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プロペラカブト

登録日:2026/01/30 Fri 22:17:37
更新日:2026/06/04 Thu 18:43:58
所要時間:約 3 分で読めます





風見志郎!俺様のこのプロペラで、貴様の首を叩き斬ってやる!


出典:仮面ライダーV3/東映/第23話「恐怖!墓場から来た吸血男」/1973年7月21日放送

仮面ライダーV3』の第23話「恐怖!墓場から来た吸血男」に登場した機械合成怪人。

所属組織:デストロン
モチーフ:カブトムシ+プロペラ
身長:172㎝
体重:61㎏
出身地:山中湖もしくはニューギニア
:八代駿
演:中山克己(人間態)


【概要】

カブトムシをベースに右手のプロペラで武装した機械合成怪人。鳴き声は「ぺエラー!」。
定期的に女性の血を飲まないとパワーを発揮できないという弱点がある。
とある湖の周辺に潜み、訪れた人々をさらい男性は戦闘員に改造、女性からはエネルギーとなる生き血を啜っていた。



鋼鉄の鎧兜を身に着けたような姿をしており、カブトムシの兜という洒落になっている。
頭部はカブトムシの一本角にクワガタの顎が左右に広がったような意匠になっており武将のようでカッコいいデザインだが、パッと見なんの昆虫か分かりにくい。

右手のプロペラは回転させればトラックを吹き飛ばすほどの突風を起こし、大木をも切断する。
ブーメランのように射出も可能な遠近両用兵器。

右手にプロペラがつきっぱなしでは不便、と思いきや普段は籠手のようになっており、戦闘の際に三枚羽が展開されるという親切設計である。
このプロペラは射出しても腕から再装填可能でリロードも抜かりなし。
また自身を一つのプロペラに変え、ドローンのように空中飛行するなど機動力もあり、突然現れては襲いかかるスラッシャー。


どうにも水中適正があるらしく、湖でボートを走らせる男をジェイソンのように引きずり込んでいるシーンがある。



人間体の黒田狂一は風見志郎の友人で、理由は不明だが酷いノイローゼとなり妹の幸子の計らいで湖で療養していた。
風見とは旧知の間柄だったが廃人のようになっており、風見や妹の呼びかけにも反応がなく薄ら笑い。

ただし、風見は「本当に狂った人間の目ではない」と見立てており、狂ったフリをしていた可能性が示唆されている。

ただし完全に理性的かと言われればそうではなく、改造の影響で吸血衝動を抑えきれず、血で満たされていないと狂い出す。
おまけに吸血鬼のようにその辺を噛めば吸える訳でもないらしく、劇中では捕らえた女性をいちいち手術台に寝かせて科学班にチューブで採血してもらい、容器に移し替えて飲むという工程を挟んでいた。
タチの悪い事に自力でこなせないようで、ドクトルGに拉致の上納ノルマと引き換えに吸血を求めるシーンがあり、依存症患者のような恐ろしい形相で呻いている。


劇中では夜な夜な徘徊してはアジトで捕虜の女の血を貪っていたが、ある日その様子を幸子に目撃されてしまう。

「兄がまさかあんな化け物になっていたなんて…こんな恐ろしいこと誰にも言えない…」
「私にとってはたった一人の兄…必ずいつか元の体にしてあげるわ…きっと…」

妹は兄を失う恐怖に苦悩し、やがてその様子を見ていた風見志郎によって事件が発覚する。



【活躍】

湖にサイクリングに来ていた若者グループを襲い、男は戦闘員へ、女は自身のエネルギー源にする作戦を遂行する。
その中で湖を訪れていた風見志郎一行と遭遇し、V3と戦闘し追い詰めるも妹の探し求める声に動揺し、その場を逃げ出す。

その後、幸子とも知り合いだった風見の訪問を受けるが、黒田の姿でノイローゼを装い誤魔化すが、夜中にデストロンのアジトで血を啜る姿を幸子に見られてしまう。

兄が怪物になってしまったと苦悩する幸子はデストロンのアジトに単身向かい、ドクトルGに兄を人間に戻すことを懇願する。

「お願いです!兄にこれ以上、悪いことをさせるのをやめてください!」

「黙れ!お前の兄は我がデストロンの忠誠を誓ったのだ。お前も諦めて兄と一緒にデストロンに協力しろ」

その間、幸子の様子を不審に思い風見と藤兵衛が調査をしていた隙をついて純子とシゲルを拉致するが、そこで怪物の姿のまま妹と対面する。

「お前はどうしてここへ!」

「お前には血がなければ生きてはゆけん。早くこの女の血を吸え」

妹を手にかけることに躊躇しつつも、徐々に吸血衝動に抗えずに伸びる魔の手。
しかし間一髪で風見が駆けつけ、デルタ光線の罠を乗り越えたV3と再度の交戦となる。

V3を戦闘員が足止めしている間に、エネルギー補給のために純子の血を吸おうとするプロペラカブトを幸子が止める。
見ず知らずの人を傷つけるくらいなら、私の血を吸ってほしいと頼む幸子。もはや兄の面影は失せ、躊躇なく手をかけようとするが、再びV3に阻止されて交戦。

プロペラを飛ばして攻撃するも通じず、「V3反転キック」を受けて倒された。

事件後、花束を持って佇む幸子に、藤兵衛は声をかける。

「あの怪人があなたの兄さんだと知っていても…私たちはあの怪人を倒さないわけにはいかなかった」

いいえ、と幸子は否定する。
優しかった兄、本当の兄はあんな怪物ではない。天国で微笑んでいるに違いないと。

友人を倒し、そして一人の少女を悲しませてしまった風見志郎は、一人俯くのであった。

【漫画版】

山田ゴロがスカイライダーの放送に伴い連載していた初代〜ストロンガーの振り返り漫画のV3編に登場。
こちらでは息子を事故で失うが、加害者が政府高官であったために闇に葬られ、復讐心に駆られデストロンの改造手術を受けた父親、というこれまた濃い設定である。
人間社会への復讐とV3抹殺という使命こそ忠実に遂行するが、脳改造を受けても父親としての情が心の奥底に残っており、作戦に子供が巻き込まれると酷く狼狽する。
やがて完全に人間の心を取り戻すとV3に自らを倒すように頼み、風見はその遺体を息子と同じ墓で眠らせた。



【余談】


  • 仮面ライダーの王道的なモチーフである昆虫を取り入れた正統派なデザインに加え、「たった一人の妹を残して改造人間となった兄」という、風見志郎のネガとでもいうべき強烈なキャラクター像とエピソードは一際印象に残る。それゆえなのか、山田ゴロの漫画版でも独特の翻案で登場した。こうした人心を狂わすデストロンの恐ろしさは度々描写されるようになり、やがてプロペラカブトとは似て非なる友との対決を経てライダーマン編として結実する事になる。

  • 非常に重いエピソードなのだが、冒頭で水上スキーを楽しむ風見先輩がえらくコミカルである。プロペラカブトに引き摺り込まれた被害者をただのカナヅチだと誤解した時のリアクションはかなり暢気。

  • カルビーの「仮面ライダーV3カード」の435番では、「プロペラカブトムシ」の名前になっていた。



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最終更新:2026年06月04日 18:43