登録日:2011/03/02(水) 13:44:40
更新日:2025/07/15 Tue 21:29:56
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性能(20インチバレル)
全長:790mm
重量:3600g
使用弾:
5.56mmNATO弾
装弾数:30+1
発射速度:650発/分
銃口初速:940m/秒
作動方式:ショートストロークガスピストン ターンロックボルト
概要
シュタイアーAUGとはオーストリアのシュタイアー・マンリヒャー社が開発した
ブルパップ式
突撃銃である。
AUGはArmee Universal Gewehr(軍用汎用小銃)の略でアウグと読む。
1977年採用とFA-MASと同じく古株。オーストリア軍ではStG 77と命名された。
ブルパップ式で人間工学に基づいたユニークなデザインをしている。
シュタイヤー・マンリヒャー社とは
オーストリアで新顔のグロックと並ぶ老舗銃器メーカーで綴りはSteyr Mannlicher。
ヨーゼフ・ヴェアンドルが1864年に設立した銃器工場を元としたシュタイヤーグループの銃器部門とシステム=マンリヒャー社とが1889年に合併して誕生。
軍用銃を主力として拳銃や競技銃の生産を行っている。
読みはオーストリアドイツ語準拠ならシュタイヤー・マンリヒャー、英語ではステイアー・マンリカー。
日本ではステイヤー/スタイヤー/マンリカと呼ばれ、遊戯銃界隈ではステアーと呼ばれる。
特徴、長所
黎明期といえる次期にブルパップ式を採用。
排莢方向も部品交換で切り替え可能であり、スイッチングは難しいものの左利きをサポート。
キャリングハンドル兼用の1.5倍のショートスコープとバックアップ用アイアンサイトが装備され照準精度も確保されている。
フォアグリップを外せばNATOのアンダーバレルグレネードランチャーにも対応。
また、ガスピストンが銃身右に搭載されており、リコイルスプリングの位置と合わせて秀逸な配置を実現している。
人間工学を意識した挑戦的な操作系統を実装しており、プログレッシブトリガーやマグキャッチの位置などは慣れこそ必要ではあるが直感的。
コッキングハンドルは手動操作時のみレシプロとなるため、手が触れていても発射時に怪我をすることはない。
ハンドガードは標準装備ではなく、代わりにバーティカルフォアグリップを装備している。
強化プラスチックによりロアレシーバーを形成し、マガジンのみならず機関部にも取り入れられている。
当時樹脂を部分的に採用した例はいくつかあったが、大幅に取り入れた例は稀であった。
これらは軽量化ではなく頑丈さや反動吸収の面に重きを置いている。
マガジンは半透明な為、外から容易に残弾の確認が出来るようになっている。
銃身とガスブロック、ボルト、マガジンの交換で
9mmパラベラム弾の
短機関銃や
分隊支援火器、
カービンに変化。
頑丈さとガスブロックの交換により(L85とL86のような)ガスブロックのつまりなど連射に弱い部分を克服している。
ストーナー63などが目指したシステムウェポン。ベストセラーとなったことで突撃銃ベースの支援火器などの道を示したといえる。
欠点
ブルパップ式共通の欠点はそのまま。
プログレッシブトリガーを仕込んだことでトリガープル(引き心地も重さも)が悪化。マイナーな操作でもあるので慣れが必要となる。
民間市場では分隊支援火器向けのヘビーバレルが販売されておらず、サードパーティー製ヘビーバレル装備のAR-15等に比べると精度に難がある模様。
シリーズ
本国
AUG A1:初期及び小改良モデル
AUG A2:トップに少し浮かせたピカティニーレールを追加しチャージングハンドルの形状を変更
AUG A3:トップレールをより頑丈な一体型に変更し、ボルトキャッチを追加
AUG A3 SF:銃身短縮版
AUG LSW:分隊支援火器モデル
AUG HBAR:ヘビーバレルの機関銃モデル
AUG HBAR-T:狙撃銃モデル
AUG LMG:軽機関銃モデルで本銃のみオープンボルト
AUG 9mm:短機関銃モデル
AUG M203:アンダーバレルグレネードランチャー取り付けモデル
AUG P:警察向けのセミオートカービン
AUG Z:民間用モデル
オーストラリア
F88:オーストラリア生産モデルのAusteyr(オーステイア)。スコープレティクルの変更、SS109弾への最適化、フルオートの無効化を選択できる機能を追加。
F88C:カービンタイプ
F88SA1:トップレールに変更
F88SA1C:A1のカービンタイプ
F88 GLA:M203アンダーバレルグレネードランチャー取り付けモデル
F88SA2:ガスシステムとトップレールの変更、サイドレールの追加、金属部もカーキ色に塗装
F88T:訓練用モデルで.22LR弾向け
F90:2015年からの最新モデル。数多くの変更やSL40アンダーバレルグレネードランチャーの対応、電子制御用パーツの追加など。
その他クローンモデルなども存在。
使用国、使用部隊
- オーストリア国防軍:StG77/StG77 A1/StG77 A2コマンドー(AUG A3 SF)
- オーストラリア陸軍:F88/F88C/F88S/F88T/F88SA1/F88SA1C/F88SA2/F90
- アイルランド国防軍
- ニュージーランド国防軍(F88)
- イタリア軍警察対テロ特殊部隊GIS
- ドイツの特殊部隊GSG-9
- イギリス特殊部隊SAS/フォークランド諸島防衛軍(2019年まで)
その他30ヶ国以上。50年近く経とうとしている銃とは思えないほど息が長く、突撃銃のベストセラーである点を感じられる。
フィクション
- ニキータ(フランス映画)
- スズメバチ(フランス映画)
- ダイ・ハード(カールが使用)
- SAS英国特殊部隊(シーズン3)
- Op.ローズダスト(真野留美が使用)
- Fate/Zero(久宇舞弥が使用)
- シャーマンキング(ライハイトが使用)
- コマンドー(アリアス元大統領が使用)
- 恋人はスナイパー(主人公がスナイパーライフルではなくAUGを使用)
- GUNSLINGER GIRL(アンジェリカが使用)(担当官が元GISの隊員だったから?)
- Phantom-PHANTOM OF INFERNO-
追記修正よろしくお願いします。
- 他には映画「トランスポーター」とかアメドラ「ウォーキング・デッド」のシーズン3とかね -- 名無しさん (2013-08-04 14:19:43)
- 実はこう見えて、AR-18の流れを汲んでいる。あのジャムおじさんと元ネタはいっしょなのだ。 -- 名無しさん (2014-07-29 01:54:23)
- 虚淵作品にはかなりの頻度で登場、年齢的に思い入れがあるのだろうか -- 名無しさん (2014-10-31 05:40:47)
- ゲームだと大抵の場合スコープはあるのに命中率は狙撃銃より遥かに低く、近接戦では突撃銃に劣る不遇の銃。一方ゴルゴ13では狙撃銃の命中性と突撃銃の俊敏性を兼ね備えた恐るべき銃として描かれていて、ギャップに驚いた。 -- 名無しさん (2022-02-19 22:45:12)
- オーストリアとオーストラリアが紛らわしくなる原因のひとつ。 -- 名無しさん (2025-07-15 21:29:56)
最終更新:2025年07月15日 21:29