登録日:2012/03/16 Fri 18:53:11
更新日:2025/04/23 Wed 18:57:05
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料理は“勝負”だ!
誰にも負けないうまい物を作る――
それこそが料理人の心掛けであるはずだ
秋山醤は『
鉄鍋のジャン!』及びその続編『鉄鍋のジャン!R』の主人公。
「料理は勝負」を信念とする。
【概要】
外見は小柄で痩躯、鷹のような鋭い目付きをした、全身から殺気立った凶悪な雰囲気を醸し出した坊主頭の少年。
かつて「中華の覇王」と呼ばれた秋山階一郎の孫であり、幼少の頃から中華の真髄を徹底的に叩き込まれていた。
背中にはその時の鍛練の証として夥しい量の傷痕がある。誇りでもあり、
裸を覗かれた時でも股間より先に背中を隠す。
美味い料理を作るためならばいかなる努力も惜しまず、料理の基礎である鍋振りや腕力トレーニング、皿洗いにいたるまで怠ることは決して無い。
だがそれ以外は基本的に痩せぎすの体型であり、第二回大会の特別審査員である栄養学の権威・ケペルからは
「痩せすぎだ。もっと栄養を摂ったほうがいい」というツッコミと共に大量の栄養剤を渡された。
また、中華以外にも
フランス料理などの調理技法にも精通しており、普通では入手がまず出来ないような食材(後述の血燕やイワタケなど)も入手でき、なおかつ使いこなせる技量の持ち主。
『R』にて「十三龍」の料理人アリーに「珍しい素材に頼ったハリボテ料理人」とイヤミを言われたが、
珍しい食材を持ってても使いこなせるかは全くの別なのである。
祖父であり師でもある階一郎の死後、銀座にある日本の中華料理店の頂点「五番町飯店」で働くことになる。
なお、女装すると結構美人である。すぐ化けの皮が剥がれるけど。
【性格】
このように料理の腕を磨くために努力を欠かさず奇抜な調理法を得意とするといわれると正統派な
料理漫画の主人公だと思ってしまうだろう。
しかしこの秋山醤、他の料理漫画だったら間違いなく悪役になっているほどに
極悪非道な性格なのだ。
例を挙げると
- 初登場時は閉店時間になった五番町に入り込みチャーハンを注文、出てきたチャーハンに粗を見つけるや厨房に乗り込み料理人を罵倒&挑発しながらチャーハンをゴミ箱へ
- マジックマッシュルーム入りのスープで審査員をトリップさせ、採点を操作する
- 相手の料理の欠点を突いて不味く感じるようにする
- 朝鮮人参とナツメグの組み合わせで血糖値を下げて体を動けなくする
- 食べると熱々のゼラチンで口が焼け爛れる春巻
- 笑いながら跳ねる豚の首を送られた腹いせに相手そっくりの生首爆弾(脳みそに見立てた中身の具も含めて食べられる)を直接配達
- スプリンクラーを作動させて他人の料理を水浸しにする
と行動は完全に悪役の所業。
外観も外観で
- 四白眼に鋭い目つき
- 犬歯は牙の様に尖っている
- デフォルトでカカカ笑い
- 思ったことははっきり言うし、敬語は全く使わない。いつだって喧嘩上等
とまるでチンピラ悪魔のような雰囲気で描かれている。
そのため他の料理人どころか料理大会の審査員や観客にまで嫌われている。曰く、「秋山にも程がある」。
ジャン本人もそれを煽るように攻撃的な言動を繰り返すため始末に負えない。
全観客を敵に回して帰れコールされている中、逆にイキイキと鍋をふるうシーンすらあった。これはジャンの「勝負できればよく観客のことは気にしない」という哲学からの行動である。
……と作中で説明されているが、五番街vs蜃気楼編にてCMで悪魔の化身扱いされるネガキャンをされたことに対し、それを見たジャンは嬉々として
「大魔王様のお出ましだぜ」と笑い飛ばし、大会出場時には
(小此木の作った)ド派手な悪魔のコスチュームを身に着け、観客席の上に立ち高笑いをしつつ「地獄に落とされたいか」とさも自分が本物の悪魔のようにパフォーマンスをする辺り、実際はジャンの趣味なだけであることも考えられる。
性格が災いして審議拒否されたり、ゴミを客から投げられたり、
指の骨を折られたり、その後の料理対決でもう片方の腕を折られたりされる事さえしばしばあった。
ちなみに、5回ほど料理大会や勝負の番組に出ているが、勝つために手段を択ばない割に、成績は存在自体が有耶無耶になったビッグ大谷杯優勝くらいしか結果が残せていない。
初めての大会も
審査員の大谷がジャンに煽られたせいでブチ切れて暴行したペナルティで退場→腹いせに0点評価(このせいで準優勝)→キレたジャンにぶん殴られる→他の審査員「まあ、しょうがない」「おあいこ」
……などという有様。
残りは
- 大会オーナーがジャンの対戦相手の凶行にブチ切れて終了
- 大量のハエやトンボやゲンゴロウが会場を飛び回り、ブチキレたダチョウ達が大暴れする事態になって終了
- 霧子が(瀕死寸前の)ジャンをぶん殴って終了
……といった感じである。
一応、優勝扱いのビッグ大谷杯は、ダブルKOをやらかした筍&沢田、出落ちの見本市みたいな
十三龍、ジャンに褒められるも一回戦落ちの藤田、と微妙な敵が多く、決勝戦の強敵相手でも割と余裕の勝利となっている。
とまぁ上記の通り勝つためなら手段を選ばない凶悪な性格の持ち主だが、そんな彼にも人間らしい面はある。
同僚である小此木タカオに対しては一緒にキャンプに行ったり丁寧に料理を教えたりするなど親友といってもよい間柄。
バイクの免許を持っている為、休日ではよく小此木とツーリングしたりする事も。
同じく同僚である五番町霧子が野菜の飾り切りで悩んでいた時(仲が険悪になる前だが)は
本当の親切心から飾り切りを教えてやろうかと言っていた他、霧子が風邪をひいたときには風邪に効くデザートを作ってあげるなど、全くの冷血漢というわけではない。(作った理由は「明日の試合で負けた時の言い訳にしてもらいたくないから(要約)」と言ったがために霧子を怒らせたけど)
孤独な幼少期を送ってきた故に、優しさを素直に表現できないタイプなのだろう。
また料理自体には常に真摯であり、時間と手間のかかる地味な料理でも全く手を抜かず全力で調理する。
失敗した時はいつもの強気な態度からは信じられないほどに動揺して自傷するレベルで物に当たりまくり、涙を流しさえした。
ついでに言うと、あくまでも勝つために手段を選ばないだけなので、勝負抜きなら凶悪な面は滅多に出さない。
大会の司会とカメラマンが勝手に寸胴に近づいて火傷を負いそうになった時は、身を挺してかばった上に水道水を全身に浴びながらも「気にするな」と言い放っている。この漫画の他の外道料理人だったら確実にキレている。
挙句にこのカメラマン、その寸胴で調理中だったラー油を勝手に味見とかやらかしているのだが、「味のことはまだ秘密だZE☆」みたいな内緒顔でやっぱり咎めなかった。ぶっちゃけ殴られても仕方ないのに。
もっとも、前の大会で審査員が気になる食材をつまみ食いをしようとした際は、その指目掛けて包丁を振り下ろしているので、あくまで勝負そのものに無関係な人限定な模様。
ただし
日本有数の名店五番町飯店の正規料理人にもかかわらずヘボい料理を作る
望月には先輩であってもボロクソに罵倒するが、よく聞いてみると
「何がダメなのか」を明確に指摘して罵倒しているので相手に聞く気と改善する気があれば改善して成長できる「指導」になっている。
後に対戦した湯水スグルに対しても、根本が素人である故か、ジャンにしては(罵倒混じりではあるものの)結構言葉を選んだ「指導」になっていた。
それに対してダチョウ
ステーキ店のオーナーに至っては、「所詮は脱サラの素人ステーキ」と馬鹿にする言葉は使うが、まだ料理人として未熟なためか罵倒は控えめにしており(打算があったとはいえ)詳しく解説しつつステーキの調理法を丁寧に教えている。
その上で「(焼き時間は肉の厚みや質でも変わってくるから)それは自分で考えろ」「反復練習も大事だ」と説いていた。
小此木に対してもそうだが、「見て覚えろ」「盗め」が常識の料理業界において、基礎からここまできっちり教えてあげるのは相当珍しいタイプである。
教え方も上手く、小此木・オーナー共にすぐに上達している。
このように、意外と指導者・教師に向いている側面があり、一時期は五番町飯店の料理長の座を狙った事もあったが、ジャンがトップになった五番町飯店の未来は案外明るかったかもしれない。
……現役従業員なんて「日本一の中華料理店」の座にあぐらをかいて料理の研鑽を全然しなかったり、見習いの小此木にただ殴るだけで一切の指導をしなかった有様だったし。
祖父の遺言で、自分と同等かそれ以上の料理人がゴロゴロいると信じて訪れた五番町飯店の当時のレベルの低さに、ジャンの失望は計り知れなかっただろう。
そんなジャンは大半の従業員からも疫病神扱いされていたが、
ジャンが来てから客足は減るどころかむしろ増えている。
ジャンの怖いもの見たさもあるだろうが、ジャンの刺激により五番町飯店の料理レベルが今以上に上がったからに他ならないだろう。
そもそもの悪事にもある程度は分別があり、長期にわたって身体に害が起きえる行為(物理攻撃など)は行わない。むしろ進んで救命活動に関わるくらいには倫理観がある。
やってることも相当な知識や観察眼を必要とするため、決して楽な方法ではない。
ただそれは、高度な技術を使って比較的安全な手段でものすごく不愉快にさせてくるってことであり、これで嫌うなって方が無理あるわけだが。
本人的には「相手のハナを明かしたい」とのことなので、敢えて不利な立場になり、逆転勝利を収められる状況を作るために悪事をやっている節もある。
つまり、悪事だけで勝てるならそれはそれでよし、それを乗り越えられる腕前の強敵ならば自身の実力で完全勝利したいってことである。
どこのボスキャラだよ。
ただし、ジャンがこのような性格になってしまったのは、半分以上は祖父・階一郎の責任である。
元々のジャンは、時折両親がいない事を侮辱された時や、暴力教師に反発してキレた時はあったものの、基本的には穏やかで礼儀正しい少年であり、階一郎から虐待同然のスパルタ料理教育をされていた際も、素直に従っていた。
それでも「秋山の料理」への誇りは小学生時点で完成されてはいた模様。祖父や物心付く前に失った両親との「繋がり」が料理しかないので、それで負ける事は許されないと思っていたのだろう。
だがある日、長年患っていた癌に舌まで侵されてしまった事で、味覚を失ってしまった階一郎は絶望し、薬を取りに行かせる面目でジャンを町に行かせた後に焼身自殺。
これを止められなかった事で、当時15歳だったジャンの心は大いに歪んでしまう。
「癌と戦おうもせず負けた」祖父への反発から、小学生の時から抱き始めていた「どんな手を使ってでも必ず勝つ」心情に完全にシフトしてしまった。
「負け犬がー!!」と祖父を罵りながらも、ジャンのその目には大粒の涙が溢れていた……。
◆R頂上決戦
『良い料理人』は確かに良い料理を作る事ができるさ。
だが、“悪い料理人は何でもできる”んだぜ!
覚えておけ!カカカカカーーーーーッ
20歳。
そんなジャンもRでは人間としても成長し、少しだけ丸くなった。祖母の店でしごかれたのだろう。
「料理は勝負」の基本的なスタンスこそは変わってはいないが、「旨い料理は心に響くんだよ」と、霧子の「心の料理」の信念も若干ながら受け継いでいる節もある。
また、(前科がアレなのですごい警戒されたが)反則的な行為は一切やらなくなっており、常にテーマと使える食材を最大限に生かす料理を作って真っ当に勝利している。
あまりの毒気のなさに、敵キャラに嫌味まで言われた。
憎まれ口と嫌がらせ行為は相変わらずだが、比較的まとも。まあ、十三龍へは下記の恨みもあったせいか
死体蹴りは容赦なかったが。
五番町飯店を離れて半年間単身渡米していたが、エリザの勧誘を断ったせいでトラックで轢かれて殺されかけ、そのリベンジと祖父から続く大事な研究ノート「秋山ノオト」の奪還の為にビッグ大谷杯に参加した。
本編とRの空白期においては霧子とは色々あったようだが、この時点でははっきりと明らかにはされなかった。
ただ、「性格は最悪だけど腕は信用してる」と言われており、相棒と言っても良い間柄にはなっているようだ。
と言うか、この時点でほとんど熟年夫婦。
せっかく佐藤田から取り返した「秋山ノオト」を霧子にパクられた際は
そのでかい胸に隠されたのだが、「取れねぇだろ」と速攻で強奪を諦めている。
ちなみに、戻った後も前でも
月給12万円でこき使われていたらしい。
祖父の保険金はあったであろうとは言え……ひっでぇ。
……尤も、自分の給料を語る際はいつもの笑顔だったので、あまり気にしてない可能性も。
そもそも金銭や名声に拘るタイプじゃないし、負けず嫌いなとこも含めてどこぞの漫画家に通ずるものがある。
案外将来は霧子に尻に敷かれるタイプかもしれない……。
ちなみに、当初は髪を昔みたいに伸ばして、少年マンガの主人公らしくなったイケメン度もアップしていたのだが、気絶してる間にジャン限界オタクの小此木に勝手に刈られてしまい、坊主頭に逆戻りにされてしまった。
※本人の許可無しの散髪はれっきとした犯罪です。良い子のみんなはマネしないでね!
◆2nd
更におそらく15年程度先を描いた「2nd」では、彼と霧子との間にできた息子が登場している。
息子もまた名前が「醤(ジャン)」(以下、ジャンJr.)であるが、霧子が
ヤンデレ化しているっぽいのでおそらく彼女が名付けたと思われる。
彼自身は五番町飯店を離れて海外で料理長として腕を奮っているが、何があったのか霧子から恨みを抱かれているらしく、そのことで息子のジャンJr.には打倒を目指されている。
やっぱり相当霧子の尻に敷かれてたんじゃ……。
実際の所は霧子との仲は全く悪くはなく、
ジャンJr.には自分を超えてほしいが、自分では祖父のようなスパルタ料理教育は出来ないから(その為ワザと憎まれるフリをしてスパルタ教育の役を霧子が担っていた)、というのが真相のようである。
また、小此木が言うには、ジャンは(一緒に過ごした時間こそ少ないものの)
ジャンJr.に対して殴ったりした事はただの一度もなかったとの事である。
この事から、(階一郎への反動もあるようで)
案外息子には甘いパパだった模様。
なお、この流れからするとジャンが勤めてるのは五番町飯店のニューヨーク支店であると思われる。
あとちゃっかり霧子と二人目を作ってた。
ジャン爆発しろ。
なお、子供に親と同じ名前を付けるのは戸籍法では問題ないが、実際にやると拒否されることが多い。「紛らわしい」というまっとうな拒否理由なので仕方ないが。
■作った料理
料理に関する技術・知識・執念は半端ではなく、彼の繰り出す常識外れの料理は「秋山の魔法」と称される。
例え材料と完成品が解っていても容易に再現できないものも多く、なかには自分の命が危険になるものさえある。
幾つか例を挙げると
- カワハギの肝と調味料を一定の量で混ぜたものに白レバーを漬け込む(ちょっとでも分量を間違えると思わず吐き出す程不味くなる)
- 空中に浮かび上がらせた餃子の皮と餡を高速で"にぎる"(『空想科学漫画読本4』によれば0.007秒で1個握っている)
- 冷凍庫の中で無数のもやし一本一本に凍らせたフカヒレを刺したり、注射器で鮫のすり身を注入
- 低温設定ながら加熱中のオーブンレンジに手を突っ込んで微妙な温度を体感して調理
などがある。
「毒料理」「キワモノ料理」というイメージが先行しがちなジャンであるが、意外にも作る料理は
中華料理の基本を忠実に突き詰めたものが多い。
例えば、ウロコを取らずにアマダイを調理してウロコごと食べさせるという奇抜な料理を作った事があるが、
日本料理にはウロコを食べさせる「鱗焼き」等の技法が実在しており、作中の描写はジャンが高い調理技術・知識を持っている事の証明となっている。
キワモノみたいな料理を作ることも多いのは確かだが、それと同じくらいに真っ当な料理だって作っている。
なお、2023年11月から開催されたジビエ料理店「米とサーカス」のコラボ企画で、コスト面から多少のアレンジはされたものの数点が再現されている。
◆無印
●五番町飯店編
作中でジャンが最初に披露した料理で、米と干し貝柱の出汁を染み込ませた豆腐を使った炒飯。
二つのフライパンでジャッグルして豆腐の多すぎる水分を飛ばすことで「豆腐と炒飯」という有り得ない組み合わせを実現し、パリッとした揚げ豆腐の食感と干し貝柱の旨味が楽しめる海鮮風炒飯に仕上がっている。ダシに使った干し貝柱はスープとなり無駄も無い。
確かな腕前があって初めて作れる炒飯であり、ジャン曰く「ここまでやるのが「料理」」。
- 芹菜爆肝(豚レバーとセロリの強火炒め)
五番町飯店で働き出した時の夜のまかないで作った料理。
豚レバーを牛乳に漬け込んで臭み抜きをし、ウォッカを使って大火力でセロリと一緒に炒めた料理。
臭み抜きに牛乳を使ったことで、成熟した豚の内臓の濃厚な風味はそのままに、まろやかな深みを出した一品。
昼のまかないを作った霧子の間違いと、牛乳に漬けるというフレンチの臭み抜き法をやってみせて作った料理だったのだが、霧子は「あたしのを食べた後だから美味いと感じるようにギリギリまで濃厚な味付けをしてる料理」と逆ギレ。
この時点では(言い方こそは上から目線だったが)親切心から指摘してやったつもりだったジャンは霧子の文句に「料理は勝負だ! 勝てばいいんだ!」と口ゲンカに発展。
ジャンと霧子の痴話喧嘩因縁が幕を開ける事になった。
なお、後にサメ肉料理の課題で霧子は牛乳でサメ肉の臭み抜きをしており、この件から何も学ばなかったという訳では無い事がうかがえる。
大谷日堂との初遭遇で作った料理。
卵とガラスープ、エバミルクに加え、軽く茹でて裏ごしした羊の
脳みそを混ぜて蒸す。
仕上げに清湯スープを1cm張り、香草のタイムと
香菜を上に乗せて完成。
茶碗蒸しの出来は言わずもかな完璧。加えて茶碗蒸し内に仕込んだ羊の脳みそが豊かなコクを与えている。
脳みそを茶碗蒸しの隠し味として扱う常識外れの発想から、大谷も料理のタネを見抜けず、あまりの旨さに我を忘れてあっという間に完食してアヘ顔になるという赤っ恥を晒し、さらに名前を聞いたことで誰の身内か察し、以後大谷とジャンの因縁が幕を開ける。
弥一から鍋を任されたジャンが作った宴会用の料理。そして同時に大失敗作。
50人前という大量の料理を作るにあたって「5人前が10倍になっただけ」と考え、鶏ガラスープを10倍入れてしまったのが失敗の原因。
味見をした結果、自分の思い通りになっていなかったことに気が付き何とか調整しようとするが最早どうにもならず、しびれを切らした弥一が味見して「バカヤロウ! こんな寝ぼけた味のモノを客に出す気か お前の舌は飾り物か ええ!?」とジャンを叱責した。
ここまで高慢ちきだったジャンはその鼻っ柱をへし折られることとなり、一人密かに涙。他従業員もここぞとばかりに「いい気味だ」と溜飲を下げていた。
しかしその後、慰めに来た小此木の言葉で「大量の野菜を炒める時には大量の水が出るから鶏ガラスープは少なくすべきだった」ということに気が付き、失敗を克服したのだった。高慢ちきなのは変わらないけどね。この一件から小此木と親しくなる。
- 母子焗鵪鶉(ウズラと老鶏の富貴鶏)
小此木との連休のキャンプで作ったアウトドア料理。
食材探しの際に捕まえたウズラ数羽と山菜、冷凍食品のお赤飯を小此木が捕まえた巨大な老鶏の腹の中に詰めて、富貴鶏の要領で土の中で蒸し焼いた料理。
ウズラとお赤飯いっぱいに老鶏のダシがたっぷり染み込み、山菜が爽やかに後味を引き立ててる。
まさに狙ってはできないアウトドアだからこその料理。
霧子ともこういう経験してれば、多少は関係が良くなってたんじゃないかなぁ……。
- 竹葉牛柳(牛ヒレ肉の竹の葉包み焼き)
尾藤リュウジとの「XO醤対決」で作った料理。
端的に言えば中華風シャリアピンステーキ。
肉の旨味を増幅させる
油葱紅酥をブレンドした肉用オリジナルXO醬をソースとして用いている。
竹の葉で包んでオーブン焼きしており、竹の葉と玉ねぎの香りで食欲を高め、下処理の段階で牛ヒレ肉を玉ねぎのすりおろしに漬けることで極上の柔らかさを実現した料理。意外と作り方自体はシンプル。
極上のXO醤を使った「だけ」の尾藤に対し、素材に合ったXO醤を使いこなした差でジャンの圧勝となった。
ちなみにシャリアピンステーキとは、玉ねぎのみじん切りに漬け込んだ牛ヒレ肉のステーキの事。
1936年に来日したシャリアピンというオペラ歌手が、滞在先の帝国ホテルで「入れ歯の具合が悪いので柔らかいステーキを食べさせてほしい」とリクエストして誕生したと言われている。
意外かもしれないが日本オリジナル料理である。
●第1回全日本若手中華料理人選手権編
予選の「スープ料理」の課題で製作した料理。ジャンの公式戦での初料理と言える。
モエギタケの一種とフウセンタケの一種を独自のバランスで煮込んだスープ。
普通に美味しいスープだったのだが……
実はこの2つのキノコを独自の配合で組み合わせることでマジックマッシュルームのように幻覚興奮成分が発生する。
そのため、一度飲むと中毒症状で病みつきになり、スープを飲みたくて堪らなくなる上にトリップした結果まともな思考すらできなくなる。
これにより審査員を狂わせて圧勝とも言える成績を叩き出したが、結果として会場の観客や審査員、参加者から壮絶なヘイトを買い、「毒料理人」のレッテルを貼られてしまった。残当。まだ16の少年にそこまでボロクソに言う観客のモラルも最低だが……。
ちなみに、連載当時はマジックマッシュルームは合法であったが、今ではもちろんアウトである。
- 太極鍋巴(おこげの二色あんかけ太極盛り)
本選1回戦・対沢田における「牛肉」の課題で作った料理。
ゼラチンたっぷりの牛すね肉を醤油・酒・豆板醤で煮込んだ餡と、アスパラ・ニンジン・セロリ・椎茸が入った塩味の餡。
2種類の餡かけを太極マークの形になるようにおこげにかけたシンプルな一品。
おこげのパリッとした食感と牛すね肉のこってりとしたゼラチンが良く合っており、さらにそれを塩味の野菜餡かけが爽やかに引き立てる。
肉と野菜の餡かけの旨みがおこげを揚げた香ばしい油の旨味と組み合わさって絶妙な風味を生み出した料理。
ただし見かけは大衆料理でしかなく、隠し味である油の旨味も分かりやすい味わいではないので、最初に最も理解できたのは大谷ただ一人だけ。
「ありふれた材料でも知恵と工夫で料理は美味くなる」という中華の真髄を体現した料理であり、当初はイマイチな反応だったが最終的な審査員からの評価は高かった。
終わってみればフィレ・サーロイン等の極上部位を使用し、さらに上記のキノコスープの件を事前のマイクパフォーマンスで非難して会場全体を味方につけた沢田の圧倒的有利を覆し、168対32というとんでもない差を付けて圧勝。
予選とは打って変わった正攻法で沢田をねじ伏せたのは、キノコスープの件で霧子にブン殴られたのが響いたのかもしれない。「勝てないもの(食材)を使って勝つ」というのはいかにもジャンのスタイルらしいけど。
この逆張り意識溢れる反骨心剥き出しのスタンスは以後も度々続き、ジャンの料理の代名詞になっていった。
- 鳳胎粉締(若鶏の春雨あん詰め煮)
「鶏料理」というお題で作った料理。
袋抜きして下味を付けた若鶏丸ごと1匹に春雨のあんを詰めて蒸し、醤油を塗って乾かした後にキツネ色になるまで揚げ、湯で余分な油を洗い落としたら更に1時間煮込んで仕上げた、手間暇かかった料理。
蒸して、揚げて、煮て……とジャンの地味ながらも丁寧かつ的確な調理技術の積み重ねが光る一品。
対戦相手の河原の料理と出来はほぼ互角だったが、河原がジャンの口車に乗せられたせいで味を台無しにする大きなヘマを犯した結果勝利を収めた。
ただし、このヘマをしてなくとも河原の料理は高級食材が自己主張し合ってる微妙な状態になっていた(それがヘマのせいでバランスが完全に崩れてしまった)との事であり、総合的な出来でどの道ジャンの勝利であったと思われる。
というかメタ的にも相手が機材による半自動調理に頼った料理なので負けようがなかった
- 密棗园肉燉蓮藕(蓮根、ナツメ、龍眼の蒸しスープ)
「蓮根料理」という課題で作った料理。
上記の3食材をザラメと蜂蜜を敷いた品鍋に入れて蒸し器で2時間近くじっくり蒸した甘いスープ。広東料理の「糖水」にあたる料理。
清々しいさっぱりとした甘さに、爽やかな喉ごしの良さ、蓮根のホクホクとした歯ざわりやナツメ、龍眼のほのかな甘みが楽しめる一品。
しかしその実態は多くの試食をした審査員に極上の満腹感を与え、更に相手の大前の料理が「冷めると脂っこくなり極端に不味くなる」という欠点を突いて、時間をかけてこの料理を食べた後に相手の料理を食べると、胃腸の弱い者なら即嘔吐するほど激しく胃もたれさせるという悪意の塊みたいなスープ。
色んな意味でジャンの代名詞といえ、対戦相手を煽り散らすコマと合わせてよく初見の読者向けのネタとして持ちだされる本作の象徴的料理。
ただし、先行して出した事に関してはどちらが先に出すかを事前に決められてた訳でもなく、大前がやたら盛り付け等に手間取ってたのでこれ幸いと先に出しただけ。
後攻であったとしてもこれまでの試食で純粋に満腹が近い+直前が重い料理と言う状況になった審査員を甘いデザートのようなスープで癒す形になっていたので、圧勝は無理にせよジャンの勝利は揺るぎなかったと思われる。
だがこの料理に加え、負けても仲間に暖かく迎え入れられた大前を負け犬扱いして追い討ちの罵声を浴びせるという終了後の外道な振舞いによって、それまでは比較的健全(かなぁ?)なライバル関係だったジャンと霧子の関係はマイナスにまで冷え込んでしまい、約二年もの間険悪な関係が続いてしまった。
色んな意味でターニングポイントとなった料理である。
霧子とはよく中国で仲直り出来たもんである。
上記の蓮根勝負後での揉め事でキリコにも風邪を引かせたことへの詫びで作った料理。
解熱効果のある梨の中心をくり抜いて、咳止めの効能がある川貝母と気管を癒す効能がある氷砂糖を入れて蒸したシンプルなデザート。暖かいドクダミ茶もセット。
「おまえが決勝戦で負けてもカゼを口実にしてほしくないだけ」とは本人の談。
決勝戦前半戦の「麺料理」の課題で作った料理。
ジャンのオリジナルではなく実在する料理である。
連載当時は日本では出す店はほとんどなかったが、現在ではだいぶ店も多くなり冷凍食品まで登場している。アキバでも食べられるぞ!
うどんと
きしめんの中間に近い、中国を代表する麺料理のひとつで、小麦粉と水だけで作った生地をステンレスの棒に巻きつけ専用の刃で削り出していくことで完成する。
麺の断面は厚いところと薄いところがある独特な形になり、厚い部分はコシが強く薄い部分ではタレやスープが程よく絡まり、塩もかんすいも使わないため小麦粉の甘さと旨味を最大限に楽しめる。
シンプル故に難易度はかなり高く、階一郎もこれを作るコツをジャンに教えた際は折檻抜きだった上、「体で覚えるしかないんだ」「ワシが殴っても教えることはできん技」とぶっちゃけたほど。
麺の削り出しにおいても、
「周囲を囲むように鍋を配置してグルグル回転しながら高速で麺を削って綺麗に鍋目掛けて麺を飛ばす」という曲芸じみたインパクト抜群の手法を用いた。
曲芸同然の麺の削り出しながら生地の練り具合、削られた麺の太さと長さの均一性、コシの強さは当然の如く完璧。
タレは鶏とカニとエビの塩味の海鮮あん、醤油味の豚のあん、甜麺醤の味噌あんの三種類を用意したが、特にジャンのオススメの食べ方は山西省の黒酢だけを掛けた刀削麺で、黒酢はジャン曰く「秋山秘伝の百年もの」。
黒酢によって純粋に小麦粉の旨味だけを存分に楽しむことができ、その深いコクとまろやかな酸味と芳醇な香りは一人の在日中国人の老審査員は故郷の光景を思い出して感動の涙を流したほど。
味そのものは絶賛され、一般審査員からは好評だったが
「麺料理=小麦粉料理で、勝負は小麦の粉の味を最大限活かすもの」と解釈を間違えてしまい、
「オリジナルの麺料理」を求めていた特別審査員達からは、
「独創性がない」「今まで誰かが作っていた料理を一番うまく作っただけ」とボロカスに言われ、誰にも点を入れてもらえなかった。
なお
この低評価、大谷は一切関係無いジャンのミスに過ぎない。点が出るまで大谷は焦っていたし、ジャンが解釈違いで低評価になることは部外者の弥一も看破していたところである。
中華料理には存在しない「
デザート」とセットで出題された時点で、本人の創造性が問われていると理解していなければならなかったのである。
でもせめて感動してたおじいさんぐらいは点入れてやれよ……
ちなみに、1年後でもジャンはこの結果に納得行ってない模様。
なお、別の料理漫画でもある登場人物が麺料理の課題で似たように解釈を間違えた結果、敗退している。
- 鴿子型酥皮包戯蛋(鳩型パイケース入りビックリ卵)
決勝戦後半戦の「デザート」の課題で作った料理。
前述の刀削麺で「技術のみで独創性が無い」の評価にブチ切れてシャワールームも自分の身体も血まみれボロボロになるまで暴れた末の閃きで作った、鳩の生き血を使った超前衛的デザート。
大量の乳鴿(若鳩)から搾った新鮮な生き血に生クリーム、砂糖、コーンスターチ、薔薇の香りのする玫瑰露酒を加えて鳩の卵の殻に入れて蒸し上げて固め、コーンスターチを衣にして揚げる。
最後に揚がったモノにココナッツパウダー・抹茶・真珠粉・血燕をまぶして完成。
完成した物は鳩の形をした蓋付きのパイケースに入れられ、視覚的な期待値と楽しみを倍増させる。
材料の血が新鮮な為生臭さも一切なく、グミキャンディーのようなクニュクニュとした食感、ルビーのように半透明で紅く美しい断面、薔薇と血の複雑な香り、舌をとろかすまろやかな甘さと鮮烈な血の味を味わうことができる。
「素材を見ても作り方を見ても味が予測できない料理こそが最高」というジャンのコンセプト通り、審査員達をして「口では言い表せない未知の旨さ」「麺料理の失敗を補っても余りある」と言わしめた逸品。
血のデザートという弥一でも初耳の料理は、いくら過程が進んで完成した段階になっても味の予想がつかず、会場の注目と意識は全てジャンに向けられ、他二人はいたたまれない雰囲気の中で料理をすることとなった。
しかも、ただでさえモラルの悪いクソ観客が一時期暴徒化しかけた上、大会終了後はどんな味なのか知りたくて仕方がない観客たちが野良の鳩を捕まえようと躍起になる事態に。
ちなみに、血の味はきちんとするとの事だが、実際の所基本的な甘みの正体は生クリームと砂糖だけに過ぎない。
他にも特段珍しいものは真珠の粉と血燕ぐらいである。
それがハトの血と組み合わさるだけで大谷にモノローグで「深紅の薔薇の何とも言えない血の香り」「舌をとろかす高貴な甘さ」「これをなんと言えばええんや!?」「これこそ一生涯出会うことのなかった味」と言葉を失わせ(同時にそれを作ったのがよりにもよってジャンだったことから「ヤツは悪魔や!」と驚愕させ)、公の場で審査員としてまともに評論できなくさせたのだから、ジャンの調味料配合が神業であったとしか言えないだろう。
●VS蟇目編、五番町飯店品評会編
- 柚子橙香肉(ユズとオレンジ風味のシメジ入り酢豚)
蟇目との初対決で「酢豚」の課題で
右手の指を折られながらも作った料理。
糖醋(甘酢ソース)に果汁100%のオレンジジュースとユズのジャムを使い、ピーマンとシメジを具にして仕上げた酢豚。
ちなみにユズのジャムは、
楊がユズのシャーベットを作ろうとしたものを
失敬して貰って砂糖を加えたもの。
楊「ひどい〜(´;ω;`)ブワッ」ジャン「また作れよ」
シメジと隠し味にユズを使った事で、日本人の口によく合う酢豚となった。
対戦相手の蟇目との勝負は引き分けだったが、ジャンが余計に挑発した為に、左腕まで折られてしまった。色んな意味で相手が悪い。
そして実はこの酢豚は、蟇目が中国に修行に出る前に新メニュー候補で作ったものと偶然まるっきり同じものだった。
ただしその頃の蟇目は「ユズには牛肉の方がよく合う」として豚肉でなく牛肉を使っていたらしい。
当時は中華料理にユズは早すぎる事と、酢豚ではなく酢牛になってしまうとの事で不採用となったらしい。
蟇目との対決で、自分の腕を二度も折った蟇目に報復する為披露した一品。
見た目は普通の参鶏湯だが、実は朝鮮人参とナツメグを独自の配合で組み合わせてスープに大量に仕込んだ料理で、飲むと意識はハイのまま血糖値が急激に低下しぶっ倒れるという毒膳料理。
蟇目をして「どんな割合で混ぜればそうなるのかわからん」とまで言わしめたキワモノ。
なお蟇目側も、阿片(麻薬)の原料であるケシの実の中でも特に強力なモノを隠し味に使った四川麻婆豆腐という劇中でも(後の五行の五行膳並に)トップクラスに倫理的にアウトオブアウトな毒膳料理を振舞ったことで両者共に昏倒し、勝負はドローとなった。
ちなみに、ぶっ倒れた蟇目に対して「一晩そこで寝てろ!カゼ引くなよ」と捨て台詞を残している。優しいんだか優しくないんだか……実際マジで動けなくてぶっ倒れてたわけだが。
事実上の「春巻対決」となった五番町飯店の新メニューの候補選びで発表。
ベトナム料理から発想を得た料理で、ゼラチン質たっぷりのアヒルの水かきと鶏のトサカをレモングラス、ネギ、生姜と一緒に
滷水で煮込んで冷やし固めたものを条切りにし、ミントを中心とした多くの香草と一緒に巻いて揚げた春巻。
熱せられて溶けたゼラチンが漏れないように普通の皮の内側に京都産の生湯葉で二重に巻いてある。
独創的で複雑な中身に反して、外見は一般的な春巻と大差ない。
最大の特徴は二重の皮に包まれた熱々のゼラチンスープ。
平凡な見た目に騙されて不用意に春巻を噛みしめた者はスープが触れた口の中や唇などが比喩抜きに火傷するレベルで煮えたぎったゼラチンスープでのたうち回るハメになる。
正解の食べ方は春巻を噛んだと同時に飲み込んで、ゼラチンスープは喉と胃で味わうこと。イメージ的には小籠包の春巻バージョンと考えれば分かりやすい。
のどと食道を通って胃袋に降りていくゼラチンの熱を楽しみ、口の中に残った滷水の味が染み込んだ水かきとトサカの食感と味わいの2種を楽しめる新感覚の料理。加えて一緒に巻かれた香草の風味が鳥臭さを消し、フレッシュで爽やかな後味を与えてくれる。
独創性の極みと言えるこの春巻には睦十も驚愕し、意地になって3個いっぺんに放り込んだこともあり、あまりの灼熱感に服を脱いで鍛え上げた肉体まで披露してしまった。
ただし、皮を二重に巻くことから包む手間は二倍、おまけに少しでも皮を巻くのに失敗すると中のスープを閉じ込められず即台無しとなる、かなり難しい春巻。
睦十曰く「奇をてらいすぎたキワモノ」「(霧子同様)春巻を超えた春巻」。
店のメニューとして試採用された際には続々来る注文にこたえるために(ササミを叩いて皮にする手間が大変な)霧子共々必死になって作り続けることになってしまった。
だが、キワモノに近いとは言え、客からのウケはなかなか良かったようである。
なお、霧子からは「ヤケドするだけだ」と食べもしないで酷評された。楊と小此木はちゃんと食べたのに……。従業員たちが火傷して大惨事になったのは事実だけど。
●VS五行道士編
五番町飯店に踊る豚の頭で喧嘩を売ってきた
五行と大谷に報復する為にプレゼントした
二人そっくりな生首。
中には爆弾が仕掛けられており、紐を引っ張ると爆発して脳ミソが飛び出すという凄惨なもの。
そのスプラッタな光景でパーティー会場を阿鼻叫喚の地獄絵図にした……
……のだが、その実態は生首を象ったお饅頭。
今で言うところのスライムまんなどのキャラまんじゅうのようなもの。まんじゅうこわい。
澄麺皮という半透明な皮で生首を作り、中には蓮の実のあんこである蓮茸を脳ミソっぽく仕上げた一品。
その中にパーティー用のクラッカーを仕込んで脳ミソあんこを飛び出すようにした。
コンセプト的には和菓子に近く、和と中華のコラボ饅頭とも言えなくもない。
味も絶品で五行は(おそらく見てくれも含めて)「うまいもんだ」と絶賛していたが、ブチギレた大谷は一口も食べずに踏み潰していた。
※気持ちは分からなくもないが食べ物を粗末にしてはいけません。(そもそも喧嘩を売ったのは大谷が先)
ジャンはあくまで個人で喧嘩を買ったのだが、パーティーを台無しにされた大谷とテレビ局側が腹いせ同然に勝手に五番町飯店と結びつけ、五番町飯店と蜃気楼の対立を決定的にした。
- 苡砂猪肚(豚の胃袋の薏苡仁煮)/大蒜肚条(豚の胃袋のニンニク炒め)
「胃に効く料理」という課題で作った料理。
1品目は豚の胃袋にもち米や薬効のある薏苡仁、砂仁を詰めてスープで煮込んだもの。2品目は豚の胃袋をニンニクで炒めたシンプルな料理。
「同種同食」の考えの元、2種類の料理を作り効能を変え胃に効く幅を広めるのが狙いだったが、五行の「過剰に香りを演出した仏跳牆」の前に敗れた。
「涼を呼ぶ料理」という課題で作った料理。
発汗作用や発汗促進作用のある淡豆鼓・葱・生姜、解熱剤の葛根・生石膏といった発汗作用や解熱作用のある食材・生薬を大量にぶち込んで作った薬膳粥。
食べることで汗が流れるように溢れ出し、やがて脱水症状で体温が奪われ急激に凍えるようになってしまう毒膳ギリギリの料理。
課題には合っているとはいえ審査員を苦しめるような料理が評価される筈もなく試合上はもちろんジャンの負けとなったが、五行の行動に不審を抱いたジャンが、五行の料理を見抜いた上でワザと出した。
これによってジャンも五行の「本性」に気付き始める事になった。
- 秋山式補髄湯(スッポンと豚の脊髄のスープ)
第3戦「スタミナ料理」の課題で作った料理。
スッポン1匹丸ごとと豚の脊椎を煮込んだスープ。
柔らかくプリプリとした食感を持つスッポン肉の高い滋養強壮効果、トロリとした豚の脊椎の蕩けるような舌触りと極上のコラーゲンが食べた者に活力を与えてくれる。
2種の濃厚な食材を用いながらも、上等なコンソメを彷彿とさせる上品な味わいとなっている。
……が、此処までは普通の補髄湯。
秋山が作った場合、五行の裏をかくため調理時間終了後にこっそり塩を入れているのが最大の特色。そのため丁度良い塩加減がプラスされた。
本来、中華料理の補髄湯は腎機能強化の薬効目的で塩を入れずに作るため五行は動揺。
更に五行の料理が非常に甘い料理だったため密かに入れた塩の作用で「五行の料理が逆に甘すぎて食べられなくなる」という結果を生み勝利を収めた。
ただし、五行が中華のセオリーに縛られ過ぎた事も勝因の一つであり、塩を入れたところで薬効が無くなるだけで健康には何も問題はない。
実際、和食のスッポン鍋では普通に塩を入れる。皆さんはスッポン料理の店で塩の有無で下手なケチは入れないように。
- 長寿回春(大ヤモリとサソリと龍の涙の珍品づくし)
第4戦「不老長寿」というお題で作った料理。
大ヤモリの肉と
サソリをメインに、粉末にした
黒サイの角、岩茸、赤と白のエシャロット、金針花、ヤモリの酒、
虎の骨の酒、
恐竜の化石の酒……といった貴重な奇品珍品食材をふんだんに使った料理。
大ヤモリの肉は油通ししたあと豆豉炒めにされ、サソリは塩茹でして乾燥させたものを油でカラッと揚げている。
選んだ食材はどれも豊富な栄養や滋養強壮効果があるが、目玉は
1g1万円以上にもなる超希少品「龍の涙」を全て使い切る勢いで削り大量投入した点。
「食べる者の欲望を昂らせ生きる気力を与える」がコンセプト。
まずは珍品奇品の数々で注目を引き、次に食材が持つ薬効をフル活用させることで食べた者に身体機能を大幅に活性化させ、
鼻血がボタボタと吹き出し、肌や血管が脈打ち、横綱が四股を踏めば会場全体を揺らせる程の暴力的活性効果を持つ。
味でも地鶏のような弾力ある食感と噛めば噛むほど旨味の出る大ヤモリの肉、岩茸のプリッとした食感やシャキシャキした紅白のエシャロット、塩味で味付けされた軽いスナック菓子のような食感のサソリの素揚げが美味さを引き立たせる。
……ただし「不老長寿の秘宝」を謳った目玉食材「龍の涙」の正体は鯨の胆石、すなわちカルシウムの塊に過ぎない。
超貴重品なのは確かだが胆石ということもありイメージは劣悪。
五行に正体をバラされ(審査員たちも途端に手の平返しで気持ち悪がり)危うく敗退しかけたが、五行の方はあまりにも人間の尊厳を冒涜した料理を作ったので審査員全員から反感を買い、総合的判断で「生きる欲望(希望)を湧き起こす」料理であるジャンの勝利となった。
ちなみに、「龍の涙」は架空の食材ではなく、龍涎香という名称で実在する薬理作用を持つ食材である。
盗まれた睦十がキレるのもごもっともだが、厳重に保管してあったであろうブツをどうやって盗んだのだろう……。あと効能に関しては半分くらいプラシーボ効果だと思う。
- 南海漁村(大シャコ貝とドリアンのオーブン焼き)
「天国に一番近い料理」という課題で作った最終戦の料理。
大シャコ貝の身を、ドリアン・パパイヤ・金糸瓜・各種香辛料・ヤシの実の酒等を混ぜ合わせた特製ペーストで包んで一緒にシャコ貝の殻に入れてオーブンで焼き上げた料理。
火を通すことによってシャコ貝の旨味と歯応えは倍加し、絶妙な火加減で焼いたことでほんのり甘くふくよかな味わいの快感すらある食感に。
ドリアンペーストに混ぜた青いパパイヤと金糸瓜はシャリシャリとした程よく固い食感を有し、ペーストに塩をよく効かせたことで逆にシャコ貝の甘さが引き立っている。
ドリアンの悪臭もペーストを作る過程で丁寧に下処理することで心地よいフルーティーな南国の香りに変化させ、甘味も倍増している。
盛り付けでも上の貝殻を蓋代わりすることで演出面を強化しつつ、よく香りを楽しめるように仕上げた。
一応、
酒との相性が致命的に悪いドリアンを使用していながら味付けのためにヤシの実の酒も使っているので、アルコールが確実に飛ぶのに必要な加熱時間と料理として一番美味しくなる加熱時間のバランス取りが難しいのと、アルコールが飛んでもドリアンの成分は臭い以外そのままなので
酒を飲みながら食べるのもNG、という弱点がある。
五行の料理と出来自体は全くの互角だったが、「ホテル・ミラージュ」の社長の横槍やドリアンとアルコールの相性で審査員の一人を病院送りにされた事で危うく敗退しかけたが、
五行の鍋の秘密を白日の下に晒した事で社長はマジギレ+五行は暴走+案の定のクソ観客が暴徒化した為番組は大混乱。
とりあえず小此木がドサクサに紛れて社長以外の審査員の点数をジャンに入れた為、
4:1で形式上はジャンの勝利となった。
●VSスグル編
- 春節淡雪(ニューバージョン広東風カニ玉秋山オリジナル)
スグルとの料理勝負で作った料理。
広東省版芙蓉蟹の中でも卵白だけで作るタイプのものに、裏ごししたグリーンピースを混ぜた一品。
白と緑が大理石の模様のように混じり、カニ肉の赤が見え隠れする美しいビジュアル。具は薄切りにした生マッシュルームと中華ハムの千切り。
卵白の軽い仕上がりの味にグリーンピースの青々とした風味が調和した、非常に食べやすく、そして食べた者に雪解けからの春を感じさせる美しい料理である。
韻を踏んだ料理名といい四季を想起させる味わいといい、ジャンにしては珍しく詩的な美意識に溢れた一品。
ちなみに、料理中にスグルが白絞油と魚油をスリ替えるというかなり外道な妨害行為をしているが、ジャンはそれに気付いた上で、敢えて気付かないフリしてこの料理を完成させた。
スグルとの料理勝負2戦目「子豚(の丸焼き)料理」の課題で作った料理。飛び入りで参加した中国人観光客が審査員となった。
実在する伝統的な広東料理の1つで、捌いた後刺股に刺した子豚を細心の注意を払いつつじっくり焼き上げて作る、シンプルながら難度の高い料理。
じっくり丁寧に完璧に焼き上げられたことで、クッキーのように皮が口の中でパリパリサクサクと砕けた後脆く儚かなく溶けてゆく極上の食感……中国人が好む三大食感の一つ
「脆」を楽しめる。
付け合わせにグラニュー糖、
マンゴーを練り合わせた甜麺醤、
リンゴ味のソース、オリジナルの
梅の醬を用意することで色々な味変を付けて食べることが可能。
スグルの「五穀全猪(子豚の五穀詰め丸揚げ)」に比べるとオリジナリティーこそは低いものの、「秋山の烤乳猪は中国でも滅多に食べれない最高のもの」と称賛された。
一見すると皮の「脆」に加えて同じく中国の三大食感「糯」(モチモチ食感)を詰め物によって表したスグルの料理には不利なように思えるが、スグルの料理には以下の重大な欠点があり、実際は最初から勝負にすらなっていなかった。
- スグルの子豚の皮は「脆」になっておらず、「酥」の状態だった。「酥」も旨い食感なのだが、ジャンの皮と比べると数段食感が劣る。「脆」は炉でじっくり焼き上げない限り出せない食感であり、揚げただけでは出せない
- そもそも子豚の丸焼きは皮を味わう料理であり、いくら「糯」の食感を出せていようが詰め物は評価の対象にならない
といった具合。
ジャンはスグルが上記の欠点に気づいていない≒技量はあっても根本的には素人でしかないことを突き付けた上で完勝。
日頃ジャンと対立する霧子もスグルの自滅を予期しており、「素人なんだからこれにこりて勝負なんかにこだわらず楽しく料理を作ってればいいのよ!」と追い討ちを浴びせている。ひっでぇ。
なお五番町の料理人は三大食感を聞いたことさえない素人未満ばかりである模様。楊「(勉強してやあんたら…)」
あとちなみに、中国三大食感の最後のひとつは
「滑」。
あんかけや
麻婆豆腐などのトロトロなめらか食感の事である。
スグルとの料理勝負3戦目
「肝料理」の課題で作った料理。
スグルの最高級フォアグラに対し、
あえてそれ以下の材料で対抗するために作った。
牛乳で余分な臭みを消した白レバーを、裏ごしした
カワハギの肝に
柱候醤、
竹葉酒、各種調味料を加えたペーストにマリネの要領で漬けこんでカワハギの肝の味わいと風味をプラス。
さらに
サンドイッチの如く白レバーを豚の背脂で挟みオーブンで焼き上げることで脂肪分を補っている。
フォアグラより脂肪分が少ない分フォアグラ以上にレバーの力強く濃厚なコクが強調されており、嫌味な匂いもなくフォアグラと互角の香り、フォアグラ以上のコッテリした味わい、レバー特有のムッチリモッタリとした食べ応えのある食感が特徴。
名古屋コーチンの老鶏丸ごと1匹を煮込んだ濃厚スープを赤酢で割って作った特製ソースとの相性も抜群。
ちなみに、白レバーに漬け込むペーストのレシピは非常に繊細で、少しでも間違うと一気に不味くなるかなりのキワモノ料理。
フォアグラ以下の食材をフォアグラ以上の味に昇華させた点だけでなく、「レシピを聞いたとしてもジャン以外には作れない」というオリジナリティを評価されて勝利を果たした。
なお審査員のフランス人からは「フォアドボライユ ポワレ エーグル ドゥ アラジャン(鶏レバーのポワレ、赤ワイン酢ソース、シェフ・ジャン風)」という料理名で賞賛された。
ジャン「……長い」
スグルの付き人である刈衣花梨との初戦「子羊」の課題で作った料理。ざっくりまとめれば
中華風ビーフシチュー。子羊だからラムシチューと言うべきか。
子羊の肩肉の臭みを取った後はネギ・ショウガ・玉ネギを炒めて腐乳を入れてコクを追加し、肉と戻した乾燥イチジクを
赤ワインと鶏スープでじっくり丁寧に煮込んで完成。
濃厚な味ながらしつこさはなく、癖のある食材同士を掛け合わせていながらも、味を重ねてマイルドに仕上げることで日本人好みの味に変えられている。
ただしジャンクフードの理論を応用して脳内麻薬エンドルフィンを大量分泌させ、後を引くやめられない旨さを生み出した刈衣花梨の料理の前に敗北を喫した。
でも事実上の2対1ってのは流石に手段選ばなさ過ぎなんじゃないかなぁ、スグル……?
- 清蒸鯛魚(クロダイの蒸し物)
スグルの付き人である刈衣花梨へのリベンジで「魚の蒸し料理」の課題で作った料理。
セイロで雌のクロダイを蒸しただけのシンプルな料理だが、骨に近いところはミディアム、外側の火の通ったところはふんわりジューシーという2種類の食感になるよう蒸された香港における最高のレベルの蒸し方となっている。
僅かに生が残る蒸し方によって旬のクロダイの旨味が身の外に流れることはなく、ふっくらした肉の味わいと甘みを感じる旨さを最大限に楽しめる。
そしてクロダイのオスの成熟した白子に老酒と生抽で味を整えたタレを使うことで、雄雌両方のクロダイの旨みを味わえる。
ただし一見すると生焼けに見えてしまうレベルで日本ではこの蒸し方は馴染みが全くなく、香港人の食通向けの料理に近い。
実際五番町飯店の一般料理人たちはこの蒸し方を全く知らず、弥一の解説があるまではジャンの料理を失敗だと思い込んでいた。
刈衣が調理機材で誰でも簡単ハイレベル調理という料理漫画における負けフラグをガッチガチに立てていたこともあり、賛否両論な反応が出ていた割にはジャンの圧勝となった。
●第2回全日本若手中華料理人選手権編
実質第2回大会の前哨戦となった大谷の番組で、「鴨料理」の課題で作った料理。
鴨丸ごと一羽の旨味が詰まった血のスープとコシの強いシンプルな手打ち麺を組み合わせた鴨南蛮そっくりの見た目の料理。
具は塩コショウして和えた鴨肉のローストとニラ。
サンプレッセを使って鴨の骨から絞り出した大量の血に少量の熱いスープを注ぎ血を加熱。そこにナンプラー、熱々のネギ油を掛けた茹でて裏ごしした鴨の脳味噌のペーストを混ぜて、すりゴマのようなコクと濃厚さと奥深い旨味を生み出している。
鴨の脳は個性の強すぎる各食材を一体化させ纏め上げる効果もある。
そして素っ気ないほどにシンプルな太麺が濃厚すぎる程のスープを最後まで美味しく食べさせてくれる一品。
- 上湯炒飯(スープがけチャーハン)
第2回大会予選「指定された米で日本人の口に合う炒飯」という課題で製作。
水分量の少ない古々米をセイロで蒸して水分を補った上で炒飯にし、金華ハムを加えた極上の上湯スープをかけたお茶漬けみたいな炒飯。
なお調理の段階で周りの調理台のガス管を潰してガスを自身の元にのみ集中させることで得た過剰すぎる超大火力で思いっきり炒めているのが最大の特徴。
下手すれば米が黒焦げになるどころかジャンすら火傷しかねないほどの爆炎で余分な水分と油を吹き飛ばして米1粒1粒をパリッと仕上げたため、スープにつけてもスープに油が浮かず、米もふやけないままずっとパラパラしているのも特徴で、サラサラと胃もたれせずあっさり食べられる。
ただし調理の過程で発生した大火力によりスプリンクラーが作動し会場に水が降り注ぐよう計算しただけでなく、上湯炒飯自体が非常にさっぱりとしているため下手な腕の選手が普通に作った油まみれの炒飯では胃もたれして不味く感じてしまい食べられなくなってしまう。
スプリンクラーによる水で他選手の炒飯を台無しにし、仮にスプリンクラーを乗り越えても今度は上湯炒飯以降の炒飯が不味く感じてしまうという2重の罠が仕込まれた悪意ある炒飯。
ただし、ジャンのブロックの一部の料理人が、「チャーハンなんて誰が作っても同じ」「たかがチャーハン」とかつての望月みたいな不真面目かつ料理を舐め腐ったような発言をしていた為、それに対する報復的な意味合いもあったと思われる。
しかし逆に、この炒飯の罠をクリア出来た料理人こそが予選通過資格があると言え、多すぎる参加者への「ふるい落とし」としても作用した意味では、結果としてはかえって都合が良かったと言えたかもしれない。
- 白汁石鯛鍋(イシダイの豆乳スープ石焼き鍋)
一回戦「豆腐料理」の課題で作った料理。
焼いた石を土鍋に入れた石焼き鍋で、花火のような爆音がなるインパクト抜群の鍋。
スープは豆乳と上湯スープで作られており鍋のメイン食材はイシダイ。
脂ののったイシダイに合うさっぱりとした味、石鯛の身もしまって美味しさがあり、豆腐も石鯛の旨味が染み込んでいる。
ここまでだと、審査員に「石鯛の魚料理」と判断され超低得点になってしまったが、この料理の真髄は鍋が熱せられた石により煮詰まることでイシダイと豆乳の旨味と香りが濃縮され濃厚になったスープと、鍋の〆として投入された豆腐で作ったソーメン。
豆腐ソーメンには梅が練り込まれることでさっぱり感も加わり、煮詰まった鍋の極上の香りが食欲をそそらせる一品。
〆のソーメンを豆腐ソーメンだと気付かず、ひと口食べるどころか箸を付けさえしなかった大谷に半ば扇動される形で試食拒否され、一時期は低得点を付けられたが、その誤解が解けた後は大谷以外は即前言撤回し、豆腐料理として認められたこともあって打って変わって高得点となった。
ちなみに、現在では豆腐ソーメンは商品化し、
コンビニでも販売されている。
- 北京平安水餃子(大根入り水ギョーザのジャン風かざり)
第二回戦「制限時間60分以内+審査員合計55人分の餃子」の課題で作った料理。
通常サイズの水餃子の上に小指大の揚げ餃子を盛り付け、香菜とタレを掛けた2つの餃子からなる一品。調理スピードも求められる課題なのにわざわざ2種類も作るのがジャンクオリティ
陸一族の「にぎり」を進化・発展させた「秋山醬式ギョーザ包み改」の圧倒的なインパクトに加え、盛り付けもテンポよく豪快でパフォーマンス性も高い。
具は2つとも肉に
大根おろしと
カレイの干物の粉末を混ぜた物を使用。
水餃子のツルツルとした食感と揚げ餃子の香ばしい食感の2種類を味わうことができ、掛けられたタレが食感に新たなアクセントを加えている。
味の面でもカレイの干物の粉末が香りと旨味を高め、大根おろしのジアスターゼが胃もたれを防ぎながらさっぱりした味わいをプラスしつつ肉の甘味を強化し柔らかなものに変えた。
大根おろしのせいで下手をすればサッパリしすぎている水餃子も、揚げ餃子の油の重厚感が加わることで皿の満足度を強化している。
三回戦「21世紀の新しいオリジナル調味料」の課題で作った調味料。
唐辛子本来の旨味と香りがたっぷりと詰まった特製ラー油。
辛さを補う一味唐辛子の
辣粉と韓国産の最高級キムチ用唐辛子の辣粉をブレンドして使う事で、普通のラー油にはない桁違いの旨味と深い香りがある。勿論底に溜まった唐辛子の粉も旨い。
油も白絞油に陳皮・八角・花椒・桂皮で香りを付けたものを使用し、唐辛子の粉は水ではなく桂花陳酒で練るなど手が込んでいる。
飲むと素晴らしい香りが鼻を抜けて口一杯に脂の旨味が広がり、そして最後に喉の奥に程よい辛味が残る。
下記の炒飯以外でも炒め物はもちろん和え物、つけダレなども格別に美味しくなると断言された万能調味料である。
『ラー油炒飯』は上記のラー油を米が真っ赤になるまでドバドバ大量に中華鍋にぶち込んで炒めたシロモノ。
具は溶き卵、レタス、大根の醬油漬けと極めてシンプル。
見た目は米のひと粒ひと粒がラー油でコーティングされてルビーのように美しく、一口食べれば辛さを越える旨味と素晴らしい香りが口の中いっぱいに真っ先に広がる辛口炒飯であり、具である大根の醤油漬けが味を引き締めているので油のくどさも一切ない。
特別審査員のミケロッティ本郷にして「世界中の人間に受け入れられる」と言わしめたシンプル・イズ・ベストな逸品。
ただし、調理中は飲めるラー油だと言わなかったため、真っ赤に仕上がっていくおそらく激辛であろう炒飯に審査員は恐々とし、また大谷扇動で試食拒否された。またかお前は。
だがネタばらし(
=大谷の口にお玉一杯分のラー油注ぎ込んで飲ませる事で「飲めるレベルの辛さでしかない」事を証明する)して食べた途端、即落ち二コマの如くその美味しさに夢中になり、何度もおかわりをねだって絶賛した。
対戦相手の
陸顔王があまりにも高級食材であるネズミハタに頼り過ぎたという弱点を突き、大谷を敵に回してるというハンデがありながらも圧勝してみせた。
なお、
黄蘭青の極辛透明ラー油との対決では、「調味料の意外性と味」では黄の勝ちだが、「調味料としての万能さ」はジャンの勝ちとも言え、実質的には引き分けの可能性が高い。
この飲めるラー油に限りなく近いものが、現在我々のよく知る「食べるラー油」である。
食品メーカーの桃屋から「食べるラー油」が発売されたとき、この炒飯を再現しようとした人も多いと思われる(基本的には同じなので、量があれば再現可能)。
「食べるラー油」が大ヒットし、今では定番化して広く愛される調味料になった事を考えると、おやまけいこ氏は先見の明があったと言えるだろう。
ちなみに、この飲めるラー油の元ネタはおやまけいこ氏が六本木にあった四川料理の店でオーナーシェフから教えてもらったもので、文庫版にレシピが掲載されている。
腕に自信のある方はお試しあれ。レシピの分量は業務分量なので注意。
- 油爆海鮫(サメの丸ごと一匹揚げびっくりもやしのあんかけ)
準決勝「サメ肉料理」の課題で作った料理。
生きた鮫を丸ごと一匹揚げて、
たけのこ・
シイタケ・
ニンジン・大量のもやしなどの野菜を混ぜた黒酢風味のあんをかけた特大料理。簡単に言うと
鯉の丸揚げ甘酢餡かけの鮫バージョン。
生きたまま揚げたため鮫特有のアンモニア臭は全く無く、水分も程よく蒸発して食感も良くなっている。
そしてあんかけに使われているもやしには
一本一本味を含ませたフカヒレ、そして注射器で鮫肉のすり身が入れられており味と食感がそれぞれ二重で増幅されている。
調理法こそ豪快かつ尋常で無いほど過酷だが、
実際の所特段珍しい食材は一切使っていない。
パリッと香ばしく揚がった鮫肉、野菜たっぷりでのど越しの良い醤油と黒酢のあん、野菜と一緒に混ぜられたプルプルとした魚唇(サメの唇)、何よりフカヒレ入りもやし、すり身入りもやしの2種類による「ダブル二重食感」が合わさった驚愕の一品。サメ一匹乗るほどの巨大皿もすごい。
この二重構造もやしは、油通しされたもやしのシャキシャキ感を軸とし、フカヒレ入りの方で奥深い味わいとツルリン感で食感を増幅し、すり身入りの方でフワフワ感のやさしい味わいと食感を倍増させる効果がある。
そして黒酢の風味は全体の料理の味を引き締める効果がある。
その出来は、あの黄をして「この料理をおかわりしない人間はこの世にいない」とまで言わしめ、
- 豪快かつダイナミックでスケールの大きい料理(ケペル)
- 「美」と「醜」は表裏一体。グロテスクな美しさがある(ミケロッティ)
- 本来ならば100点満点を付けてもいいぐらいの完璧な料理(崔会長)
……と、特別審査員からも絶賛されたが、その為に会場の色んなものを壊しまくってしまった為、特別審査員からは1点ずつ、計5点だけ減点された。
とは言え、あの大谷でさえも試食拒否せず、(ケペルから「神の舌は裏切るなよ」と耳打ちされたこともあり)自分の舌を裏切れずに正当に点数を入れたという事で、この料理の凄まじさが分かるだろう。
ちなみに、ジャンはこの料理を作るにあたり
- 水槽の中で元気に泳いでいた鮫を、自ら水槽にダイブして中から水槽外へと蹴り飛ばす
ってどんな筋力をしているんだ
- 会場の中を縦横無尽に駆け回り、料理の為の道具をDIYで作り出す
- 気の遠くなるほどに細かいもやしの仕込み作業を極寒の冷凍庫の中で防寒着もなしで行う(その為ジャンは危うく凍死しかけた)
- 自分に油がかかるのもお構い無しで鮫を油のプールで生きたまま揚げる
- 丸々一匹の鮫の丸揚げにあんをかけてもっと重くなっている料理にもかかわらず料理を審査員の机まで一人で運ぶ(見ていた審査員が「ちょっと大丈夫!?」「誰かに手伝って貰った方が……」と本気で心配していた)
……などなどのリアクション芸人の如く体を張ったムチャクチャな調理をした結果、審査後に体力が尽きてブッ倒れた。残当。
だが、そのムチャクチャながらも真剣に料理に取り組む姿勢は、今までジャンを一方的に敵視し続けたクソ観客も彼の事を見直し始め、あの大谷もこの料理以降、『審査員の立場で正々堂々戦うあと決勝の秋山の料理もちょっと食べてみたい』という姿勢になり、心境の変化が訪れ始めた。
余談だが、「もやしにすり身を仕込む」という技法は宮廷料理に実在する技法である。スゴいね中華料理。
決勝戦でミミズを持ち込んで波乱とブーイングを呼んだジャンが審査員を黙らせるために作った試食用の皿。
丸々太った食用ミミズを包丁で二つに裂いて泥取りをしてから小さく丸めて軽く素揚げしたもの。
アミノ酸の塊で漢方薬に使えるほど栄養豊富という特徴もあって見た目が最悪なこと以外は食材として上質。
特別審査員全員がヤケや半ギレになりながら試食したが、丁寧に泥取りしたため旨みと香ばしさは十分。シャリシャリした食感も相まって「鶏肉の煎餅」と例えられる味になった。
このミミズの素揚げは後述の『義大莉鴯鶓肉』のトッピングの1つに使用されている。
- 義大莉鴯鶓肉(21世紀の生き残りをかけたダチョウ肉のカルパッチョ仕立て)
無印におけるジャン最後の料理で、決勝戦「21世紀の中華料理」+「ダチョウ肉料理」の課題で作った料理。
「21世紀は食糧難の時代になる」というコンセプトで作った21世紀のためのダチョウ料理。
簡単に言えば
昆虫食+ダチョウ肉の中華風カルパッチョ。
「食糧危機の時代に手に入る食材」として食用ミミズ・ゲンゴロウ・
トンボが、野菜では「野菜の王様」として有名な
モロヘイヤ・アルファルファ・クロレラがトッピングとして使われている。
そしてダチョウ肉は
「魔法の箱」と呼ぶ道具に吊るし放置することで自動的に
サシが追加され、本来ダチョウ肉ではあり得ない霜降り肉のような見た目になった。
しかし単なる嫌がらせのゲテモノ料理などでは決してなく、ミミズや昆虫達は泥取りや羽根取りなど丁寧な下処理をしっかりして油で揚げることで視覚的なマイナスイメージを消しつつ、シャリシャリと小気味いいクリスピーな食感に。
メインのダチョウ肉はつきたての餅のようにムッチリと舌にまとわりつき尚且つ弾力あるマットな肉質を生かすために生で調理。
サシの入ったダチョウ肉は肉本来の繊細な味わいを損なうことなく「ミルクのよう」「マグロの大トロ」「トロけるように甘い」「チーズ以上にクリーミーで鮮烈」と評されるほど上品かつミルキーな甘さを持ち、噛めば噛むほど味が出る濃厚な深い味の霜降り肉に変貌し、ダチョウ肉そのものの旨味をアップさせている。
生で調理したので火を通すよりもずっとしっとりと柔らかいという利点も有していた。
新鮮な野菜の小気味よいパリパリ食感は、嫌らしくなりかねないほど濃厚すぎる生肉の生臭さを上手く消してサッパリ感を出すのに一役買っており、中華料理を意識した豆板醤と黒酢のドレッシングで味がよりピリッと引き締められている。
栄養面においても優れており、高タンパク低カロリーのダチョウ肉、栄養満点な野菜であるモロヘイヤ・アルファルファ・クロレラ、アミノ酸と栄養の塊の食用ミミズ、食物繊維やビタミン等の栄養素豊富なトンボ・ゲンゴロウという、「食糧難」の時代にはとても有難い料理であると言える。
ジャン自ら「たとえ21世紀が暗黒の時代でも オレはウマイものを探し出して料理してやるぜッッッ」とまで豪語したほど。
霧子も黄も、料理の出来こそは素晴らしいものの、どちらもテーマ食材である「ダチョウ肉」を活かしきれたか微妙なラインだったのに対し、「唯一、肉に味わいを加えるのではなく肉の旨味そのものをアップさせた」という点も含めて審査員からも大絶賛された逸品。
その衝撃的な反響は、特別審査員に食われるより前に少しでも多く食おうと一般審査員がなだれ込んで肉を奪い合い貪り食うほどであった。
実はダチョウ肉に使われているサシの正体は……
なんと蛆虫。
なんと蛆虫。
ただし、普通我々が想像するような不潔な蛆虫とは違い、海外産の食用バエが産んだ無菌・安全な蛆虫である。
サシを仕込んだ絡繰りは、箱の中に肉とセットして大量の生きた産卵直前の食用ハエをぶち込むことで肉に直接蛆虫を産み付けさせてサシを入れるというもの。
そしてサシの入った肉を取り出す際は箱の中に大量の炭酸ガスを突っ込むことでハエを気絶させ、表面に残っていた蛆虫を肉の中に潜り込ませてから回収する、という手筈である。
ただ、安全とは言えど「蠅」「蛆虫」の衛生的イメージから、タネが割れると審査員に拒絶される可能性が極めて高いという致命的欠点がある。
実際ネタバレした途端それまで絶賛していた大谷以外の特別審査員もマジギレし、ケペルに至ってはリバースしていた。
そして最大の欠点は長時間放置していると、切り損なって生き延びた蛆虫が炭酸ガスの効果が切れて復活する可能性がある事。
このため他の2名が先に皿を出すことになった際には「時間がかかると魔法が解ける」と内心焦っており、劇中でバレたのも、最後までワガママで試食拒否していた大谷の皿に、復活した蛆虫が数匹くっついていたから。
ただし、材料に蛆虫(やミミズやゲンゴロウなど)を選んだのは審査員への嫌がらせなどでは決してなく、「ダチョウ肉料理」と「21世紀(サバイバル)の料理」の課題に真剣に取り組んだ結果である。
サシは牛脂や豚脂などでも試したが、どれもサシを入れる手間が多い上に牛又は豚臭くなってしまう、という理由でボツになり、結果的に行き着いたのがすぐにサシが入る上に、ダチョウ肉に足りない栄養分も補ってくれる虫の幼虫だったというだけの事らしい。
その中でも敢えて蛆虫を選んだのは、ダチョウ肉にサシを入れる手間が一番簡単だったからに過ぎない。幼虫の脂肪とタンパク質が加わることで通常のダチョウ肉よりも栄養価も高まった。全て合理的判断からである。
そんなに早く卵から蛆虫に孵らないだろっていうのは禁句。
また上記の通り、蛆虫とはいっても食用に作られている人体に安全なものであり、劇中でジャン自身が説明したように蛆虫入りのチーズが実在するし、睦十も「日本人は虫に対する忌避感が強すぎる」「海外では食べ物に寄生して育った虫は汚いどころか旨いという考えが一般的」と解説してフォローしている。
ただしあくまで当時の考えで、現在では蛆虫入りチーズは食中毒の危険性も指摘されているため、流石に虫を生で食べるのは危険なことには変わりない。この料理に関してはちゃんと調理してはいるが。
つまるところ最大の問題は、ジャンの性格と振る舞いがこれらを「嫌がらせや驚きを目的にしたパフォーマンス」と捉えられるようにしてしまい、
本来一番の肝心である「蛆虫を食べる」ことへの説得力を与えられなかった、というところであろう。
「貴重なタンパク源です」とでも説明しておけばよかったかも。
他のゲンゴロウやトンボやミミズなどはパフォーマンスの上で忌避感を和らげたのだから、蛆虫にそれが出来なかったのは片手落ちと言わざるをえまい。
睦十からも
「あの料理は霧子や黄のものと違い、種が割れたら誰にも食べてもらえないので騒動で有耶無耶にならずとも優勝は難しい」「性格が災いして優勝をフイにした」と評されたが、その計算高さから
「まさしく21世紀の料理」「大谷が審査員じゃなければもっとすんなり優勝してたかもしれない」と絶賛された。
大谷の方もボロクソに言いつつもこの料理には相当なインパクトを受けたようで、後の『2nd』では「21世紀の料理」を題材にした際、この大会決勝と醤の料理について軽く触れており、「昆虫食の可能性」も見越して食材に虫をきちんと準備していた。
醤ジュニアは使わなかったばかりか、大谷側の刺客がそれでポカやってしまうという逆効果だったが。
◆R頂上決戦
●ビッグ大谷杯→ビッグ秋山杯編
- 軟膀蟹包子(丸ごとソフトシェルクラブ入り中華まんじゅう)
Rの序章で、中国の特級調理師相手に
無理矢理口にねじ込んで振舞った料理。
中に上海ガニのソフトシェルクラブの
唐揚げが丸ごと入ってる豪華な
中華まん。
中華まん生地のフワフワ感とソフトシェルクラブの唐揚げのカリカリ感のダブル食感に加え、五香粉でカニの生臭さも綺麗に消しており、隠し味として混ぜたカレー粉が食欲を刺激する逸品。
Rの予選「担々麵料理」で披露したチン珍料理。出された時の見た目は、でかいトウガラシが乗った汁なし担々麺。
『R』の頃には劇物料理人の評判が広まっていたため、実食フェイズの前に検査フェイズが発生した。残当。
唐辛子はカード・チリという珍しい代物で、これを手で粉々にしてまぶして食するというもの。
坦々麺本体は普通の小麦粉の麺と、ゼラチンとお酢、醤油と黒ゴマを混ぜて麺状にしたものの2種類で構成されており、口の中で坦々麺が完成する。
また、油はゴマ油を中心に数種類の油をブレンドし、滋養強壮効果のある複数の食材が漬け込まれたオリジナル。インドのマッサージであるアーユル・ヴェーダのセサミオイルを料理に取り入れたらしい。
味は程よいピリ辛でもちろん絶品だが、何よりその栄養効果は抜群で、体がハッスルしすぎてたちまち
鼻血が噴出した。そのせいで、「また毒物か」とか言われてしまった
が、まあ仕方ない。
さらにはプラスチックの丈夫なボードを握力で粉砕し、一部の審査員の股間は
直径が2ケタ近いと言うレベルに超進化を遂げた。
あんなギャグマンガでもお目にかかれないほど壮絶な
勃起は、多分早々忘れられない。
- 荷葉糟蛋鶏塊(龍崗鶏とハトの卵のハスの葉包み・幻の糟蛋風味)
鶏卵から魚卵、爬虫類にいたるまで古今東西のありとあらゆる種類が準備された卵を使って料理を作る一回戦「卵料理」で作った料理。
広東省の地鶏・龍崗鶏の肉とハトの卵をハスの葉で包んで蒸し、仕上げに葉を開いて熱した油をかけた一品。
それだけならオーソドックスな中華料理だが、味付けに糟蛋という卵食品を多く使ったことで濃厚な香りと味を付けた極上の料理となった。
その美味は、海千山千の審査員達(あの大谷でさえ)も、一時期審査を忘れて陶酔してしまった程。
この糟蛋は簡単に言えばアヒルの卵の粕漬けみたいなもので、四川省に伝わる実在する伝統技法。
アヒルの卵を加工して作るものだが、あまりに作り方が難しすぎて(後述)大量生産が出来ず、後継者がほとんどいなくなってしまい、幻の一品となってしまっている。
そのためジャンですら準備されている卵の中にあるのを見つけたときは驚愕し、審査員の中でただ一人知っていた大谷日堂も食べたのが50年ぶりで中々思い出せなかった。
①まず、アヒルの卵を細い棒で軽く叩き、
薄皮を傷つけず割らないように注意しながら全体に細かくヒビを入れます。
……この時点で頭おかしいと思われるだろうが、誰だってそー思う。筆者もそー思う。
②酒粕・白酒・赤砂糖・塩を混ぜたタレに2ヶ月間漬けます。
③漬けた卵を取りだし、薄皮を残して殻を剥きます。
④2日ほど酒に浸し、各種調味料・香辛料(※)を合わせた中に漬けて1年間密封して完成です。
※この調味料・香辛料がわかる方は追記願います。
……うん。これでは美味しくても(大量生産できる技術が確立出来ない限りは)廃れて当たり前だわ。
(怪我で失神しそうなので)割り込んだのを違反扱いされて試食前から大谷に失格にされそうになったが、佐藤田の横槍で審査を受けられる事になり、終わってみれば残った選手間どころか一回戦中最高得点で残った料理人を蹴散らして勝ち残れた。
実質的に
エビチリ対決となった二回戦「エビ料理」で作ったクルマエビのエビチリ。
一見すると殻付きなのに味付けに肝心の頭がなく食べづらいだけの中途半端な料理に見えるが、
実はエビのすり身をつくって殻に詰めなおして揚げた一品。
エビのプリプリした食感は失われているものの、クワイや豚の背油で味を補強したすり身とエビ油を使ったソース、揚げた殻の香ばしさによってエビの旨味を存分に楽しめる。
さらに
300尾のクルマエビから抽出したエビ油とエビミソを使うことで、普通ならあり得ない程に味が凝縮された一品となった。
観戦していた弥一には「秀逸なエビチリ」と褒められながらも、同時に「いったいいくらかかるんだ、店では出せんぞあんなの」とも評されている。
- 原澳地香灼金草牛(超熟グラスフェッドの熱々スープがけ ワイルドオーストラリアの香り仕立て)
決勝戦「オージービーフを使った牛肉料理」で披露した料理。
牧草で育ったグラスフェッドの半身肉に果物のペーストを塗った上で加熱した炉の余熱で温め、超熟成状態にしたものを使用。
肉の3分の2を炉でミディアムレアに調理してそのうち中心の一番良い部分のみを切り分け、残り3分の1で出汁を取った熱々のスープを肉にかけて食べる。
日本人好みではないグラスフェッドが非常に食べやすくなっていて、一口食べるごとに肉本来の旨味に魅入られていく。
実は隠し味としてグレートビクトリア砂漠の岩塩やオーストラリア開拓時代のパン風に焼いた餅を使用しており、ペーストに使った果物もオーストラリア産。
料理全体でオーストラリアを感じさせる一品に仕上がっている。
最終的には牛肉料理としては他の決勝戦メンバーと同じ満点レベルであったが、「オージービーフ」という課題においては抜きんでているという責任者裁定が下って優勝となった。
- 玉龍雪山喧賭肉(秋山流岩石酢豚ガツの詰めもの丸ごと揚げ)
「酢豚」の課題で作った料理。
名前の通り、豚の
胃袋に肉と野菜を詰めて揚げた酢豚で見た目は岩石の塊のようであり、それを切り分けてあんをかけて食べる。
ガツは丁寧に下処理したうえで揚げる前に煮込んでおり、臭みもなくガツの食感も味わえる。
味の決め手としてあんに使用した酢はジャンの祖父階一郎秘伝の黒酢であり、そこに隠し味として
チョコレートを加えることでガツに合うビターさをプラスしている。
ガツ詰め酢豚というアイデアは元はジャンの父親が残したものであり、それをジャンが形にしたうえで独自の工夫も加え祖父の黒酢も使用したという、秋山家三代の歴史の一品。
「水料理」の課題で作った料理の一品目。
ウツボの水煮をトウガラシや山椒で激辛に味付けした四川料理。
超軟水で煮込んだことで弾力やクセがあるウツボが非常に柔らかく食べやすくなっている。
また、スープではなくあえて水のみ、それも抽出力の高い超軟水で煮込んだことからウツボのダシが煮汁によく出ており、激辛かつウツボ本来のうまみが引き出されながらもスッキリとした味わいに仕上がっている。
「水料理」の課題で作った料理の二品目。
野菜とクラゲを和えたものだけでなくクラゲのカサを器と見立てて野菜を盛り込んだ物も用意されており、さまざまな食感が楽しめる激辛の一品目の後もあって非常に食べやすい料理。
この料理の水料理としての特徴は和えダレを適度に水で割って口当たりよくしているところなのだが、使用した水はなんとただの水道水。
日本の水道水は世界一安全でおいしいとはいえ、対戦相手が徹底的に水に気を配っていた中で蛇口をひねっただけの水を使用したというのは審査員や観客の度肝を抜いた。
『R』に入ってから態度はともかく、料理自体は割と真っ当に作っていたジャンが久々に見せた人を食った料理ではあるが、小難しい理屈なしに水で薄めるだけという原始的で単純ではあるが効果的な水の使い方は審査員にも高く評価された。
また、上記の通り相手である佐藤田十三が徹底的に水を管理して作った料理のカウンターであり、それがただの水で割っただけという事実は勝負慣れしてない佐藤田のメンタルに多大なダメージを与えた。
●五番町飯店復帰編
五番町飯店に復帰したジャンが最初に作った料理。
店で出している日本人向けのオーソドックスな回鍋肉とは異なる、本場四川で愛されている回鍋肉。
茹でた皮付きの豚モモ肉を反り返るほど炒めてから甜麺醤を入れ、さらに肉から出た脂で葉ニンニクを炒め合わせただけのシンプルな一皿。
しっかりと炒められた豚肉はうま味が凝縮しており噛めば噛むほど豚肉の味が引き出される状態で、葉ニンニクには豚肉から出た甘い脂が絡まって格別な味となっている。
試食した李は「日本人にはまだ早すぎる」と前置きしつつ「本場の回鍋肉を知った上でうちのを作るという意識が大切」と述べ、五番町弥一もまた「料理は変化するものだが、ルーツを知らずに変化させ続けてしまうと全く別な料理になってしまう」と、元となった料理を知る重要性を述べている。
- 九龍飄香回鍋肉(無限大の風味をまとった駱駝の瘤の回鍋肉)
ジャン曰く「地球的拡大解釈」。
回鍋肉というのが「ゆでた肉をもう一度鍋に戻して調理したもの」という意味であることから、「肉でさえあれば何でもいい」という解釈から生まれた。
脂身の塊である駱駝の瘤と年代物の四川のからし菜の漬物という癖の強い食材同士を合わせている。
更に味付けとして駱駝の瘤専用のオリジナル醤を作成して混ぜ、隠し味にマジックスパイスウォーター(香辛料の煮出し汁)をオリジナル醤に入れて味を引き締めている。
伝統的な歴史ある数多の調味料を合わせた一品。
複雑怪奇な奥深さと、料理を飲み込むたびに優しい香りを感じられる絶妙な旨さを持つ料理。
- 沙沙稜稜蟹皇烤魚翅(サクサクの春巻の皮の器に仕込んだフカヒレのカニの餡かけ仕立て~中華の覇王風~)
「1皿1000円のフカヒレ料理」というお題で作った料理。
「1皿1000円」への回答として1皿1レンゲ盛りに仕上げてある。
春巻の皮の中に金華ハム、椎茸、フカヒレを挟んで盛りカゴを作り、カゴの中には金華ハムベースのスープをくどくならないギリギリのラインまで煮詰めた餡とカニの卵を盛り、レンゲの底にはシャキシャキとしたもやしが仕込んである。
一口頬張れば餡のかかった場所とかかっていないパリパリした皮の2つの触感を味わえ、そして次に春巻の皮の中の具材が顔を出し、次にカゴの中にある餡が顔を出し、最後にもやしのシャキシャキ感で締めくくる。
即ちフルコース料理を1レンゲにまとめた驚きの料理。
絶妙な温度調整が必須となるため制作には低温火傷を負ってまで素手でレンゲを持ってオーブンに手を突っ込み盛りカゴを調理していた。
他の面々が普通の料理を1レンゲ分に調整したもので結局1000円分では満足に至らないものだったのに対して、こちらは1000円で満足できる品となっており、料理勝負はジャンの勝利となった。
ハハハーッ よっしゃこれでOK!
やっぱ ちゃんと追記・修正はつけておかないとねー
ハハハ――ッ もう行こうよ ジャン
これで終わりだ キミの項目の勝ちィ――!!
- 実は他人の料理も割と素直に褒めるんだよね。たいていは「まあ、俺の料理の方が凄いけどな!」と続く訳だがw -- 名無しさん (2013-11-16 14:37:19)
- 光の料理人キリコと闇の料理人ジャンのダブル主人公制が面白いんだよな。どっちも闘争心と対抗意識が異常に高いっていうのは共通してるんだけどw -- 名無しさん (2013-11-16 16:56:09)
- Rじゃちゃんとキリコの「心の料理」も習得してるんだよね。ぶっちゃけケンカップル(笑) -- 名無しさん (2013-11-16 17:17:10)
- Rだと本当に丸くなった。 -- 名無しさん (2013-11-16 17:18:56)
- 美味しんぼの海原雄山とは、絶対に気が合わなそうだな。壮絶な罵り合いになりそう。海原「料理人としての態度もなっていないし、勝つために手段を選ばない。貴様、本当に料理人か!?」秋山「カカカ、料理にケチが付けられないから、別な所にケチを付けるんだな。お前こそ本当に美食家か!?」 -- 名無しさん (2014-02-06 16:25:26)
- 無印のチャンピオンコミックスのおまけページはジャンやキリコたちの終業後のトークと一緒に料理についての解説とかあって、本当に秀逸だった。 -- 名無しさん (2014-02-06 16:49:02)
- ↑2 両者ともに譲らない闘争心とエゴのカタマリだからなw2chの煽りあいの如く不毛で果てしなく、それでいて傍観者には笑える舌戦になるだろうw -- 名無しさん (2014-02-06 17:36:38)
- ↑それはそれで見てみてえwww -- 名無しさん (2014-02-11 03:39:06)
- ジャンとキリコのおじいさんが復活した話があったがぜひ対決を見てみたかった。 -- 名無しさん (2014-03-27 12:50:05)
- 天道総司とも相性悪そうだ -- 名無しさん (2014-04-05 16:06:03)
- ↑と言うか、ほとんどの人間と相性悪いぞ。 仮面ライダーのキャラで言えば、ウィザードの瞬平みたいな奴じゃないとついてけないw -- 名無しさん (2014-04-05 18:26:46)
- 小此木とかスグルとか見てると、親友は無理でも悪友になれそうなのはいっぱいいる気がする -- 名無しさん (2014-04-05 20:39:38)
- 雄山の他に陽一とも対立しそう。 -- 名無しさん (2014-09-13 17:13:43)
- 我が強くて自信家な人間とは真っ向対立するだろうな。合う人間は……どんなタイプだろ? -- 名無しさん (2014-09-13 17:31:09)
- 小此木みたいに何をされてものれんに腕押しでけろっとしてるイノセンスなタイプかな。適度にダメ人間でw蘭青みたいな腹黒くて『自分まだ全然本気出してませんよ~』って感じの『飄々とした能ある鷹』気取ってるような奴じゃきっと見抜かれる。 -- 名無しさん (2014-09-13 17:38:55)
- 食戟のソーマに美作昴という似たようなキャラがいるがジャンと勝負したら凄い事になりそう -- 名無しさん (2014-09-13 17:55:49)
- ↑ジャンの闘い方をする俵屋って感じのキャラだよなw -- 名無しさん (2014-09-13 17:59:33)
- ↑3 成程。面倒見も割と良いし、そのタイプなら結構良いコンビになるなw -- 名無しさん (2014-09-13 19:26:49)
- ↑2 美作は俵屋と言うより黄蘭青っぽい気がする。相手の行動を読んでそれを利用する辺りとか -- 名無しさん (2014-09-13 19:32:47)
- 戦ったら「相手の真似をして勝とうなんてみみっちいやつだ。ククッだがな、秋山の魔法は誰にも真似できないぜ!」くらい言いそう -- 名無しさん (2014-09-13 19:41:17)
- ↑言うね。絶対wでもって勝ったらさらにクソミソにけなして虚仮にするw -- 名無しさん (2014-09-13 19:59:33)
- ジャンって全然性欲ないね もしくはホモだな キリコのおっぱい当てられてもまったく反応してなかったし -- 名無しさん (2014-12-24 23:18:03)
- ↑Rではそれなりに反応してる。ぶっちゃけキリコとは間違いなく3年の間にヤッちゃってる…!! -- 名無しさん (2014-12-24 23:43:23)
- 全戦全勝ってわけじゃないんだよな、割りと凡ミスで負ける -- 名無しさん (2014-12-30 11:21:55)
- Rではすごくまともに料理人してるんだよな。最終戦水対決でも隠し味が水道水だっただけで。ただもうちょっとだけ続いたおまけ編ではコーラ爆弾に珍味回鍋肉そして火傷といつものジャンに。 -- 名無しさん (2015-01-06 03:27:04)
- 真空調理器に頼り切ったヤツに正攻法でぶつかるところは凄いと思った。どっちもアンチばかりがついていたが。 -- 名無しさん (2015-01-06 09:10:01)
- 川村(名前うろ覚え)だっけ? アイツは性格悪いからな……客の方が遥かに悪いけど -- 名無しさん (2015-01-06 09:13:08)
- 大谷とはお互いに見下し合いながら腕と舌だけは認めてるんだよな…こう書くと割と正統派のライバル関係っぽくなる不思議 -- 名無しさん (2015-02-15 23:23:39)
- ↑3 文明の利器に技術で対抗して勝つのは王道の燃え展開だな。あとぶっつけ本番で創った料理が美味くなるわけねーだろバーカwww!ってトドメの台詞がアンチ料理対決漫画っぽくていかにもコイツらしい。自分も土壇場でキテレツな真似しまくってるけどアレも基本の応用なんだな(ぶっとび過ぎてて誰もやらないだけでw)。 -- 名無しさん (2015-07-28 15:01:27)
- 料理漫画の定石「後出しが有利の法則」を逆手にとり、あえて自分が先に出して、相手の料理を台無しにさせたのは凄いと思った -- 名無しさん (2015-09-08 11:13:58)
- 道具に頼る相手と言えばスグルの秘書もそうだったな。あっちはあっちで身体壊しそうな方法で身に着けた技術だけど -- 名無しさん (2015-09-08 13:10:22)
- ↑10 キリコが秋山ノヲトを胸の中にしまってたのを「取り戻せない」って大騒ぎするくらいだけどな、ホモどころか実は超ウブだろこいつ -- 名無しさん (2015-10-21 19:17:24)
- 麻雀の方の設定、「中華料理の腕前はプロ中のプロ。ついでに麻雀もめちゃくちゃ強い」にすべきじゃないか(錯乱) -- 名無しさん (2015-10-21 20:13:03)
- なんだかんだ言って基本の徹底と応用の引き出しを増やす事を最重要視するあたりは主人公かつ料理人だよな。なお -- 名無しさん (2017-02-25 18:33:17)
- 相手の欠点を指摘してこき下ろすけど「どうするべきだったか」も指摘してくる -- 名無しさん (2017-05-12 13:04:54)
- 続編でキリコと醤の息子が登場。ケンカップルという感じでくっ付いた感じがする。 -- 名無しさん (2017-06-23 05:31:46)
- 褒めるところはちゃんと褒めるし貶すところはちゃんと貶す 勝負が絡まなければ気の良い兄ちゃんって人物 -- 名無しさん (2017-06-23 05:56:31)
- 尚、ジャンの息子の名前もジャンな模様。 -- 名無しさん (2017-06-23 06:57:39)
- 「料理は勝負」という信条のためかクローズアップされている嫌な性格の割には料理外で何か起こしたことはない……よな?料理対決前に相手をボコボコにするような卑劣な行為はしない -- 名無しさん (2017-06-23 08:24:57)
- ↑しいて挙げれば五行との対戦前に包丁に塩酸ぶっかけたくらいか?あれもまあお互い様だったけど -- 名無しさん (2017-09-08 22:07:25)
- 息子がいたとは・・・しかしキリコとは水と油の関係だと思っていたので驚きだ。 -- 名無しさん (2017-09-14 10:30:08)
- 序盤の太極餡かけがまともに見えるけど、見た目も味の内に入れてる相手の料理に対して「目隠しして食え」って言ってるから微妙に卑怯 -- 名無しさん (2017-10-05 07:24:47)
- 2nd醤は壊れキリコのせいで「勝負でないとエンジンがかからない」性格に。両親は二人共普段からハイテンションだったからなあ -- 名無しさん (2017-10-16 23:59:13)
- ふと思い出したけど、確か血のデザートを出した大会の後、大谷の嫌がらせで負けはしたけど会場中の観客を虜にしたことで勝利したと認識してなかったっけ。とすると、この時点である意味「心の料理」の片鱗はあったということかな。キリコのそれとは方向性が違うが。 -- 名無しさん (2017-10-17 04:56:16)
- 息子のほうが言葉の端々に親しみやすさがある。親父だったら千年に対しても「テメーは便所掃除でも一生していろ」といいかねない。 -- 名無しさん (2017-11-14 10:03:29)
- 息子に恨まれてる理由ってキリコが妊娠したのを知ってバックレタからってことはないよなさすがに -- 名無しさん (2017-11-18 22:00:41)
- ↑そもそも本当にジャンとキリコの息子なのか?二人がHしている姿なんてイメージできんわwwwww -- 名無しさん (2017-11-18 22:24:02)
- ↑いや、そこはさすがに二人の子供だろう。 -- 名無しさん (2017-12-31 02:51:58)
- 至福の暴対とか、次回作 次々回作を買ってた -- 名無しさん (2018-02-25 18:05:10)
- 過去回想での祖父との修行の頃の醤は普通の少年みたいだったから環境で変わるタイプなのかな?まあ、祖父があんな死に片したら変わってもおかしくないけど…… -- 名無しさん (2018-03-07 08:50:57)
- ↑4無印の時に醬が実質的にプロポーズしてキリコが条件付でOKしていたじゃない -- 名無しさん (2018-04-10 17:11:05)
- 坊主頭よりR前半の髪伸ばしたジャンのほうがカッコよかったな -- 名無しさん (2019-02-08 03:19:44)
- 無印の豆腐素麺とRの卵料理はまだっぽいのかな -- 名無しさん (2019-06-10 12:05:45)
- 無印とRの間の中国修行編を読んでみたい -- 名無しさん (2019-07-31 15:22:31)
- ↑28 実はアレ、中華一番に登場した「舌覚疲労封」って技とほぼ同じものだったりする、もちろん悪役が使う技だ -- 名無しさん (2019-11-30 10:14:48)
- 見るたび思うけど、第一回決勝戦のデザートでキリコが「オリジナリティとかそんなので勝負したつもりは~」とかいうの、とんでもない詭弁だよな。麺ではそれでジャンを散々コキ下したくせに。逆に麺でキリコが刀削麵やってたら絶賛だったんだろうな、って気がする。 -- 名無しさん (2019-12-20 08:46:05)
- ↑中華でデザートがそれだけ難しい課題だったんだと思った。中華以外のあらゆる料理の知識に長けたジャンと、あくまでも中華のエキスパートのキリコとの差が出た勝負だと思った。 -- 名無しさん (2019-12-20 09:05:29)
- 2ndで遂に再登場。どうやら霧子とはよりを戻したらしく、霧子は二人目の子供を妊娠中 -- 名無しさん (2020-01-12 15:19:54)
- あそこらへん吹き出しちゃった。やっぱ仲良いしじゃん笑 -- 名無しさん (2020-01-18 11:38:02)
- 秋山杯(佐藤田戦)だけ料理が抜けてるのが残念だな…「実は水道水!」のくだりが大谷含め一番この作品らしいのに残念だ -- 名無しさん (2020-02-10 02:35:17)
- 1ページだけ貼られてこのあとどうやって主人公が逆転するんだ?っていうお決まりの流れ好き -- 名無しさん (2021-05-26 11:12:32)
- ※主人公はもう勝ってます も含めてあの流れ好き -- 名無しさん (2021-06-23 09:26:52)
- 2ndはホンマ作者食わすためだけのしょーもない駄作だっただけに勿体なかったな、もうちょっとやる気有ればまたジャンがやらかしたのか、って笑えたのに -- 名無しさん (2021-09-09 14:52:23)
- 鉄鍋のジャンRのジャンは卑怯な騙し討ちで奪われた一族の秘宝を取り戻すためという少年誌の主人公みたいな動機で戦ってて笑う。 -- 名無しさん (2022-05-29 12:48:24)
- この作者、あとジャンプで連載すれば週刊少年誌の4誌で連載を達成するんだよな。(知ってる限りで達成したのは鈴木央だけか) -- 名無しさん (2022-06-07 21:23:40)
- ラーメンハゲや自然嗜好食い逃げ美食家との掛け合いを見てみたい。多分全員水と油で小学生レベルの争いを繰り広げ山岡あたりは冷ややかな目で見つめてそう -- 名無しさん (2022-06-07 22:52:09)
- しかし最初の大会で課題と違う料理を作って酷評されたのが余程トラウマらしい、Rでは課題のど真ん中の料理をしっかり作ってる。 -- 名無しさん (2022-06-24 21:19:52)
- ↑言っちゃ悪いけど秋山のスタイルだと審査員に嫌われて当然だし課題のテーマからズレてるなんて目立つ穴を残す方が悪いよね -- 名無しさん (2022-06-24 21:34:21)
- ↑4サンデーの将棋は覚えてるけど、マガジンは何だっけ? -- 名無しさん (2022-06-24 22:12:23)
- ↑フタツキっていう性格良くしたジャンが主人公みたいなラーメンマンガを2巻だけやってた -- 名無しさん (2022-06-24 23:05:11)
- 親からキッツい虐待同然の鍛錬を重ねられたから、プライド・コンプレックスが複雑に重なりジャンの人生そのものでもあるのが料理の腕前なので、勝負ごとには異常に拘る。勝負が絡まなければ、かなり上から目線だけど割と優しい方 -- 名無しさん (2022-06-24 23:31:44)
- 素人同然だった小此木やダチョウステーキのオーナーを一端の料理人に成長させた辺り、案外と指導者に向いてるのかもしれないな。 -- 名無しさん (2022-11-30 00:41:02)
- 決定的に捻じ曲がったのはたぶん祖父の焼身自殺っぽいんだよな。薬局に薬を取りに行くときの態度とか、駆け付けた時の周囲の人との当たり方とか、礼儀正しい普通の少年だった。 -- 名無しさん (2023-01-06 17:00:58)
- しかしキリコとジャンは結ばれるべきじゃ無かったカップルだと思う、ジャンは心の料理を学んで心の底から相手を屈服させる料理を作るようになったし、キリコはジャンの苛烈で完璧主義で無慈悲なところを息子に押し付けるようになってしまった -- 名無しさん (2023-03-12 16:19:36)
- ぶっちゃけ料理に対してはものすごい真摯なんだよな。 -- 名無しさん (2023-09-07 10:00:16)
- 長寿回春のとき、相撲取りが四股で地面揺らしてたけど、よく考えたらあそこ海上に浮かせた会場(激ウマギャグ)だから当たり前ではあるんだよな -- 名無しさん (2024-01-04 15:21:15)
- 問題ある言動は作中でもヒールとして批判されてるのが良かった。他作悪パターンのなんでも主人公ヨイショを強引にでもやってたら読者からも反発されてたはず -- 名無しさん (2024-01-21 02:43:47)
- 他の作品だったらキノコスープの件とか無かったことにするだろうけどな。まあジャンが-100からでも100点満点を取れる才能と自負があるからできることだろうが。 -- 名無しさん (2024-01-27 20:18:07)
- なんだかんだ、今でもちょくちょく読み返したくなる名作だと思う。 -- 名無しさん (2024-02-11 03:04:29)
- ヒールの印象が強いけど基本的に暴力を振るうシーンはない。修行時代も祖父や周囲に敬語を使っているから、祖父の死後「料理は勝負」が呪になってしまったのだろうな…。 -- 名無しさん (2024-09-24 11:30:54)
- というかジャンは痩せ過ぎなせいかむしろケンカはかなり弱い。他人を怪我させるより自分が怪我させられてる場面の方が圧倒的に多いぞ -- 名無しさん (2024-09-29 15:10:05)
- ↑一応、鮫を水槽外に蹴り飛ばすことはできるんだけどね…。まぁ料理以外ではまともだから対抗できないのだろうな。 -- 名無しさん (2024-09-29 15:15:11)
- ↑だからフィジカルはあっても喧嘩慣れしていないという印象です。サンドバッグは殴れても人間は躊躇するだろうし。逆に霧子は殺意を覚えたら躊躇なく殴れる。 -- 名無しさん (2024-09-29 16:40:26)
- 飲めるラー油の炒飯食べたい。性格はともかく(小此木等には優しい)秋山の魔法の料理全部美味しそう(カルパッチョ意外) -- 名無しさん (2024-10-06 16:41:55)
- ダチョウ肉はちゃんと蛆と蝿を処理しておくことはできなかったんだろうか -- 名無しさん (2025-03-20 23:01:58)
- ↑ジャンの性格を考えたら、食べ終わった後に「お前たちは蛆を喜んで食べてたんだよ、カーッカッカッ!」ってやるつもりだったんだろうな。ただ大谷の横槍があったり、そもそも「料理は勝負」を謳うなら相手につけ入る隙を与える方が悪いわけで…。あとギリギリになって蛆を使う方法を思いついただろうから処理まで頭が回らなかったのだろうな。 -- 名無しさん (2025-04-15 21:28:00)
最終更新:2025年04月23日 18:57