登録日:2018/09/22 Sat 17:12:00
更新日:2025/02/02 Sun 14:52:09
所要時間:約 29 分で読めます
「
呪術廻戦」とは
週刊少年ジャンプ2018年14号から2024年44号まで連載されていた漫画である。全30巻。
作者は芥見下々。第二部からは軍事監修として深見真、アサウラが参加している。
◆概要
ジャンプGIGAで連載されていた「東京都立呪術高等専門学校」を前日談に据えた作品である為、本作を深く理解する為に読んでおくのが望ましい。
「呪い」を題材としているため雰囲気は非常に陰鬱でダーク。そしてシビア。
平然と人が死ぬため非常に緊張感ある作風が特徴的。
かといって常に重苦しい雰囲気で話が進むわけではなく、キャラクターの行動やセリフに挟み込まれるギャグ要素も比較的多めである。
作者の初連載であるため絵は荒っぽいが、その粗さが逆にダークな雰囲気に合っていると評判は上々。
過去多くの漫画に影響を受けていると作者自身が語っており、
公式ファンブックなどで参考となった作品を挙げると同時に「呪術は王道にちゃんと向き合うことを目標としているので、いい意味でも悪い意味でも
既視感が多いと思う」「日本三大既視感作品」とやや謙遜した態度を取っている。
特に久保帯人氏の『
BLEACH』を熱烈にリスペクトしているが、最近は
「お前ん家、至る所にハンターハンター落ちてるな」って言われて恥ずかしかったとか自虐している。
実際、過去のジャンプ作品の名シーンのパロディと思しきシーンがいくつも存在し、そういったリスペクト元を知っているファンからは冗談半分に
「パクリの多い漫画」
と呼ばれる事も。
中でも、
あのボボボーボ・ボーボボのパロディを複数回に渡って見比べないと気づかないよう巧妙に仕込んでいる件は有名で、有志によってそれが判明した際は一時ネットで話題となった。
発売された1巻は発売直後から品切れが続出し即重版決定するほどの人気を博し、次にくるマンガ大賞2018に「
アクタージュ act-age」と共にノミネートされる。
尚ところどころに作者の女子に対するフェチズムが垣間見えると一部読者から指摘されることも。
ただし、これでもまともになった方。
作者は金未来杯の「バラバルジュラ」から女性の足を太く描く傾向があり、一部の界隈からは大好評だった。
ある日、作者の兄の結婚式の際にウェルカムボードを描くことになり、兄の嫁からショックを受けられて以来、自分が思っているより女性の足は細い事に気付き、女性キャラの足が細くなったという(担当編集曰く呪いが解けた)。
2019年11月25日には毎日放送(MBS)制作・TBS系でのテレビアニメ化も決定。
2020年10月2日からスーパーアニメイズム枠で第1期が全24話で放送された。
アニメ制作はMAPPA。シリーズ構成は『
終わりのセラフ』『
モブサイコ100』『
ドロヘドロ』の瀬古浩司、監督は『
牙狼-GARO- VANISHING
LINE』『ゴッド・オブ・ハイスクール』の朴性厚。
第2期の『懐玉・玉折/渋谷事変』は連続2クール形式で2023年7月から12月まで放送された。放送時間は新設された木曜23:56枠と第1期より若干繰り上がり、MBSの全国ネット枠では本番組のスポットCMが流れるようになった。
そして『渋谷事変』の
最終回にて第3期『死滅回游』の制作が発表された。
◆ストーリー
呪い。
辛酸・後悔・恥辱…。人間の負の感情から生まれる
禍々しきその力は、人を死へと導く。
ある強力な「呪物」の封印が解かれたことで、
高校生の虎杖悠仁は、呪いを廻る戦いの世界へと入っていく…!
異才が拓く、ダークファンタジーの新境地!
◆専門用語
人間の負の感情から生み出されるエネルギーであり、相手を呪う力そのもの。
呪いを知らない一般人は呪いを祓うどころか見ること・触れることも出来ない。
呪力を操作することで身体能力や武具の強化や術式の発動が可能となる。
呪力が宿った器物は「呪物」と称され、呪物にも階級が存在。呪物は魔除けにも用いられるが、特級クラスの呪物になれば呪いを引き寄せてしまい呪物を持つ者を殺しに来る超危険物となる。
呪力の有無・術式の有無は生まれつきで後天的な作用は例外を除き皆無。虎杖悠仁は呪物である宿儺の指を取り込むことで、例外的に呪力を手に入れた。
第二部では例外はあるものの原則日本人以外から呪力が発生することはないとされている。
そして呪力は「化石燃料や再生可能エネルギーに取って代わる人類史上最もクリーンなエネルギー」とも評された。
また少数ながら「
ヤスリのようにザラついている」「
電気と同じ性質を持つ」など呪力自体が特殊な性質を持つ一種の特異体質的な術師も存在している。
こういった特殊な呪力は纏うだけで打撃などに特殊効果を付与する天然のエンチャント的な作用を持つが、逆にその性質故の弱点を併せ持つ場合もあり、一概に「特殊な呪力があれば強い」とは言えない。
「呪力」をもって呪霊を祓う人間。
所謂退魔師で、その多くが呪術高専を拠点に活動している。
呪霊と同じくこちらも4級から特級に分けられており、基本的に4級の呪霊には4級の呪術師が相対するよう任務が割り振られる。
つまり同一の等級であれば呪術師は呪霊に勝つことが当然であり、呪術師の等級は呪霊の等級における一つ上のそれに近い強さということになる。
また呪力操作を駆使すれば術式がなくとも打撃そのものが呪いを祓う力となるため、優れた術師ほど例外なく体術にも熟達している。
大抵の術者は2級や準1級で頭打ちになるため、1級に辿り着ける呪術師は少ない。
なお特級が呪術師としての最上級ではあるが、特級は呪術師としては規格外の存在であり、実際は1級呪術師が呪術師としての到達点。
単純な戦力としてでなく呪術界を支える存在であり、危険・機密・報酬は準1級とは格が違い、1級でしか行えない申請も幾つか存在する。
また等級が与えられるのは高専に通っていた者だけであり、後述する御三家の人間は高専に所属する必要が無い為、実力に応じて「特別○級術師」といった等級が与えられている。
そして特級にカテゴライズされる条件は「単独での国家転覆が可能か否か」。規格外なまでの個の強さが求められる特級に相応しい条件であり、同時に呪術界上層部が如何に彼らを危険視しているかを象徴している。
呪いの力を扱い、邪悪な呪霊と深く接するため、例え才能があっても精神が真っ当であれば呪いを殺す不快感に耐えきれず精神的に潰れ挫折してしまう。
そのため呪術師は「ある程度のイカレ具合が必須」と称され、「呪術師に悔いのない死などない」とまで断言される。
人を呪殺したり傷付けるのを生業とする呪術師は「呪詛師」と呼ばれる。
呪術界の上層部である御三家と
日本国政府の間に定められた、全9条から成る呪術師対象の法律。
全呪術師はこの規定を遵守する事を求められ、違反者は罰せられ場合によっては刑が執行される。
作中にて断片的ながら判明していたのは8条と9条のみであったが、原作22巻の付録にて覚書として条文が明かされた。
その条文の内訳はそれぞれ
1条(呪術師の使命)・2条(呪術総監部について)・3条(呪術高専について)
4条(呪術師の等級)・5条(懲罰について)・6条(呪術師の引退後の措置について)
7条(脅威への対応)・8条(呪術の秘匿について)・9条(非術師の保護)
となっている。
呪力を宿した武具の総称。
呪術師や呪いと同じく4級から特級までランク付けされており、ランクが高いほど呪いに与えられるダメージ量が上がるほか、特殊な能力を備えている事もある。
特級呪具になればその価値は数億円にも達する。
呪力を宿した器物全般の総称。
こちらも同じく等級で区分されており、「宿儺の指」や「
呪胎九相図」など意志を持って人の肉体を乗っ取る事ができる代物も存在する。
内側に呪いを宿した自立可能な無生物の総称。
人工的に作る場合、内部に心臓の役割を担う「核」が必要となる。
動力となる呪力は呪骸を操る術師が供給している為、自立行動には制限がある。
関連組織
通称「呪術高専」。
東京と京都に1校ずつ存在する呪術の教育機関。
私立の宗教系学校を装っているが、実際は都立および府立であり公費で運営されている。
多くの呪術師が卒業後もここを活動拠点としており、教育のみならず任務の斡旋やサポートも行っている一大拠点。
なお、たとえ学生であっても任務に出る以上給与は支払われる。
呪術高専所属の呪術師の任務のサポートを行う人間。服装は基本的に黒スーツ。
戦闘力は持たないが後述の帳を張ることが可能で、任務地へ向かう呪術師の車での送迎や、任務の事前調査や説明など呪術師にとっては欠かせないバックアップ的な存在。
高専に通うも呪術師にはならなかった者がこの職に就くこともある。
作中では割と良く死ぬ
術師では無いが呪霊を視認可能な高専関係者。
呪霊の発生や異常を確認した場合、いち早く高専に通報する役目を負っている。
呪術界の上層部に当たる組織。
呪術規定に基づき、違反を犯した呪術師や危険分子を罰し刑の執行を行っている。
五条曰く「呪術界の魔窟」であり、長年続いた世襲と保身・高慢に溢れた幹部によってかなり腐りきってしまっている。
北海道神居古潭を拠点に活動する呪術師連合。
高専とは協力関係にあるが、総監部には属さない独立した機関である。
作中では名前以外登場しておらず、詳しい実態は不明。
術式
呪いの元である呪力に指向性を与えることで発現する異能。
大元が呪いなため発動するには大なり小なり負の感情が必要不可欠。
ただし鍛えれば正の感情から呪力を捻出することも出来る。
呪術師が先天的に持つ術式。作中の『術式』はほぼこちらのことを指す。
負のエネルギーを順転させる形で発動でき、術者が得られる生得術式は原一種類のみ。そこから各術式の発想を拡張していくことでオリジナルの技を得ていく。
非術師の家系に生まれながら希少・強力な術式が発現する、名門の家系に生まれながら無いも同然のハズレ術式が発現するなど、その種類やケースは多岐に渡る。
生得術式は同血統の者に遺伝しやすく、家系に代々伝わるものは「相伝の術式」と呼ばれる。
術師の家系に伝わる相伝の術式のメリットは、「あらかじめ先代が築いた術式の取説があること」と「歴代術者が練り上げてきた数々の技も継承されること」で、逆にデメリットは術式の情報が漏れやすい事らしい。
ただしその家系の中でもさらにごく一部の者しか知らないような技なども存在する。
基本的に術式は生まれながらに刻まれているものであるため、呪術師の実力はほぼ才能となるが、その一方で後述のように結界術や反転術式など自分の中に0から構築する術式も存在し、「生得術式を持たない/使わない術師」もそれなりにいる。
また呪力の多寡や操作技量といった「術師としての才能」と「術式の有無」は関係ないため「術式を持っているが術師でない」というパターンもあり、
作中では魂を操る術式を用いて脳の構造を「整える」事で非術師を術師化させるというケースが登場している。
生得術式の解釈を広げ、応用することで派生させた術師にとってのオリジナル技。
呪力による治癒。
負の力である呪力では生き物を治すことに向かないが負の力を掛け合わせることで正のエネルギーを生み出し治療を行う。
『術式』と名に付くが呪力操作の部類であり、生得術式の無い人間でも使用できる人間もいる。
使い手によって失った手を生やすことも出来るが、簡単な怪我しか治せない、他者も治せる、自分しか治せないなど効力は様々。
毒に対しても使えるが、毒物の特定と除去に凄まじい精度の呪力操作を要するため手軽には行えず、仮に行えたとしても呪力消費が激しくなってしまう。なので毒物による攻撃は反転術式対策として有効な手段となる。
その他だと、脳を起点として発動する技術なので一撃で脳を破壊されると再生すらできず即死してしまうためこちらも対策として有効。
便利な反面高度なセンスが必要なため、他人を治癒できる反転術式使いは高専においても希少な人材である。
反転術式により生み出した正のエネルギーを術式に流すことで術式の効果を反転させる。
たとえば「収束・引き寄せ」の術式を反転すると「発散・反発」の効果になる。
大元となる反転術式自体が高度な呪力操作を必要とする上、最低出力は順転の2倍となるため威力を絞ることが難しくなる。
上記の「反転術式」と併せ、作中用語を一気にややこしくした要因の一つ
生得術式の中で領域展開を除いた最高クラスの術。
所謂奥義や必殺技に相当する。
極ノ番以外で術の出力を最大限にまで高めた状態。
元々の技名に「〇〇・載」と言った形で付随させるのが一般的。
術式や行動に制限や制約をかけたり、術式を相手に開示するなどのリスクを背負うことで呪力や術式の出力を強化する手法。
術式や技術ではなく、呪術特有の「性質」と呼ぶべきもの。
これにより、ペラペラ自分の能力を喋るというトンチキな行動が、読者から見ても納得の理由となっており、「術式の開示=術師(呪霊)の本気」という認識にも繋がっている。
一方で元々の術式自体に特定のルールや法則がある場合、それ自体は「縛り」とは見なされない模様。
結界術の一種。
特定範囲内を結界で覆うことで呪いの存在や呪術師の戦いを一般人の目から隠蔽したり、一般人が戦いの場に入らないようにするために用いる。
発動すると上空を起点として黒い墨のようなものが球状に展開され、結界内の空が夜のように暗くなるのが特徴。
呪霊などと同様に非術師には帳そのものを見る事は出来ないが、内側で何かが起きても外側からは認識できない。
「結界術」というジャンル自体は高度なものだが、コレ自体は初歩的な物である為か、呪術師(呪詛師)だけでなく補助監督や呪霊なども使用可能。
また帳の術式だけを呪具に篭めておいて他の術師に発動して貰う嘱託式の帳も存在するほか、
「特定の対象のみを閉じ込め、それ以外は出入り自由にする」「見つかりやすい場所に起点を置く」などのリスクを設定することで「縛り」を適用し強度を上げることも可能。
詠唱は「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」。
呪力により生成される異空間。
術師非術師呪霊問わず生まれながらに持つ心の中の心象風景を具現化したもの。
この生得領域に術式を付与することで領域展開となり、強い呪霊は自らの領域に身を潜めていることがある。
概ね
固有結界のような物と考えて相違ないようだ。
術式と結界術の複合奥義であり呪術の極致。
術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する技。
例えるならば
空間支配能力的な代物で、発動と同時に術者の周囲の空間が結界で閉じ込められ、術者の領域へと変化する。
宿儺や羂索のように結界術に長けたものであれば、「閉じない領域」を展開することが可能。
詳細については該当項目にて。
結界術と同じく術師がゼロから術式を構築して発動する、"領域"から身を守るための弱者の"領域"。
簡易とはいえ領域は領域なので敵の展開した生得領域を中和する事ができる。
詳細については該当項目にて。
所謂術式発動のための詠唱の概念。
これに加えて掌印なども術式の構成要素も1つであるが、「呪術を極めることは引き算を極めること」とされ、これらの手順を如何に省略できるかが術師の腕の見せ所となる。
だが作中で呪詞について言及される際はむしろ「省略できる呪詞の詠唱や掌印を敢えて省略しない事で術式の効果を底上げする」というパターンが多く、これを明確な"縛り"として適用する用法も見られる。
登場人物
メインキャラクター
CV:榎木淳弥
この物語の主人公。
仙台の高校に通っていたが、呪いが起こした事件が切っ掛けで危険な呪物「両面宿儺の指」を取り込んでしまう。
宿儺の指を取り込んでも意識を保っていられる「千年生まれてこなかった貴重な器」として、全ての指を取り込むべく都立呪術高専へと編入する。
CV:内田雄馬
都立呪術高専1年生で二級呪術師。
「宿儺の指」の回収のために虎杖の通う高校に潜入した際に、虎杖と出会う。
善人であった義姉が呪われて意識不明になった事を悔やみ、少しでも多くの善人を助けるべく「不平等に人を助ける」を信条とする。
CV:
瀬戸麻沙美
都立呪術高専1年生の紅一点。
「田舎が嫌で東京に来たかったから」という理由で呪術高専に入学した
女傑。
CV:
中村悠一
都立呪術高専の教師にして
現代最強の呪術師。
虎杖の宿儺の器としての力を見出し、虎杖を処刑しようとした呪術界上層部に
「どうせなら全ての指を取り込ませてから殺せばいい」と提言し、彼の死刑を先延ばしにして都立呪術高専に編入させる。
既得権益と保身と世襲に塗れた呪術界上層部を嫌い、下から呪術界を変えるべく後進の育成に励むナイスガイ。
東京都立呪術高等専門学校
京都府立呪術高等専門学校
呪術師
CV:
津田健次郎
1級呪術師。
五条曰く
「脱サラ呪術師」で、虎杖からの愛称は
「ナナミン」。
一度呪術師を辞めてサラリーマンとなり、再び呪術師となった変わり種。
詳細は
項目にて。
CV:
三石琴乃
長髪の
変な髪形をした女性の1級呪術師。オフの日は普通の髪型。
「用益潜在力そのものが命」をポリシーに掲げる自他共に認める筋金入りの守銭奴。
詳細は
項目にて。
CV:林勇
七海の後輩格の2級術師。七海の任務を一度手伝ってから非常にリスペクトしている。
七海に1級推薦をしても良いと思われていることから実力は確かな様子。
詳細は
項目にて。
冥冥の弟である少年。術師としての級は不明。
姉様ラブであるが、冥冥の性格を分かった上で愛しているという少し変な性格。
詳細は
姉の項目にて。
CV:
日髙のり子
現在四人いる特級術師の最古参にして紅一点。
スタイル抜群の金髪美女だが呪術高専の方針を
「対処療法」と評して反発、呪霊のいない世界を作るため世界各地を放浪している。
夏油曰く
「特級のくせを任務を全く受けず、海外をブラブラしてるろくでなし」。
1級術師である
東堂葵の師匠であり、東堂が出会い頭に女のタイプを聞いてきたりするのはこの人の影響。なお本人は泥臭い男がタイプと語る。
詳細は
項目を参照。
不死の術式を持つ呪術師であり、現在の日本の呪術界を支える存在。
都立呪術高専の地下にある薨星宮にて、呪術界及び高専各校の拠点の結界や、補助監督の結界術の底上げを行っている。
現在はその力を結界の運用のみに使用しており、呪術界に意思を伝える事や行動する事は殆ど無い。
なお“不死”ではあっても“不老”では無く、一定以上の老化を終えると不死の術式が天元様の肉体を強制的に造り替えてしまう。
それを防ぐ為に、500年に一度『星漿体』と呼ばれる天元様と適合する人間と同化して肉体を一新する必要がある。
その姿は角ばった頭部の四つ目の怪人が外套を纏っているという異様なもの。
12年前に最も優れた素質を持つ星漿体=天内理子との同化に失敗した事で、肉体だけでなく在り方そのものが呪霊に近しい存在へと変貌してしまった。
なお本人曰く「最早私に性別はないが どちらかと言えばババア」との事で、単行本で描き下ろされたかつての姿と思しきイラストは女性に見える姿で描かれている。
呪術界御三家
呪術界でも特に力を持つ三つの家であり五条家・
禪院家・加茂家が該当する。
各家系の詳細と関係者の解説は
項目にて。
呪詛師
夏油一派
前日譚である『呪術高専』に登場した夏油とその仲間達。『呪術廻戦』においては大半が新メンバーに変わっている。詳細は
個別項目を参照。
渋谷事変で五条悟が封印されたのを機に出現した呪詛師。
見た目は騙し絵や達磨みたいな顔をした筋骨隆々な小柄の中年男性。
短刀を武器に「生涯現役」を自負するも、実際は己の欲望のまま弱者をいたぶり蹂躙することを好む外道であり、呪詛師らしい残忍な人物。
●あべこべ
発動中の間強い攻撃を弱くし、弱い攻撃を強くする変則的な防御術式。
呪力による基礎防御と合わせて、全力で攻撃を仕掛けようとすればするほど逆にダメージが低下する意地の悪い性質を持つ。
逆を言えば、術式発動中は小突く程度の打撃が大ダメージとなって襲ってくる。
その本領は相手が出した全力の一撃を防ぐと同時に必殺の反撃を叩き込むカウンター戦法。
ただしダメージのあべこべ化には下限と上限が存在しており、敵の攻撃に合わせて上限と下限をコントロールする必要がある。
更に複数人との戦闘や複雑な仕組みの術式相手にも弱く、術式のカラクリがバレてしまうと不利になってしまうなど欠点は多い。
強者や多数を相手取った状況を苦手とするその性質は、ある意味本人の性根同様「弱者を一方的に甚振る」事に終始した術式とも言える。
渋谷事変で五条悟が封印されたのを機に出現した呪詛師。
一見古めかしいイタコの老婆だが、よく見ると
「ジョニーズ」と書かれたアイドル法被を来たドルヲタ。
死者を
降霊術を悪用して変身能力を生かした暗殺などを生業としていた様子だが、依頼の過程で標的の肉親を殺害しており彼女も粟坂と大差ない外道。
典型的な後衛タイプで、孫とタッグを組み孫を前衛兼護衛として扱う。
●降霊術
祈祷を行い死者の情報を招き、その死者の情報を「降霊したい死者の遺骸を取り込んだ者」に降ろして姿を変える術式。
死体を取り込んだ者が変身するため自分以外も対象にでき、降ろせる死者の情報は「肉体」と「魂」の2種類。
オガミ婆は「降霊した死者に肉体を乗っ取られる」というリスクを防ぐため肉体情報以外降霊することはない。
肉体そのものが降霊した死者に変貌するため、変装にも応用でき、普段はこの性質を利用して暗殺稼業を行なっていた。
無論外見だけではなく身体能力も完全再現される。
なお発動の際には死者の出生に近い名前を唱えるのがセオリー。
発動には時間がかかるのが最大の欠点で、その間の時間稼ぎは孫の男性が担当する。
その他
CV: 山谷祥生
呪いが見える高校生。母子家庭。
いじめられっ子だったらしく、学校をサボタージュして映画を見に行ったところ、
同じ高校の不良3人がマナーを守らず好き勝手に振る舞っていたことに不快感を覚える最中不良達が真人に殺害されたことで呪いと関わり合ってしまう。
CV:
子安武人
五条の学生時代篇のボス的ポジション。
「術師殺し」の異名を持つ裏社会の住人であり、出身は御三家である
禪院家。そして伏黒恵の実父。
非常にダーティかつ狡猾な人物で仕事の邪魔になる人間には一切容赦しない殺し屋。
五条曰く
「僕が引くレベルのろくでなし」。
息子である恵を禪院家に売り払った張本人でもある。
CV:
早見沙織
伏黒恵の義姉で1歳年上。恵が父である甚爾の連れ子、津美紀が母の連れ子の為互いの血の繋がりは無い。
恵からは
「疑う余地のない善人」とされ、荒れていた頃の恵は彼女の事を煙たがっていた。
しかし恵が中3の頃に正体不明の呪いによって意識不明の寝たきりとなる。
呪術師となった恵は、津美紀の呪いを解くことを目的としている。
CV:
黒沢ともよ
「身長180㎝の長身アイドル」として芸能界で活躍しているアイドル。本名は高田延子。
京都校の1級呪術師
東堂葵の一番の推しであり、握手会や出演する番組の視聴録画は欠かさない。また東堂の
妄想彼女として東堂の脳内でアドバイスを出したりするし、ついでに単行本の表紙(5巻)に出たりする。
作者がネームを描いているアニメのCパート
「じゅじゅさんぽ」ではたびたび登場し、強烈な個性を見せつけた。
日本酒を嗜むため年齢は少なくとも20歳超え。
呪い(呪霊)
本作における敵。
人間の身体から流れた負の感情が具現し意思をもった存在。
端的に言えば所謂悪霊のようなもので、見た目は奇怪で醜悪な化け物。
人が多く集まるところ、特に病院や学校など思い出として反芻される負の感情の受け皿となるような場所に発生しやすい。
呪いであるため特級呪霊でもない限りコミュニケーションは不可能で、総じて人間を容赦なく殺しに来る。
呪術界では4級・3級・2級・1級・特級にクラス分けしているが、特級以上の階級は存在しないため、同じ特級同士であっても呪い同士には力に大きな差がある。
地方と比較して都会の呪霊は低級であっても狡猾な知性を宿しているため厄介さはグンと上がり、場合によっては人質を取るなどの手段に出る場合がある。
また力の強弱に関わらず、呪力を伴わない攻撃はどれほど受けてもダメージを負わないため常人には太刀打ちできない。
ちなみに基準が曖昧なためか等級の配分は割とアバウトらしいが、例外的に2級と準1級は「術式が使えるか否か」という明確な基準が存在している。
また、壁抜けのような物理に縛られない芸当は呪力の薄い低級呪霊の特権らしい。
「呪胎」と呼ばれる赤子のような形態を経る呪霊が存在し、劇中で登場した呪胎はいずれも特級クラスの強力な呪霊に成長している。
また、呪胎の段階であっても強力な呪霊であれば人間に害を為したり生得領域の展開を行うなど非常に厄介。
目安は以下の通り。
特級 |
クラスター弾での絨毯爆撃でトントン |
1級(準1級) |
戦車でも心細い |
2級(準2級) |
散弾銃でギリ |
3級 |
拳銃があればまあ安心 |
4級 |
木製バットで余裕 |
※通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合。
呪霊の集団
未登録の特級呪霊がメインとなって構成された集団。その殆どが人間と遜色ない感性と高い知性を持ち、その存在は呪いというより精霊に近いものだとされる。
夏油と手を組み、人類を滅ぼして自分達が新たな人間として君臨すべく暗躍する。
詳細は夏油一派の項目を参照。
特級呪霊
呪いの中でも最上位階級に位置する呪い達。
CV:佐藤せつじ
少年院に出現した特級呪霊。宿儺からは「蟲」と呼ばれた。
呪胎として出現し程なくして変態した。
術式は持たないが呪力を飛ばすだけでもコンクリートを軽々粉砕する。
自分を中心に半球状のバリアを張る。
任意に範囲を広げることができ触れるとダメージを負う。
少年院の中を領域化している。呪力の通わない未完成の領域であるが多数の呪霊が徘徊する危険地帯と化している。
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ネタバレ |
宿儺の指を取り込んでいる。このため急速な成長を遂げ大きな被害を出した。
領域内の呪霊たちはこの指に引き寄せられたものと思われる。
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夜に八十八橋の下の川を跨ぐと呪いを受ける。
呪いの前兆として自宅の扉が自動ドアであれば開きっぱなしに、通常の扉であれば鍵が開いているのにドアが開かなくなる。
前兆が現れ始めて2週間ほど経過すると呪霊に刺殺される。
一たび呪いを受けると距離も人数も関係が無いため非常に凶悪であるが、呪いに特化しているため本体はあまり強くない。
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ネタバレ |
伏黒の姉の津美紀もこの呪霊の呪いを受けていた。
別の呪いで意識不明の為、前兆がすでに始まっているのかも解らず一刻を争う事態となった。
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八十八橋の下が領域である。普段は領域に侵入できないが特定の手順を踏むことで入ることができる。
内部は大小様々なフジツボで埋め尽くされた空間で、呪霊はフジツボからフジツボへともぐら叩きのようにワープできる。
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ネタバレ |
宿儺の指を取り込んでおり戦闘の最中に変態した。その姿は少年院の呪霊と酷似しているが数段強力。
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低級呪霊
4級にも満たない低級の呪いの総称。
なので見た目も様々だが、基本的にサイズは小さいようだ。
呪術師のみならず監督役だけでも虫カゴのような呪具さえあれば簡単に持ち運べ、呪詛師疑惑のある人物にけしかけて反応を伺うなど便利に使える。
受肉体
人間が特定の呪物を取り込むことで変貌した姿。呪霊とは似て非なる存在。それぞれの力の差によっては器の面影や人格が消えてしまうが、肉体を持っているため一般人でも視認することができる。また、呪術師であっても見た目だけで呪霊(人型であれば人間)との区別がつかないが、呪術高専の規定では呪霊と同様に人に非ざる存在として討伐対象である。
CV:
諏訪部順一
「呪いの王」と呼ばれ恐れられる呪い。特級相当の力を持つ(単行本では特級呪物と分類されている)。
両面宿儺は腕が4本、顔が2つの仮想の鬼神とされているが、こちらはその名を冠した1000年以上前に実在した人間。
腕と目が4つ有り、呪術全盛期の平安時代に、現代術師よりも遥かに強い呪術師達が総力を挙げて両面宿儺に挑んだが、一切敵わず敗れたと伝えられる正真正銘の怪物。
詳細は
項目にて。
真人が高専の忌庫から強奪した特級呪物「呪胎九相図」1~3番が呪肉した存在。いずれも特級に相当する。
人間と呪霊の混血児であり、150年間お互いの存在だけを頼りに封印を保ってきたため兄弟の絆は強固であり、兄弟たちの存在がお互いの生きる理由である。
漏瑚達に協力しているが、受肉の恩義はあれど
「人間の代わりに呪いが生きる世界の方が自分達に都合がいい」、
「受肉の恩義は忘れろ」、という恩より理による協力であり一切信用していない。
3人共、呪力を血に変換できる特異体質の持ち主。
詳細は
項目にて。
死滅回游 泳者
呪術師同士の殺し合い
ゲーム「死滅回游」への参加者として選ばれた者達。
ルールと泳者の解説は
項目にて。
追記修正よろしくお願いします
最終更新:2025年02月02日 14:52