魔虚羅(呪術廻戦)

登録日:2025/03/13 Thu 23:50:52
更新日:2025/03/26 Wed 11:58:10
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布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)



魔虚羅(まこら)とは漫画『呪術廻戦』に登場するキャラクターである。
正式名称は八握剣(やつかのつるぎ)異戒神将(いかいしんしょう)魔虚羅(まこら)

CV:中務貴幸


概要

禪院家の相伝術式、十種影法術(とくさのかげほうじゅつ)の式神の一体で、伏黒恵の奥の手。
他の式神とは異なり、布瑠の言を詠唱することで顕現する。

外見は目に当たる部分に天使のような左右二対の翼が生え、後頭部に歪曲した巨大な角、頭上に「完全な循環と調和」を表す八握剣の紋章を模した車輪状の金色の法陣が浮かぶ、異形かつ純白の肌の屈強な巨人。


能力

他の式神と比べても次元が異なるとんでもない強さを誇り、恵を含む歴代十種影法術の術者でこれを調伏できた者が一人もいない規格外の怪物。
後述の特殊能力抜きの身体能力も非常に高く、漏瑚が攻撃を当てることすらできなかった指15本を取り込んだ宿儺と互角に渡り合える。

事象適応


ガコンッ

魔虚羅の固有能力。
頭上の「法陣」が回った瞬間に全回復して、受けたあらゆる攻撃や事象への耐性を獲得する。適応が完了すると法陣が回り切り「ガコンッ」という音が発生するのが特徴。
一度攻撃を受けた時点から段階的に始まり、対象が複雑であれば耐性獲得までより長い時間・多くの接触(複数回の方陣の回転)を要するが、この適応は攻撃にも働くので敵の性質に適応した攻撃手段を確立させていく
某大英雄の『十二の試練』に近い能力だが、この事象の定義は術式・技1つではなくそれらによって起こる事「すべて」に適応し、劇中のように「斬撃」に適応すれば、斬撃関連の全てに耐性をもつようになる。
しかも攻撃を受ければ受けるほど時間が短縮され、そもそも適応も0→0→100%ではなく、0→10→20→…→100%なので、適応が完了しない状態でも威力を軽減できる。

宿儺曰く「最強の後出し虫拳(むしけん)*1

魔虚羅を調伏している場合、術者が攻撃を代わりに受けることでも適応できる*2
しかし、簡易領域や無下限のような防御手段で防いでしまうと攻撃を受けたことにならず、術者が危険になる。
術者が高度な反転術式などで回復できるならともかく、大抵の場合は魔虚羅が受けた方が良い。
一応、相手が魔虚羅の適応のことを知らない、あるいは魔虚羅を出していないと思わせて術者が戦うことで、相手の術式による弱めの攻撃をワザと食らい適応、相手が切り札として繰り出した領域展開などを適応済みの魔虚羅で破るといった形で奇襲には使える。
しかしそんなことをする必要があるのは魔虚羅を数発で倒す超火力と、それが通らない防御の両方を備えた敵くらいだろう。


退魔の剣

右手に布でグルグル巻きにされ無理矢理括り付けられた剥き出しの刀身を持つシンプルな剣。
反転術式と同じ正の呪力が込められた対呪霊特化武装で、受け止めた宿儺が呪霊であれば一撃で消し飛ばされていたとされる逸品。
なお宿儺には正の呪力の通りが悪かったため、初撃以降は通常の負の呪力に切り替えて戦っている。


対抗手段

フィジカルと適応能力は脅威だが、純粋な防御力は飛び抜けて高くない*3ので、単純な火力押しでなら倒すことは可能。
もっともそれも、「一撃で致命傷を与える大技」か、「多少耐性を持たれても問題ないほどの手数」*4のどちらかが必要になるわけで、並大抵のことではないが。

余談だが、宿儺以外でも工夫次第で正規調伏ができる可能性もあるのではないかと考察する読者も多い。
よく言われるのは「地球一周させた貫牛で轢く」「呪力のない完成されたフィジカルギフテッドなら調伏の儀に参加してもカウントされない」など。

裏技としての運用

前述の通り、凄まじく強力だが、これを制御するのに必要な調伏の儀式で
  • 「調伏するため」なら術者の力量と関係なく全ての式神を自由に召喚可能だが、そういった手口で召喚した式神は制御不能になる
  • 途中で式神に殺されてしまえば勿論死ぬ
  • 自分だけでなく複数の人間を参加させられる*5
というルールを逆手に取れば呼び出した魔虚羅に自分諸共相手を倒させる自爆技として活用できる。

調伏の儀式に誰かを巻き込むのに合意は必要なく、しかも儀式中は術者が死んでも一種の仮死状態となり参加者全員が死ぬか式神が倒されるまで死が確定しないのもありがたい。*6

劇中の活躍

渋谷にて連戦によって疲労状態した恵が重面春太の奇襲で命の危機を迎えた場面で魔虚羅を召喚。強制的に重面を巻き込んだ調伏の儀で、顕現した魔虚羅は恵を殴り殺し、次いで重面を殺そうとするが、そこに宿儺が介入。
戦いの中で斬撃耐性を得た*7ことで伏魔御廚子にすら辛うじて耐えるも、「竈」によって撃破され調伏の儀は白紙に戻された。

死滅回游では恵の肉体を奪った宿儺の式神として再登場。
との戦いで宿儺は魔虚羅の代わりに攻撃を受けることで液体金属への適応を完了させ、彼女の切り札である真球と領域展開の合わせ技を適応済みの魔虚羅によってまとめて粉砕した。

その後の新宿決戦では、無下限を突破する為の切り札として運用される。
無量空処には伏黒の魂を適応のためダメージ引き受け役にして適応、これを打ち破る。
更に嵌合獣「顎」と共に呼び出され、宿儺を含む3対1で攻め立てつつ、無下限の攻撃を食らい続けることで適応。
無下限の防御を突破する斬撃を放てる様になったものの、無制限の虚式「茈」によって倒された。


関連人物

現代の十種影法術師。
前述の通り魔虚羅を調伏できておらず、己の式神として使役することは出来ない。
窮地の際に自分諸共相手を倒させる自爆技として何度か発動を試みようとしている。

  • 江戸時代の禪院家当主
過去の十種影法術師の1人。
五条家の当主である「六眼持ちの無下限呪術使い」(即ち五条悟と同スペックの呪術師*8と御前試合を行い、本気で殺り合って両方死んだという記録が残されているとのこと。
その話を聞いた恵は魔虚羅の調伏の儀を利用した道連れと推察しており、自爆技のアイデアはそこから得た様子。

恵の肉体を奪うことで十種影法術を手に入れた。史上初めて魔虚羅を調伏した術師。
敵として二度戦い*9、己の式神としても二度共に戦っている。


余談

モデルは十種神宝の八握剣と、仏教の守護神である十二神将「摩虎羅大将」。*10
しかし、よく間違われるが呪術廻戦に登場する方は「摩虎羅」ではなく「魔虚羅」である。



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  • 摩虎羅←ではない
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  • アヌビス神
  • 布瑠部由良由良
最終更新:2025年03月26日 11:58

*1 ジャンケン

*2 肩代わり中は術者の頭上に方陣が浮かぶ

*3 宿儺(指16本分)の解で切断できるほどヤワではないが、無下限の赫(初見)で処理できるらしい。

*4 ただしキャパオーバー(許容量超過)を狙っても上限はない

*5 しかし術者本人以外を参加させた場合、式神を倒せたとしても調伏の儀は無効となる

*6 自分だけ魔虚羅に殺されて終わるという最悪のパターンがない

*7 「捌」は初見だったが「解」を通じて切断攻撃全体にある程度の耐性を得ていた。

*8 六眼+無下限とは言っても、高専時代か成人以降かどちらに近い力量だったのかは不明

*9 渋谷と、描かれていないが正式な調伏の儀

*10 仏教においては摩虎羅大将と似た存在として天竜八部衆、二十八部衆に数えられる「摩睺羅伽」と呼ばれる守護神が存在する。どちらの神もインド神話における音楽の神「マホーラガ」が仏教に取り入れられたものであり、奇しくもマホーラガ神は作中において宿儺が「魔虚羅と術式が似ているもの」として挙げた八岐大蛇と似ている(千の首を持つ蛇の姿をしている)。