBER無線USB接続
- PDPコントローラー
- USBハブ2
- ハブ2:ELECOM USB3.0 4ポート
-
Switchプロコン
- GCコン接続タップ(黒・灰2端子、GCコン3つ接続)
- USBハブ3
- ハブ3:ELECOM USB2.0 4ポート
- HORI GC型コントローラー
- TNS-901
- PowerA有線
電力不足状態をより顕著に実現するという観点では、ハブ3にSwitchプロコンを接続するのが理想的だと思われる。
しかし、ハブ3に接続したところプロコンが全く認識されなかったため、ハブ2への接続で妥協した。
ハブ3に接続されているコントローラーは動作が非常に不安定で、全く認識されないこともあった。
また、新たにSwitchのコントローラー認識数を増やそうとすると、別のコントローラーの認識が切れることがあった。
|
結果
ハブ給電状態 |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
通常・電池抜 |
6.730 F |
±0.454 F |
100 |
|
通常 |
6.698 F |
±0.486 F |
100 |
|
電力不足 |
6.898 F |
±0.475 F |
100 |
|
通常 |
6.660 F |
±0.482 F |
100 |
非純正ケーブル |
電力不足 |
6.688 F |
±0.439 F |
100 |
非純正ケーブル |
電池抜きプロコンは、通常の有線接続プロコンとほぼ変わらない値を示した。
電力不足状態においては、応答が有意に遅延する場合があった。
ただし、電力不足でも接続状況によっては遅延しなかった。
今回の計測では、接続に使うUSB Type-Cケーブルを非純正品に変えた場合に遅延が発生しなくなった。
非純正ケーブルはCYBER無線タイプに付属していたもので、Switchプロコン付属の純正ケーブルよりも短い。
他の条件は特に変更していないことから、「短いケーブルは接続が安定している」という仮説が有力なように思われる。
同時接続できる数が 非純正:7台>純正:4台 で、非純正の方が安定していたことも記しておく。
(上記以上の台数を繋ごうとすると、プロコンの接続が切れた。接続位置やコントローラーの種類にも依存すると思われる)
GCコン接続タップの灰色端子/GCコン接続数
方法
GCコン接続タップには2つのUSB端子がある。
黒い端子がデータ転送用、灰色の端子が振動モーターの電源用となっており、黒端子のみを挿してもコントローラーは動作する。
ここでは、
灰色端子を繋いだ時と繋がない時で応答速度に差が出るかどうか
を比較した。
合わせて、接続タップに繋ぐコントローラーの個数も変えて検証した。
なおコントローラー所持数の事情で、4個接続の内訳は純正GCコン×2, ウェーブバードx1, GCコン類似品x1 とした。
結果
接続数 |
端子 |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
GCコン1個 |
黒+灰 |
5.740 F |
±0.357 F |
50 |
|
GCコン1個 |
黒 |
5.805 F |
±0.310 F |
50 |
|
GCコン4個 |
黒+灰 |
5.810 F |
±0.329 F |
50 |
|
GCコン4個 |
黒 |
5.715 F |
±0.340 F |
50 |
|
結果にはわずかに差があるが、統計的に
ずれは誤差の範囲内
である。
灰色端子の有無、コントローラー接続数は応答速度に影響があるとは言えない。
ハードウェア比較
Switchモード比較
方法
携帯モード・テーブルモード・TVモード
の3つで応答速度を比較した。
TVモードの結果はコントローラー検証に準ずる。
携帯モード・テーブルモードは、映像解析の補正が一部異なる(詳しくは
映像解析
を参照)。
結果
モード |
コントローラー |
遅延平均 |
標準偏差 |
測定回数 |
備考 |
携帯モード |
Joy-Con(接続) |
6.495 F |
±0.431 F |
150 |
|
テーブルモード |
Joy-Con |
5.960 F |
±0.357 F |
100 |
|
テーブルモード |
SwPro無線 |
6.085 F |
±0.427 F |
100 |
|
TVモード |
Joy-Con |
5.910 F |
±0.321 F |
100 |
|
TVモード |
SwPro無線 |
5.903 F |
±0.316 F |
4542 |
|
応答の速いテレビやモニターに繋ぐ場合、TVモードが一番早い。
Joy-Conで操作するにしても、携帯モードのほうがテーブルモードよりも反応が遅い。
for/SP比較
方法
スマブラforWiiUとスマブラSPの入力遅延を比較した。
コントローラーはGCコン+純正タップ。
この検証のみ、異なるゲーミングモニター(VX2363SMHL)を使用した。
そのため、SPの計測値もコントローラー比較のものとは異なる。
結果
ソフト |
遅延平均 |
標準偏差 |
forWiiU |
4.668 F |
±0.359 F |
SP |
5.780 F |
±0.340 F |
SPの方が約1F応答が遅い。
応答速度に影響する事象
無線コンの応答速度の周期性
本検証において、無線コントローラーの応答速度が周期的に変化していることが確認された。
周期は
どの無線コンでも約500秒
で、
平均値の振れ幅は約0.3F
。
(ただし通信方式の異なるウェーブバードに限り、周期は
約300秒。)
応答速度はひとつの周期の中で徐々に遅くなっていき、周期が終わると最初の速い状態に戻る。
測定結果に掲載しているのは、
周期変化の中心の値
。
詳しくは
周期性の分析
にて。
↑ 無線接続したSwitchプロコンのデータ。
左:応答速度の時系列データ(平均との差を描画)。明らかに周期的な変化が発生している。
右:フーリエ変換による周期成分抽出。500秒付近にピークがある。
↑ こちらは有線接続したSwitchプロコンのデータ。周期的な変化は見られない。
無線コンの電波干渉
無線接続のコントローラーは、 電波干渉で入力信号の送受信が不安定になることがある。
遅延検証@オフ会場では、
干渉の影響で最大
+2.5F
程度の大幅遅延が突発的に発生しうる
ことが確認された。
一方、別の大会ではそれ以上の遅延が感じられたという報告もあるため、さらに干渉の影響が強いケースがあると考えられる。
そこで、非常に大きい電波ノイズとして
電子レンジ
をコントローラーの横に置いて応答速度を検証した。
電子レンジはBluetooth機器と同じ2.4GHz帯の電波を発するため、プロコンの電波に強く干渉する。
初め・終わりのそれぞれ1分間は通常通り、中間の2分間は電子レンジを500Wで動作させて計測した。
測定2回分の結果が以下。
応答時間の時系列データ2回分。
赤背景が電子レンジ動作区間。
レンジ動作中に無反応だった回数を左上に記載。
- 応答時間の平均値は、1回目では+0.4F, 2回目では+1.0F、通常時に比べて遅くなった。
- 遅延の振れ幅は最大+3.5F程度。
- 通常時と同程度の応答速度になる場合もある。
-
ボタンが無反応になるケースが多く発生した。
- 測定条件は同じだが、2回目の方が干渉の影響が大きい。原因は不明。
実際に操作してみると、通常の応答と大幅遅延が頻繁に混ざってくるために遅延を体感しやすい。
遅延報告があった大会では、
遅延検証@オフ会場の時以上・この実験以下の干渉があったと考えられる。
まとめ
GCコン > Swプロコン無線 = Joy-Con ≧ Swプロコン有線
- GCコン接続タップはメーカーによる性能差があり、純正品は応答が速い。
- SwitchドックUSBポートの内部・側面に応答速度の差はない。
- ハブ内で給電量が不足している場合、コントローラーの応答速度が遅くなることがある。
- GCコン接続タップは、灰色端子を繋がなくても応答速度は変わらない。
GCコンを繋ぐ個数も応答には影響しない。
- Switchのモードによる差は、テレビ・モニターの反応速度が良ければ
TVモード≧テーブルモード>携帯モード
- スマブラSPはスマブラforWiiUよりも1フレーム強、応答が遅い。
- 無線コントローラーの応答速度には約500秒の周期で変化する。また、電波干渉によって応答速度が遅くなる。
生データ
測定詳細
おわりに
繰り返しになるが、この検証は
コントローラーの絶対的な良し悪しを決めるものではない
。
特に、この検証では「ボタンを押す」という物理的な動作にかかる時間を想定していない。
ボタンのゴムが高い・硬いならば、指でボタンを押してから実際に信号が送られるまでは時間がかかる。
GCコンのLR,Zボタンに関しては物理的な構造が普通のボタンとは異なるため、押下→入力までの時間も通常のボタン以上に長い。
現実にはボタンまで指を運ぶ動作もあるし、コントローラーのボタン位置に慣れていなければその分だけボタンを押すのは遅くなる。
数ミリ秒の応答速度のために手に馴染まないコントローラーを使うよりは、
使い慣れたコントローラーで操作したほうが総合的に反応が速くなるのは間違いない。
0.3Fくらいまでの入力遅延なら、ボタン配置や握り心地などの好みを優先してもいいように思う。
コントローラー検証では、購入費の融資やコントローラーの貸し出しという形で多くの方に協力をいただきました。
また
遅延検証@オフ大会では、ウメブラ運営様に検証スペースを提供いただきました。
この場で改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
参考
海外で行われた同様の検証。結果は本ページのものとおおよそ整合的。
こちらは合わせて、歴代のスマブラシリーズの遅延比較もしている。
この動画シリーズでは、ロックマン11はセルフパワーのUSBハブでGCコン接続タップの応答速度が向上したという結果が出ている。
動画投稿者によると、スマブラではそのような現象は見られなかったと言う。
複数のコントローラーに配線を繋ぎ、ボタンが同時に入力されるように設定し応答に差が出るかどうかを調べた検証。
結果は以下の通り。
- Switchプロコン有線が無線よりも1F遅い
- GCコンと無線プロコンを比べた場合、
- 83%:同時に入力される
- 14%:GCコンの方が速い
- 3%:プロコンの方が速い
Noodalls氏,WydD氏による独自の検証方法
入力したタイミングを、コンバーターでゲーム画面に直接表示する手法。PS4などの格闘ゲームが調査対象。
リンク:
ストリートファイターⅤでは「50秒の周期で入力遅延が4~7Fの間を推移する」という仕様が指摘されたことがある。
現在はアップデートで改善された。
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最終更新:2020年08月29日 14:48