登録日:2012/05/07 Mon 03:34:47
更新日:2025/03/18 Tue 13:28:24
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ようこそ…
君達にわざわざ集まって
もらったのは他でもない…
とても大事な事を伝えねばならぬからだ
魔王オディオ(The Lord of Dark Odio)とは
LIVE A LIVEにおける最終ボス。さらに関連するBGMの曲名でもある。
リメイク版では専用バージョンの
「魔王オディオに捧げる絶望のフーガ」がテーマ曲。
概要
中世編の舞台であるルクレチア王国を滅ぼし、各シナリオの主人公達を時空を超えて召喚した張本人。
最終編におけるルクレチアは時空を完全にオディオに支配されており、抜け出すことは不可能。
逃げようとしても、最終編開始時の
次元の狭間のような多次元空間に飛ばされてしまい、再びスタート地点に戻ることになるか、正体不明の魔神・ヘッドプラッカーに襲われて葬られる。
行動
各シナリオの主人公達をわざわざ時空を超えルクレチアに転移させてきたのは以下の2つを伝えるため。
- 「君達は英雄になった…しかし他の人間達は一体何をした?」
「君たちに助けを乞うばかりだったろう」
「自らの身は危険に晒さず、他者に頼り、幸せだけは求める…そんな人間達なぞ救うに値しない」
と諭すため。
- 「君達は一体何の為に戦ってきたのだ…?」
「君達は戦いに勝って大切なものを手に入れた…だがそれらも所詮一方的な欲望ではないのか?」
「自分にとって大切なもの…それを守る為ならば他者を傷つけて良いというのか…?」
と問うため。
後者に関しては時空を通して見聞きしていたらしく、後の会話の内容も全て主人公毎(心山拳継承者3人も含めて)に台詞が異なる。
お前達もこの世界に住んでいた醜い人間達と同じだ…
あいつらと同じ様に…己の生き様を後悔しながら…
その会話の途中から、嘗て自分に降りかかった悲劇を思い出したかの様に、恨み交じりに呟き──
別れを告げさせてやろう…
悩みと苦しみに満ちた その罪深き人生に…!!
そう叫び、戦闘開始となる。
戦闘
戦闘フィールドは無数の屍の上。中央に黒い大穴が開いている。
背景にはマントを開いた魔王オディオが見える。
リメイク版ではオディオの背後で、憎悪の炎がギラギラと輝いている…。
前半戦(戦闘BGM:ILLUSION...)
ボスの名前は「オディオ+顔の部位」であり、顔の形状になっている。
オディオモールを除き、向きが変わると表情がSF編のOD-10同様に変化する。
リメイク版では旋牙連山拳とハリケンショットによる瞬殺対策だろうか、各パーツには精神・風属性耐性がある。
なお見た目に反して普通に移動可なので、ラスボスで福笑いができる
オディオアイ×2(HP800)
天使の羽にブドウの房と楽園を思わせるような不気味な装飾が施された眼球。血の涙を流しており、「激流旋回剣」等の水の技をよく使う。
ライブイレイザーでHPを吸収してくる他、まどわしのひとみでこちらを睨み眠らせてきたりする。
忍法矢車草等の強力な範囲攻撃で一気に仕留めると楽。また、攻撃の都合で横からの攻めには弱いようだ。
初期状態の半目の時は下向きで、目が見開いている時は上向き。
リメイク版では突・火・土の技が弱点。
オディオマウス(HP1440)
オディオアイに準ずるデザインをした口。口だけに相手を「かみ砕き」、「メルトブレス」を吐きだす。
横にいるとデスパースペースで足封じしてくる。位置の関係で喰らいやすい上にダメージも大きい。
集中攻撃で撃破するなりオディオアイ共々範囲技で巻き込むと楽。弾き飛ばし技で位置をずらすのも手。
初期状態は下向きで、上向きになると口が開く。
リメイク版では鋭・善の技が弱点。
オディオモール(HP992)
「繭」の名を関する翼を閉ざした何者か。
糞硬い。自分からは何もしてこないが、コーラのビンでさえ1ヒットにつき1ダメージに抑える特殊能力持ち。全床耐性持ち。
さらに攻撃すると反撃技リベンジストームで全体回復・強化を行う為、範囲攻撃に巻き込まないよう注意。
こちらが何もしない限り移動しないが、リベンジストームを使うとたまに行動異常になって(リメイク版だと「興奮」状態)、移動することもある。
ユンの空破旋風手かサモのほいこ~ろ~のみ反撃無効技の為、リベンジストームを食らわずに倒すことが可能。この場合後半戦は無くなる。(BGMは両方ともサウンドテストに追加される)
なお、リベンジストームの回復量も1にするため、多段ヒット技で毎回1以上のダメージを与え続ければ、リベンジストームの回復量を相殺してダメージを与えられる。
反撃無効技を使うにせよ何にせよ、HPが992もあるので倒すには非常に時間がかかる。やりこみ勢でない限り、素直にアイとマウスを倒して後半戦へ持っていこう。
後半戦(戦闘BGM:PURE ODIO)
前半戦からの連戦になるが、後半戦開始時、ピュアオディオ初期位置にいた味方は画面隅にふっ飛ばされる。
ピュアオディオ(HP2032)
実質最終ボス。オディオモールが中央の大穴に移動し、翼を広げた形態。
その姿は、血の色をした花の上に、目をぎらつかせて生誕したような赤子の姿であった…。
オリジナル版では技での向き変えや吹き飛ばしは無効化される。リメイク版では可能。
敵は通常、上向きと下向きの戦闘用ドット絵が用意されていて、それらを左右反転させることにより「右上」「左上」「右下」「左下」向きを表現している(左右対称に描かれたOD-10のような例外も居るが、OD-10でも上向きと下向きの2パターンは存在している)。
だがピュアオディオは正面を向いているドット絵しかなく、その絵が左右反転する。実はこの左右反転2パターンだけで4方向の向きが表現されており、
- スーファミ版は画面左側の目が見えている時は右上向きまたは右下向き、画面右側の目が見えている時は左上向きまたは左下向き
- リメイク版は画面左側の目が見えている時は右下向きまたは左上向き、画面右側の目が見えている時は左下向きまたは右上向き
と非常にややこしい。
なお向きの見極めは「セントアリシア」を出した時が一番わかりやすい。「セントアリシア」の斜め射程の方向に向いている。
その恐るべき使用技
相手のHPを吸収する悪属性の技。独特な射程範囲ながら、届く距離が長い。しかも自動反撃でも使われる。
なぜか使用後にピュアオディオ自身が90度回転する。
謎の空間が相手に襲いかかり、大ダメージを与えて足を封じる悪属性の技。さらに体を大きく下げる。
ここから立て続けにライブイレイザ―やデスパースペースを喰らうとさらに痛い目にあう。
本来ならば、さらに電撃地形を作るはずなのだが、このフィールドではダメージ地形が作れない。
リメイク版ではその制約が取っ払われたので電撃地形も貼られるようになり、「その場で動けぬまま死んで行け」と言わんばかりの強化を得た。
全画面を攻撃し、吹き飛ばした挙句二重に向き変更効果を与える面倒な技。これがあるせいで、溜め技をピュアオディオに成功させるのは難しいのである。ダメージ量自体は低め。
ちなみに仮に踏みとどまったとしても反撃できない。
憎悪の化身であるオディオらしく、何より恐ろしい攻撃。
指定した場所から3×3範囲内のキャラに知依存の大ダメージを与え、さらに力依存で酔い・睡眠・石化という致命的な状態異常を引き起こす。
その上LVを大きく下げる。具体的には自然回復するものの、0にまで落とされる。
囮役以外には受けさせられないよこんなモン!!
力が異様に高くて知を上げても逃れられないことが多いので、石化耐性を持つエリアルシリーズは必須。
例外的にキューブで受ける場合は、彼は睡眠以外の状態異常耐性を持つので、睡眠対策だけで良い。
このゲームにおける強い技の条件を満たした効果も厄介だが一番恐ろしいのは演出。
その演出とは
という恐怖を感じる技である。
リメイク版では演出が少し変化しており、
「聖女が業火に焼かれ、阿鼻叫喚の絶叫を上げながら焼き尽くされる」
という、ビジュアルや音声が全体的に進化したリメイク版でも例外なく強化された。
頑張りすぎだ、スタッフ。
HPを半分以下かアイテム経由の「天使のリサーチ」「ウホウホダンス」を使って行動異常(リメイク版では「興奮」状態)にすれば安定して拝めるが、攻撃役が巻き込まれる事態は避けたい。
キャンセラレイでのタメ時間キャンセルを避けるためにあえて行動異常にし、オトリに向けてセントアリシアを出してもらって、ハリケンショット等タメ時間のある強い技で攻撃という攻略方法もある。
攻略
セントアリシア対策として数人は石化耐性をつけ、各々の持ち技の効果を高めるために装備品によるステータス・耐性強化をしておく。
ピュアオディオになると能力がかなり高いので、絶え間ないくらいの相手への弱化をしっかり行う事。SFC版ではLvを中心に、リメイク版ではバフ→デバフを試みたい。
キャンセラレイで無効にされると言っても溜め時間の短い技なら狙い易い。西安破裏拳クラスは諦めろ。
溜め不要かつ高威力の通打、旋牙連山拳、新・みだれ撃ち、ドデゲスデン辺りも有効。
それでも勝てないなら単純に育成不足。リンバースキュラやイシュタールを乱獲しよう。
ちなみにリメイク版だと、ピュアオディオの初期位置がスーファミ版より1マス上なので、スーファミ版と同じようにフィールド左上や右上が威力の低いキャンセラレイしか来ない安全地帯と思っていると、他の技もガンガン食らうこととなり痛い目に遭う。戦闘フィールドが3Dの見下ろし視点になったため、初期位置が変化していることに気づきにくいという罠でもある。
リメイク版では防具により善・悪属性への耐性を高めることで被ダメージを減らせるのでそれも行っておくと有利に戦える。
SFC版に比べれば状態異常や行動異常を狙う余地もあるので、メンバー次第では狙って溜め時間のある技で勝負をかけてもよいなど、こちら側の攻略の余地は広まっている。
ちなみに負けるとハルマゲドンEDとなる。
ピュアオディオを倒すと、
魔王が正体を現す。そしてとどめの催促をしてくるが、断る事が可能。
ちなみにとどめを刺す事を選ぶと戦闘になるが、
普通にデストレイルとか使ってくることがある。
オイ、死にたいんじゃないのか。
とどめを刺してしまうとNEVER ENDとなり、後味の悪い結末となる。
リメイク版ではこのバトルに専用ボイスが付いている。精神的に不安定になっていることがわかり、声優の演技力も相まって、ますます後味が悪い。
止めを刺さず、そのまま7大ボスの像の部屋まで戻るとED。
全キャラを一度は仲間にしてるか否かで真のEDに分岐する。そうでない場合は仮EDとなる。
●以下真ED・最終決戦ネタバレ
まだだ…!
まだ終わらぬ!!
…私を倒しても…
私は永遠に生き続ける…
知るが良い
『オディオ』の意味を!
石像の間で合流した英雄達の前に再び姿を現すオディオ――
それは‥‥
それは人間が存在する限り
永遠に続く『感情』なのだ…
その感情の名を…
『憎しみ』あるいは…
『オディオ』というッ!!
その言葉に呼応したかのように7つの石像の瞳が輝き、相対する英雄達。
拙者も己の道を行く…
それを 阻むと言うならば…
斬るッ!!
そして、『オディオ』の名を連ねた敵達と2度目の対決となる。
今一度、憎しみを超えていく戦いでもある。
ぶっちゃけ各編のボスラッシュ。ただし導入の追想に反し各編での味方はおらず、タイマンとなる。
その為ポゴやサンダウンは以前の戦法が使えない他、育成状況や立ち回りによっては高原や心山拳師範も事故ポイントになり得る。
初撃の手応えで苦戦を予期したら、最終編で手に入れたアイテムも有効活用して乗り切りたい。
な…なぜ勝てぬ…!?
これが我々の運命なのか!?
我々とお前達…
一体何が違うというのだッ!!
またしても敗れた事に声を荒げるオディオ。
…驚く間もなく、憎しみを再び打ち破ってみせた7人の前で
突如苦しみだした彼は、魔王山全体を揺らすほどの力を開放する。
!!
山全体が揺れている…!?
あのとんでもない力が…どんどん強まってる…!
フシュ!何が起こってるんだっチ!?
こ、この渦巻く気配は…!?
この世界のドス黒い念が.…集まってやがる…!
まだ終わらねぇってのか…!!
気を抜くな…!
…!!
このルクレチアに渦巻く、赤黒い憎しみが募り、集ったその時───
其処にいたのは、まだ滅びぬとばかりに浮かび上がる憎悪の化身達を背に、
憤怒を思わせる、熱く赤く禍々しく輝く炎を覗かせる。
「魔王オディオ」を核とする漆黒の巨人の姿であった。
- Sinオディオ(戦闘BGM:GIGALOMANIA)
28年もの年月を経て我々の前に現れた新たなる「オディオ」。
「罪」を意味しつつ、「新」「真」ともとれるダブルミーニングを思わせる名前をしている。
新規戦闘曲も、実はイントロの部分がリメイク版発表時の初報トレーラーで使用されていたため、戦闘突入時に流れて驚いたプレイヤーも多いだろう。
その姿は、オディオアームと呼ばれる両腕を生やしており、無くなると【魔王山の山頂に建てられていた魔王の銅像そっくりな姿】となる。
戦闘フィールドの上部分をその見た目で制圧し、主人公たちの何倍もの大きさを誇る…この世界の憎しみを取り込んだかのような禍々しい存在だった。
背景には敗れ去った7人の『オディオ』の名を冠する者達が陽炎のように映し出されており、中央にはオディオの核たる男が取り込まれている。
度々鬼の如き形相から火の粉が散るが、まるで
涙が溢れているようにも見える。
また、この姿のために「
中世編におけるオディオはストレイボウでもオルステッドでもなくこのSinオディオなのでは?」と考察も広がっている。
最初にピュアオディオを止めた4人の英雄たちで戦う。
Sinオディオ本体と左右のオディオアームは独立しており、オディオの意味するところである「憤怒」「憎悪」を冠した高威力の範囲攻撃をメインに使用してくる。
一番危険なのはSinオディオ本体から放たれる「憤怒の絶叫」で、全体攻撃+腕封じ・足封じ・酔い・眠り・毒・麻痺・石化をそこそこの確率で付与させてくるので、数人は状態異常耐性を固めたい。
防御能力自体はピュアオディオより低いので、攻撃が通らず詰む心配はない。回復用の余力が残っていれば勝機はある。
もっとも目・口→ピュアオディオ→休憩をはさんでボスラッシュ→直後にこの戦いとあるので、意図的に無理ゲーを避けた調整はされていそうである。長丁場なのでSwitch本体の電池にはご用心。
ちなみに負けるとハルマゲドンEDとなる。
ある程度手傷を与えるとSinオディオの様子が変化。
核となっている男がオディオの身体に取り込まれるように閉ざされる。
背景も変わり、赤黒い憎しみの瘴気がより強まってゆく。
そして次の瞬間、Sinオディオは大技「呪縛の圧」を放ち、英雄達は力を封じられ動くことができなくなってしまう。
万事休すかと思われたが、ここでパーティに編成していなかった3人の英雄達が加勢し、巨大な魔王に挑む。
あい~~ッ!!
明けぬ夜はない…!
ジジイ、ユン、サモ…見てなよ!
お師匠さん、ユン、レイ…オラたちに力を!
お師匠様、レイさん、サモさん!今こそ僕達に力を!
無理を通してみせるッ!!
最強は…俺達だ!
守って…みせるさ!
……!!!
HPをある程度回復しての仕切り直しになるが、3人の英雄達のレベル上げをサボっていたり、ついうっかり装備品を投げやりにして別れているとここが山場と化す。
その場合は回復・攻撃アイテムも惜しまず使い、効果の高い技を当てるチャンスを作ろう。
加勢した3人の英雄達の奮戦によりSinオディオが怯み、4人を封じていた呪縛が解ける。
7人の英雄達は、全員の力を合わせ【Sinオディオ】に対抗する。「たたかう」か、あえて「パス」して見届けるか…
なお、溜め時間は一切生じないので思い思いの技を使うことが出来る。最大の必殺技を叩き込むも良し、初期技を叩き込むも自由である。
攻撃を加えていくと、再びSinオディオの様子に変化が現れ……
どこかで聞いたことのある声が聞こえてくる。
何者かの声と共に、Sinオディオに取り込まれた男の姿が少しずつ表面に露わになっていく。
魔王のものではない声がはっきりと聞こえてくる。
どんどんと姿が露わになる男。
だが、次に聞こえてきたのは魔王と同じ、憎しみを叫ぶものだった。
憎しみの力は膨大で、英雄達の全ての力を集結しても倒すことは叶わず、またしても「呪縛の圧」を使い、全員の動きを封じてしまう。
圧倒的な力の前に、もはやここまでかと思われたその時……
【8人目の英雄】が目覚める。
Sinオディオから産み落とされるかのように、地面に叩きつけられた男。
血のように黒い靄が彼の周りの地面を染め上げるが、風化する様に消失する。
自らの役割を思い出し、剣を構え…Sinオディオに一閃を貫く。
ちなみにコマンド選択は「たたかう」固定なのでシリアスブレイクは発生しないようになっている
思い出した…私は…オルステッド…
…その男は、自分が誰であるか、何であるかを思い出したのだ…。
各時代の英雄達に諭され、慰められ、叱咤された彼は―――
自らも人間である事を諦め忘れていた事、アリシアへの未練、
何より自身の心の弱さ、過酷な事実から逃避していた事を自覚する。
私が消えれば…
お前達も それぞれの世界に帰れる…
だが…覚えておくがいい…
誰しもが魔王になりえる事を…
『憎しみ』がある限り…
いつの世も…
塵となって消えていく、かつての勇者。
『憎しみ』に打ち勝った英雄達は各々の時代に帰還する。
オルステッドの最期の言葉を脳裏に刻みながら。
そして、プレイヤーを迎える「Live over Again」「Live for Live」へ……。
各主人公達と各オディオについて
オルステッドは自分たちと英雄たち、一体何が違うのかと語るがはっきり言えば全く違う。それを何より体現しているのがオルステッド自身である。
中世編の流れ全体を通して眺めると、彼はほとんど行動の指針を自分で決めてはいない。
景品が結婚と言われて婚約し、助けてと言われて助けに向かい、英雄を覚醒させようと言われて山に赴き、倒せと言われた魔王が生きていればこれを倒した。
挙句の果てに、誰も指示してくれなくなったらしがない村民や自分を捕らえようとするルクレチア兵の元に赴く。そして、姫の元に向かうように言われ、全てを見失ったらごらんの有様である。
それを示すように、決して寡黙ではないにも拘らず、中世編では最後以外彼のメッセージウィンドウが表示されない。プレイヤーの手を借りて意思表示する選択肢も持たず、強いて言うなら名前入力の場面しかない。
全ての指針を失い、問答無用に己を引きずり出されるまで、徹底的に他者に縋りついていたと言える。
憎しみとは、言い換えれば事の原因が他者にあると主張すること。
- 生態系の頂点から引きずり降ろされるもしぶとく生き続け、代わるものを脅かしていたおーでぃーおー
- 静寂が維持されない理由をクルーたちの不和とみなしたOD-10
- 融和というお題目で生み出されるも、分かり合えることを不可能と決めつけ、倒されてなお液体人間たちが道連れを生み続けようとした尾出居
- 脆弱な人間であることを嫌い、かつて打ち滅ぼされた者達の亡霊を従え、憎しみを生むと言われても力による支配を欲した尾出院王
- ただ一人生き残り憎しみで変容して無法者と化し、無関係だろうと生きてることが罪とするかのように暴れるO・ディオ
- 他人とは裏切るもの、情とは無価値というものの証明に心山拳の弟子達を部下に襲わせたオディワン・リー
- 最強を目指すにあたり、再起もありうる敗者の生存を許容しなかったオディ・オブライト
- 己を魔王と糾弾し裏切った者達を、想起させる者たちを滅ぼし尽くそうとして、仮に滅ぼし尽くせば今度は存在意義を見失い燃焼したかのようになってしまう魔王オディオ
皆、牙を剥く理由の悉くが他人ありきなのである。
それに対する英雄は、各々の編の終わりに己の中に答えを見出し、「これから」の道をも見つけた者たち。
他人に責任を押し付けた"勝者にも敗者にもなれていないただ強いだけのハリボテ、ただ荒ぶるだけの憎しみ"が、LIVE A LIVEを貫いた彼らに勝てなかったのは、ある意味必然だったのだろう。
オルステッドもまた、最後の最後に自らの使命を思い出し、自身の憎しみ――Sinオディオに落とし前を付けた。
ここで漸く彼は、英雄達と同じ立場に並ぶことができたのだ。
そもそも魔王山には7つの世界のオディオとは違い、オルステッドと同じ姿のオディオの像はなかった。
つまりオルステッドは魔王を名乗っただけの「人間」でしかなかったのだ。
彼が本来果たさなければならなかったこととは、一体なんだっただろうか?
それは7人の英雄達がそうしてきたように、憎しみを討つことではないだろうか?
ルクレチアの伝承「強き心 強き力を持ち 勇ましき姿となりて 魔王を打ち砕かん」
憎しみに囚われた姿から抜け出し、魔王に最後の一撃を見舞ったその姿はまさに伝承に語られる勇者のものだった。
結果的にオルステッドは最後の最後に勇者としての使命を果たし、魔王を討ち果たした。
だが、彼が取り返しのつかない罪を犯したことに変わりはない。
それでも、英雄達の言動は、その心に確実に届いた。
故に消え逝く寸前の台詞は「どうか自分と同じ過ちを繰り返さないでほしい」という願いが込められているようにも聞こえる。
最後の瞬間――ほんの僅かだったとはいえ、オルステッドはまぎれもなく【8人目の仲間】になれたと言えよう。
スクエニ公式Youtubeチャンネルの「狩野英孝のライブアライブ #14」にて時田氏がコメントしたところによると、リメイク版のラストバトルは、
- リメイクで追加要素はないと言っておいたけどサプライズで用意した
- オルステッドはあの世界を滅ぼしてしまったので、(オルステッドに対して)救いは良くない、でも自分(オルステッド)の手で断ち切るようにしようと
- プレイヤーにとっては(中世編の主人公であったオルステッドにも)操作が戻ってきた、帰ってきたという形
とのことである。
本来そうなるべきでありながら、実現することのなかった勇者オルステッドと魔王オディオの戦いは28年の時を経て、そして物語の最後の最後にして実現することとなった。
リメイク版パッケージイラストには本来は最後の敵・魔王となる運命の彼が他の主人公と共に描かれていたのも…PVで8人目の主人公として紹介されていたのもまた、伏線であったのだろう。
末路こそSFC版と同じではあるが、28年越しに救済されたのは、SFC版のプレイヤーの中で、(魔王になった後の行動は問題だとしても)オルステッドの身の上を不憫と感じていた人たちかもしれない……。
余談
オルステッドの言う通り、オディオはラテン語で「憎しみ」の意。
全シナリオのボスは名前に「オディオ」を冠している。
功夫編とSF編はやや湾曲だが、功夫編のオディワン・リーの「ワン」は中国語で「王」を意味し、SF編のOD-10は「10」を「IO」に置き換えるとODIOと読める。
小学館の攻略本によれば「オディオの時空を超えた憎しみが彼らを操っているため」(意訳)とされる。
そしてリメイク版では各シナリオのボスたちは赤黒い瘴気のようなオーラを纏って登場し、何か憎しみが影響を与えていてもおかしくないという迫力を与えている。
幕末編ラストで
坂本龍馬の申し入れに応じたか、西部編でマッドを撃ったかで演出が変わる。
また、西部編でマッドを撃たなかった場合、SFC版とリメイク版では演出が異なる。
セントアリシアの効果音はサントラでもPURE ODIOが流れ終わった直後に流れる。
元々トラウマ技なのに面食らった人も多い。下村さん嫌がらせですか。ちなみに2012年版再販サントラでも相変わらず。
リメイク版のサントラには収録されていない。
ストーリーの経緯上、リメイク版での魔王オディオの担当声優はオルステッド役の中村悠一氏なのだが、魔王と成り果てた男の狂気と悲哀の演技は圧巻の一言に尽きる。
中世編ラストから最終編にかけて全て見どころだが、上にもあるとおり、NEVER ENDでの戦闘でのボイスも必聴。ただし人によってはセントアリシア並のトラウマになるかも。
魔王オディオがゲスト出演(第一話ボス)。このシナリオ自体『LIVE A LIVE』のパロディ。
だが、姿や性格はストレイボウに近い。
先代アルマムーン王もオルステッドを意識したキャラになっている。
なお、条件を満たすと奥の手で主人公に助力してくれる。
バカゲーである半熟英雄シリーズへの登場ということで、時田氏はあるゲーム誌の取材で「オディオって、関西の方言でおしりって意味のおいどをローマ字逆さ読みしたんですか?」と聞かれ、「え…いや、ラテン語で憎しみって意味で…」と説明する羽目になった。
ルクレチア王国の後の世界が舞台。魔の手との戦いに、オルステッドの面影がある男が間接的に手を貸してくれる。
- 反対意見がなかったので、リセットしました。 -- 名無しさん (2023-03-09 11:26:14)
- 報告された様子ないけど、別の記事と間違えてない? -- 名無しさん (2023-03-12 13:08:23)
- ごめん、履歴を見間違えてた。それはそれとして、相談所に上げないでリセット提案するのって良いんだっけ?(少なくとも自分はそんな提案があるの知らなかったので賛成も反対もできなかった) -- 名無しさん (2023-03-12 13:14:26)
- たった一戦追加するだけで最後の言葉の意味を180度変えたのは本当にすごい。 -- 名無しさん (2023-12-03 17:53:06)
- 原作で思わせぶりだった魔王像の謎がリメイクで回収されるとは思わんかったな。 -- 名無しさん (2024-04-20 22:36:44)
- たまにあるけど、色使いすぎて見づらいわ… -- 名無しさん (2024-10-10 11:44:34)
最終更新:2025年03月18日 13:28