黄金バット

登録日:2011/09/06 Tue 21:13:43
更新日:2025/04/18 Fri 21:37:14
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フハハハハハハノ\ノ\ノ\


黄金バットとは、戦前の紙芝居のタイトル、及び同作で主役を務めるキャラクター。
日本が生んだ世界最古の等身大スーパーヒーローである。
声優は小林修。

●概要

なんと誕生は1930年。アメリカンヒーローとして名高いスーパーマン(1938年)、バットマン(1939年)よりも早く、コミックス(イラスト媒体)のスーパーヒーローとしては世界最古の一人である。

原作者は著作権もはっきりしない時代のため長らく不明とされていたが、鈴木一郎氏が原作の「怪盗黒バット」を制作し、それを永松健夫氏が黄金色に塗り替えたことで誕生したことが判明している。
「怪盗黒バット」最終回において主人公であるはずの黒バットを叩きのめして主役の座を奪うという、鮮烈とかそういうの通り越して理不尽なレベルのデビューを飾った。
その後『黄金バット』を主役とした新作紙芝居を蟻友会の後藤時蔵、高橋清三、田中次郎が制作し、これが人気を博す一方で多くの紙芝居屋が独自の黄金バットを次々と発表していき、広く存在が流布されるようになる。
しかし戦中の空襲などで当時の紙芝居倉庫*1が焼失し、また頻繁に読まれる紙芝居は消耗が激しかったこともあって、オリジナルの『黄金バット』は失われてしまった。
トーテンコップの記憶も生々しい戦後は黄金バットの影響力を恐れたGHQにより黄金の白人男性に置き換えようとする動きもあったようだが、これは失敗に終わっている。
1947年頃から永松健夫氏による絵物語が少年画報社「冒険活劇文庫」にて発表され、1950年に鈴木一郎氏が原作、加太こうじ氏が脚本・作画を担当した紙芝居『黄金バット ナゾー編』が発表され、やがて今日における黄金バットのイメージが固まった。
冒険活劇文庫の『黄金バット 科学魔篇』が1950年に打ち切られたり、1952年に綱島書店から出版された加太こうじ氏による絵物語では黄金バットの姿が前述の黄金貴公子に変えられ 蛇王と恐竜が悪玉で動物型タンクが善玉 と善悪が逆転されたりしていたが、
『少年画報』と名を変えた冒険活劇文庫で同年に連載された『冒険探偵絵物語 黄金バット』では永松健夫氏による長髪ドクロ貴族姿の黄金バットが無事復活し、
1956年には講談社『少年クラブ』で永松氏自身が『なぞの巻』をリメイクした読み切りも掲載される。
その後1950年、1966年の実写映画、1967年のTVアニメでその地位を不動のものとしている。

このように紙芝居他、白黒映画、小説、漫画、アニメと展開されており、メディアによって設定も異なるが、
その見た目は「黒のマントを纏い、銀の杖を手にした、黄金の髑髏の怪人」という、ほぼ完成された姿で統一されている。*2
ここではアニメ版に登場した黄金バットについて解説する。

●人物

外見的特徴は全身光り輝く黄金であり、襟の大きな黒マントを羽織っている。不気味な骸骨頭に赤黒く光る瞳など見た目は完全に悪役。
一万年前に沈んだアトランティスの地下で眠りについていたが、棺を発見し自分を復活させた少女、マリーの祈りに応えて印象的な高笑いと共に現れ、正義のために戦う。
金色に輝く蝙蝠を使役しており、マリーへの使いとして度々よこしている。
見た目は怖いが非常に紳士的な人物で、主人公達に戦いの虚しさ、醜さを説き、子供が戦いに参加することは絶対に許さない。時には厳しく戒める。

曰く
『戦いはいつだって醜いのだから、そんなものは私一人に任せておけばたくさんだ』
とのこと。

アトランティス以前の出自、正体、パワーソースは一切不明で、神秘性充分。
「偉大な力により死ぬことが出来ない」と作中で言及されており、何やら壮絶な宿命を背負っている様子*3


●戦闘能力

黄金バットを語る上で欠かせないのは、その絶大すぎる戦闘力である。
作中で「強い!絶対に強い!」と断言されるだけあり、その力はまさにチート。
存在自体がデウス・エクス・マキナと言って差し支えない。

基本戦闘スタイルはシルバーバトンを使った格闘戦。
強力な超能力を持ち、影分身、破壊光線、コピー+強化能力、天候操作を頻繁に行う。
神出鬼没で、海底だろうが宇宙だろうが自由自在。
挙句の果てに、四次元や二次元に入ったり、夢に出たりとやりたい放題。
敵対する者には容赦がなく、相手が宇宙怪獣だろうが、巨大ロボットだろうが関係なく徹底的に叩きのめす。
地割れによる生き埋めや、天変地異によるオーバーキルがお気に入りの戦法。

そしてその体は絶対的な防御力を誇る。
以下その例
  • 巨大な建物の下敷きになっても建物が壊れる。
  • 敵であるナゾーの開発した原子分解光線がきかない。
  • 火炎もきかない。
  • 冷凍攻撃もきかない。
  • ニードルガンもきかない
  • 放射線もきかない。
  • 超音波カッターもきかない。
  • 電磁波もきかない。
  • 核爆弾もきかない。
  • 封印もきかない(というかいつの間にか甦る)。

というか、弱点らしい弱点が乾燥くらいだが、行動不能になるだけで防御力はそのまま。1千トンの鉄の固まりを破壊できる腕力でも歯がたたない。
しかもわずかな水分で甦り、最終的には水分無しの封印状態からでも蘇ってしまう。
ちなみに湿度0の砂漠で大暴れする程の保水力はある様子。どっかの氷雪系男子とは大違いである。

仮になんとかして倒しても、「黄金バットは不死身だ!」のセリフとともにすぐまた現れる。ですよねー

敵の攻撃を受け倒れたり、ただの人間に毛の生えたような程度の雑魚に苦戦することもあるが、
上記の圧倒的な戦闘力に加えてやられたようなリアクションを取った直後に平然と起き上がったり、今まで苦戦しているように見えた相手をいきなり一撃で倒す描写から本気で苦戦してるようには見えず、視聴者からは「舐めプ」「遊んでいる」などと言われる始末。
オリンピック会場でハードルを飛びながら戦ったり、無双プレイに夢中になってヒロインの危機に気がつかなかったり、
空を飛べるのに崖から落ちたり落とし穴に引っかかったりと、茶目っ気とサービス精神も旺盛。
「黄金バットに殺されかけるところで目が覚めて『なんだ夢か』と安堵する」というシーンを 悪の組織の首領にやらせた作品 はそうないだろう。

ピンチらしいピンチもなく勝率100%であり、しかも全編通して本気になったことは皆無。
彼の高笑いと主題歌は完全に処刑用BGMであり、その登場自体が敵にとっての死亡フラグ

しかし、別に敵であるナゾーや暗闇バットが弱いわけではない。
実質裏世界は完全に支配し、各国の軍隊を秒殺したり、宇宙怪獣や巨大ロボットを操ったりと黄金バットを除いた相手には無敵であるし、
黄金バットと曲がりなりにも互角に戦えるのだから、その実力は決して舐めて良いものではない。世界征服を半ば成し遂げている有能な悪役なのだ。
暗闇バットについても同じであり、黄金バットがいなければこの世は闇に包まれていたに違いない。

そんなナゾーや暗闇バットがどれだけ「卑怯」な手を使っても視聴者には「必死」に映る。
黄金バットが常軌を逸しているだけなのだ。

●登場人物

◆ヤマトネ博士 CV:村越伊知郎
黄金バットのもう一人の主人公と言っても過言ではないメインキャラクターの一人。日本を代表する物理学者の一人であり、空飛ぶ万能マシン「スーパーカー」の発明者。テレビアニメ版はヤマトネ一味vsナゾー軍団をストーリーの主軸としている。

物理学者ではあるものの、かなり多才な人物であり、万能マシンスーパーカーの開発、無人島の緑化計画、砂漠地帯の農園化計画、海上巨大ダムの建設、象形文字の解読、ウランX製造工場の建築、放射線汚染の無い核爆弾の開発などを手掛けており、専門外の分野においても科学者では無く魔法使いだと称される程の人間離れした頭脳を持つ。

ありとあらゆる分野で世界トップクラスの功績と頭脳を持つせいか、核爆弾保管施設の護衛、ナゾーの陰謀の阻止、軍事アドバイス、地上げなど本業とは全く関係のない仕事の処理を世界の要人たちからよく丸投げされている。

平和を愛する人柄で正義感が強く、黄金バットに対しては真の正義の味方と尊敬と信頼を表し、タケルやマリー、ダレオ共々黄金バットをさん付けで呼ぶ。息子であるタケルの命と世界の命運が天秤に掛った状況でもタケルへの信頼の裏返しか躊躇する事無く切り捨てる判断を下すなど、冷徹とも映る強靭な精神力と決断力の持ち主。

物理学者であるにも係わらず生物学者の会合に参加していたり、一声で国の軍隊をも動かすなど各界への顔も広く、素人には扱えない反動のマシンガンを使った銃撃戦を難なくこなし熟練した身のこなしで光線銃を回避するなど頭脳肉体共に超人の域であり、ナゾーからも黄金バットと並び世界征服最大の障壁の一つと目されている。

◆タケル君 CV:高橋和枝
ヤマトネ博士の息子。冒険好きで活発な性格の少年で、第一話でスーパーカーの試運転に隠れて同行、そのまま父のアシスタントとして行動を共にしている。超人ヤマトネ博士の息子だけあって彼の頭脳と身体能力もまた尋常ではないものであり、豊富な科学知識と機転を活かして絶体絶命のピンチを切り抜けたり、ごく小さなヒントも見逃さずナゾーの計略を看破する事も多く、戦闘員の一人程度なら軽々と投げ飛ばしてしまえる。

特技は車の運転。自分の車を持っており、こちらを銃撃してくるヘリコプターから逃げるなど常人離れした腕前の持ち主。

◆マリー・ミレ CV:松島みのり(1~26、28話)、栗葉子(27、29~52話)
金髪碧眼が特徴的な考古学者ミレ博士の娘。日本生まれのフランス人。母は既に他界している。父の影響で古代文字を解読でき、日本生まれであるため日本語も堪能。

1話で父と共に南極沖を船で航行していたところナゾーの兵器・ファイブフィンガーに襲われ、父と生き別れになってからはヤマトネ邸で暮らしている、花や動物を愛する少女。「私動物大好き、動物も私が好き」と有無を言わせぬ断言をしている。

アトランティスの遺跡において黄金の蝙蝠と出会い、黄金バットに一滴と書かれていたのにバケツ一杯分の水を与えて甦らせたためか、以後は彼女の呼びかけに応じて黄金バットが現れるようになった。

危険な任務の実行をさせてもらえない事につまんないわと悪態をつく、黄金バットを呼んだ直後に勝利を確信した笑みを浮かべる、女性に対して猛獣捕獲用の銃を使うようタケルに促すなど時折好戦的な性格が垣間見える事がある。

ルビーの力でスーパーパワーを手に入れナゾー軍戦闘員を跡形も無く消し飛ばして殺害した際も一切動じることなく「このままだとみんな殺しちゃうわ。逃げよう!」と発言したり情報を吐かせるために火炙りの拷問にかけられても口を割らないなど、人並外れた胆力の持ち主。

◆ダレオ CV:たてかべ和也
フルネームは「ドコノ ダレオ」。誕生ケーキの蝋燭の数から、年齢は16歳と思われる。ヤマトネ博士の助手で片腕的存在であるものの、おとぼけ屋の食いしん坊キャラでお化けが大の苦手というコメディリリーフ的な存在。見当違いの事を言ってマリーやタケルに呆れられる事もしばしば。

大人並みに体格が良く、「太った子供」や「デブ」呼ばわりされる事もあるが、その実逆三角形の体躯は筋肉の塊。一抱えもある石を軽々と放り投げ、自分よりも大きい石のタイルを引っぺがし、ナゾー軍の戦闘員を真正面から一撃で殴り倒し、握力だけでドアノブを引き千切り、オリンピック重量挙げの日本代表選手に選抜され、生身でサイボーグ改造人間に迫る記録を打ち立てるなど常軌を逸した怪力を持つ。

普段はおとぼけキャラではあるが、スープの差し入れに扮してナゾー軍の基地に潜入した際にバレた時の事も見越してスープに催眠効果のある怪獣の粉末を入れておくなど、頭が悪いという訳ではない。

1話のおとぼけを通り越して狂気すら感じさせる言動は必見。終盤になるにつれ出番が徐々に減っていき、40話を境に完全に姿を消してしまった。

●ナゾー CV:島宇志夫

作中を通して最大の敵としてヤマトネ博士一味と黄金バットの前に立ちはだかるメインヴィラン。ロンブロゾーという口癖を事あるごとに発している。黒づくめの装束に赤、青、緑、黄色のそれぞれ異なる種類の光線を放つ四つの目、鉤爪と化した左腕に空飛ぶ円盤の下半身という黄金バットに負けず劣らずの強烈なビジュアル。

世界征服を目論む悪の天才科学者であり、様々な兵器、強力な怪獣、壮大で凶悪な陰謀を張り巡らせて世界を己の手中に収めようと企んでいる。しかし、計画の悉くは黄金バットの圧倒的な戦闘力とヤマトネ博士たちの尽力を前に打ち砕かれており、黄金バットに殺されかける悪夢を見て魘されたり、怪獣が黄金バットに腕を千切られたり殺される事を前提に行動したり、奥の手と称して煙幕を張って一目散に逃げだしたり、部下に対して逃亡を咎めている際に黄金バットが居るとわかるや否や前言を撤回してすぐさま退却したりなど、最早哀愁すら漂うレベルで毎度毎度黄金バットの前に敗北と失敗を重ねている。

しかしその技術力と軍事力は世界を征服するのに十二分の非常に高いものであり、国の軍隊を以てしても太刀打ちは容易ではない超技術力の結晶たる科学兵器群、一撃で巨大な怪獣を即死させる強力無比な熱線銃、何体黄金バットに倒されようとも尽きない怪獣の養殖技術、アフリカの一国家を転覆させる程の強大な軍事力は驚異的の一言に尽きる。

ロボット兵団と核爆弾で都市や軍隊に壊滅的な打撃を与えたり、世界中に都市が沈む程の洪水を発生させたり、世界中を暗雲ですっかり覆い隠したりなど世界規模の危機や何万人という死者が発生しているであろう大惨事を引き起こす事も少なくは無く、黄金バットが居なければ世界はとっくにナゾーに侵略されているであろう事は想像に難くない。

優秀な科学者であり強大な敵である事に疑いの余地は無い一方で、今までに放ってきた数々の強力な怪獣やロボット兵器より明らかに弱いライガーマンを「どんな怪獣よりも強い」「怪獣の王」などと過大にも程がある評価を下し、どう見ても黄金バットに圧倒されている怪獣ガブラーの戦いぶりを目にして五分と言うなど、人(怪獣)を見る目は無い。

性格は冷酷そのものであり、徹底した成果主義者であり失敗をした部下は例え優秀であっても容赦無く粛清する恐怖でナゾー帝国の構成員を支配している。だがそれが裏目に出て恐怖の余り裏切り者が出る事もある。例外として、腹心の部下のマゾだけは幾度の失敗にもかかわらず叱責のみで粛清していない。

苛立った際にはやけに弱そうなSEで台パンをしたり、マゾにおだてられて上機嫌で高笑いを上げたりと感情の起伏が激しく、黄金バットに負け惜しみを放ったり怪獣の話題が出るや否や興味津々に食いついたり、おじちゃんと呼ばれて満更でもなさそうに笑ったりなど、悪の巨魁ながらもどこか不思議な愛嬌もあり、一部では萌えキャラ扱いされている。

◆マゾ CV:内海賢二
第三話から登場するレギュラーギャラクター。魔術師のような服装をした白髪の男。ナゾー帝国のナンバー2であり、ナゾーの腹心の部下。ナゾーの「黄金バットを倒せ」という無茶振りに応じあちこちに手回しをして計画を実行する有能な人物であるが、肝心なところでヘマをやらかし、ヤマトネ博士たちの逆転のチャンスを作ってしまう事もしばしばある。

ナゾー帝国の最高幹部格でありながらナゾーの無茶振りに振り回される苦労人の中間管理職であり、部下たちと共にジャングルや雪山、果ては宇宙まで自らの身の危険を顧みず出張する筋金入りの現場主義者。

ナゾーの科学力で民衆を支配し痛めつけるといった非人道行為を嬉々として行うなど名前と反対のサディスティックで凶悪な言動が見受けられるが、一方で突然ミュージカルを始めたり唐突にオカマ口調になったりお化けの女王を怖がったりとコミカルな言動を見せたりもする。

ナゾーとは越後屋と悪代官のような会話をするくらいには以心伝心の仲。マゾが失敗をしても他の部下とは違い処刑する事は無い。

パラシュートを黄金バットに切り裂かれて地面に真っ逆さまに落ちていったり、土砂崩れに巻き込まれて生き埋めになったりとどう考えても死んでいるような状況のまま本編が終わっても、次の回にはなぜか何事もなかったかのように登場している。

●暗闇バット CV:高塔正翁

中盤、古代アトランティスにて悪逆の限りを尽くし黄金バットと戦ったというライバルキャラ「暗闇バット」が登場する。
ビジュアルは色の黒い黄金バット。恐らくは紙芝居に登場した「黒バット」のオマージュと思われる。

「今から五万年前『アトランティスの都バイオニソスは恐怖のどん底に叩きこまれていた。その名を暗闇バットと名乗るスーパー怪人。つまりこの俺様が、数えきれんほど多くの黒い手下を従え、したい放題のことをしておった。フハハハハハハノ\ノ\ノ\!』」
(ナゾー様の前で古文書を朗読するマゾ)

いやまあ実際の古文書も昔の人の日記は多いけど…

その力は黄金バットと互角(自称)で決着がつかなかったらしい。
黄金バットとバトン同士の剣戟で高層建築の端に追い詰められ、下を見て冷や汗をかいた暗闇バットが、
バトンを蛇に変えて黄金バットの首に巻きつかせて逃げたことなども古文書に記されている。
なんかもうこの時点で小物臭漂うが、肝心の悪事も部下を率いての略奪などいまいち小物臭い。
しかもマントに宝石を包んで風呂敷代わりにして担いだり、いやにコミカルである。

だが、ある日アトランティスの神殿を襲った際に封印の石板を持つ神官の手で棺に封印された。
そしてついに現代に蘇った暗闇バット。さっそく黄金バットと対決するのかとおもいきや、ナゾー様に弱み(封印の石板)を握られていてこき使われるハメになる。
黄金バットに化け悪事を働くことでその評判を落とし、本物が出てきたら一網打尽にするという雑にも程がある作戦を決行。
ノリノリで遊園地を破壊したり銀行強盗してトラックを運転して逃げたりと、相変わらずみみっちい悪事で暴れまわった。

そしてついに(二回目)黄金バットとの対決の時がやってきた。誰もが激闘を予感した・・・・・・が。
なんと開始2分で決着。いつものようにあっさりと倒されてしまった。
とはいえ、黄金バットもいつもより気合を入れて戦っており、相応の強敵であることは確かなようだ。

最終回にも復活し登場。
黄金バットを倒すため、誰にも邪魔されず、敗れたら二度と甦れない4次元の世界にて最終決戦を挑む。
前回、前々回の戦いで黄金バットが決め手として放った技を凌ぎ、死力を尽くして戦った末、
黄金バットが裂帛の気合と共に放った落雷に気を取られた瞬間、自身のバトンで胸を貫かれて敗北した。

「黄金バット、貴様は、なぜ強い……!」

「 そ れ は 正 義 ! 」

「俺は、負けた……!」

このやりとりは最終回にして本編名場面の一つといえる。
ちなみに黄金バットのほうは幾万年の時を超えた宿敵との再会にほんの少し嬉しそうであったが、
暗闇バットを倒した時、微かに目が光ったのは、唯一ともいえる好敵手を滅ぼしてしまったからだろうか……。

●作中の活躍

上記の通り、第一話にて棺から目覚めて寝起きの運動とばかりにナゾー軍の巨大マニピュレーター型ロボットを粉砕。
以後、彼女の祈りに応えて出現、最終話まで無敵の力で大暴れした。

基本的に一話に一回怪獣を撃破し、ついでとばかりにオーバーキルをかます。
最終話にてナゾー軍団の本拠地を当然の如く壊滅させ、四次元空間にて復活した暗闇バットを完全に倒し、お得意の高笑いで物語を締めくくった。

ちなみにこの暗闇バット、強化復活したのに黄金バット曰く「なかなかやる」程度。これでも作中最高評価です。

●余談


2000年代にリメイク版のプロモーションが作られたが、結局お蔵入りしてしまった。残念!
ちなみにPV内の黄金バットは、真ゲッターみたいな翼で飛び回ったりファイヤーブラスターみたいな光線を撃ったりと、旧作同様絶対に強い。

元々名前は広く知られていたが、本編を見たことがある人間は非常に限られており作品及びキャラクターが顧みられることはあまりなかった。
しかし2011年にアニメ版がニコニコ動画にて毎週1話ずつ無料配信されたことがきっかけで40年越しに人気が再燃。
その強烈過ぎるキャラクター性と超展開、そして絶対的な強さで若年層のユーザーへの知名度を上げていった。
残念ながらこちらの動画は現在公開を終了している。

また漫画家のあさりよしとお氏が黄金バットをオマージュした『ワッハマン』という作品を制作している。
高笑いと共に現れる不死身の黄金髑髏ヒーローで、アトランティス時代から宿敵と戦い続けているという基本設定は、ほぼそのまま黄金バット。
当初はコメディ調だったものの、シリアスに突入して以降のクライマックスでは、不死身不滅のヒーローの悲哀が徹底して描かれている。

他にも、ギャグ漫画『マカロニほうれん荘』では、変態な先輩ひざかた歳三が、おでこにコウモリがくっつくと黄金バットに変身して高笑いをあげる、というシーンが何度かあった。
この黄金バットが、アニメ版なのか絵物語版なのかはたまた紙芝居版なのかは不明。

何故か「元祖ダークヒーロー」と呼ばれてしまうことも多いのだが、前述のとおりその性格は若干お茶目だが高潔な紳士そのものであり、
見た目以外には全くダークな要素の無い正統派ヒーローである。

蝙蝠さん蝙蝠さん、追記修正して…


フハハハハハハノ\ノ\ノ\



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最終更新:2025年04月18日 21:37

*1 紙芝居は基本的に貸出式だった

*2 最初期の紙芝居では三銃士風の洋装と帽子、サーベルを携えた黄金髑髏というヴィジュアルで、これは『ドラえもん のび太の夢幻三剣士』冒頭に「黄金ハット」という形でパロディが行われた。紙芝居時代にはウェーブのかかった金髪が生えていたり目玉があったり歯が数本欠けていたり細かいバリエーションがある

*3 当時の幼年誌では「生前はその力に溺れたアトランティスの暴君で、それによって神の怒りにふれてアトランティスを滅ぼしてしまい今は贖罪のために戦っている」と載っていたとも言われるが、後述の暗闇バットの証言とは食い違うため公式設定かは不明