シドルファス・オルランドゥ

登録日:2011/11/22 Tue 02:59:38
更新日:2025/06/09 Mon 17:31:01NEW!
所要時間:約 5 分で読めます




概要

シドルファス・オルランドゥとは「FINAL FANTASY TACTICS」の登場人物。

ゼルテニア領主ゴルターナ公擁する南天騎士団の団長を務める。伯爵の地位を有し、作中では主に「オルランドゥ伯」と呼ばれる。

主人公ラムザの父、天騎士バルバネスと並び称され、「雷神シド」の二つ名を頂く畏国最強の人物。
泥沼化していく獅子戦争に否定的で民や兵卒の糧や士気を考慮しゴルターナ公に和平を進言するなど、高い戦闘能力のみならず大局を見据える視野も併せ持つ傑物…なのだが、結局ゴルターナ公にその主張を疎んじられ、遠ざけられてしまう。
加えてディリータの謀略もあり、最終的には謀反の疑いをかけられ投獄されてしまう。

ゴルターナ公に失望した伯は養子オーランと共に救出に現れたラムザ一行へ合流、以後行動を共にする。


……とまあ、ここまでが設定の話。
作中最強クラスの存在という位置付けではあるものの、FFシリーズには某老賢者や某暁の四戦士、某伝説のガードのように、「設定上は強い筈なのに、仲間にするとなんか微妙」というキャラクターはザラである。


ただし、彼はガチだった。


シタン・ウヅキゼノギアス)、剣聖ハボリム(タクティクスオウガ)、ネオ・グランゾン(スパロボEX)に勝るとも劣らぬ、設定とゲーム中の性能に齟齬がない超弩級バランスブレイカーだったのだ……。

そのバランスブレイクぶりは、FFTの話題になれば、小数点以下の確率(黒本を参照)、リオファネス城、赤チョコボに並び必ず出てくることからもうかがえ、それどころかRPGにおけるバランスブレイカーの代名詞と言えるキャラクターですらある。

以下、その要因を挙げていく。



一、専用ジョブ「剣聖」の性能


オルランドゥ伯の固有ジョブ、「剣聖」はそもそも能力上昇補正値*1がぶっちぎっている。
HP上昇補正は「ものまねし」や「ドラグナー」を抑え、全ジョブ中最高。また、MPも前衛職にもかかわらず白・黒・時魔に並ぶほどで、SPEED、物理AT*2も上位。おまけに移動力も高い。ホーリーナイトとはなんだったのか。

成長補正も高い。
HPは前衛職に十分なほど、MPは魔法職に次ぐほど、SPEEDも上昇し*3、物理ATは並以上、魔法ATもトップクラスに*4、それぞれ伸びていく。
それぞれ単独一位というわけではないが、総合力は高く、普通に剣聖で育てるだけで他のキャラより一段強くなる。元から強いのに。

騎士剣や兜、鎧を装備できる前衛職ながら、帽子、服も装備可能。
FFTの鎧兜はHP補正が高いものの追加効果がイマイチであるため、特殊効果を主眼とした帽子・服を装備できるのは非常に強力。
物理AT補正のある「ねじり鉢巻き」「力だすき」や、SPEED補正に加えてステータス異常耐性*5を持つ「シーフの帽子」など、優秀な追加効果を持つ装備を幅広く選べる。

仲間にしてから剣聖のまま、ただ漫然と育てるだけで殆ど隙のないキャラクターとなるだろう。


それでもステータスだけならばドラグナーに一歩譲るのだが、剣聖はという、字面を見ただけで嫌な予感しかしないアビリティを保有する。

この「全剣技」、それぞれ強力な聖剣技、剛剣、暗黒剣の全ての技を使えるというもの。
これらの剣技は共通して「消費なし」「詠唱なし(即時発動)」「有射程」「必中」という強力な特性を持つ。
剣の技なので「剣または騎士剣を装備していないと使用不可」という制限こそあるが、FFTでは基本的にずっと剣・騎士剣が強いので制限にもならない。
聖剣技、剛剣、暗黒剣にそれぞれ特徴があり、それぞれ単品で持っていても一つのジョブとして成立するほどの優秀なアビリティだというのに、それらを全て使用できるのだからこれはもう笑うしかない。
取り敢えず「取得JpUP」を取得させたら、その後は「無双稲妻突き」「聖光爆裂破」「闇の剣」「暗の剣」あたりを覚えていくのがオススメ。

「無双稲妻突き」は射程が広く、指定マスから1マス外側にも攻撃できる範囲攻撃で、ついでに沈黙の追加効果あり。という強力な技。
数多のザルモゥやラムザを葬ってきた由緒正しき聖剣技。
え? アグ姐の必殺技だろって? うん、お前は正しい。

「聖光爆裂破」は直線範囲5マスに強力な攻撃を行う聖剣技で、混乱の追加効果あり。
聖剣技の中で最高の威力を持つ。
え? アグ姐の(ry

「闇の剣」は単体攻撃だが、与えたダメージをそのまま吸収する効果。
攻撃力が狂っているので回復量も狂っており、一撃で敵を倒したうえで全回復したりする。
これを覚えさせればシド1人で敵を殲滅することも可能に。もうあいつひとりでいいんじゃないかな。
しかし間違ってスケルトン系やグール系に使うとそっくりそのまま自分がダメージを受けるので注意。

「暗の剣」は「闇の剣」と同等の性能で、HPの代わりにMPを吸収する。
この一撃で魔法使いが木偶になるというあまりに御無体な技。まあMP吸ってる暇があったら普通に倒したほうが早いけど

各種「剛剣」は装備破壊という強力な効果を持つ。
ただし、PS版では装備が破壊できない場合*6はダメージを与えられない弱点があるため、使い勝手は悪い。
PSP版では装備がない相手には、逆により大きなダメージが出るようになったため、使い勝手は上がった。
PSP版の変更は、剛剣しか使えない「ディバインナイト」、メリアドール救済のための施策だったと思われるが、元から強い雷神シドまで強化されてしまった。
まあ使いやすくて強いシドのあとに加入する、使いにくいメリアドールが悪いと言えばそう。シナリオの都合運命の流れって残酷。

以上のように固有ジョブ「剣聖」の性能だけでも強力無比。だがこれだけにとどまらず…



二、初期装備の騎士剣「エクスカリバー」の性能


オルランドゥ伯は、初期装備でエクスカリバーを持ち込む。
FFシリーズでは最強の1段下とか聖属性が邪魔とか入手が面倒とかで微妙な立ち位置であることが多いエクスカリバー。
FFTでも攻撃力こそまだ上がいるものの、「聖属性強化」「聖属性吸収」「永久ヘイスト」と、冗談のような追加効果を備えている。
エクスカリバー自体に聖属性はなく、聖剣技の属性もシステム上は武器依存なので属性強化はこのままだと特に意味がないのは秘密

特に永久ヘイスト、文字通りずっとヘイストがかかり続けるのが非常に強力。
FFTのヘイストは「SPEEDが1.5倍になる*7」という効果。
SPEEDは行動順に影響し、この値が1.5倍になるということは、行動回数が1.5倍になるに等しい。
これが戦闘開始から即座にかかり戦闘終了まで途切れない。しかも加速するのが作中最強、雷神シド。
聖剣から聖剣技を放ち伝承の魔物たるルカヴィまでもタイマンでアッサリ打ち滅ぼすさまは、まさに剣聖の名に相応しい。
どこぞのハイレグ天使なぞ果たして一回行動出来るかどうか……。
どっちが悪魔か分からねぇ……しかも装備の幅が広いもんだからさらに強くなるんだぞこの爺さん


三、パーティ加入に際して特別な条件が無い


どれだけ高性能であっても、加入方法や条件、時期が厳しいなら、公式チートとは呼ばれてもバランスブレイカーとまでは呼ばれなかったかもしれない。
しかしこれだけの性能を持ちながら、彼はシナリオの途上で必ず仲間になる。特定のルートを選ぶ必要もなく、何らかのフラグを立てる必要もない。「NPC状態の彼を生存させてクリア」のような、いわゆる救出マップすらない。

無条件で、必ず仲間になるのである。

全4章の第4章で加入とさすがに終盤ではあるが、銀髪鬼、兄上、教会、そして最終決戦の長丁場が待ち構えているので活躍させる場面は十二分にある。


ストーリー的な余談


ちなみに彼がラムザの仲間になったのは全てディリータの手引きによるもの。
ディリータはグレバドス教会のスパイとしてゴルターナ陣営に潜入し、戦況を操作するためにバルマウフラとともにゴルターナ公と要人を暗殺する任務を負っていた。
しかし、オーランの手腕を買っていたディリータとしてはオルランドゥを暗殺してオーランと対立することは避けたかった。
そのため替え玉を処刑して彼の命を助けることでオーランに貸しを作り、どこの勢力にも属さず野心も持たないラムザに引き渡すことで戦況の混乱を最小限に抑えたのだろう。
ラムザが彼の旧友のバルバネスの息子であった事もディリータにとっては都合がよかったものと思われる。
ディリータ「ま、オレのおかげだぜ!」
尤も、ディリータはゴルターナを暗殺した際に上記のオルランドゥの替え玉*8を実行犯としたため、表向きはオルランドゥがゴルターナを暗殺した事になった
このため、義父に汚名を着せられたオーランからは恨まれる事になり、そんな彼を自分の下に引き入れた際に余計な事を口走ったことが命取りとなってオヴェリアからの信頼が底割れしてしまい、あのEDへと至ってしまうのだが…。
ぶっちゃけ、オルランドゥがオーランにオヴェリアの下へ行けとか言わなかったらディリータ関係はまだ丸く収まった可能性すらある


余談

「強すぎる」ことはやはり色々と問題があり、縛りプレイの際はたいてい真っ先に縛られる。
元々FFT終盤のバランスは味方が強すぎるものになっているのだが、そこに雷神シドまで加わるとまさに蹂躙劇になってしまう。
そのため、縛るとまではいかずとも、使用を自粛するプレイヤーもそれなりにいる。

また、その強さゆえに「混乱」や「誘惑」にかかった場合は高速で味方を全滅させてくるため非常に危険。
アクセサリによる状態異常防御は忘れずに。過信は事故のもとである。

なお、没案として、病を患っていてレベルアップ毎にステータスが下がり、一定レベルに達すると離脱する予定もあったとの事。
また、あまりにも強すぎる為プレーヤーの間では「息子のオーランがデュライ白書において話を盛っているんじゃないか*9*10」という説まである。
松野氏もこれに関しては明確に答えてはいないので、真相は闇の中。

FFTはマップを移動するたびに1日経過し、彼の誕生日になると年齢が1上がる。ほぼ意味がないが彼をカンスト99歳にする事も可能で、99歳の爺さんが戦場で暴れる姿というシュールな姿を見る事も出来る。

FF14にて客演した際は、ボスとしてプレイヤーたちへ試練を与える役回りとなった。
全剣技の数々を使用してプレイヤーを攻撃してくるほか、必殺技としてバランスブレイクという技を使用する。
プレイヤーはみんな「お前のことじゃい!」と叫んだとかなんとか。

天の願いを胸に刻んで
心頭滅却! 追記修正破!

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最終更新:2025年06月09日 17:31

*1 「モンクならHPと物理攻撃力が、シーフになっている間は素早さが、黒魔道士になっているなら魔力が上昇する」イメージのもの

*2 物理攻撃力

*3 FFTは素早さの成長率が大半のジョブで同一

*4 魔力の成長は、一部の隠し・専用ジョブを除き、どのジョブでレベルアップしても伸び方が同一

*5 ドンアク、ドンムブ耐性

*6 装備を破壊し終わったあとだったり、モンスターなのでそもそも装備をしていない場合、装備破壊を防ぐアビリティ「メンテナンス」装備者など

*7 厳密には「Speedを1.5倍扱いでCTを加算する」効果。Speed依存で攻撃するアビリティの威力には影響しない

*8 グレバドス教の敬虔な信徒であり、替え玉になる事を最初から受け入れている。

*9 FFTはオーランが遺した「デュライ白書」という歴史書の記述を追っていく形でストーリーが進むため

*10 オーラン自身も、『マップ上の敵全体に3種の行動不能デバフ付与』という滅茶苦茶なチートアビリティ持ちでもある