【ビートマニア ツーディーエックス】
1999年2月に登場したBEMANIシリーズ作品。
その名の通りbeatmaniaの進化版である次世代型DJシミュレーションゲーム。
鍵盤やエフェクターの数が増え、迫力のある筐体はまさにDXの名に相応しかった。
音質・画質も5鍵以上に進化して実写を使ったムービーは迫力満点で、まさにこのゲームの最大の特徴ともいえる。
鍵盤を7つも使うので、当時は鍵盤の多さから馴染みにくく感じた人も多かったが、substreamから登場したデザイナー、GOLI氏の描くキャラクターによってIIDXの世界観が確立されていき、バージョンアップ毎に5鍵以上に人気となった。
3rd styleではLIGHT7(現在のNORMAL相当)が登場し、敷居が高かった7鍵盤にも入りやすくなっていったが、段位認定などの登場により高難易度化が進みすぎてそれ以上に敷居を上げてしまった感がある。
また、デザイナーの参加と共にキャラクターも増えていき、キャラクター目当てなプレイヤーも少なからずいて、本来のDJからはかけ離れているような部分もあるが、時代の変化を考えるなら致し方ない部分もあるだろう。
後に9th styleでビギナーモードや、DJ TROOPERSではチュートリアルが加わり、初心者にも馴染めるような配慮がされているが。
17 SIRIUSではキャラクターを前面に出したモードが登場したが、後にSTEP UPに変化し、初心者向けの上達モードへと変遷した。
18 Resort Anthemではポップンの個人解禁イベントのようなイベントが毎作登場する形となり、ポップンの要素も多少は取り込まれているような感じはする。
27 HEROIC VERSEでは、12月にBEMANI初となるプロ競技特化の「BEMANI PRO LEAGUE」発足に伴い、プロ大会用の新筐体である「LIGHTNING MODEL」が登場。
ヘッドフォンが標準装備で、ターンテーブルの回し具合の調整が可能など、プロ選手向けの仕様が多数取り込まれている。
その後、2020/09に「BEMANI PRO LEAGUE ZERO」の形で、初めてのプロ大会イベントが行われるようになり、翌年の2021年から本格的に開始となった。
ゲーム雑誌「ファミ通」で行われたゲーム総選挙において、音楽ゲーム部門で第3位に入るという快挙を見せた。
17 SIRIUSから新たな要素として、押し続けるオブジェのチャージノート(CN)や、そのスクラッチ版と言える回転させ続けて終点のオブジェで逆方向に回すバックスピンスクラッチ(BSS)が登場した。
23 copulaから、チャージノートの別バージョンといえる「ヘルチャージノート」(バックスピンスクラッチも含む)が登場した。
これはSOUND VOLTEXのロングオブジェクトのように、その部分を押し続けていなければゲージが減少し続けるという形になるため、冒頭だけ押して単押しのような方法で攻略する手段がしづらくなっている。
逆に押し続けることでゲージが回復するため、貴重な回復源となりうることも。
29 CastHourからはマルチスピンスクラッチが登場。
バックスピンスクラッチの派生型であり、複数のBSSが繋がった状態のオブジェで、始点と終点の間にもスクラッチのオブジェが配置されており、このオブジェが判定ラインに来たタイミングで方向を逆にして回し続けるという操作が求められるようになる。
ポップンシリーズと同じく追加譜面や復活曲の要素が存在し、追加される際に譜面変更でこれらの譜面要素が加わる場合がある(Pink Roseなど)。
作品名 | AC版での初出 | CS版での初出 |
beatmaniaIIDX | 1999/02/xx | × |
beatmaniaIIDX CLUB VERSION | 1999/02/xx | × |
beatmaniaIIDX substream | 1999/07/xx | × |
beatmaniaIIDX 2nd style | 1999/09/xx | × |
beatmaniaIIDX 3rd style | 2000/02/xx | 2000/11/02 |
beatmaniaIIDX 4th style | 2000/09/xx | 2001/03/24 |
beatmaniaIIDX 5th style | 2001/02/xx | 2001/08/29 |
beatmaniaIIDX 6th style | 2001/09/xx | 2002/07/23 |
beatmaniaIIDX 7th style | 2002/03/26 | 2004/05/15 |
beatmaniaIIDX 8th style | 2002/09/28 | 2004/11/xx |
beatmaniaIIDX 9th style | 2003/06/25 | 2005/03/xx |
beatmaniaIIDX 10th style | 2004/02/xx | 2005/11/xx |
beatmaniaIIDX 11 IIDX RED | 2004/10/xx | 2006/05/xx |
beatmaniaIIDX 12 HAPPY SKY | 2005/07/xx | 2006/12/xx |
beatmaniaIIDX 13 DistorteD | 2006/03/14 | 2007/08/xx |
beatmaniaIIDX 14 GOLD | 2007/02/xx | 2008/05/xx |
beatmaniaIIDX 15 DJ TROOPERS | 2007/12/xx | 2008/12/xx |
beatmaniaIIDX 16 EMPRESS | 2008/11/19 | 2009/10/16(+PREMIUM BESTとして発売) |
beatmaniaIIDX 17 SIRIUS | 2009/10/23 | × |
beatmaniaIIDX 18 Resort Anthem | 2010/09/17 | × |
beatmaniaIIDX 19 Lincle | 2011/09/20 | × |
beatmaniaIIDX 20 tricoro | 2012/09/18 | × |
beatmaniaIIDX 21 SPADA | 2013/11/13 | × |
beatmaniaIIDX 22 PENDUAL | 2014/09/17 | × |
beatmaniaIIDX 23 copula | 2015/11/11 | × |
beatmaniaIIDX 24 SINOBUZ | 2016/10/26 | × |
beatmaniaIIDX 25 CANNON BALLERS | 2017/12/21 | × |
beatmaniaIIDX 26 Rootage | 2018/11/07 | × |
beatmaniaIIDX 27 HEROIC VERSE | 2019/10/16 | × |
(LIGHTNING MODEL) | 2019/12/16 | × |
beatmaniaIIDX 28 BISTROVER | 2020/10/28 | × |
beatmaniaIIDX 29 CastHour | 2021/10/13 | × |
beatmaniaIIDX 30 RESIDENT | 2022/10/20 | × |
beatmaniaIIDX 31 EPOLIS | 2023/10/18 | × |
beatmaniaIIDX INFINITAS (e-AMUSEMENT CLOUD / コナステ、第1版) |
2015/12/01 | × |
(同 第2版) | 2020/08/06 | × |
(同 第3版) | 2022/05/01 | × |
初期はbeatmaniaシリーズと傾向が似ていたが、m-floなどのアーティストをゲストに迎えたり、さまざまな形でIIDX独自の路線を3rd Styleで確立させたといえる。
中期はトランス・テクノ・ユーロビート系の曲が目立ち、近年はハードコア関連やボーカルのポップス系も目立ちつつある。
ゲームシステム自体はbeatmaniaやポップンミュージックと同じく、グルーブゲージが赤メモリに達していればクリアとなる。
ただし割合(%)も表示されるようになったので、80%以上に達していればクリアと分かりやすくなっている。
後に6th styleではEXPERTモードやDance Dance Revolutionシリーズなどと同じく、ゲージが0になった時点で曲の途中でも強制終了となるが、残っていればクリアとなるHARDオプションが追加された。
スコア計算は第1作から15万点+コンボボーナス5万点という特殊な形式の20万点満点方式で、5鍵版と同じく特別なクリアによるボーナスが存在していた。
しかしEXPERTモードにおけるJUST GREAT(後にPERFECT GREATと改称)=2点、通常の黄色GREAT=1点で計算されるEXスコアが定着化するにつれ、Lincleではゲーム終了時のトータルリザルトおよびボーナス点が廃止となった。
このこともあってか20万点方式のスコアは形骸化したに等しく、とうとう28 BISTROVERでは20万点計算のスコア方式は廃止となった。
INFINITASはしばらくこの方式のスコアは残っていたものの、2022/04/20のアップデートでAC最新版に準拠のシステムになり、同様に20万点のスコア方式が無くなる形となった。
当時はbeatmaniaシリーズからの踏襲もあってか、通常譜面の種類は7KEYS、上位・メロディラインなどが異なる譜面はANOTHER、3rd styleから追加された7KEYSより易しい譜面はLIGHT7、という表記が使われていたが、ANOTHERは隠し要素的なポジションが強かったのか、レベル表記がされていなかった。
CS版5th style(ACはIIDX RED)から加わった初心者向けの譜面はBEGINNERと表記され、SINGLEプレイかつ一部の楽曲のみ存在する(*1)。
その後、HAPPY SKYでLIGHT7→NORMAL、7KEYS→HYPERと改称され、さらにすべての譜面で難易度の数値がLv1~12として一定基準で細分化され、現在に至っている。
GOLDから2人プレイ時において、別々に異なる譜面難易度でのプレイが可能になった(※ただし、譜面難易度でBPMが異なる・曲の構成が変わるなどで当てはまらない楽曲もある)。
しかし、シリーズを重ねるにつれ高難易度の譜面が増えていき、同じレベル表記でも体感難度の差が激しいという問題を抱えている。
加えて21 SPADAで一部の楽曲に、ANOTHER譜面よりも上位の高難易度譜面である「LEGGENDARIA」が登場し、バージョンごとに追加されている。
当初はANOTHER譜面のみ(*2)の形で存在しており、中にはCS版で登場した黒ANOTHER譜面がAC版に逆輸入されたものも存在している。
HEROIC VERSEでは新たに譜面難度の区分に「LEGGENDARIA」が増設され、これまでに登場したLEGGENDARIA枠は該当曲のこの難易度に組み込まれる形となった。
このため、楽曲によっては5種類の譜面難度が存在することも。
BEGINNER譜面も27 HEROIC VERSEにおいて難易度切り替えで選択できる方式となり、ポップンSunny Parkから設けられたEASY譜面と同じポジション、という位置づけになる。
beatmaniaIIDX | BEGINNER | NORMAL | HYPER | ANOTHER | LEGGENDARIA |
pop'n music | EASY | NORMAL | HYPER | EXTRA | - |
基本的にbeatmaniaと大差がないが、どちらかといえばキャラクター面で色々関連性があったりする。
シリーズのマスコットキャラクターであるトランはもちろん、しろろやタルト&タフィは元々IIDXで初登場したキャラクターである。
SunnyParkではセリカが登場した。
16 EMPRESSで収録されたREMIX曲B4U(BEMANI FOR YOU MIX)は、ラップの歌詞の中にpop'nが含まれている。
20 tricoroにおいて行われたイベント「Road to SPADA」では、「ポップン筐体でIIDX収録曲を10曲プレイする」という条件が存在していた。
29 CastHourでは、STEP UPモードをプレイ中の背景画像に、ポップンのワイド液晶筐体が描かれているのが確認できる。
ポップンに移植された楽曲に関してはキー音が入っているという性質上、移植に関してはそのままデータの移植がしやすく製作の手間が省けやすいといった利点があるが、譜面がIIDXと似通りやすいという難点もある。
ポップン以外の機種からIIDXに移植された楽曲がポップンに移植される場合は、IIDXの音源を利用するというパターンもよく見られる。
ロングポップ君が登場したうさぎと猫と少年の夢からは、元々チャージノートが入っていなかった譜面にロングポップ君を入れる、といった例も存在する。
ポップンでの楽曲 | beatmaniaでの曲名 | 備考 |
キャラクター関連ではジャック、ヴィルヘルムがムービー及びIIDXの関連要素として登場しており、CS版IIDXは、ポップンをモチーフとしたカラフルな鍵盤とオブジェに変わるスキンが登場している。
また、24 SINOBUZ初出の「OOO」では、アニメーション出力にモイモイ(チェンジ版)の衣装が使われている。
実はポップンコントローラはIIDXのコントローラとしても使えるという汎用性がある。
INFINITASでは、ポップンミュージック LivelyのIIDX楽曲パックの登場に合わせて、一部新規の移植曲が混じったポップン楽曲パックが登場した。 2021/02/17からVol.1が、2023/12/21からVol.2が登場。
+ | INFINITAS ポップンパック1 |
+ | INFINITAS ポップンパック2 |
エキスパートコースではIIDX13 DistorteDにはポップンからの移植曲を集めた隠しコース「pop'n」コースが収録されていたりする(AC版のみ)。
構成は以下の通り。
後に、IIDX CANNON BALLERSにおいては、近年のポップンからの移植曲で構成した「POP」コースが2018/09から登場した。
ポップンでのジャンル名 | beatmaniaシリーズでの初出 | ポップンに登場した作品 |
ポップンでのジャンル名 | beatmaniaシリーズでの初出 | ポップンに登場した作品 |
※アレンジ・バージョン違いを含めて同じ音源で入っている楽曲が対象。
ポップンにおいて、選曲画面での表記とバナーでも表記のどちらか一方でも使われている楽曲を除く。
※ジャンル名が書かれていないポップンミュージック ラピストリアからの初出曲は、こちらを参照。
曲名 |
ポップンでのジャンル名 (通常 / バナー表記) |
beatmaniaIIDXでのジャンル名 |
GRADIUS -FULL SPEED- | グラディウス / GRADIUS | GAME MUSIC |
BEYOND THE EARTH(*3) | コンテンポラリーネイション / COMTEMPORARY NATION | WORLD/ELECTRONICA |
サヨナラ*ヘヴン | コンテンポラリーネイション2 / COMTEMPORARY NATION 2 | WORLD/ELECTRONICA |
The Sky of Sadness | コンテンポラリーネイション5 / COMTEMPORARY NATION 5 | WORLD/CONTEMPORARY |
子供の落書き帳 | プログレ(*4) / PROGRE | PROGRESSIVE |
The Smile of You | エレビッツポップ / Elebits POP | POP |
たまゆら | 和風プログレッシブ / JAPANESQUE PROGRESSIVE | PROGRESSIVE |
Survival Games | ウィザウチュナイ-ツヴァイ- / WITHOUT YOU TONIGHT -II- | 90's ELECTRIC POP |
Evans | ハードルネッサンス2 / HARD RENAISSANCE 2 | HARD RENAISSANCE |
JOMANDA | ハードルネッサンス3 / HARD RENAISSANCE 3 | HARD RENAISSANCE |
月雪に舞う花のように(※) | フォレストスノウ / フォレストスノウ | FOREST SNOW(*5) |
HONEY♂PUNCH | ハッピーダンスポップ / HAPPY DANCE POP | J-HAPPY HARDCORE |
※IIDXでは「月雪に舞う華のように」表記。
beatmania IIDX セレクション 楽曲パック vol.1
beatmania IIDX セレクション 楽曲パック vol.2
ポップン未収録のハイパーJポップシリーズ