ダークエルフ(種族)

登録日:2019/8/30 (金曜日) 00:40:00
更新日:2023/07/13 Thu 10:23:33
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ダークエルフとはファンタジー系の作品に登場する亜人種である。
名前の通りエルフと対を成す存在として扱われる。

概要


北欧神話においてエルフの元となったとされるリョースアールヴに対して
デックアールヴという種族が登場するがその名こそ闇のエルフ
言う意味合いではあったものの
リョースアールヴに比べて醜いものでドヴェルグ(ドワーフ)とほぼ同一とされた上、
どちらかと言えばゴブリンに近い姿とファンタジー作品に登場するような
ダークエルフとはかけ離れた姿であった。

指輪物語にも「光のエルフ(Elves of Light)」「闇のエルフDark Elves)」という区分は存在するが、
神々の国『アマン』に行き二本の光る木の輝きを見たか否かの違いであり、種族的な区分ではない
もっとも神々から直接教えを得られるため能力は光のエルフの方が圧倒的に高い。
そして作中舞台はアマンではなく中つ国なので、当然出てくるエルフのほとんどが闇のエルフである。一般的なエルフがダークエルフだったと言える。

また、指輪物語ではオークはエルフが拷問等により堕落して変化した存在とも言われている。
「邪悪なエルフ」とも呼べる存在ではあるが、見た目が大幅に醜悪になっている。

よって我々がよく知るようなダークエルフは元になったエルフと違って
伝承には登場しない存在であり、エルフから着想を得て創作された種族である。
初出となった作品は諸説あるがTRPGにして後のファンタジー作品の礎ともなったダンジョンズ&ドラゴンズというのが有力。
その作品に登場する闇に落ちた邪悪なエルフであるドラウが由来になったとされているようだ。
同作におけるエルフには元々多くの亜種が存在し、単に暗い環境に適応しただけのシャドウエルフもおり、
D&Dの派生シリーズであるドラゴンランスではドラウが登場しない代わりに
エルフの一族から追放された存在としてダークエルフが存在している。
そんな彼らが日本においてもメジャーな存在となるきっかけとなったのは
後述するダンジョンズ&ドラゴンズの後に作られた古典的ファンタジー作品であるロードス島戦記だろう。




外見

金髪に白い肌を持つエルフに対してこちらは銀髪に褐色の肌を持っており、
体型も細身で華奢な体型が多いエルフに対してダークエルフは筋肉質、
或いは肉感的な体型であることが多く、露出の多い服装も相まって文字通り性に奔放なイメージで作られていることが多い。
最近の作品で見られるようなエルフに比べてグラマーな体型というのは元になったドラウが登場したダンジョン&ドラゴンズの
時点では設定されておらず、単なる暗い肌の色をした悪のエルフに過ぎなかった。

今日のようにエルフよりもグラマーな体型として描かれることが多くなったのはロードス島戦記に
登場したダークエルフの一人ピロテースからではないかとも言われているが
同作においてもエルフに比べてグラマーな体型や露出の多い服装という設定はなく
あくまで彼女がそうした体型と姿というだけだった。
とはいえ彼女の存在は後世の作品に計り知れない影響を与えたのも事実であり、
ダークエルフ=エルフよりも露出が多く、体型も豊満という設定のきっかけとなったのは間違いない。

しかし近年においては褐色の肌が黒人等に対する人種差別につながりかねないという事情からか
青白い肌や灰色の肌など現実ではありえない肌の色として描かれることが多い。

性格

エルフと違って邪悪であり、犬猿の仲であるエルフは
おろか人間に対しても悪意を持って襲い掛かる。
一方で気難しいエルフに比べて性に奔放な傾向があり、
尚且つ俗世的な価値観故に人間と分かり合いやすいとされることも。

近年のファンタジー作品におけるダークエルフ


かつてはエルフは勿論、人間に対しても敵対している邪悪な種族として扱われていたが
近年においてはその限りではなく、単なるエルフの亜種として登場することが多くなっており、
先述のように気難しい性格のエルフと違って俗世的な価値観
持つために寧ろ人間と分かり合いやすいと設定された作品も存在する。
数は少なくメジャーではないがハーフエルフならぬハーフダークエルフも存在している。
また、最近の人気ぶりからか登場当初は単なる亜人型モンスターに過ぎなかった彼らも
プレイヤーが使用・選択できる種族としても登場するようになり、需要が高まっているという。

能力的な面で見ると、ロードス島戦記では暗黒神の神聖魔法が使えたり彼ら以外のエルフにとっては禁忌である炎の精霊魔法を使えたりで、単純な戦闘力ではエルフ・ハイエルフの上位互換といった趣が強い。*1
容赦ない性格であり、エルフ特有の身軽さと精霊魔法による姿消しで暗殺者としても優れる。
以後の作品のフォロワー的ダークエルフたちは、エルフから魔法的能力を引いて物理的能力を足したような、軽業魔法戦士寄りのバランス型のパラメーターをしている場合が多い。

エロ要員としてのダークエルフ


エルフと違い、近年のファンタジー系作品で創作された比較的歴史の浅い種族だが、
白い液体が暗色の肌に映えるからかエロ要員としての扱いはよい。
ファンタジー系のアダルト作品でもそれなりの確率で見ることができるが、
ほぼ雄であるオークやゴブリンとは逆に高確率で女性である。
エルフに比べてグラマーな恵体を持つ彼女たちは性に奔放かつ強い性欲持ちであり、
その豊満な体を生かして自分たちよりも華奢な人間やエルフの男共を襲っては性的な意味で食べてしまう超肉食系女子となることが多い。
性欲の強さからかガチレズ・バイセクシャルと設定されることもあり、時には元から生えてたり生やしたりする自慢のご立派様で女性を犯すことも。
エルフや人間が男女ともに体格や能力で勝る彼女たちに力づくでねじ伏せられ、
一方的に搾り取られる様は亜人種姦スキーにとってはたまらない光景となることは間違いないだろう。
以上のように「異質な肌色をした異常性欲の異種女性キャラ」ということで、女悪魔サキュバスとは混同されるからか、彼女らと共演することは稀。

闇っぽいキャラクター性から疎まれるケースも多いので、反動からか上述の淫奔さとは逆にピロテースのイメージを踏襲したような意地っ張りで誇り高い性格になる場合も多い。
そういうダークエルフたちが女騎士として人間社会で立身出世を目指したり悪と戦おうものならお約束のくっ殺一直線間違いなし。
上記では犯してくるダークエルフはサキュバスとかとは共演しないとあるが、この系統の場合はこれまたお約束として向こうに(性的に)喰われてしまうこともある。

(稀有なほうだと思われるが)作品によっては肌が白いほうのエルフが「自然の摂理なんだし弱肉強食だから優秀な種は無理にでもイタダイちゃうネ♪」派だったりするので、
そうなると余計にいやもうちょっとそういうことには慎みと気持ちを大事にしようよ……と他人の振りを見て純情なダークエルフが生まれたりもする。

またピロテースやBASTARD!!のアーシェス・ネイあたりの影響で、ただでさえ露出の多いR-18の戦うヒロインの中でも他の種族より更に(暗色の)肌色が目立つキャラが多い。
お堅い性格とエロ衣装、凌辱作品の王道的な組み合わせが内面外面ともに種族単位で似合う、それこそが真面目系ダークエルフという存在と言えよう。

男のダークエルフも登場することも割とあるが、その場合はまず間違いなくロードス島戦記から引き継がれたイメージまんまの陰険な悪役である*2
ただしエルフ≒細面の美形という刷り込みが強いからか、直接的に犯すのは配下の魔物や人間の悪党に任せ、自身は陰謀を企んだり普通に戦ったりでストーリーを動かす役目に専念ということも結構ある。
悪役ではあるが竿役になるかは五分五分といったところ。
いずれにせよ男のエルフが恋人妻姉妹母娘を奪われる寝取られ要因だったり、子供だったら可愛らしい外見から男の娘だったりおねショタをやらされたり、徹底的に受けなのとは正反対である。

登場作品


ダンジョンズ&ドラゴンズとロードス島戦記が与えた影響力は大きく、
エルフが登場する作品においてはかなりの高確率で登場する。
何度も述べた通り初期の作品でこそ人間とエルフの共通の敵としての登場が多かったが
近年においてはその扱いもよくなっており、味方として登場したり
プレイヤーが種族を選べるゲームでは選択可能な種族として設定されていることすらある。


ゲーム

  • ダンジョンズ&ドラゴンズ:先程述べたようにダークエルフの原型となったドラウが登場。こちらでは暗い肌をしたエルフに過ぎず、必ずしも露出の多い服装や豊満な体型をしているわけではない。邪神ロルスを信奉する悪の種族として描かれることが基本だが、『フォーゴトン・レルム』の世界観ではロルス信者の名家に生まれながらロルスに反目した英雄ドリッズト・ドゥアーデンの登場以来、ロルス信者から離反した善のドラウも登場するようになっている。

  • ロードス島戦記:日本におけるダークエルフの祖であろうピロテースが登場。この作品でも種族として豊満な体型と露出の多い服装と言う設定は存在しないのだが先程述べた通り後のファンタジー作品で描かれるようなエルフに比べて豊満な体型に露出の多い服という外見はピロテースが由来かと思われる。
    • 正確に言うと、ピロテースはOVA版ロードス島戦記でデザインされたアニメオリジナルキャラだった。これを原作者の水野良が気に入って原作小説にもレギュラーキャラとして取り入れた。いわゆる逆輸入の好例である。

  • TESシリーズ:プレイヤーも選択可能な種族の一つとして登場し、シリーズのエルフ種族の呼称例に倣って「ダンマー」とも呼ばれ、主にタムリエル大陸北東部の地モロウウィンドを故郷とする。
    灰色の肌に血とも炎とも取れる真紅の目が種族共通の特徴という男女ともにエロ要素の欠片もない容姿だが、これはかつて黄金の肌を持つ「チャイマー」と呼ばれるダークエルフの祖先がデイドラロードの一人、アズラの怒りを買って呪われた末にこの姿に変えられたからだと言われている。
    種族特性としては炎属性に対する耐性の高さと、先人の霊魂の力を借りて短時間だがその憤怒の炎を纏い、近付く敵を焼き払う「先人の憤怒」という特殊能力が使えると、見た目に反して文字通り「熱い」戦いを得意とする。

TCG

  • 遊戯王:普通のエルフこと《ホーリーエルフ》は攻撃力800守備力2000だが、《ダークエルフ》はその逆の攻撃力2000守備力800である。これは当時の下級モンスターの中でも破格の攻撃力だが攻撃する度にライフを1000支払わなければならない所謂デメリットアタッカーである。現在は魔のデッキ破壊ウイルスなどの属性・種族サポートを生かさない限り出番はないだろう。






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最終更新:2023年07月13日 10:23

*1 ハイエルフの方は文字通り出たら入れない「帰らずの森」を形成するなど、他の能力で言えば単純に上位下位とは言えなさそうだが

*2 とは言え、ロードス島戦記の名前ありのダークエルフの第一号であるピロテースの兄アスタールは其れ迄の仲間の裏切りで殺されかけた主人公の好敵手アシュラムの命を救って以来、彼とは強い信頼関係で結ばれ、アシュラムが秘宝を取りに行く間の時間稼ぎとして圧倒的な不利な戦況の中で最期の瞬間まで徹底抗戦を貫き、アシュラムも彼の戦死に酷い負い目を感じるなど勇気と誠意に満ちた人物であった。