仙台駅

登録日:2020/08/10 Mon 14:54:47
更新日:2023/08/19 Sat 08:33:49
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仙台駅(せんだいえき)は、宮城県仙台市青葉区にある鉄道の駅である。
JR東日本と仙台市交通局が乗り入れる。

概要

宮城県および仙台市の代表駅であり、かつ、東北地方最大のターミナル駅である。
JRは東北新幹線北海道秋田新幹線)、在来線の東北本線仙山線仙石線常磐線仙石東北ライン、仙台空港アクセス線が乗り入れる。
仙台市地下鉄は東北地方で唯一の地下鉄であり、当駅は南北線と東西線のジャンクションとなっている。

当駅からは東北地方の他県の県庁所在地すべての駅(新青森駅、秋田駅、盛岡駅、山形駅、福島駅)まで乗り換えなしで行ける。
ただし、青森県は代表駅の青森駅ではなく隣の新青森駅となり、山形駅のみ新幹線ではなく在来線の仙山線経由となる。ちなみに福島駅へは新幹線と在来線の両方で行くことが可能。

利用者数は南関東1都3県以外のJR東日本の駅としては最も多い(ちなみに2位は宇都宮駅、3位は新潟駅)。また、3大都市圏以外のJRの駅としては博多駅、札幌駅に次いで3番目に利用者数が多い(ちなみに4位は広島駅、5位は岡山駅)。

実は売られている駅弁の種類が最も多い駅らしい。仙台らしく加熱式の牛タン弁当が一番人気。

駅構造

在来線

JRの在来線は地上ホーム4面8線と地下ホーム1面2線の計5面10線である。
1~6番線は2018年から発車メロディとしてHOUND DOGの「ff (フォルティシモ)」、仙台空港アクセス線列車はMONKEY MAJIKの「Around The World」がそれぞれ使用されている。
かつては地上全ホームで仙台の夏の風物詩「すずめ踊り」の楽曲が使用されていたが、2018年3月以降は仙山線ホームのみで使用とされている。

  • 1・2番線
下り列車用。1番線は単式ホーム、2番線は3・4番線との1面3線の島式ホームとなっている。
東北本線(小牛田、一ノ関方面)と仙石東北ライン(塩釜、石巻、女川方面)が使用する。

  • 3番線
当駅始発の上り列車専用ホーム。切り欠き式で行き止まりとなっているため、下り方面に行くことはできない。
東北本線(白石、福島、郡山方面)、仙台空港アクセス線が使用する。
2021年3月まで運転されていた快速「仙台シティラビット」もここから発車していた。

  • 4・5番線
上り、下り共用ホーム。4番線は2・3番線との1面3線の島式ホーム、5番線は6番線との島式ホームとなっている。
東北本線、仙石東北ライン、常磐線(相馬、原ノ町方面)、仙台空港アクセス線が使用する。

  • 6番線
上りホーム。
東北本線(白石、福島、郡山方面)と常磐線が使用する。
常磐線は特急「ひたち」(水戸、勝田、上野、品川方面)もここから発車する。

  • 7・8番線
仙山線(愛子、作並、山寺、山形方面)専用の島式ホーム。
作並温泉に行きたい人はここをご利用ください。

ちなみに実は東京から山形まで向かう場合、新幹線はやぶさ号で仙台まで行ってから仙山線に乗り換えた場合でも、山形新幹線で乗り換え無しで行く場合とそれほど所要時間は大きな差がないらしい。
そのため、山形新幹線「つばさ」が満席の場合は、仙山線を迂回ルートとして活用するのも十分アリ。ただし、快適性では圧倒的に新幹線が上。特に冬場は仙台駅のホームが寒い上に仙山線の車両の暖房があまり良くないため、なおさらそう感じるだろう。

  • 9番線
地下ホーム。仙石線上り(あおば通行)が使用する。
ここと10番線のホームは仙台駅本体からはやや離れている。

  • 10番線
地下ホーム。仙石線下り(多賀城、本塩釜、松島海岸、石巻方面)が使用する。
ちなみに仙石線のあおば通駅とは地下自由通路で結ばれているため、徒歩で行くことも可能。距離はおよそ500mくらい。

新幹線

島式ホーム2面4線の高架駅である。
当駅は東京駅大宮駅盛岡駅新青森駅と並ぶ全列車停車駅である。
発車メロディは「青葉城恋歌」が使用される。

  • 11・12番線
東北秋田北海道新幹線の下り(盛岡、新青森、秋田、新函館北斗方面)が使用する。
当駅始発上り列車の一部もここから出発する。

東北新幹線は当駅を境に下り方面は本数が減るので注意が必要。
目安としては1時間あたり2本くらい(多い時間帯は3本以上)である。

  • 13・14番線
東北新幹線上り(福島宇都宮、大宮、東京方面)が使用する。


仙台市地下鉄

当駅は南北線と東西線のジャンクションとなっている。
JR仙台駅とは地下自由通路で結ばれてはいるが、JRの駅とは少し離れている。
路線的には仙台駅とあおば通駅の中間地点に位置するが、仙石線ではあおば通駅での乗り換えを推奨している。
同駅では唯一駅ナンバリングが設定されており、南北線がN10、東西線がT07となる。

  • 南北線
地下3階にホームがある。
1番線は長町、富沢方面、2番線は八乙女、泉中央方面となる。

  • 東西線
地下4階にホームがある。
3番線は荒井方面、4番線は西行き八木山動物公園方面となる。

駅周辺施設

平成末期頃から東口の発展が著しいが、有名な観光エリアは主に西口に集中している。

  • 駅前アーケード
仙台駅西口の正面にT字型に広がる大型アーケード街。良い意味で経済成長期~平成初期のアーケードの風情を色濃く残しており、北側は後述する勾当台公園に直通している。仙台七夕まつりでは一帯が七夕飾りに彩られ、出店も並んで大変に賑わうのがこのあたり。
また、枝分かれした多くの横丁は、仙台で働くサラリーマン達の憩いの場。

  • 仙台朝市
仙台駅西口から徒歩5分程度に位置するローカルな商店街。
山形の山の幸、仙台平野の畑の幸、塩釜の海の幸がダイレクトに届く仙台市民の台所となっている他、2000年代に入ってからはカフェや食べ歩きなども充実してきたので、ちょっと寄り道の観光地としても楽しめる。
第二次世界大戦の仙台空襲による大打撃から立ち上がった人々の復興の夢が詰まった由緒ある市場でもある。

  • 勾当台公園
仙台駅西口より北西部、徒歩で20分弱に位置する都市公園。
地下鉄南北線の同駅が最寄りである。
敷地面積は約2.5ヘクタールとそこまで大きくはないが、売店やカフェ、ステージなどの設備が整えられ、清潔感と自然を感じられる市民の憩いの場となっている。
(とはいえ、仙台市は駅から少し離れればそこらじゅうが都市公園など目ではないレベルの自然に囲まれているので……)

余談

  • シンプルな地下鉄路線図
仙台駅の地下には南北線・東西線が十字を切っているが、2015年に東西線が敷かれる前は仙台の地下鉄は南北線の一本しかなかった。そのため「各地の地下鉄を書いてみた【線画】」などのコピペでは、東京や大阪、名古屋などと並べられた仙台の線画は棒線一本引いてあるだけというなんともシュールなものになっていた。

  • 仙台駅は日本初の地下鉄駅?
一般的に日本初の地下鉄と言えば1927年に開通した東京メトロ銀座線だが、実はそれよりも前、1925年(なんと大正の時代)に仙台駅は既に地下に線路を敷き、駅を設置していた
その線路とは、私鉄の「宮城電気鉄道」(現在の「仙石線」の前身となる線)の線路である。
……というと、仙石線の現在の利用者は「仙石線の地下鉄が敷かれたのは2000年だ」とツッコミを入れるだろう。
確かにそれは正解である。しかし、仙石線と「日本初の地下鉄駅・仙台駅」の歴史は少々複雑なのだ。

1925年に開通した嘗ての宮城電気鉄道の路線は、当時は東北本線仙台駅の西側に設置されていた「宮電仙台駅」を起点とし、東北本線の下を潜り抜ける形で石巻(宮城の東部、太平洋沿い)まで伸びる線路として仙台市の東西を繋いでいた。そして、そこには地下の線路と地下鉄駅が存在していた(当初は宮城県庁まで線路が伸びる予定だったそうだが、宮電仙台駅が起点とされた)。
1944年に宮城電気鉄道は国鉄に引き継がれ、その線の名も現在の「仙石線」と改められることに。「宮電仙台駅」は「仙石線仙台駅」という名称になった。
1952年に地下を通る仙石線の「仙台駅~仙台東口駅」区間が廃止され、当時仙台駅の東側に設置されていた「仙台東口駅」が起点となる「仙台駅」と改められることに*1
つまり、仙台駅の西側まで伸びる線、つまり地下を潜る線路はこの時に廃線となり、仙石線の「仙台駅」の看板は東北本線を挟んで西から東に移動することになり、その時、日本で最初の地下鉄は姿を消した
時は流れて2000年、陸前原ノ町~仙台(※東口にある現在の仙石線仙台駅)の区間が地下化され、さらに線路は地下に延長され、仙台駅の西口側に「あおば通駅」が起点として設置された。つまり、一般的な認識ではこの時が仙石線に地下線路が敷かれた時なのである。
※このあたりは地元でも間違えている人が多いが、「あおば通駅」はかつての「宮電仙台駅」とは近い場所にあるが異なる駅である。


追記、修正は仙台駅で牛タン弁当を買ってからお願いします。

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最終更新:2023年08月19日 08:33

*1 仙台東口駅も地下プラットホームだったが、この時に地上に移された