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サイレントヒル: リベレーション(映画)

登録日:2026/05/23 Sat 21:56:02
更新日:2026/07/13 Mon 17:36:12
所要時間:約 13 分で読めます





謎を解くまで、

逃げられない

究極の迷宮、

〈サイレントヒル〉再び。


『サイレントヒル: リベレーション(原題:Silent Hill: Revelation)』*1は、2012年10月26日より公開されたフランス/アメリカ/カナダ合作によるサイコロジカルホラー映画。
KONAMIの人気ホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズを原作とする実写映画シリーズの第2作で、今作では前作の直接の続編であると同時に、ゲーム作品『サイレントヒル3』をベースとした内容となっている。
日本では2013年7月12日にプレシディオ配給・PG12指定で公開された。


【概要】

監督はホラー映画でキャリアをスタートさせたマイケル・J・バセットで、彼女はメインの脚本も担当している。
原作ゲームからは大きく設定を逸脱しつつも原作ゲームファンからも好評を得た前作の直接の続編とされつつも、今作より大幅に原作ゲームに寄せた世界観と設定へと路線変更されることになった。

……が、普通ならば原作リスペクトとして喜ばれそうな原作要素が、上述の通りで原作ゲームから逸脱していた前作の設定に引っ張られた結果として、ファンにとっては許し難い改変を加えられた忌むべき作品として捉えられてしまうことに。
……結果として、多くの否定的な意見を寄せられてしまった末に、公然と「最悪の実写化映画」と言われる結果となってしまった。
……製作陣が原作ゲームを好きなことは節々からも伝わるし、だからこその設定の再編であったとは思われるのだが……難しいものである。

また、原作に寄せたということからも薄々と察せられるように、全くの予備知識の無い人間にとっては、どう逆立ちしても複雑な世界観や設定を理解できない内容となってしまっているのは映画として大いに問題がある部分であろう。
如何に(恐らくは)原作ファンが製作したとはいえ、本来はじっくりとゲームをプレイすることでやっとこさ理解できる多くの謎と構造を映画では視聴者が当然のように「知っている」ことを前提に話が進められるので、先ず予備知識が無い人間にとってはワケワカメな映画となってしまっていたことは確実である。

……という訳で、原作ファンからもニュービーからも不評を被ってしまった今作ではあるものの、決して原作愛に欠けた作品では無かったということだけは訴えておきたい所である。

【物語】

※以下はネタバレ含む。

記憶には残っていない自らの失踪事件から10年後……今はヘザー・メイソンの偽名を名乗って生活しているシャロンは、今はハリーを名乗っている父クリストファーと共に5度目の転校準備を進めていた最中に、不気味な悪夢を見る。

最初の悪夢は自分を追いかける異形の影と集団……炎に包まれた、かつての自分と同じ顔をした黒い少女との邂逅。

2度目の悪夢は最愛の父が自分の目の前で無残に殺される姿。

……やっと悪夢から醒めたシャロンであったが、誕生日プレゼントとして渡されたパーカーが偶然にも悪夢の中の自分が着ていたのと全く同じデザインであったことに戸惑うのであった。

いざ学校に通う段階になっても何故か自分を知っているらしい初老のトレンチコート姿の男に話しかけられ、学校では転入生をイジる田舎特有の空気に過去の経験からも真っ向から反発を口にして周囲をドン引きさせ……と、自業自得な面もあるとはいえ散々な1日となったシャロンであったが尚も受難は続く。

学校帰りに遊園地に立ち寄っていたシャロンに今朝の初老の男が接触してくる。
慌てて、クリストファーに迎えに来てくれるように頼みつつ逃げようとしたシャロンであったが、ダグラス・カートランドと名乗った男は自分が探偵で“ある集団”の依頼を受けてシャロンを追っていたこと、そしてクリストファーがシャロンに真実を話していないと告げてくる。
過去にクリストファーがシャロンの目の前で殺人を犯していたことは確かだが、実はアレは強盗犯などではなくシャロンを狙う集団の刺客であり、自分もシャロンを追う過程でその集団の危険性を知り、依頼者を裏切ることになると理解した上でシャロンへの警告とクリストファーに真実を話してもらうように伝えるためにやって来たというのだった。
ダグラスの言葉に、確かに自分でも疑問に思っていた部分が含まれていたことから足を止めて話を聞いていたシャロンだったが、突如として出現した“怪物”により目の前でダグラスを殺害されてしまう。

何とか外に出たシャロンであったが、既に警察による封鎖が敷かれており、聞き耳を立てているとダグラスの持ち物から自分の名前と写真が発見されてしまったことから捜査の手が迫るとして逃げ出そうとしたシャロンに対して、偶然にも居合わせた自分と同じ転校生のヴィンセントが話しかけてくる。

慌てていたシャロンはクリストファーも迎えに来なかったことからヴィンセントを頼りに家へと帰るが、そこではハリーを誘拐した犯人からの“サイレントヒルへ来い”とのメッセージが……。

免許証を持っていないと言うシャロンは、ここでもヴィンセントを頼りにサイレントヒルへ……愛する母ローズが消えた町と向かうのだが……。

【主要登場人物】

※以下は更なるネタバレ含む。
※吹替は劇場版/ソフト(VOD)版の順。

  • ヘザー・メイソン/シャロン・ダ・シルヴァ/アレッサ・ギレスピー
演:アデレイド・クレメンス/吹替:福田彩乃/坂本真綾
本作の主人公。近く18歳となるJK。
前作のシャロンが成長した姿であり、母ローズに裏世界の方のサイレントヒルから救い出された後に父クリストファーに保護され、以降は名前を変えつつ父娘のみで各地を転々としていた。
前作の前後となる記憶が丸々と欠如しており、恐らくは父娘が放浪する切欠となったであろう“教団”の刺客をクリストファーが殺害した件も、あやふやな記憶のまま強盗犯に襲われたのに反撃しただけ、という父の言葉を信じていた。
しかし、近頃になって不気味な闇に包まれた異世界とも呼ぶべき情景と炎と闇に包まれた、過去の自分と同じ顔の少女の姿を悪夢として見るようになっていた上に、物語の冒頭では愛する父が殺される悪夢まで見たことでナーバスになっていた所で今回の事件に巻き込まれることになる。
ヴィンセントから正体を明かされるなどする中で、徐々に過去の記憶と自分が“何者であったのか”を知り、全ての決着の為にサイレントヒルの闇の深淵へと向かう決意をする。

  • ハリー・メイソン/クリストファー・ダ・シルヴァ
演:ショーン・ビーン/吹替:山野井仁
シャロンの父……血は繋がっていないものの、前作の異常な事態を乗り越えても自分の下へと帰ってきてくれた娘を心から愛しており、過去にはシャロンを狙ってきた“教団”の刺客をも殺害している。
前作では、突如としてシャロンの身に起こった人知を超えた事態に混乱して取り乱す姿を見せていたものの、今作では妻ローズが自らの身を賭してまでシャロンを救い出したことを痛感すると共に自らがシャロンを守り抜き、更にはローズをも救う覚悟を以て行動している。
━━遂に、シャロンの行方を突き止めた教団によってシャロンをサイレントヒルへと呼び寄せるための囮として誘拐されてしまうが……。

  • ダグラス・カートランド
演:マーティン・ドノヴァン/吹替:大塚芳忠
初老の私立探偵。KONAMIコマンドを入れていないからか変態紳士スタイルではない。
“教団”の依頼を受けてシャロンとクリストファーの行方を捜していたが、タイミング悪く父娘の居場所を伝えてしまった後で“教団”の危険性に気づき、シャロンに接触して警告を与えようとした所で刺客により殺害されてしまうことになる。

  • ローズ・ダ・シルヴァ
演:ラダ・ミッチェル/吹替:渡辺美佐
前作の主人公でシャロンの母。
前作にて、自らが“裏世界のサイレントヒル”に閉じ込められてしまうことと引き換えにシャロンを救い出すが行方不明となってしまう。
……しかし、度々に夫クリストファーの幻覚として現れており、クリストファーはそれをローズ生存の証と信じている。

  • スキ
演:ヘザー・マークス/吹替:種田梨沙
偶然から“裏世界のサイレントヒル”に迷い込んだ上に“マネキンモンスター”の犠牲になろうとしていた少女。
シャロンに救われて行動を共にしようとするが、再びマネキンモンスターに襲われた際に拐われてしまう。

  • ヴィンセント・クーパー(ウルフ)
演:キット・ハリントン/吹替:浪川大輔
偶然(●●)にもローズと同じ日に転校してきた少年で、余所者同士としてローズに仲良くなろうと声をかけていたのにフラれてしまっていたものの、その後のダグラスの殺害やクリストファーの誘拐を経てなし崩し的にシャロンに頼りにされるようになり、共にサイレントヒルを目指すことになる。
━━実は、闇に閉ざされ続けている“裏世界のサイレントヒル”の住人であり、シャロンを連れ戻すための刺客として送り込まれていた。
……しかし、自分達が恐れ続けてきた悪魔=アレッサの半身であるシャロンが普通の少女であることを知り、内心では戸惑っている内に共に行動する中で自分の考えが正しいことを確信。
自らシャロンに正体を明かすと共に偽りのない協力者として“裏世界のサイレントヒル”へと入り口を示すが、裏切り者として母クローディアの下へと連行されて離れ離れになってしまうことに。

  • ダリア・ギレスピー
演:デボラ・カーラ・アンガー/吹替:定岡小百合
アレッサの母。
今も闇に因われたアレッサが闇を振りまき続ける“裏世界のサイレントヒル”に身を置きつつ、その身を感じている。
現れた娘の半身であるが人の愛=光を授けられたシャロンに辛辣な言葉をかけつつも、シャロンが救いとなることに微かな希望を持ちつつも過去の記憶を明かして去っていった。

  • クローディア・ウルフ
演:キャリー・アン・モス/吹替:田中敦子
闇堕ちしたトリニティ。ヴィンセントの実母にして“裏世界のサイレントヒル”にて辛うじて存続している“教団”=ヴァルティエル派の司祭。
映画では、前作にて最大の巨悪として描かれたクリスタベラの妹という設定になっており、つまりはダリアとも姉妹ということになっている。
サイレントヒルの闇を祓う悲願を達成するべく、息子ヴィンセントに苦痛となる刻印を躊躇わずに与えて送り出すなど酷薄な性格で、過去に“どうしてアレッサが闇に因われたのか”という事実を知っていても尚も、その事実に目を向けようともしていなかった。
……最後には、アレッサとの融合をも果たしても尚も光を失わなかったシャロンにより、自らの過去の行いの報いを受けて自業自得とも呼べる末路を迎えることになる。

  • レナード・ウルフ
演:マルコム・マクダウェル/吹替:石田太郎
幽閉されていたクローディアの実父で、かつての“ヴァルティエル派”の司祭。
ヴィンセントがシャロンに“アレッサに対抗できる手段”として託した“メタトロンの紋章”の元々の持ち主であり、真に紋章の力を解放するにはレナードが持っているもう半分の紋章が必要となるということからヴィンセントによりシャロンはレナードの下へと導かれることになる。
長年の幽閉により視力を喪っており、当初はクローディアと敵対するシャロンの存在を喜んでいたものの、完全となった紋章の力によりシャロンがアレッサの半身だと知ると憎悪と共に襲いかかり、その際に紋章の力か悍ましい怪物の姿へと変貌した。

  • アレッサ・ギレスピー
  • 少女時代のシャロン
演:エリン・ピット/吹替:釘宮理恵
“裏世界のサイレントヒル”に囚われ続けている“ヴァルティエル派”の教徒にとっては、自分達を閉じ込めると共にクリーチャーをも生み出す闇を振りまく存在として“悪魔”として畏れられていた。

  • トラヴィス・グレイディ
演:ピーター・アウターブリッジ/吹替:GACKT立木文彦
エピローグにて、普通の世界へと帰ってきたシャロンとヴィンセントを快く乗せてくれた長距離トラックの運転手。……『サイレントヒルゼロ』の主人公。

【登場クリーチャー】


  • アームレスマン
前作に登場した両腕が縛られているかのような形で存在しない(か退化した)姿の人型の異形。
シャロンが転校先の学校にて幻として目撃する。

  • ロビーくん
レイクサイド遊園地のマスコット。
シャロンが目撃したものは口元が血にまみれていた。
原作ゲーム『サイレントヒル3』と『サイレントヒル4 ザ・ルーム』からの出張。

  • マネキンモンスター
複数体のマネキンが合体して巨大な蜘蛛のような姿となったクリーチャー。
獲物を糸で囚えた後にマネキンに作り替え、更に自らの一部にしてしまうという悍ましい捕食方法をしていた。
設定的にはアレッサの心の闇(監視対象となっていたことへの苛立ちと現在の自分が自然な状態ではない作られた状態にあること)が生み出した存在であるらしい。

  • ロボトミーモンスター/狂人
ダークナースの手術(強制的なロボトミー手術)により従順に動く兵隊へと変貌させられてしまった反逆者や犠牲者達。
病院の地下にも大量に収監されており、逃げようとするシャロンに手を伸ばしたが三角頭に次々と腕を切り飛ばされた。

  • ダークナース
病院にて“ヴァルティエル派”が使役している(つもりになっていた)女性型のクリーチャー。
エロい体つきだが顔が無い。
前作にも登場していたが、今作では光に反応していた前作とは違い音に反応しているので別種なのかも知れない。
反逆者や敵対者を手術で作り替えて従順なロボトミーモンスターに作り替えてしまうのが役目。

  • ブレスレン
厳密にはクリーチャーではなく、扮装した“ヴァルティエル派”の信徒。
シャロンも悪夢の中で見知っていた。
ローブ姿でガスマスクを装着したりと、一見すると不気味な姿だが中身はただの人間。
なので、戦闘能力も低い。

  • レナード
完全な“メタトロンの紋章”を得たことでシャロンの正体を知って襲いかかってきたレナードが己の醜い本性を暴かれると共に変貌。
ゲームとは対峙するシチュエーションも違うためか大幅にデザインが違っている。
シャロンを追い詰めんとするが、変身の原因となった紋章を抜き取られると共に自滅した。

  • ダークアレッサ
前作のラストにて解放されると共に、闇を振りまき続けるアレッサの邪悪な半身。
幼い頃のシャロンと同じ顔をしていたが、シャロンと対峙した時には一体化するためだったのか成長して現在のシャロンと同じ姿となった。
ローズとクリストファーの愛を受けて光のある世界で生きてきたシャロンに嫉妬しており、自らに吸収することでシャロンを消し去ろうとするも、反対にシャロンに吸収される形で消滅させられた。

クローディアがシャロンが握らせた“メタトロンの紋章”により、その邪悪な本性を暴かれた姿。
原作ゲームにも同名のクリーチャーが登場するが、映画ではクローディア自身が変身した存在の為に女性形で、更に明らかに非人間的な怪物として描写されている。
……ダグラスを抹殺した当人でもあるが、クローディア達は“裏世界のサイレントヒル”から出られなくて困ってたのに自由に行動しているように見えたりと色々とツッコミどころがある描写となってしまっている。
ただし、正体を暴かれた後の三角頭との対決だけは評価する声も多い。

  • レッドピラミッド}
前作にも登場した、闇を率いて現れる頭部を歪な三角錐型の兜で覆われた筋骨隆々で巨体の大剣を引き摺って歩く人型のクリーチャー。
今作では解き放たれたアレッサの守護騎士とされており、それ故に“ヴァルティエル派”の信徒達からもアレッサと並ぶ仇敵にして、最も畏れられる存在となっている。
病院では“メタトロンの紋章”を手に入れて脱出しようとしたシャロンの前に現れて動揺させるが、襲いかかるどころか脱出を手助けするような動きを見せており、更に最後の戦いではアレッサと一体化したシャロンを守るかのように出現し、ミショナリーと化したクローディアの頭を切り飛ばした。

【余談】

  • 今作は3D上映されることを見据えて製作されており、そのために監督の意向により通常の2Dで撮影→3Dに移行させるのではなく、最初から3Dカメラで撮影されている。
    実際に、日本では2013年7月12日より3D仕様の『サイレントヒル: リベレーション3D』として、TOHOシネマズ六本木などで全国公開された。

  • また、映画の公開を記念してとしまえんにて2013年7月に『体感型脱出ゲーム サイレントヒル リべレーションREAL』が開催された。
    謎解きゲームではあるが、何方かと言えば謎解きよりも映画(ゲーム)の世界観を体感できるお化け屋敷風アトラクションであり、好評から追加開催もされた。




追記修正は記憶を取り戻してからお願い致します。

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最終更新:2026年07月13日 17:36

*1 “Revelation”とは“啓示”の意。