都市伝説解体センター

登録日:2025/05/17 Sat 12:10:45
更新日:2025/05/19 Mon 00:00:08NEW!
所要時間:約 9 分で解体できます




「ようこそ都市伝説解体センターへ」



都市伝説解体センター(英題:Urban Myth Dissolution Center)は墓場文庫が開発、集英社ゲームズから発売*1されている推理アドベンチャーゲーム。2025年2月13日発売。
プラットフォームはNintendo SwitchPS5、Steam。SwitchとPS5では通常パッケージ版に加えて、初回限定の『調査員限定スペシャルセット』も発売されている。

CEROはCで、コンテンツアイコンは犯罪。


概要

ひょんなことから都市伝説解体センターで働くことになった女子大生、福来あざみを操作し、センターに届いた依頼から都市伝説を調査、解体するゲーム。全6話。
墓場文庫の前作、『和階堂真の事件簿』と同様のドット絵の横スクロール推理ゲームだが、色彩豊かになっただけでなく、ウィンドウ内に表示されていた話者の上半身が画面に大きく表示され、表情豊かにヌルヌル動くようになった。
普段ゲームをしない人でもクリアできるようにした 」と公式が述べてるだけあり作りが大変丁寧で、選択肢を間違えてもあざみがすっとぼけた回答をするだけでゲームオーバーが存在しないのも特徴。
公式側もファン側も初見の新鮮な悲鳴を聞きたいからかネタバレに大変気を使っており、既プレイユーザーがSNS上でこのゲームの話をする時には大体ふせったーを活用している。クリアしたけどパスワードがわからない?最後の最後に出てくる名前とだけ。その名前が、発売から3か月以上が経ってもSNS上の表だって見えるところでは全くと言っていいほど語られていないところも都市伝説っぽい。
あと墓場文庫のエゴサ力の高さは異常。


登場人物

廻屋(めぐりや)(あゆむ)
CV:岡本信彦(電話企画)
都市伝説解体センターのセンター長。年齢は「秘密です」とのこと。常に車椅子に座っており、目が描かれた逆三角形型のネックレスが目を引く。千年パズルではない。
車椅子でセンターから動けないので、現地調査は他人に任せ、自身は電話で指示をする。千里眼を持っており、丁度いいタイミングであざみやジャスミンに電話できる。
都市伝説に目が無いため、あざみ達がピンチになるほど興奮する癖がある。
ちなみに「渉」は本来「あゆむ」とは読まない。入力する際は「わたる」で。

福来(ふくらい)あざみ
主人公。23歳。犬神大学(通称:ワン大)の学生。幼い頃から念視に悩まされており*2、相談のために都市伝説解体センターを訪れるが、預かり物である呪いの椅子を壊してしまい、弁償のために調査員として働くことになる。
かなり純粋で世間知らずな性格で、有名な社長やインフルエンサーを知らなかったり、SNSで繰り広げられる眉唾物の話を事実と捉えて驚き慄いたりする。
探索中にしょっちゅう泣く。その泣き顔がちいかわみたいでかわいい。
苗字の由来は念写の発見者とされ、千里眼の研究をしていた心理学者の福来友吉。

ジャスミン
本名は止木(とまりぎ)休美(やすみ)。休美だからジャスミン。25歳。お団子ヘアー*3が特徴。あざみのことを「あざみー」と呼んでいる。
主に現場までの運転を担当する。*4めんどくさがり屋だが、あざみが助けを求めるとアドバイスをするし、ピンチの時は格闘術で応戦する。誰かと内通しているようだが…。
実はあざみより7cmも背が低く、これが公式Xにて明かされたときには衝撃が駆け巡った。

謎の男
全話に登場する、スーツを着たオネェ口調の人物。42歳。
あざみの名前や能力を知っている。第5話序盤にて彼の正体が明らかになる。

如月(きさらぎ)(つとむ)
大学助教授でありオカルト研究家。手塚治虫に似ている。
あざみ達が調査する事象に、彼が出版したオカルト本や彼の関係者など、なんらかの形で彼の名が登場する。

トシカイくん
都市伝説解体センターのマスコット。
都市伝説やデータベースの解説をしてくれる。「~カイ?」という語尾や独特なテンションが特徴的。他の登場人物の抱えている謎が作中で明らかになる中、彼はほとんど触れられないので、逆に作中でいちばん謎なキャラクターである。
現実のX(Twitter)に彼の公式アカウントが存在する。


調査の流れ

SNS調査
SNSで調査対象の噂などを調べる。
当然、中傷や揶揄するような書き込みもあるため、人によってはあざみ同様に精神的苦痛を味わうかも…。*5
現場に向かうまでの車内で行われることが大半だが、第3話では終始ツアーに参加することになるため、最初の1回以外はツアーの合間に行われる。

現地調査
往年のミステリー作品よろしく、関係者や地域住民への取材や現場調査を行う。画面右下にあるメガネマークを選択すると、背景が黒くなり、誰かの痕跡を表す赤い影が表示される。大抵は人型だが、その人物の行動次第では異形の姿になる。この状態では赤い影以外は調べられない。

仮説
調査を進めると、画面左上に豆電球マークが表示される。これを選択すると脳内に廻屋が直接語り掛けてきた上で仮説を立てることになり、枠の中に文章を当てはめて完成させる。不正解の場合はその部分だけ赤く表示されるので親切。

特定
調査結果を元に廻屋が本を開き、都市伝説の種類を特定する。彼の質問に正解するたびに石柱とピラミッドが下から現れ、3回正解すると特定となる。これにより都市伝説の種類や対策が分かるので、それをもとにさらに調査を行う。

解体
情報がさらに集まると、都市伝説の裏に隠された真実を解き明かす「解体」を行う。廻屋の天眼錠(アイ・オープナー)!」の呪文と共にが出現。質問に正解するごとに解錠され、計5回正解すれば解体となる。その時のポーズは、電話越しなので誰も見ていないのに両手の親指と人差し指で逆三角形→三角形→両手を合わせてずらす動きをする。


各話あらすじ

前述のように全6話。そして各話のラストでは、テーマソングである『奇々解体』をバックに事件の後の顛末などが語られながら、次の話へのフックで終わると、連続ドラマのような演出がなされる。
第1話「闇から覗く目」
あざみの友達である美桜(みお)から部屋への侵入者を調べて欲しいとの依頼。大学の先輩である栄子(えいこ)も協力してくれるが、その間にも怪奇現象が美桜を襲う。そしてそれは、美桜と栄子の闇深い過去を照らしていく…。

第2話「鏡像から迫る死」
動画配信者の谷原(たにはら)きのこから生配信に映った幽霊を調べて欲しいとの依頼。撮影現場であるアパートの部屋にて過去に無理心中事件があったことが発覚するが、あざみに災難が何度も襲い掛かる…。
幽霊が題材である都合上、ビックリシーンが多いので注意。

第3話「辺獄への階段」
行方不明者が発生するツアーを調べて欲しいという匿名の依頼。ツアーに参加したあざみとジャスミン達はどこか怪しいガイドに連れられクイズを解いていくが、ツアーの終盤、本当に行方不明者が発生してしまう…。
この話のみ日付を跨がずにストーリーが進む。

第4話「漏れ広がる邪悪」
インフルエンサー眉崎(まゆさき)(じゅん)からの呪物鑑定依頼。彼のビジネスパートナー兼彼女であるリナは赤い箱が届いてから具合が悪くなったり、蛇の幻覚を見るようになってしまった。さらには箱を触ったジャスミンにも異変が発生してしまったため、あざみは一人で箱の所在地である村へと調査に向かうことに。
第2話程ではないがビックリポイントがちょくちょくある。

第5話「罪人の影」
大企業の社長、黒沢(くろさわ)優弥(ゆうや)からの盗品返却の依頼。秘書の清元(きよもと)と証言が一致しなかったことから、何者かが黒沢に変装したと疑うあざみ。そんな中、黒沢は自身のドッペルゲンガーと出会ってしまう…。

第6話「崩壊と審判」
SAMEZIMA管理人は崩壊と審判へのカウントダウンを開始、余興として謎解きを用意した。そんな中、あざみが黒沢の自宅で窃盗事件を起こしたという情報が流れる。果たしてあざみはカウントダウンを止められるのか?そして、管理人の正体とは?
あまりに衝撃的な結末のためか、2025年4月1日0時(日本時間)まで配信制限が掛かっていた。*6


システム

BOOK
画面左上のBOOKからは現在の進行状況を見ることができる。この内、「調査メモ」と「人物相関図」は1話クリアするごとにリセットされるので、どうしても覚えておきたい場合はメモを忘れずに。「都市伝説」と「データベース」は引き継がれる。


用語

都市伝説解体センター
ある建物の地下4階に存在する、警察では対処できない怪異を扱う探偵事務所。
ちなみに元ネタの建物は京都の東華菜館で、日本最古のエレベーターがあるのが特徴。

TKCチャンネル
解体後、廻屋がフリーメイソンのような赤い三角形で目が塞がれた能面を被ってその一部始終を動画にして配信する。そこでは関係者が行方不明になったことが語られるが…。

闇考察ニュース
いわゆるまとめサイト。

イルミナカード
未来を予知すると言われるカード。背景が繋がっている。闇から除く目、崩壊と審判、鏡像から迫る死、辺獄への階段、漏れ拡がる邪悪、罪人の影の6種類に加え、ゼロ枚目も存在するようだが…。

SAMEZIMA
SZの文字が書かれた布を被っている人物が管理する闇サイト。利用者は「ジマー」と呼ばれ、犯罪行為に走る過激派も多い。
都市伝説で「さめじま」といえば例の事件を連想させられるが…?

グレートリセット
通称GR。如月努が書いたグレートリセット論に端を発する終末論。


テーマソング

  • 『奇々解体』
  • 作詞・作曲・編曲:MURASAKI
  • 歌唱:かたたかんな
先述のように、各話のラストという印象的なシーンで挿入され、さらにAメロのラップが特徴的なためか、プレイヤーの耳に妙に残る楽曲となっている。
発売当初は、この楽曲を含むサントラは限定版の付属品かSteam版のDLCとしてしか購入できなかったものの、2025年5月現在では各種ストリーミング・配信サイトで提供されている。
集英社ゲームスの公式Youtubeチャンネルにてフル尺のミュージックビデオが公開されているが、ゲーム終盤までの画像が数多く使われているため、クリア後の視聴が推奨されている。
ちなみに、前半のラップ部分も含めてかたたかんな氏が一人で歌唱している曲である
カラオケでも配信されているが、本人映像としてMVがそのまま流れるため、人前で歌う時は注意


他メディアでの展開

都市伝説解体センター 異聞:くねくね
少年ジャンプ+に掲載されている宣伝も兼ねた漫画。漫画は高橋ヒデキ。くねくねを題材にオリジナルストーリーが展開される。読み切り1話の漫画であるためかなり説明を端折っているが、現場到着から解体までの基本的な流れは踏襲している。無料で何度でも読むことが可能。

都市伝説解体センター Parallel File
なんと少女まんが雑誌「りぼん」で連載されている漫画。漫画は絶叫学級シリーズなどのホラー漫画を長く執筆しているいしかわえみ。年齢設定や調査にメガネを使用しないなど一部設定の違いがある。2025年5月現在の連載中の箇所はゲームと同じ題材でストーリー展開がされているが、パラレルファイルという題名からも今後はゲームとは違う展開になると思われる。


追記・修正はふせったーのパスワードが分かる方にお願いします。

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最終更新:2025年05月19日 00:00

*1 名目上はパブリッシャーではあるが、実際にはプロデューサーのような働きをしており、たとえば第1話の冒頭にチュートリアルのような「解体」を入れるといった、売れるためのアドバイスを数多く提供している。

*2 センター来るまでは幽霊などが視えていたのだと思っていた。

*3 作中ではそう呼ばれているが、実際にはクロワッサンに近い。つまりストリートファイターのジュリ風。そしてそんな髪形をしているのにというか、苦手な食べ物はチョココロネ。

*4 車種は2代目フォード・エコノライン。ちゃんと左ハンドル。バイクを運転するシーンもある。

*5 ジャスミンも「ここから先は読まない方がいい」といった感じで警告してくれる。その他ジャスミンのSNSのアドバイスは現実のSNS見る上でも重要なことが多い。

*6 現在は制限解除されているがあくまで配信制限の解放であり、公式からは引き続きSNSなどの投稿の際にネタバレに配慮するように呼びかけがある。