登録日:2009/09/12(土) 02:16:10
更新日:2024/10/17 Thu 02:06:15
所要時間:約 5 分で読めます
願わくは
花の下にて
春死なむ
その如月の
望月の頃
■概要
上海アリス幻樂団が送る少女弾幕奇譚。
紅魔郷と比べて全体的にクオリティが上がった。
本作からエネミーマーカー及び低速移動時のエフェクト(当たり判定)が追加。
高速ショットと低速ショットが全く別物になったのもこの作品から。
本作だけのシステムとして、『森羅結界』が存在する。
簡単に説明すると、『桜点』という点数が一定数を超えることで発動する時間制限有り簡易バリア。
時間内に被弾、ボムボタンで発動。画面内の弾を小桜点アイテムにして回収する。制限時間内に発動しなかった場合、桜点に基準したボーナスが入る。
初心者はボムの代用として使えば大丈夫、というか制限時間を超えた場合、ボーナス点が底上げ=発動までのスパンが長くなるため、制限時間が切れる前に自分から発動させるべき。
そのため実は「ホーミング性能は高いがそれだけ」という霊夢Aや咲夜Aより、「ホーミング性能こそないが火力があり桜点稼ぎも容易」という霊夢Bや咲夜Bを使った方が攻略自体は楽だったりする。
また、今作の特徴としてノーマル、ハード、ルナティックで敵の攻撃(特にスペルカード)がまったくの別物レベルで変わることがある。
特にプリズムリバー三姉妹はこの傾向が極めて顕著で、合体攻撃は間違いなくハードの方が簡単。
単体スペカに至っては一番キツいのがルナサのハード時でありルナティックの方が簡単という初心者の鬼門。
そもそも敵の弾が多いと先述の森羅結界を割った時に回収できる桜点も増えるため、慣れてくるとほとんどのステージで高難易度の方が簡単になるという変なゲーム。
黒幕にバックストーリーが設定されたのも本作から。
ストーリー、システム、音楽等高いレベルでまとまっており、現在でも東方最高傑作として推す人も多い。
当時はコンシューマーゲームに比べると低価格で話題性もあり、金欠で背伸びしたがりな中高生オタクなどを取り込んで一気に肥大化していった、東方ブームの火付け役。
「攻略するだけなら難易度は低めだが、縛りや稼ぎを行うと途端に牙を剥く」という性質からSTGの入門編にもぴったりで、
特に初心者の場合は「Phantasmで10億点」というかなり分かりやすい目標ラインがあったことからちょっとしたやりこみ要素もあったほど。
さらにケイブ作品をはじめとした「弾幕シューティングゲーム」という、極めて敷居が高くニッチ極まりないゲームの知名度を上げることにも一役買った。
現在では「非常に簡単にクリアでき、BGMや背景が美麗で、さらに二次創作で人気な河城にとりや東風谷早苗が初登場した」という点から風神録を初心者向けや最高傑作として挙げる人が非常に多いが、
風神録~星蓮船の頃は「傑作と言えば妖々夢か永夜抄」と断言する人も多かったほどに人気を博したタイトル。
作品の舞台は冥界、
白玉楼。
西行寺幽々子、魂魄妖夢、八雲一家など二次創作で人気の高いキャラの初出であり、
永夜抄や萃夢想など後の作品でもたびたび登場するキャラの初出。
■あらすじ
辺境から暖かさが奪われ、永い冬が訪れた。
白銀の悪魔は幻想郷の人間を黙らせた。
時は経ち、次第に春の香りが訪れる頃になった。
いつもなら、幻想郷は白い吹雪から桜色の吹雪に変わるはずだったのだ。
そして春はまだ、来ない。
(以上公式サイトより)
何者かが『春』を盗んでいって、五月になっても雪が止まない幻想郷。
桜の花びらの跡を追って、三人の少女は空を行く…
■自機
○
博麗 霊夢
「まあ、取りあえずは目の前の障害から」
この頃の二次では魔理沙とアリスから想いを向けられていた、モテモテな楽園の素敵な巫女さん。
ボム3個に当たり判定小、といつもどおりの使いやすさ。
喰いボム判定も長い。
雑魚に強くてボスに弱い低威力の追跡弾。
高速時のボムは『夢想封印・散』
低速時のボムは『夢想封印・集』
使うなら『集』の方で。
針巫女。高威力で桜点がたまりやすい。
低速時は攻撃範囲が狭まるので注意。
高速時のボムは『封魔陣』
紅魔郷時と同じ物。
低速時のボムは『二重結界』
自機周辺にしか効果がないが威力は高い。
マリアリ?あー?なんだそりゃ。あいつは恋敵(二次)だぜ、な普通の魔法使い。
ボムが2個しかなく、移動速度も速い為、ある程度STGやってる人向け。
蒐集家なだけはあってアイテム取得有効範囲は大きい。
高威力なミサイルを撃つ。が相変わらず範囲の狭い正面集中型。
高速ボムは『スターダストレヴァリエ』
低速ボムは『ミルキーウェイ』
どっちの性能も心底微妙。そんなんだからよっちゃんに…
レザマリ。高速時のレーザーは微妙、しかし低速時は全機中最高の攻撃力を誇る。
高速ボム『ノンディレクショナルレーザー』
至近距離から当てればマスパ以上の威力なのでできればこちらを使いたい。
前作のパチュリーの通常攻撃をモチーフにしたもの……なのは次回作の永夜抄で敵として使ってきた場合で、今作では小型マスパを3つぐるぐる回す攻撃。
低速ボム『マスタースパーク』
お馴染み恋の魔砲。持続時間が長いことが取り柄だが、所持ボム2つという条件に合うかと言われると微妙なところ。
かつて6面トレモで「適切にマスパだけを使う不動クリア」という怪リプレイが話題になったことがあるため、ゲーム性に愛されてないだけで性能自体は強い……はず。
○
十六夜 咲夜
「大丈夫、一本の蜘蛛の糸さえあれば極楽の境界を見つけられる」
時を止める紅魔館のスーパーメイドさっきゅん。
異変を解決するまでお嬢様からお暇をもらいました。
移動速度中、かすり判定広。そしてなんとボム4個。とりあえず攻略したい人向け。
しかし咲夜Bの方は稼ぎ性能がぶっ壊れて高いので、稼ぎプレイヤーも大体使う。咲夜に始まり咲夜に終わるのが妖々夢だ。
高速時と低速時の速度変化が少ないため、精密動作は苦手。
この時期は前作の敵キャラだったこともあり、まだ割と口が悪いキャラだった。
高速時は超広範囲・低威力。
低速時はロックオン&ホーミング。ボスには低速を使いましょう。
高速ボム『インディスクリミナイト』
画面全体を一掃するボム。
低速ボム『殺人ドール』
至近距離に集中攻撃するボムだが、火力はそんなに高くない。個数のアドバンテージを生かしたい。
というか「抱え落ち」がどれだけ攻略を遠ざけるかということを実感するので割と初心者向け。
左右移動の入力に合わせてショット発射角度が変化。低速時は高速時の傾きのまま固定した角度にサブショット発射。
地味に攻撃力が高く、桜点稼ぎ性能も高く、ボムも4個でこのボムの性能も桜点稼ぎに向いている。
操作性に癖があるため上級者向けとされやすいが、短所はせいぜいボムに攻撃力が存在しないことくらいなので、ぶっちゃけさっさとこの操作性に慣れてしまうのが攻略への最短ルートだったりする。扇を開いた幽々子が相手のときはほぼボーナスステージ。
高速ボム『パーフェクトスクウェア』
低速ボム『プライベートスクウェア』
高速ボムは画面全体の敵弾を無効化する回避用ボム
持続時間が長く弾消しや稼ぎに向くが発動中のショットは弱体化する
低速ボムは自機の周りをヨーヨーみたいに動くボム
こちらは発動中も敵が攻撃するので桜点が稼ぎやすい
というか使えば使うほどスコアが稼げるという意味不明な事態に
ステージ&ボス紹介
Stage 1
『白銀の春』
BGM:無何有の郷 ~ Deep Mountain
チルノ
セリフはない。高難易度をプレイしていると何度も何度も顔を突き合わせる。
「リグルキック」のようなネタもないため、今作だとほぼ空気。
ボス
冬の忘れ物
レティ・ホワイトロック
冬の妖怪なので黒幕面をして絡んでくる一般妖怪。立ち絵がちょっとふくよかに見えるので二次創作で変な属性が盛られてしまった。
背景に溶け込むような色の白いへにょりレーザーが特徴だが、近づかなければさっぱり問題にならない。
BGM:クリスタライズシルバー
「春眠暁を覚えず、かい?」
Stage 2
『マヨヒガの黒猫』
BGM:遠野幻想物語
凶兆の黒猫
橙
画面を縦横無尽に動く。非常によく動く。あたりにやけくそのように弾をまき散らしながら動く。ホーミングの利点が生きる。
ただ、後の作品にはもっと嫌な攻撃をしながらどんどん近づいてくるキャラなどがいるので個性は相対的に薄らいでしまった。
BGM:ティアオイエツォン(witherd leaf)
「迷い込んだら最後、2度と戻れないわ」
Stage 3
『人形租界の夜』
BGM:ブクレシュティの人形師
七色の人形使い
アリス・マーガトロイド
オプション(人形)から弾を出す攻撃を仕掛けてくるが、攻略時には「一部の攻撃でたまにアイテムを落とす」という点以外ではあまりその辺を実感しない。
BGM:人形裁判 ~ 人の形弄びし少女
「こんな殺伐とした夜がいいのかしら?」
Stage 4
『雲の上の桜花結界』
BGM:天空の花の都
リリーホワイト
赤と青の丸弾を大量に放ってくる。最高難易度のやけくそのような弾幕は初見で笑うこと間違いなし。
攻略においても稼ぎにおいても攻撃を長引かせてもいいことはひとつもないので、さっさと倒してしまおう。
プリズムリバー三姉妹
BGM:幽霊樂団 ~ Phantom Ensemble
※自機によって初戦相手が異なる
○霊夢ルート
騒霊ヴァイオリスト ルナサ・プリズムリバー
○魔理沙ルート
騒霊キーボディスト リリカ・プリズムリバー
○咲夜ルート
騒霊トランペッター メルラン・プリズムリバー
三姉妹それぞれに特徴があり、途中の攻撃でさらにルートが分岐するというトリッキーなキャラで、特にメルランの「へにょり」と呼ばれる中途半端な追尾性能のレーザーは「咲夜使用時の唯一の問題点」と言われるほどに事故を誘発する。
ノーマル以下とハード以上、ルナサの場合はハードとルナティックでも攻撃がかなり異なっており、特にハード以上に慣れると「ノーマルの方がよほど強敵」となる変なボス。
まだ二次創作人気がさほどでもなかった頃(=キャラクターの好みがBGMの評価に直結する人が少なかった頃)はBGMが極めて人気が高く、これとド派手な弾幕の演出で東方の沼にハマった人も多かった。
「それ、誰?」
「上昇気流」
「私達の天敵ねー」
Stage 5
『白玉楼階段の幻闘』
BGM:東方妖々夢 ~ Ancient Temple
半分幻の庭師
魂魄 妖夢
今作の最難関ボスであり、ここでいかに残機とボムの消費を抑えるかが攻略のポイント。
剣劇アクションにありがちな「抜刀の際にスローモーションがかかる」というアレを敵として仕掛けてくる。これのせいで弾に突然緩急がついて避けづらいが、これがないと難易度がもっと跳ね上がる。
この時代の立ち絵は剣の鍔が頭の中途半端な位置にあり、それとリボンと立ち絵の目つきの悪さが組み合わさるせいで猫耳っぽく見える。
難易度を物語るエピソードとしては、たとえばRTA文化の間口を広げたあるゆっくり実況者のアバターが妖夢なのは「攻略中に7乙したから」とのこと。それくらい難易度が高い。
BGM:広有射怪鳥事 ~ Till When?
「…妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、あんまり無い!」
Stage 6
Perfect Cherry Blossom
厭離穢土
欣求浄土
『彼の世に嬢の亡骸』
BGM:アルティメットトゥルース
魂魄 妖夢
ゆっくりとした弾速の攻撃を画面にばらまいていくタイプのボス。大玉の当たり判定に気づくと難易度が一気に下がる。
また、攻撃の途中で扇を出すことがあり、この扇に攻撃してもダメージが入る。これは攻撃範囲の狭い自機への救済措置なのだが、霊夢Bや咲夜Bの高速ショットで桜点を荒稼ぎしやすい。
そのため「この救済措置のない妖夢の方が難易度が高い」という評価になりやすいというわけ。
さらに東方の伝統となる「スペルカードは5回」をラストスペル「反魂蝶 -○分咲-」で変則的に破って、ほっとしたプレイヤーの残機を刈り取っていく。
BGM:幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life
BGM:ボーダーオブライフ
「あら、私は興味本意で人も妖怪も死に誘えるわよ」
Extra Stage
『妖怪の式の式』
BGM.妖々跋扈
すきま妖怪の式の式 橙
すきま妖怪の式
八雲 藍
東方のEXの伝統、6~8段階の通常攻撃に9~10枚のスペルカードというボスラッシュ型のボス。
見掛け倒しの攻撃も多いが、「四面楚歌チャーミング」をはじめ主の紫よりもえぐい攻撃が何種類かある。
Phantasmを解禁するとだんだんプレイしなくなる悲しい難易度のボス。あとスペルカードのネーミングセンスが絶句するほどアレ。
♪少女幻葬 ~ Necro-Fantasy
「ご主人様はぐっすりお休みですわ」
Phantasm
『人妖の境界』
BGM.妖々跋扈 ~ Who done it?
八雲 藍
神隠しの主犯
八雲 紫
東方を代表する人気キャラの初出。通常攻撃はEXの藍と共通、一部のスペルカードも非常によく似ている。
さほど難易度が高いわけではないが、「光と闇の網目」「禅寺に棲む妖蝶」「弾幕結界」などビジュアル的に非常に映えるスペルカードを持っており、
「シューティングゲームといえば何はともあれ『上や右にいる敵から放たれた弾が自分へ向かってくるのを避ける』ものだ」という固定観念を強烈に打ち破るこれらの演出が、ファンを増やす一因にもなった。
Phantasmのスペルカードはシューティング初心者でも練習次第で所得できる程度の難易度なので、BGMの「ネクロファンタジア」ともどもかなり人気があった難易度である。
♪ネクロファンタジア
「あなたは気がついていない」
二次創作での東方妖々夢
前作と比べてシリアスな話が多いようだ…が。
らんしゃまー
ちぇぇぇぇぇぇん!
八雲 紫、17歳で~す!
「妖夢~お腹空いた~!ご飯まだ~!?」
「幽々子様…さっき食べたばかりでしょ…。」
…もう何も言いたくない
追記、修正よろしく
最終更新:2024年10月17日 02:06