チュアチュリー・パンランチ

登録日:2023/06/18 Sun 20:24:20
更新日:2025/02/11 Tue 14:58:58
所要時間:約 16 分で読めます





誰の思いも背負ってない奴が
邪魔してんじゃねェ!!


チュアチュリー・パンランチは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物の一人。



●目次

【概要】

学籍番号MP039、地球寮に所属しているパイロット科1年生の生徒。あだ名は「チュチュ
視聴者の間でも本名の長さからこちらのあだ名、もしくはそれを用いたチュチュ先輩、チュチュパイセン等と呼ばれることが専ら。
なお彼女とそれほど親しくない人物たちからも、その髪型から「ポンポン頭」と呼ばれている。(本人は気にしていない)

ヘルメットを被れないんじゃないかとツッコミが入るレベルの巨大なピンクのお団子(シニヨン)ヘアーが目を引く小柄な少女。
端から見てるとドラッツェの肩みたいなんて言われるくらいにデカい。


アスティカシア学園の一般の制服の上から薄ピンクベースのコートを羽織っているが、これもまたダボダボ。
そして下半身は脛から太ももまで生足全開という、なかなか奇抜な格好をしている。

【人物】

一人称は「あーし」、二人称が「おまえ」、口調が荒くちょっとキレるとやたらと攻撃的な893言葉を乱発する。
性格は正に不良女子、スケバン、鉄砲玉、狂犬、この辺りの言葉が実によく似合う短気な直情型。
特に作中世界のアーシアンへの差別構造の根強さから、学園内でも他のスペーシアンの生徒を大変に忌み嫌っており、
向こうがしょっちゅう差別意識全開で絡んでくることも相まって、頻繁に喧嘩騒ぎを起こしている程。

ただ、作中開始当初はスペーシアン憎悪が先行しすぎていたせいで、スペーシアンというだけで忌み嫌うような態度も見せており、
そのことにミオリネから「スペーシアンってだけでクソ呼ばわり? あなたもアーシアンを差別する連中と変わらないのね」と苦言を呈されてしまうこともあった。

しかし喧嘩っ早いだけでなく、親しい相手には普段のガラの悪さこそ変わらないものの、気さくで面倒見がよくなる姉御肌な一面も強い。
特に出自が特殊で対人スキルに乏しいスレッタに対しては、仲間と認めて以降はその真っ直ぐさでぐいぐい引っ張っていくことも多い。

地球の採掘炭鉱の出身で、そこで働く大人たちのバックアップによりアスティカシア学園へと入学。
画面越しに話す光景は正に仲睦まじい家族そのものといった所で、彼らの期待と想いを背負っているという責任感も人一倍強い。
スレッタと打ち解けたきっかけも、彼女が自分と同じように水星の人たちの思いを背負っているということを知ったことによる。

Season2以降では周囲の主要キャラクターたちの陰謀とそれに伴う騒動が本格化していく中で、
常に地球寮メンバーの中心としてその真っ直ぐさと義侠心溢れる頼もしさを発揮していることから、
暗くなりがちな本編展開における清涼剤として好感を寄せている視聴者も多い。

【パイロットとして】

搭乗する機体が貧弱である為、後方からの狙撃に徹する事が多いが、本人のパイロット技能はなかなかのものであり、オッズ上位の生徒たちにも引けを取らない。
特に優れてる点として緊急事態における対応力と観察眼、それに基づく射撃力が挙げられる。

  • グラスレー寮No1パイロットのシャディクと最新鋭機であるミカエリス相手にある程度戦い抜く、この際に回避し損ねたものの、敵MSの右腕の違和感から咄嗟に視覚外からのインコムに対応しかけていた。
  • コックピット目掛けて放たれたルブリス・ソーンのビームキャノン*1モニターの警告のみで咄嗟に機体を回転させ最小限のダメージで済ませる。ターンピックが冴えてる
  • ガンヴォルヴァの銃撃掃射を回避。その後、背後に動けない負傷者がいる状況で渡り合い、守りきったまま生存する。
  • 射撃に関してはほぼ外したことがない。*2
など随所で彼女の技量の高さが窺える。


ただ本人は射撃よりも接近戦が(その見た目と気性どおり)好きなようで、なんとデミトレーナーのライフルを鈍器にして攻撃するという奇想天外の戦い方をしたこともある。
もっともここだけなら接近戦を仕掛けられたから、その対処でライフルを鈍器にしたとも言える。*3
しかし後の20話、チュチュは後継機であるデミバーディングに乗ってガンヴォルヴァを撃退することになるのだが、そこで恐るべき一場面があった。
それはフェルシーのディランザと背中合わせでガンヴォルヴァに囲まれている状況の中で、再びライフルを鈍器代わりにして構えているデミバーディングの姿
ここで着目すべきポイントはデミバーディングにはちゃんとしたビームサーベルが備わっていることである。*4
何故ビームサーベルがあるのにライフルを鈍器にするのだろうか…
というかそこまで鈍器に拘るならMS専用の大型スパナでも武装として付けたら良いんじゃないかな…?
また、これも相まってか、前作のようなデカ目の打撃武器を持たされた視聴者作のガンプラも結構見受けられている


【本編での動向(Season1)】

初登場は第2話の食事シーン
編入早々に騒動を起こしたスレッタのことについて同じ地球寮メンバーのマルタン、ニカと話をしていたが、そこにスペーシアンのモブ生徒が乱入。
アーシアンであるチュチュたちを見下す態度全開の上に、穏便に事を収めようとしたニカの食事にガムを吐きかけるなどしたことで、早速喧嘩騒ぎになりかけていた。

その後のスレッタとグエルの再戦については、他の地球寮メンバーと共にスレッタの側を応援していた。
当時はまだ典型的な傲慢ちきのスペーシアンであるグエルをぶっ飛ばせと鼻息荒くしていたが、
側にいたマルタンからは「彼女も水星から…」とツッコまれていた。

が、その後のスレッタの勝利とグエルのプロポーズ騒動を目の当たりにすると、
お気楽なスペーシアン様同士の痴話喧嘩かよと、興味を無くしてその場を去ってしまった。

最初に本格的にスポットが当たったのは第4話。

他の地球寮メンバーと共にMSによる実技試験を行っており、出だしは順調だったものの、
アーシアンを差別するスペーシアンのモブ生徒による遅行性遮蔽塗料の嫌がらせ妨害を受けたことで試験不合格となってしまった。

「ッざけんなァ!!」
「どこのどいつだ!? ぶっ殺したらァ!!」

その後、メカニックもスポッターもおらずに試験に臨んで同じく不合格になってしまったスレッタが途方に暮れていた所、
たまたま出くわしたニカの紹介で地球寮にやってきていたのだが、
その光景を目にした瞬間に「あんでここにスペーシアンがいンだよァ!?」と大激怒。
手にしていたスパナで近くの外壁を凹ませ、そのままスレッタに向けてスパナをぶん投げた挙げ句、
今にも殴り掛からん勢いの所を周りの地球寮メンバーに取り押さえられるという狂犬っぷりを発揮していた。

その後の夜中の地球寮におけるワンシーンでは、地球の採掘作業に勤しむ大人たちと画面越しに会話。
「こっちのことは気にしないでお前は自分のことを頑張ればいい」という言葉に穏やかな笑顔でお礼を述べていた。

後日、MS実技の再試験の場においてスレッタ&ミオリネと鉢合わせ。
相変わらずのスペーシアンへの憎悪全開な態度からミオリネに上述の言葉で反論されて一触即発の空気に。

開始後は先に試験を受けるスレッタの順番待ちをしていたのだが、先日にチュチュへ嫌がらせをしていたスペーシアンの生徒が、
今度はスレッタの機体に同じ遮光塗料を使った嫌がらせを行っていたことが判明。
ミオリネのサポートもあるとはいえ、視界を遮られてまともに試験に臨めないスレッタはここに来て精神的に折れてしまい涙を漏らす。
その通信会話越しにチュチュは、スレッタもまた自分と同じように誰かの思いを背負っている立場であることを知る。
そして直後、件の嫌がらせ生徒がスレッタの失態を見ながら大笑いしている姿を目の当たりにしてしまい完全にブチギレ。
待機していたMSから降りてその生徒たちに近づいていき、暴力上等の喧嘩騒ぎを引き起こしてしまう。

登場当初から柄の悪さを見せていた彼女だが、その態度に似合った肉弾戦能力を有していることを判明させ、二人のモブ生徒相手に終始有利に立ち回る。
この時のチュチュはブチギレた状態ながらもまず二人組の片方をグーパンで一発KOし1対1に持ち込むといった冷静さ…というか喧嘩慣れしており、乱暴なのは口だけじゃない事が判明。
そしてこちらもやたら喧嘩慣れしたもう1人から打撃を受けるも怯まず、相手が慌てて止めに入ったスレッタをぶん殴ってしまい困惑した隙に重い一撃をぶち込むという徹底したスタイル。
その上こんな立ち回りをしながらも、その後のシーンでは大した傷を負った様子もない。

以上の事から「令和のカミーユ」の名前を頂戴してしまった。
尤もチュチュは直前まで乗っていたMSをわざわざ降りて殴りに行ったので、ガンダムに乗ったまま生身の人間を攻撃した向こうに比べればまともである。その冷静さが逆に怖くもあるが。

結果、この騒動のせいでまたしても再試験になってしまったのだが、
この1件とニカの勧誘によりスレッタは正式に地球寮に誘われることになり、
ぶっきらぼうにスレッタに対し寮では自分が先輩だと釘を刺す。
そのことをきっかけにスレッタからやや遠慮がちにチュチュ先輩と呼ばれた際は、満更でもなさそうなリアクションを見せていた。

「…声が小さい」

その後はスレッタのことを正式に地球寮の仲間の一人と認め、親しく接するようになる。
第6話におけるエランとの決闘においては、出撃前のスレッタに「気張って行けよ!」と発破をかけている。
なお一触即発状態になったミオリネの事もついでみたいに受け入れている。…ように見えてやっぱり抵抗があったらしくたまに噛み付いていたが。

第8話におけるミオリネの株式会社ガンダム設立における一悶着では、
有無を言わさずに自分含めた地球寮メンバーを勝手に使い倒そうとする態度や、
アーシアンの実態をよく知らずにガンダムの兵器利用を軽く考えているミオリネに対する不平不満が募ったりもしたが、
後にミオリネが新たな道=GUND技術を医療に役立てるという方針を打ち出した後はそれを支持。
宣伝PV撮影も含めた会社設立に積極的に協力する傍らで、GUND技術の医療転用に対する胸の内を明かしていた。

「あーしの地元…」
「採掘中の仕事で、腕とか足とか無くしたヤツいんだよね…」
「稼げてついでに家族の役に立つなら、それが一番じゃん…」

続く第9話。
シャディクの横槍によって会社設立が妨害され、それを打開するべくミオリネが叩きつけたグラスレー寮との6対6のチーム戦による決闘のメンバーとして乗機デミトレーナーと共に参加。

スレッタを除いて唯一パイロット科所属のまともな戦力且つ、搭乗機が後方支援を主としていたということから、
その思惑を崩すべくシャディクの乗るミカエリスに真っ先に狙われることになり苦戦を強いられる。

ビームブレイサーによる多角的な攻撃に翻弄され、デミトレーナーの片腕を破壊され狙撃が出来なくなった否や、
もう片方の腕でスナイパーライフルを鈍器のように振り回そうとするなどの相変わらずの狂犬っぷりを見せたが、
直後に横合いから放たれたイリーシャのベギルペンデの射撃が脚部に直撃し一度は沈黙。

だが、追い詰められたエアリアルの覚醒による逆転劇の最中、シャディクのミカエリスが今正にスレッタのエアリアルにトドメを刺そうとしたその瞬間、
チュチュのデミトレーナーによる狙撃がミカエリス頭部のブレードアンテナを直撃しまさかの逆転勝利モノアイが緑なおかげで「むせる」とか「回るターレットからチュチュの熱い視線が突き刺さる」とかボトムズ扱いされた。

チーム戦ではリーダー機のブレードアンテナの破壊が勝敗を決定する=それ以外の機体の破損度合いについては言及されないというルール、
グラスレー寮側の目下最大の目標はエアリアルであり、その他機体は無力化する程度に留めていたこと、
地球寮メンバーが一丸となっての脅威的な応急処置速度、そしてミオリネによるシャディクは必ず自身でトドメを刺しに来るという読み、
これら全ての要因をフル活用した上での大金星を上げることになった。

「地球寮ナメんなっつったろ、ばーか」

その後は株式会社ガンダムの事業を積極的に行ったり、会社代表として奔走するミオリネの活躍を見守りつつ、スレッタとの仲をからかったりと仲睦まじい姿を見せていた。
スレッタ達と共に向かった先で起きたプラントクエタ襲撃事件においては、自身の愛機であるデミトレーナーを持ってきていなかったこともあり、
他の地球寮メンバーと共に避難するので精一杯だった。


【本編での動向(Season2)】

プラントクエタでの襲撃事件から数週間。表向きは事故として発表され自分たちにも緘口令が敷かれている現状に不満を募らせており「やられたまま黙ってろってのかよ!」「許せねーだろテロなんて!」と、憤りを口にしていた。

続く第14話におけるオープンキャンパスのバトルロイヤルイベント、ランブルリングにも参加。
第9話における決闘で機体を破壊された因縁から、グラスレー寮メンバーを積極的に狙おうとしていたが、
プラントクエタにおける決闘ではない本当の殺し合いを経験してしまったことから、自身でも知らぬ間にそれをトラウマとしたイップスを発症。
思うように照準を合わせられず引き金も引けない状態に陥ってしまい、観戦していた地球寮メンバーも一目でわかる重症であった。

直後、その件のクエタ襲撃実行犯であるソフィとノレアによるガンダム2機と随伴機ガンヴォルヴァを用いた学園襲撃事件が勃発。
上述したトラウマも含めガンヴォルヴァが無人機であることもわからず、追い詰められてしまうが、
極限状態に陥ったことで憎悪に染まりきった凄まじい表情で、眼前のガンヴォルヴァを中のパイロットごと*5本気で殺そうとする。

許さねえ…!上等だ…テメェら全員ぶっ殺してやるよ!

…が、直後に響いた昏睡したラウダの救出を懇願するフェルシーの声が通信音声に響き、
眼前の敵の排除よりもそちらの救出を優先。間一髪ラウダとフェルシーを襲おうとしていたガンヴォルヴァの攻撃から彼女たちを救うことに成功した。

スペーシアンのくせに泣き言いってんじゃねえ!!

憎悪に捉われ(無人機だったとはいえそれを知らなかったことから)人殺しの闇に落ちようとしていた寸前で、
人命救助を優先する意志を自ら見せて闇落ちを回避するというそのカッコよさに惚れ直す視聴者が続出したとかそれいけチュチュウーマン

学園襲撃事件は一先ず収まったものの、使われていたのがガンダムだったということから、
同じガンダムを事業の要にしていた株式会社ガンダムとその主要メンバーであった地球寮への風当たりが急速に悪化。
多発する他寮生徒からの嫌がらせに、当然ながら喧嘩っ早いチュチュはあわや一触即発という事態に陥っていたものの、今正に事が起こりそうな直前でミオリネが帰還。
暴力沙汰にせずにその場を収めた上で硬直していた現状を知るための情報を与えてくれたミオリネに礼を述べつつ、一先ずは矛を収めることにした。

あーしらだけじゃ何もわからなかった。
だから…その…ありがと…

控えめながらもお礼を述べるチュチュと共にミオリネへ好意の視線を向ける地球寮のメンバーたち。
明確にミオリネもまた自分たちの仲間だと認めるその光景は、嘗てチュチュがスペーシアンというだけでミオリネやスレッタに噛み付いていた頃からは考えられない程の変化であった。

しかし直後にスレッタとミオリネのすれ違いと、帰還したグエルとの決闘によりスレッタが敗北。

第18話ではエアリアルを奪われミオリネも去ってしまい意気消沈するスレッタに不満を募らせる。
一方的にスレッタや自分たちと決別したミオリネに身勝手過ぎると憤るも、
スレッタはミオリネさんは悪くない、悪いのは自分だと自身を責めるばかりで更に苛立っていく。

この対話の際、ラウダたちジェターク寮の面々が現れ、スレッタに「お前はいらないんだ」と暴言を吐いた際にも暴言の主たるラウダに掴みかかっていたが、その際に彼とフェルシーがチュチュに助けられたことに感謝の言葉を伝えられた。
思いがけないタイミングと嫌っていた相手からのいきなりの感謝に怒りのぶつけ所を見失ってしまい、「今それ関係ねーだろうが!?」と地団駄を踏むしかなくなった。

そしてラウダの言葉を受けて涙まで流し始めたスレッタのことを見ていられず、
無理やり胸ぐらを掴んだままミオリネの所に行くぞと引っ張り出すという、相も変わらずの姉御肌を発揮。
しかし、スレッタを連れ出したはいいものの、待ち受けていたのは家族であるエアリアル及びプロスペラとの一方的な決別であり、事態は更に悪化。
空元気を見せる余裕すらなくなったスレッタは地球寮の自室に引きこもるようになってしまう。

…どっこい続く第19話、チュチュが空腹に耐えかねて寮の食糧庫を漁っていたスレッタとばったり遭遇。*6
有無を言わさず他の地球寮メンバーの前に引っ張っていき、消沈していたスレッタを立ち直らせることに成功した。
その後更に帰還したマルタンから、ニカがテログループと関りを持っていたこと、それを知った自身がフロント管理者に通報したことなどを知り、
自分たちを騙していたニカへの怒りを見せるものの、リリッケの「一番いいやり方じゃなくても、そうするしかない時があるんじゃないか」という言葉を受け、複雑そうな面持ちをしていた。

第20話ではシャディクの策略によって解放されたノレアによる再度の学園襲撃事件が発生。
既に精神が錯乱しきっていたノレアの無差別破壊により地球寮ごと自身のデミトレーナーが破壊されてしまう。
スレッタのエアリアルもプロスペラに持ちだされたままであり、事態に対抗する手段が皆無となってしまった。
しかしここで決闘委員会のメンバーであるセセリアが助け舟を出し、自分たちの企業であるブリオン社の新型試作機であるデミバーディングを提供。
ほぼ同時のタイミングでノレア共に解放されていたニカが地球寮に合流、彼女の調整によりチュチュは出撃。
先行してノレアの操るガンヴォルヴァと戦っていたフェルシーのディランザと共闘し、学園防衛のために奮戦した。
なお、この時もデミバーディングのライフルを鈍器代わりにしていた。


「おいスペーシアン」

「お前…ポンポン頭!?」

「手伝え、こいつらぶっ潰すぞ!」

「あ…アーシアンが仕切んじゃねえ!」

しかし奮戦も虚しく、前回の襲撃以上に学園生徒に多くの犠牲が生じることになってしまい、
デミバーディングを用いた救出活動においては、がれきの下で命を落とした学生を前にして、
コクピットモニターに拳を叩きつけるなど悔しさを滲ませていた。
それでも前に進もうと決意するスレッタと共に、まだ助かるかもしれない生徒たちの救出のために全力を尽くしていた。

第21話ではスレッタの境遇、プロスペラの目的といった多くの真実を知ることとなり、
キャリバーンという新たなガンダムを駆ってでもプロスペラとエリクトを止めに行こうとするスレッタを前に、
自分たちも連れて行けと、スレッタと共に戦場に向かう覚悟を見せていた。

後、そのため戦力としてセセリアに対しデミバーディングを再度貸して欲しいと頭を下げ、セセリアの方もロウジを同行させるという条件付きで了承。その際、壊した場合の莫大な修理費をセセリアに提示されると一瞬怯むもスレッタのためだと即座に腹を括っていた。
尚、このシーンにおいてもスペーシアンであるセセリアに自ら頭を下げるという、登場当時のチュチュからは考えられない態度に彼女の成長を感じ取れるものとなっている。

最終決戦においては、追加オプションとして追加コクピットスペースを搭載したデミバーディングを駆り、パーメットリンクを解除した手動操縦に苦戦しながらも*7何とか一行をクワイエットゼロまで運び込むことに成功。
その後の内部における攻防戦では最終的に捕縛されてしまうものの、スレッタがプロスペラの説得及びエリクトの救出、宇宙議会連合の大量破壊兵器、ILTSの停止を成功させ、他の仲間たちと共に生還。
全てを終えて宇宙を漂っていたスレッタの下へミオリネを送り届けた。

ロウジィ! てめぇ勝手に仕様変えたな!? クソスペギーク!!

3年後はモビルクラフトの作業員に就職。しかし、同じ職場で働くロウジのマイペースさに振り回されているようで、物凄い悪人顔で上記セリフのように悪態を吐くなど相変わらずの様である。
この時の表情筋の動きがヌルヌルすぎて「1話で殺される寸前のモブの顔」とかネタにされた。


【人物関係】

水星の魔女における主人公。
上述したように水星という特異環境とはいえスペーシアンであった彼女への態度は嫌悪剥き出しなものだったが、
自身と同じ誰かの期待を背負って頑張っているということを知り、正式に地球寮入りしてからは後輩として可愛がっている。歳下だけど
特にSeason2では次々に困難が訪れ塞ぎ込みがちなスレッタをその持ち前の真っ直ぐさと面倒見の良さで引っ張る姉貴分としての印象が強い。

もう一人の主人公にしてヒロイン。
花嫁として決闘の商品扱いだったこと、彼女自身も何かと一方的に他人を振り回す面が強かったことから、
「お姫様」「クソスぺワガママ女」などと呼び、スレッタ以上に嫌っていたような面が強かったものの、
株式会社ガンダム設立と医療で人を救うという理念に賛同して以降は、スレッタと同様に仲間として打ち解けていた。

  • 地球寮のメンバーたち
ルームメイト、同じアーシアンという事もあり仲間意識は高く、友人というより家族に近い関係。
同級生のリリッケだけでなくニカ以外の先輩にも呼び捨てだが皆は特に気にしてない模様。

  • ニカ・ナナウラ
地球寮のメンバーの一人でメカニックを担当。チュチュは地球寮のメンバーの中でも彼女には特に強い信頼を見せており、ニカ姉と呼び慕っている。
自身の乗機であるデミトレーナーの改造・調整も全てニカが行っていた。

それだけにニカの出自=シャディクの手引きで地球のテロ組織との連絡役を担っていたことを知った時は、信頼の裏返しから強い憤りを見せていたものの、
二度目の学園襲撃事件の際には只管に謝罪を繰り返すニカに対し最初は許さないと言いつつも「全部ちゃんと聞かせろよ…じゃなきゃ…許すも何もねーだろうが…」と呟いていた。

  • フェルシー・ロロ
ジェダーク寮のスペーシアン。
フェルシーにとってチュチュは命の恩人である。
その良くも悪くも子供っぽい性格のせいか当初は地球人をナチュラルに見下していたが、ランブルリングの際に自分と尊敬するラウダの命を救われた事からその差別意識も消えていった。
その事をしっかりと感謝の言葉を述べており一瞬だけ笑顔を見せている事から、少なくともフェルシーはチュチュの事は悪く見ていないようだ。
というか遺恨がなければフェルシーもチュチュと同じような性格なので、仲間として戦う際は意気投合までしていた。

  • スレッタの邪魔をした二人組
その名の通りスレッタの授業の邪魔をし、更にその姿を見て笑っていた女子生徒2人。
しかし「誰かのために頑張っている」人間を「誰の思いも背負っていない」人間が邪魔をすることに耐えきれず、まず1人を不意打ち気味に仕留め、もう1人も激戦の末に沈めた。
明らかに性格の悪い2人で以降は絡むことはあまりなかったが、そのお陰でスレッタとチュチュの距離が急速に縮まったので、ある意味では功労者と言えるだろうか。

その後アスティカシア学園が戦乱に巻き込まれ生徒たちの犠牲者も多数出るなか、彼女達もそれに巻き込まれて死んだのでは?と言われていた(チュチュが見つけた死体が彼女達じゃないかという説もあった)が、第21話で無事が確認された。
しかし2人は目の前に現れたのが自分達をボコボコにしたポンポン頭という事に驚くが、チュチュはそんな遺恨を忘れたとばかりに支援物資(ミオリネのトマト)を渡していた。


【搭乗機体】

デミトレーナーチュチュ専用機

型式番号:MSJ-105CC
頭頂高:17.4m
重量:63.5t

チュチュの愛機であるブリオン社製MS、デミトレーナーの初期型レストア機。
地球寮の懐事情の問題から最新ロットのデミトレーナーも購入できないという事情から、
ニカを中心とした地球寮メンバーたちによるカスタマイズが施された一品。

通常機との外観の違いは一部装甲の排除、太腿部分の追加スラスター、踵部分のローラーダッシュなど。
強化した機動力と専用武器である大型スナイパーライフルによる一撃離脱戦法をコンセプトとしている。
尤も、喧嘩っ早いチュチュとしてはインファイトスタイルの方が好みのため、
カスタマイズをしてくれたニカの腕前こそ信頼しているものの、機体コンセプト自体には不満を抱いてたとのこと。

コンセプトはともかく機体自体は気に入っていたらしく、後に新型機がやってきてもこれに乗り続けた。
その後地球寮が株式会社ガンダムから脱退した際にも色々あったがチュチュの元へ返還されており、実質的に彼女の所持品のような扱いがされていた。
しかし第20話における二度目の学園襲撃事件において地球寮ごと破壊され失われてしまう。
その際のチュチュは突如のビームの爆発よりも先にこのデミトレーナーが破壊された事を気にしていた。


デミバーディング

型式番号:MSJ-R122
頭頂高:16.9m
重量:78.3t

ブリオン社の新型試作機。第20話で専用のデミトレーナーを失ったチュチュに対しセセリアから貸し出された。
後にクワイエット・ゼロへ乗り込む際にセセリアに頼みこみ再び借り受ける。
壊した場合の賠償金が目玉が飛び出るほどの金額だったようだが、スレッタを助けるためならと迷わず了承した。
今の所量産を考慮していない採算度外視のスペックとのことだが、シリーズ特徴の設計や優秀な整備性は確保されているとのこと。

デミトレーナーの発展機なだけあって全体的なシルエットは似通っているが、細かい部分はよりヒロイックな造形となっている。
そのため初出撃時の演出は主役機かと間違えるような気合いの入ったものとなっている。

武装は専用の鈍器ビームライフル、ビームサーベル×2とオーソドックスなもの。
他にはビーム砲を2門搭載した専用の大型バックパックがあるが、初登場の20話では使われず、プラモでのお披露目が先だった。

その後も愛機にしていたが、余り戦闘シーンは描かれなかった。
しかし前述の通り宇宙を漂っていたスレッタの元にミオリネを持っていったのはこの機体である。

【余談】

今作の構成脚本家である大河内一楼氏のデビュー作品*8であることから関連性が語られていた『少女革命ウテナ』に同名のマスコットキャラが登場しているため、
名前のモチーフなのではないかと言われている。
ちなみに向こうはサルのようなネズミのような小動物なのだが、頭の大きなお耳の部分とこちらのチュチュのお団子とがそっくりになっている。


Season 2の公式キービジュアルではほとんどの登場キャラクターがミオリネや気になる人物に手を向けている中、チュチュは何故かウルトラマンの飛行中のような勇ましいポーズを取っていた
両手がグーなので一番近いのは蒼き海の巨人ぐんぐんカットだろうか。あとこの映画の終盤のとあるシーンをパロディしたコラが作られたりもした
またウルトラチュチュから見てまっすぐ下の位置にフェルシーがおり、彼女はラウダに視線を向けているのだが、見ようによってはチュチュの方に視線を向けてるようにも取れる為、現在の2人の状況の伏線だったのではと言われている。


追記・修正は地球寮を舐めない方がお願いします。

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最終更新:2025年02月11日 14:58

*1 出力上限違反の実戦仕様

*2 彼女が唯一外した場面は、プラントクエタでのトラウマが原因で狙いどころか引き金もロクに引けなかったランブルリングのみ

*3 チュチュのデミトレにはビームサーベルが付いていない。プラモでもサーベルは付属しない

*4 しかも二振り

*5 実際は無人機でありパイロットは搭乗していないのだが、チュチュがその事実を知るはずが無かった。

*6 この時のギャグ臭溢れるスレッタの表情も含め、人里に降りて食料を食い荒らす野生の狸と遭遇したなどとネタにされている。

*7 ケナンジ曰く「目隠しで運転するようなもの」

*8 ノベライズ