フジマサマーチ(ウマ娘 シンデレラグレイ)

登録日:2025/08/28 Thu 23:44:00
更新日:2025/09/09 Tue 23:14:15
所要時間:約 5 分で読めます




フジマサマーチは、『ウマ娘 シンデレラグレイ』の登場キャラクター。
史実で活躍した「とある競走馬」をモチーフとしたオリジナルウマ娘。
CV:伊瀬茉莉也

◆プロフィール


誕生日:4月5日
身長:170cm
モデル:マーチトウショウ(1985年4月5日~ ? ♂)?


◆概要


主人公であるオグリキャップと同じカサマツトレセン学園の新入生の一人。
特待生として入学しており、カサマツ編のオグリのライバルとして競い合っている。愛称はマーチ。

芦毛(色は薄浅葱色)の長い髪に、白と赤のリボンを右耳に結び付けている。
気骨稜稜で自他ともに厳しく、東海全体の頂点を決める最高峰のレース・東海ダービー制覇を目標に掲げている。
脚質は逃げで短距離向け。トレーナーの柴崎宏壱の見立てでは高い運動能力に優れた頭脳、そして瞬発力が高い優秀な人材だと話している。
幼い頃から走ることに集中して練習に耐え続き、一度も敗北せずにカサマツトレセン学園に入学している。
そんな幼少時代を送っていたためか友達と呼べる存在もおらず、カサマツ篇以降は三バカ達(ノルンエース、ルディレモーノ、ミニーザレディ)と友達になっている。

◆作中の活躍


カサマツ篇

特待生としてカサマツトレセン学園の期待の星としてトレーナー達から注目を集めている。
その後、柴崎からスカウトを受けて彼のチームで走ることを決めるが、コミュニケーションが取れないことで柴崎は苦労していた。

新バ戦では一番人気であり、オグリと初対決。
オグリの事を意識しており、力の差を見せつけようと奮闘する。
そして、最後のスパートでオグリとの一騎打ちを行い、クビの差で勝利。
だが、その時のオグリは靴がボロボロだったことも有り、勝利したものの納得していなかった。
そのため、デビュー戦以降も東海ダービーの前にオグリに勝つという目標を立てている。

その後、オグリと2人きりで話すタイミングができた時、オグリに対して

貴様は何のために走っている?

何を目指してレースに出る?

と、今まで目標を漠然としか決めていなかったオグリに走る目標を決めることを助言。
そしてジュニアクラウンに出るようにオグリに伝え、オグリに影響を与えることになる。

そして、ジュニアクラウンでオグリと再戦。
レースは第4コーナーの手前でオグリと同時にスパートをかけ、接戦の末にオグリに敗北。
彼女にとって初めての敗北だったが、オグリに「一緒に東海ダービーを走ろう」と言われ、次は負けないと改めて気を引き締めることになるのだった。

だが、ゴールドジュニアで再びオグリと戦うことになるのだが、オグリは中央スカウトに伴い精神が揺らいでいた。
そんな状況で、オグリが中央に移籍するかもしれないということを知り、激しい怒りと共にオグリにビンタを喰らわせる。

ここでも
東海ダービーでも
貴様は私に負けるんだ!

貴様を中央になど行かせない!

そういった意気込みを見せながらもオグリを警戒していたが、オグリが仕掛けるつもりがないと判断。
オグリに激高しながらもそのまま勝とうとしたが、途中でオグリが吹っ切れたことで、オグリの本気の実力を目の当たりにして敗北する。
その後、オグリの見送りの際に改めて東海ダービーに向けて走り続けることを誓うのだった。

走って 走って 走り続けて
お前よりも永くレース場(ここ)に立ってみせるよ

中央でも暴れてこい オグリ

白い稲妻篇

中央編入篇での登場はなかったが、白い稲妻篇でオグリに近況を話している。
オグリがいなくなった後も走り続け、東海ダービーにも出走したが、結果は4着だったことを報告する。
挫けそうだというマーチの言葉にオグリが励まそうとする一方で、オグリの目標が見つからないことに対して「日本一のウマ娘になれ」と再び助言するなど、オグリに影響を与えることになる。
また、オグリの初めてのG1レースである天皇賞(秋)の前には金華山のキーホルダーをオグリに送ったり、有馬記念前には東京に来て、中山レース場のスクーリングの際にオグリの練習相手になっていた。

外伝

外伝ではオグリに近況を話した後のマーチの話が描かれている。
東海ダービーでは負けたものの岐阜王冠賞に向けて練習を開始している。
岐阜王冠賞で東海ダービーの覇者であるヤマノサウザンと激突し見事勝利を収めている。

なお、外伝では勝負服を身に付けており、紺色のブレザーを主体にしており、左袖にブーケンビリアのマークがついている。
作者の解説によると、オグリの勝負服を意識したデザインであり、色を反転しつつ紅白要素も加えたとされている。

永世三強篇

柴崎のチームにフェイスノーモアがメンバーに加わっており、彼女の走りに刺激を受けて練習を再開している。
なお、フェイスノーモアとイナリワンのレースを見ていたため、毎日王冠のレース中にオグリなら余裕だと周りが思っている中、彼女だけがイナリワンの強さに注目している。(大井のレースを走ったから?)


◆余談

  • モチーフ馬
笠松時代のオグリキャップに唯一土をつけた馬である「マーチトウショウ」がモチーフなのは間違いないだろう。
「トウショウ」→「藤正」→「フジマサ」という置き換えだと思われる。
なお、トウショウという名だがスイープトウショウやTTGのトウショウボーイ等で知られるトウショウ牧場とは全く無関係の馬である。

戦歴の描写はカサマツ篇より後のものも含めて概ね史実通り。
ただ実際にはオグリキャップと8回も対決し、また新馬戦の他にも1回勝っていたのだが、そのあたりはシングレでは無かったことになってスルーされている。

実は、オグリの後を追うような形で中央競馬にも一時期挑戦しており、奇しくもダートを走っていた頃のバンブーメモリーとも顔を合わせている。
しかし、その結果は散々なものであり、「笠松時代にオグリに勝った馬」という肩書で注目こそあったものの、参戦した4戦が、すべてブービーから10馬身前後引き離されての最下位という大惨敗で終わってしまった。
その後、中央で挫折した後は笠松に戻るがここでも調子は戻らず、ほどなくして高知競馬に転籍。
高知では程好く良い結果を残しつつ、1992年夏に競走馬を引退。引退後は愛媛の牧場で長い間乗馬として親しまれ、2006年(20歳ごろ)までは健在だったことが確認されている。有志が当時の乗馬クラブのユーザーから聞いた話によると、その後は体調を崩して乗馬も引退。ファンだった個人に引き取られ、詳細な時期は不明ながらも最期は老衰で亡くなったとのことである*1

かつてのライバル、オグリキャップとはもはや天と地ほども差がある馬生ではあったが、何よりオグリキャップより長く現役を続けることが出来たというのは、マーチトウショウにとっては最大の誇りではないだろうか。


なお、フジマサマーチの方は最終章に至っても中央移籍の展開は描かれておらず、その後もずっと笠松に留まっているという事になっている。
本作の主人公がオグリである以上、無理に史実と同じ道を辿らせると物語のノイズにしかならない上に、マーチにとっては救いが一切ない超鬱展開が待ち構えてるということになるので、この辺りは妥当な改変と言えるだろう。


  • マルゼンスキーとの関係
作中、マルゼンスキーがフジマサマーチに注目するくだりがあるのだが、
これはマーチトウショウの父が、マルゼンスキーと対決してしまったがために世代と自身の評価を決定付けてしまった悲運の菊花賞馬プレストウコウであるという点を意識したものと思われる。
種牡馬としての活躍も目を引くものはなかったため、マーチトウショウの話題は現代ではかなり貴重なプレストウコウ産駒の話題とも言える。


  • 勝負服の扱い
マーチの勝負服は外伝で追加された一種のサービスのようなものだが、アニメ版では前期OPのサビのレースシーンの中でオグリと勝負服姿で走る夢のシチュエーションが実現している。
オグリにしても勝負服でカサマツのコースを走るのは本編ではあり得ないシチュエーションのため、「OPとしてオグリを勝負服で描きたいので、釣り合うようにマーチも勝負服にした」というところだろうか。


  • 学力
上述にもある通り柴崎からは「高い運動能力に優れた頭脳」と評され、そしてマーチ自身も如何にも天才肌の優等生的な雰囲気を醸し出しているが、実は座学に関してはそうでもないらしく、久住先生からは「結構単純」「テスト勉強でとりあえず教科書をそのままノートに書き写しするタイプ」ということが暴露されている。
曰く学力のステータスを星の数で表したとしてノルンが★1、ルディが★2、ミニーが★4に対しマーチはルディと同じ★2。
ジュニアクラウンでオグリに勝つパターンを100通りも考えながらも「同時にスパートをかける」というのを想定していなかった辺り、やはり……


  • メディアの展開
アニメ化後、カサマツ篇のメインキャラクターの一人ということもあり、ベルノライトほどではないがコラボ企画で登場している。
声優の伊瀬茉莉也氏はパカライブに瀬戸桃子氏と共にゲスト出演している。
また、東海ダービーで負けたアニメ4話後に、彼女が走ったレースで後にレコード勝ちをしているウマ娘とのコラボイラストがアニメスタッフにより描かれている。



追記・修正はオグリキャップに勝った後、東海ダービーに勝利してからお願いします。

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最終更新:2025年09月09日 23:14