リゼル・ジャルダック

登録日:2025/09/17 Wed 7:55:00
更新日:2025/10/05 Sun 02:28:28
所要時間約 8 分で読めるわよ!パパ!




ストマック家の皆さ〜ん?はじめまして〜♪


リゼル・ジャルダックは特撮テレビドラマ『仮面ライダーガヴ』の登場人物である。


【データ(怪人態)】

身長:184.9cm
体重:49.8kg
特色/力:品格/柔軟な肉体/執着心
演:鎌田英怜奈

【概要】

登場は29話から。
グラニュート界の大統領、ボッカ・ジャルダックの娘。
人間態は黒と青のド派手なゴスロリ衣装で着飾った銀髪縦ロールの美少女。グラニュート態では羊やネズミに似る*1

ある日シータを失った悲しみから抜け出せず、道端で彼女の忘形見である壊れたミミックキーを持って泣きながら路頭に迷っていたジープを見つけ、そのミミックキーを「かわいい」と称し私にちょうだいと要求。
当然形見を渡すわけにはいかないと断るジープだったが、自分は大統領の令嬢であり言うことを聴かなければただではすまないと脅迫。
それを聞いたジープは以前ランゴから「富裕層と結婚しろ」と言われたことを思い出し、自分の身の上を語った上、彼女と交際を開始したのち結婚。そして交際と同時にジープからストマック社と闇菓子の事を聞き、ニエルブに頼んで密かに作ってもらったミミックキーによって人間体を手に入れた。*2ランゴとグロッタは言われるまでグラニュートだと気付かなかった様子。ジープが親父と同じ性癖に目覚めたと勘違いでもしたのだろうか

その後ストマック社にジープと父とともに顔合わせとして来社し、人間界に別荘を用意してもらい、そこを拠点としてジープとともに人間界で活動を開始。

そして第30話からはジャルダック家の傘下に入ったことにより、ストマック社の新たな社長に就任した。
だが闇菓子の知識については素人同然のため、グロッタが目利きして選んでいるヒトプレスを「質が悪い」と称するなど商品を見る目も皆無。そのため実務の大半はニエルブやジープ、バトラーが代行して行っている。

【人物】

人間体は一目ではとても悪人には見えない色白で可愛らしい美少女だが、上述するように壊れたものや不気味なもの*3を「かわいい」と称するなど美的センスや感性が猟奇的で歪んでいる。(公式HP曰く「特殊な嗜好」)
また、相手に詰められたり要求を拒まれたりすると、自分が大統領の娘であることを盾に自分の身を守ったり要求を押し通そうとしたりする傲慢さも持ち合わせている。

また人間体の姿が相当気に入っているようで、グラニュート界に戻っても引き続き人間体のままでいるため、ボッカからは苦言を呈されていた。グラニュート界に帰省するたびに「お土産」として人間界で見つけたものをボッカに渡しているが、用途が分からないガラクタのようなものばかりである。

夫であるジープの事は愛してはいるようだが、ジープの事を「私のかわいいお人形」と称しており、彼の事を「夫」というより「所有物」という感覚で見ている模様。
ジープ自身も妻のその異常な感性と、背後に大統領がいることから下手な真似をすれば自分の身も危うくなると自覚しているのか、結婚したことでランゴ達の鼻を明かした一方、彼女に対して畏怖の感情を抱いているような反応をしている。
ショウマに対しては当初ジープを追い詰めた相手として敵意を持っていたが、後に「ジープからシータを奪ってくれたおかげで自分はジープと出会えた」と面と向かって感謝を述べており、ショウマを唖然とさせているなどやはりどこかおかしい。

【戦闘能力】

本人のポテンシャル「は」高い。
第31話における初戦闘では怪人体に変身した時の気迫だけで、ガヴのフォームで最強硬度を誇るグルキャンフォームとそれまで一度も強制変身解除されることがなかったヴラムを二人まとめて強制変身解除に追い込んでいる。
また、人間体でも手持ちの傘から光弾を放つことが出来る。
少なくとも下手なバイトよりはよほど脅威的な戦力になるレベルで強く、実力主義のグラニュート社会における権力者の娘というのも納得の強さであった。
このため登場当初は「単なる七光りと思いきや意外な強豪では?」と見る視聴者が多かった。

しかし物語が進むと、これまで過保護なボッカの権威に守られた安全な立場から手を出す事しかしていなかったのか実戦経験はほぼ皆無な様子が露呈。
本格的に戦闘した際は子供の様に腕を振り上げて突撃したり組み付く時もへっぴり腰だったりと上記のスペックを全く活かせてないと言う有様であった。
少なくともランゴには大きく劣っており、作中では裏切った彼に成すすべなく拘束されて人質にされてしまい、ボッカが敗北する原因を作ってしまった。
挙げ句、最終話での戦闘ではジープとの二人がかりでようやくヴァレンフラッペカスタムと五分と、初期に見せたポテンシャルからは想像もつかない体たらく。
むしろ戦闘経験の豊富なジープまで彼女をフォローする戦い方をする分、戦力が落ちているとさえ見えるほど。

まとめると「基本スペックは高いので人間とグラニュート双方の一般人よりは強い」が「戦闘経験を積んだライダーやグラニュート社会でも上位に属せる実力者に挑めるほどの技量はない」というところ。
おそらくジープやショウマよりも若いと思われるので伸び代はあるはずで、訓練次第では彼らに迫る強豪になれたのかもしれないが……。
そもそも彼女の「強さ」と呼べるものは「父から遺伝したフィジカルの強さ」「父の立場がもたらす権力と財力」とその悉くが生まれの環境に備わっていただけで己の手で掴んだものが何もなく、結局は七光りで強く見せていただけであった

ジープたちストマック兄妹、ひいてはショウマの父であるブーシュが人間のハーフゆえ虚弱なショウマの未来を憂い「一人でも強く生きられるように」と改造手術や特訓を施し、加えて人間界でもショウマは新たな出会いのもと戦い続けて力を身に付けていったのとは対照的だったと言えよう。
皮肉なことに、子供たちからの評価はボッカとブーシュで正反対であるのだが。

【自分自身は何も持っていなかった世間知らずのお嬢様の末路】

最初は単なる政略結婚に過ぎなかったジープとの関係も、共に長い時間を過ごすに連れて徐々に深まっていき、最初は彼女に畏怖の感情を抱いていたことから心を開けずシータの幻に縋っていたジープも彼女に対して心を開き始め、対するリゼルも自分と出会い変わっていく彼の姿を見るうちに、徐々にジープへの想いが変化して本当の「愛」に近いものが生まれ始めていた。

パパの仇…覚悟しなさい!

そして最終回、ボッカを失い初めてジープの気持ちを理解したことで一人人間界に戻り、工場から奪回したヒトプレスを巡って戦闘していたヴァレンとジープとの戦闘に加勢する形で、父の仇の1人であるヴァレンに立ち向かう。

第31話での初戦闘では頭部のみ怪人体に変身したが、この時初めて完全な怪人体としての姿を披露した。

戦闘慣れしているジープからビターガヴブレイドを貸し与えられるなどしてヴァレンに奮戦するも、力及ばずフラッペカスタムの能力で二人揃って凍結され身動きを封じられてしまう。

そしてヴァレンの必殺技「フラッペいずボルテックス」を受けそうになったところ、ジープが自分を庇い死亡、消滅。

ジープ?ジープ!?嘘でしょ!?あなただけは、ずっと私のものって…!ねえ、ジープ…!

彼の死を受け入れられず錯乱し、戦意喪失した彼女を絆斗が見逃したことで、ショウマ以外のストマック家では唯一生存することになった。

しかしそれと引き換えに愛する夫を喪ったばかりか、ラキアがグラニュート界と人間界を繋ぐ扉を全て破壊したためグラニュート界にも帰れなくなる。

3か月後、人間体の姿に戻った彼女は、ヴァレンと戦った港町に未だに一人ぽつんと座っていた。

富も地位も帰る家も、そして愛する人も何もかも全て失った彼女は、港でただ静かに泣き続けるのだった…
酷な言い方になるが、3か月経っても生きている上に泣く元気があるという事は、そこら辺に転がってる石で飢えを凌いでたんだろうか?

【余談】


  • 怪人態のデザインモチーフは盲目にして無貌の神「ニャルラトホテプ」。
    仮面ライダーシリーズは勿論、特撮全体で見てもニャルラトホテプがモチーフとなる怪人・怪獣はリゼルが初となる。マガ教司祭?あれは映像媒体じゃない短編記事だしそもそもコスプレです

  • 演じる鎌田氏は、ジープ役の古賀瑠氏とは舞台などで何度か共演したことがあり、放送開始前からの付き合いである。

追記・修正しましょ!ジープ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年10月05日 02:28

*1 実際、現場ではネズミモチーフだと思われていた。

*2 そのためニエルブは事前にこの事を知っていたが、揉め事を恐れてランゴ達には黙っていた。彼女たちが来社してこの事実が発覚した際、当然ランゴたちからは文句を言われ謝罪した。

*3 例:ホラー映画のポスター、クリームやソース・フルーツをぐちゃぐちゃに混ぜたパンケーキ