伏黒恵(呪術廻戦)

登録日:2020/02/24 Mon 01:00:00
更新日:2025/04/17 Thu 18:42:16
所要時間:約 12 分で読めます





少しでも多くの善人が平等を享受できる様に

俺は不平等に人を助ける


伏黒(ふしぐろ)(めぐみ)とは漫画『呪術廻戦』の登場人物である。

●目次

【プロフィール】

所属:東京都立呪術高等専門学校一年
等級:2級呪術師
出身地:埼玉
誕生日:12月22日(やぎ座)
身長:175cmくらい(成長中)
趣味:読書(実話系の本を読むことが多い)
好きな食べ物:生姜に合う物
嫌いな食べ物:パプリカ(甘いおかず全般)
ストレス:人間(9割)
イメージソング:宇宙人『白日夢』、Weezer『Island In The Sun』

その他:チキン南蛮は胸肉派。親子丼はもも肉派。


CV:内田雄馬

【概要】

東京都立呪術高等専門学校所属の一年生。
虎杖悠仁釘崎野薔薇とは同期であり、彼らより先に入学していた。
御三家である禪院(ぜんいん)家の血筋であり、物語開始時点で2級呪術師として活躍している天才。


【人物像】

ツンツンした黒髪の少年。
基本的には冷静かつ無愛想な性格。クールで冷徹そうな雰囲気を醸し出しているが、その実仲間への面倒見は良い。

「自分の良心に従って人を助ける」ことを信念とし、自分が善人だと信じた人物なら呪術規定に反する人間でも助けようとする情に厚い人物。
逆に悪人のことは「例え任務でも助ける気の起きない人間」と断言し、「とにかく多くの人を助ける」ことを信念にする虎杖とは口論になったこともある。
このように真面目な人柄に反して「守る人間ははっきりと選ぶ」という傲慢ともいえるスタンスを貫いているが、だからこそ「このような考えの自分が真っ先に倒れることは許されない」と窮地に追い込まれても諦めない責任感も持ち合わせている。

父親は「術師殺し」の異名を持つ殺し屋伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)(旧姓は「禪院(ぜんいん)」)。母親は恵が物心つく前に他界している。
甚爾は一般人の女性と再婚するも蒸発し、恵は女性の連れ子である義姉の津美紀(つみき)と二人で暮らしていた。
将来は父親によって禪院(ぜんいん)家に売られるはずだったところを、小学1年の時に五条悟の働きかけで恵が将来呪術師として働くことを条件に帳消しとなった。
当初は呪術師になる気はなく不良と喧嘩するような日々を過ごしていたが、中学3年の時に津美紀が呪いにより寝たきりとなってしまう。
これを契機に、"善人であっても必ず報われるとは限らない現実"を悟り、「少しでも多くの善人に平等を享受する」ことをポリシーに呪術師となる。


元々術師として活動していたこともあってか本編における一年生組では唯一他学年の生徒や術師達とも面識があり、特に乙骨のことを「唯一手放しで尊敬できる先輩」と高く評価している。
逆に幼少期から面識がある、なおかつ人格的な評価が最低ランクの五条などに対しては辛辣だが、一応目上に対しては敬語を使う。


【能力】



十種影法術


禪院家相伝の術式の一つ 影を媒介とした十種の式神術

真希や真依にこれが残っていればね


式神使いであり、攻撃から索敵まで状況に応じた様々な式神を操る。
また式神使いながら近接戦も得意で、式神と連携を取りながら相手を追い詰めていく戦闘スタイルが最近では主流。
2年生との特訓を得てからは近接戦により磨きがかかり、得物を用いた戦闘も行うようになった。
また、訓練の中で術式の副次的効果として自身の影を四次元空間のように扱うことができることを発見し、この中に得物を収納することで影絵を作るために両手をフリーにしつつ武器の持ち運びを可能にした。
格納の他にも、敵の姿勢を崩す即席の落とし穴にするなど瞬発的な応用も可能。
渋谷事変後には「他者の影の中に自由自在に侵入し潜伏できる」能力を習得し、能力の汎用性が更に上がっている。

ただしこの効果も万能ではなく、影に収納した物体の重さを自身の身で引き受けなければならないという欠点があり、不用意に重量物を格納してしまうと逆に身体スペックにマイナスの補正がかかってしまい、下手をすれば過重量により伏黒自身が圧死する危険を孕んでいる。


総じて術式の汎用性と本人の戦闘力から周囲の評価は高く、特に呪いの王である両面宿儺(りょうめんすくな)からは異常なほどの興味を持たれている。


十種影法術(とくさのかげほうじゅつ)

禪院家相伝の術式の一つ。
自身の影を媒介に十種類の式神を呼び出す術式。
動物を模した手影絵を作ることで、その動物に応じた姿の式神が現れる。
式神が完全に破壊されると同じ式神は二度と顕現させることはできないが、その式神の遺した術式と力は他の式神に引き継がれパワーアップしていく*1
そして召喚された式神が死なずとも戦闘で重傷を負ってしまうと、その式神はしばらく再召喚できない欠点も持つ。


最初に与えられる式神は玉犬の2匹であり、そこからドンドン式神を調伏して手札を増やしていくのが基本となる。
なお、
  • 式神の調伏は術者一人で行わなければならず、仮に複数人で挑んだ場合例え式神を倒したとしても使用可能とはならない
  • 「調伏するため」なら術者の力量と関係なく自由に全ての式神を召喚可能だが、そういった手口で召喚した式神は制御不能になる
  • 途中で式神に殺されてしまえば勿論死ぬ*2
といった欠点もあるが、恵や歴代の影法術師はその性質を逆手に取った「奥の手」を編み出している(後述)。

最大の強みは式神を使い分けて攻撃・陽動・索敵の全てを一人でこなせる汎用性の高さ。
呪霊を取り込めば取り込むほど手札が増える呪霊操術に比べれば手数は少ないものの、召喚できる式神はどれも安定して強く、式神同士を連携させて使う事で更なる強さを発揮できる。
また禪院(ぜんいん)家で代々受け継がれてきた相伝の術式であるため、過去の十種影法術の使用者により術式の取り扱いの手順が確立しているのも強みである。



名称の由来はおそらく日本神話に登場する、死者蘇生の力を持った十種神宝(とくさのかんだから)
各式神にはそれぞれ神宝の紋章が刻まれている。


嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)


もっと 自由に!!

広げろ!! 術式の 解釈を!!


高い戦闘能力を持ちながらも、行き過ぎるほどの慎重な性格と、「(奧の手の魔虚羅を使って)自分が死ねば全て解決出来る」という考えが災いし、実は本気で戦うことができずにいた(宿儺にも術式を「宝の持ち腐れ」と評された)。
その後五条から「『死んで勝つ』と『死んでも勝つ』は全然違う」「本気でやれ、もっと欲張れ」とアドバイスを受けて、特級呪霊との戦いでようやく己の殻を破ることで会得した領域展開

領域内を液体状と化した己の影で覆い尽くし立体的な影の沼を構築。その影を媒介に印を省略した無数の式神の即時展開を可能にする。
加えて領域内は一種の底なし沼のような状態になるため、足に呪力を流していないと他者は影の底に沈んでしまう。
更に
  • 影を変化させ同種の式神を無数に具現化する
  • 影の上に乗っての高速移動
  • 影に潜り攻撃を回避する
  • 液状の影を変化させ本体と瓜二つの分身を作る
  • 相手の頭上から式神を具現化する。
など応用に優れた領域だが、これでもまだ不完全。
特級呪霊たちや五条先生のように何もない屋外で結界を展開することはできておらず、屋内のような「区切られた空間」を媒体にしなければ展開できないのがネック。
とはいえ一応「領域」としては成立しているため、相手の領域展開の必中効果を打ち消す事は可能。加えて術者へのバフ効果も健在なため、領域内で伏黒は120%のポテンシャルを発揮でき、それに合わせて術式性能も大きく向上する。
加えて、未完成であるが故に「相手の簡易領域等に付与される『必中の無効化』をすり抜けられる」という裏ワザじみた副次効果もある。
レジィなどは「術式性能の上昇が半端じゃないので、単純な必中領域よりよほどやり辛い」と感じていた。

ただし領域全体が影化するという性質から、領域内に重量物が具現化して影に飲まれてしまうと飲み込んだ分の重量が伏黒の体に一気に襲い掛かるという新たなリスクも抱えている。

発動時の印相は薬師如来印。


【作中での活躍】

序章~呪胎戴天編

第1話にて宿儺の指を回収するべく杉沢第三高校に派遣され、そこで虎杖悠仁と出会う。
宿儺の指に引き寄せられた呪霊との戦いで窮地に陥るが、虎杖が指を飲み込むことで受肉した宿儺に結果的に救われる形となった。
当初は呪術規定に基づいて虎杖を殺すつもりだったが、怖がりながらも死地に飛び込んだ虎杖には内心惹かれており、その後やってきた五条には「死なせたくないからなんとかして下さい」と私情を隠さず懇願、結果虎杖はその場で殺されることはなく死刑も延期された。

しばらくして、高専に入学した虎杖と釘崎と共に少年院在院者の救出任務を受ける。
在院者の情報には予め全て目を通していた事から、内心在院者を救う事に懐疑的であり、呪霊の犠牲になった遺体*4を持ち帰ろうとする虎杖に対し「死体になってまで救う気はない」と断言、喧嘩寸前になるが直後に特級呪霊の襲撃に遭う。

呪霊は受肉した宿儺によって倒されたが、「縛り」なしで入れ替わってしまったせいで肉体の主導権を得た宿儺と相対し、再び危機に陥る。
虎杖の心臓を取り出して永続的に主導権を握ろうとする宿儺に対し、「心臓を欠いた状態では勝てない」と思わせるために戦いに挑むも、圧倒的な力量差になすすべもなく絶体絶命になる。
「奧の手」を用いてでも倒す腹づもりだったが、最終的には悠仁が主導権を奪還。死にゆく虎杖に「お前のような善人が死ぬのを見過ごしたくなかった」と虎杖を助けた理由を吐露し、別れを告げた。


だからお前を助けたことを 一度だって後悔したことはない


…そっか


任務終了後、自分の意思をハッキリ交えつつも、在院者を助けられなかったことを遺族に謝罪しに向かった。


京都姉妹校交流会編

その後は強くなるために京都姉妹校交流会の参加を決意。2年生達と特訓の日々に明け暮れる。
途中、京都校から偵察に来た東堂葵女の趣味がつまらないという理由で一方的に襲われるが、パンダ達の仲裁で事なきを得た。

そして交流会当日、実は生きていましたとドッキリかました虎杖にはドン引きしていたが、密かに笑顔を浮かべていた。

交流会本番では京都校が虎杖を殺害する算段だと気づき、御三家である加茂憲紀(かものりとし)と交戦。
同じ御三家として悠仁を殺すことを理解してくれるはずだと説く加茂に「自分の良心を信じる」信念を持って対峙するが、特級呪霊である花御(はなみ)が乱入。
加茂や2年の狗巻、真希達と連携して戦うも追い込まれるが、東堂との蜜月特訓を得た虎杖が駆けつけ、「次死んだら殺す」と言うと、虎杖と東堂に後は任せて戦線を離脱した。

2日目の野球戦では送りバントを決めるいぶし銀な活躍をみせたが、ここでも本気を出すことができない癖を五条に見抜かれている。


起首雷同編

1年のメンバーで呪霊による連続呪殺の謎の解明に挑む。
呪殺された被害者が恵の中学の卒業生であることが判明し、気まずいながらも事情聴取に向かうが、被害者達が過去に自殺の名所である八十八(やそはち)(ばし)に訪れたこと、そして津美紀も八十八橋に訪れたことを知り冷静さを失ってしまう。
津美紀に被害が及ばないよう八十八橋に単身乗り込むも、行動を先読みしていた虎杖達と合流し呪霊の領域に突入する。

ここで実は呪霊は宿儺の指を取り込んでおり、虎杖の受肉を切っ掛けに覚醒したことが発覚する。
更に指の回収に来た九相図(くそうず)の兄弟が乱入、虎杖達に兄弟の相手は任せて自身は呪霊に挑むも、呪霊は指を取り込んだ影響で特級呪霊にまで成長しており、少年院で相対した呪霊以上の強さにより追い込まれる。
「奧の手」を用いて自爆する気だった直前に五条のアドバイスを思い出し、破れかぶれで領域展開を会得


不完全!!不細工もいいとこだ!!

だが今はコレでいい!!


不完全ながらも影の奔流で特級呪霊を攪乱し、撃破することに成功する。
そしてダメージが重なり倒れる直前で津美紀のことを思いだしながら、かつて荒れていた自分を注意していた津美紀の真意を知り、心の中で謝罪すると共に倒れる。
一方、回収した指の中からは宿儺が満足げにほくそ笑んでいた。


いい それでいい


渋谷事変

七海班として七海建人猪野琢真と共に東京メトロ渋谷駅13番出口に現着。
当初は呪術界上層部の判断により渋谷駅地下に陣取る特級呪霊の討伐は五条単独で行い、そのバックアップとしてその場で待機することになるが、改造人間が帳内の非術師を襲い始めたことで帳内へと突入する。

突入後すぐに虎杖と合流。彼から五条が封印された事を知り、七海の指示で猪野・虎杖と共に渋谷駅周辺の「術師を入れない(とばり)」の解除に動き出す。
渋谷Cタワーで帳の要を守っていた呪詛師を発見し、偽夏油が集めた呪詛師の一人である粟坂(あわさか)二良(じろう)と交戦。
粟坂の「あべこべ」術式に苦戦しつつもその仕組みを暴き、虎杖とのコンビネーションで撃破に成功する。
直後にCタワー屋上で残る呪詛師と交戦して敗れた猪野を救出。
虎杖とはここで別れ、伏黒は一旦瀕死の猪野を家入の下へと搬送することになる。


猪野搬送後は先に渋谷駅へと向かった虎杖を追って構内に突入。
その途中で特級呪霊の一体である陀艮(だごん)と七海・禪院直毘人・真希との戦いに領域展開で乱入。
陀艮の領域による必中効果を相殺し、劣勢だった七海達を助ける。
とはいえ戦いが不利な状況なのは変わりなく、戦況の打開の為伏黒は陀艮の領域に穴を開け、全員で脱出することを試みるが…

伏黒が開けた穴から、降霊術が暴走して殺戮人形と化した、彼の父である伏黒甚爾が登場。
強者を追って現れた甚爾は真希から特級呪具「游雲(ゆううん)」を強奪し、陀艮との戦闘を開始。
(領域の必中効果が消えていたとはいえ)一方的に陀艮を叩き潰し、更には游雲を加工して殺傷力を上げ、その武器で陀艮を刺し殺してしまう。

陀艮が倒された事で領域が解除された後は、甚爾はその場での次なる強者であった*5恵を駅構外へと吹き飛ばし、そのまま戦闘を開始。
甚爾の恐るべき強さを目にした恵は、戦闘が長引くほど不利と判断し短期決戦を決意。
甚爾を狭い通路へと誘導し、相討ち覚悟で彼を仕留めようとするが、甚爾の驚異的な身体能力で攻撃を避けられ絶体絶命の状況となるも…


オマエ 名前は

……? 伏黒……

……禪院じゃねぇのか



よかったな



息子である恵の姿を見て一時的に正気に戻った甚爾は、息子の苗字を聞いて「五条が恵を禪院家に渡さなかった」という事実を知ったことで、どこか安堵したように自らの頭を游雲で貫き息絶える。

憑いていた甚爾が死亡したことで元の姿に戻った死体に対して困惑しながらその場を離れ、甚爾が自らの父親であることを知らぬまま、離れてしまった真希たちと合流しようとする伏黒だったが…


これこれ こーいうのよ!! こーいうのが向いてんのよ!!


七海に一度は倒されるも術式で復活した重面春太(しげもはるた)が奇襲。
負傷した上に呪力も尽きかけている伏黒は命の危機を迎えるが…


布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)


八握剣(やつかのつるぎ) 異戒神将(いかいしんしょう) 魔虚羅(まこら)


このままなぶり殺しになるわけにはいかないとばかりに、魔虚羅を召喚し重面を巻き込んで強制的に調伏の儀式を開始。
伏黒が魔虚羅の一撃で倒され、残された重面も倒されれば儀式が終了し二人とも死亡するはずであったが…


死ぬな オマエにはやってもらわねばならんことがある


調伏の儀式に、一時的に虎杖の肉体の主導権を奪っていた宿儺が乱入。
気を失っていた伏黒を反転術式で治療した上で、魔虚羅を倒し調伏の儀式を無かったことにしてしまった。
しかしながら、魔虚羅を倒す為に宿儺は領域展開伏魔御厨子(ふくまみづし)を発動。

宿儺を中心として半径140m以内の地上の建物やそこに避難していた一般人を巻き込み、全てを破壊し殺戮するという凄惨な被害を出してしまったのだった。


第2部

渋谷事変終結後に失踪した虎杖を追って、呪霊の群れに飲み込まれた東京を捜索していた。
己の(あずか)り知らぬ所で禪院家の27代目当主になってしまい、直毘人の息子である禪院直哉(ぜんいんなおや)から命を狙われるのだが…



追記・修正は影絵をコンプしてからお願いします。

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最終更新:2025年04月17日 18:42

*1 詳細は不明だが、どの式神にどんな能力が引き継がれるかはキチンとした法則がある模様。

*2 ただし一種の仮死状態らしく、死が「確定」するのは儀式の終了を待つ必要がある。そのため、儀式の最中なら極めて高度な反転術式があれば蘇生は一応可能。

*3 単行本おまけより、玉犬は白と黒のペアで一種類の式神として扱われる

*4 二度目の無免許運転で下校中の女児をはねて死亡させている

*5 真希はともかく七海・直毘人は重傷を負っており傷の浅い恵が強者に選ばれたと思われる