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27系電車
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cdx-railway
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概要
木成線(現:あさひ線・九十九里線・木長線)および富津線開業用の車両として1998年に登場した。名義上はcdxの新製車両となっているが、実際は木成線を運営するはずだった総州環状鉄道が発注しており、木成線・富津線をcdxに譲渡する際に無償譲渡した譲受車である。このため、同時期に製造していた8系や、それを元にした0系などとは仕様が大きく異なり、併結も出来ない。
2010年7月3日のダイヤ改正から、富津線の安房急行電鉄館富線直通運用も持つようになった。
2010年7月3日のダイヤ改正から、富津線の安房急行電鉄館富線直通運用も持つようになった。
基本構成
同時期に製造していた8系・4系などとは異なり、JR東日本209系0番台をベースとしていない。このため、JR209系をベースにしているcdxの他系列とは併結出来ない(後に、本系列とも併結可能な23系が2011年に登場している)。また、当初からワンマン運転を前提とした造りとなっている。
- 車種は クモハ275形 (Mc)・ クハ277形 (Tc')の2車種で、中間車は存在しない。
←浜金谷・木更津 | クモハ275(Mc) | クハ277(Tc') | 旭→ |
仕様
特にことわりの無い限り、登場時の仕様を記述する。
車体
- 材質はステンレス合金製で、前頭部のみ普通鋼製である。車体長(連結面間距離)21,300mm、幅2,900mmのロング・ワイドボディである。幕板・腰板にはビード加工が施されている。
- 客用扉は片側に2カ所設置、全て片開き扉である。ドアエンジンはエア式で半自動モードに(押しボタン式)対応。ドアチャイムは当初設置されていなかったが、後に設置された。
- ワンマン運転用に扉付近に出入口表示器と開閉ボタンを設けている。
- 行先表示器は各車両の車体中央に設置。表示は幕式である。列車種別表示器が無いので当初は列車種別表示も同時に行っていたが、2007年度に列車種別と行先が個別に表示出来るように改造された。号車番号表示器は無い。
前頭部
前頭部は視界確保のためパノラミックウィンドウを設けたいわゆる「東海形」で、併結時の通り抜けと非常時を考慮して貫通扉を設置している。
- 貫通扉は中央に配置し、併結時に常時通り抜けが可能。
- 行き先表示器は貫通扉の上に配置している。表示は幕式である。cdxの一般型電車では唯一製造時から列車番号表示器を設けていないが、運用上特に問題がないのか、現在も設置していない。
- ライトは丸形のシールドビーム灯とLED式テールライトの2+2連コンビライトで、ライトボックスは窓上部に設置している。
走行機器
- 制御方式はVVVFインバータ式で、GTO素子の東洋電機製。cdxが所有する車両で東洋電機製のVVVFインバータを搭載している車両は、この27系だけである。
- 台車はウィングゴム式のボルスタレス台車で、独特の構造からCDX-DT27(電動車)・CDX-TR27(付随車)という独自の形式名が与えられている。
- ブレーキは電気指令式で、T車(付随車)は遅れ込め制御に対応。
- 空気圧縮機(CP)は低騒音型のレシプロ式である。
- 補助電源装置はCVCFインバータ(SIV)方式。
- パンタグラフは下枠交差式のCDX-PS27である。
客室
ワンマン運転に適した構造となっている。車内は一応は客室とデッキとに区切られているが、仕切り扉は設置していない。
- 客室窓は一段下降窓で、2/3ほど開けることが出来る。
- 車内案内表示器は設置しておらず、次駅表示はデジタル式運賃表示器で行う。
- ワンマン運転用にデジタル式運賃表示器・運賃箱・整理券発行機などを備える。ワンマン運転時に限り、自動放送にも対応している。
- 座席は全てセミバケット式の転換クロスシートで、扉付近と車端部を除き手動で転換可能。
- 荷物棚はステンレスメッシュの網棚である。
- 車端部に貫通扉を設置。両開きタイプである。
- トイレは車椅子対応で、下り方先頭車(クハ277形)車端部に設置。その向かいは車椅子スペースとなっている。
カラーリング
車体
地色 | ステンレス無地 |
---|---|
帯色 | 国鉄青24号 |
客室
壁 | ライトベージュ |
---|---|
座席 | 青 |
番台区分
0番台(現存せず)
木成線(現:あさひ線・九十九里線・木長線)および富津線開業用として1997年に総州環状鉄道が製造し、1998年にcdxに譲渡した。
2011年までに48編成(96両)全車が後述の安房急行電鉄乗入れ改造を施し、1000番台に改番、または安房急行にリース(後に売却)している。
2011年までに48編成(96両)全車が後述の安房急行電鉄乗入れ改造を施し、1000番台に改番、または安房急行にリース(後に売却)している。
1000番台
- 外装
- ヘッドランプをHID灯2+2連に変更し、テールランプは窓下に移設した。
- カラーリングを変更した。窓周りを「■紺色」、窓下の帯・乗務員室扉・スカートを「■青碧」、客用扉・貫通扉を「■山吹色」とした。
意匠はひまわりデザイン研究所が担当した。 - 最後に出場した4編成のみ側面・前面の行先・列車種別表示器を高精細フルカラーLED式に交換している。
- 内装・ユーティリティ
- 運賃表示器を17型ワイド液晶(2面)に変更した。また、新たに同様の車内案内表示器を、客室内天井と後寄りの貫通扉直上に計5箇所設置した。
- シートモケットを張り替えた。背もたれは深い青緑色、座面は黒のモケットとなった。
- 放送機器を更新し、ツーマン運転時でも自動放送が可能となった。また、放送内容も変更し英語放送も行う様になった。
- 走行機器
- ATS-Pを設置した。
安房急行電鉄は東日本旅客鉄道(JR東日本)と同じATS-Pを使用しているため。 - VVVFインバータとその関連機器の交換
これにより、VVVFインバータは日立製のIGBT素子のものに変わった。 - 台車交換
他のcdx車と仕様統一のため、8系用のCDX-DT08系に交換した。ただし、こちらはヨーダンパも装備している。 - 列車無線機を2社で使えるものに交換した。
- このほか、安房急行電鉄でのみ使用している機器を搭載した。
- ATS-Pを設置した。
なお、更新工事は印西牧の原総合車両センター(印マキ)と日本車輌の2箇所で実施した。
2012年度に検査出場した編成から、車体側面などのロゴが「BOSO TOWN COMMUTER」から「BOSO TOWN COMMUNICATOR」に微妙に変化している。
安房急行1500系

1500系は安房急行電鉄の一般形直流電車である。2010年7月3日から始まる館富線 – 富津線の相互乗入れ運転用として、cdxから10編成(20両)を購入して(当初はリース契約であったが、2011年度に全て購入)して運用している。
仕様はcdxの乗入れ対応車である1000番台と同一で、外装・内装の配色のみ安房急行オリジナルのものとなっている(2012年に購入した編成はcdx時代のカラーリングのままとなっている)。
なお、デビュー当時は 15系 を名乗っていたが、cdxの15系とは無関係。ただ、cdxの輸送管理システムの混乱を避けるため、cdx線内では末尾に0を加えた「150系」として扱っていた。
スペックシート
- 安房急行1500系は27系1000番台と同じ。
27系 | ||
---|---|---|
0番台 | 1000番台 安房急行電鉄1500系 | |
起動加速度 | 2.5 km/h/s | 3.0 km/h/s |
営業最高速度 | 110 km/h | |
設計最高速度 | 120 km/h | |
減速度(常用最大) | 3.5 km/h/s | |
減速度(非常) | 4.0 km/h/s | |
車両定員 | Mc:128名・Tc':120名(共に座席定員) | |
最大寸法 (長×幅×高さ) |
21,300×2,900×3,975 mm | |
車両質量 | Mc: 37 t・Tc': 27 t | |
軌間 | 1,067 mm | |
電気方式 | 直流 1,500V | |
歯車比 | 1:5.63 | |
駆動装置 | WN継手平行カルダン駆動方式 | TD継手平行カルダン駆動方式 |
電動機 | 三相かご形誘導電動機 (CDX-MT27形 / 180kW) |
三相かご形誘導電動機 (CDX-MT08B形 / 175kW) |
制御装置 | VVVFインバータ制御 (GTO素子・東洋電機製) |
VVVFインバータ制御 (IGBT素子・日立製) |
ブレーキ方式 | 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ・発電ブレーキ | |
保安装置 | ATS-G,東京湾ATC | ATS-G,ATS-P,東京湾ATC |
製造メーカ | 日本車両 | |
備考 | 現存せず | 0番台からの改造 |
所属・運用
現在所属・運用している線区
九十九里車両センター(千クリ)
2021年4月現在、1000番台33編成(66両)全車が在籍。全て2両編成で、全編成が安房急行電鉄乗り入れ対応改造を受けている。また、東京湾横断線用のATCを搭載している。
主な運用線区は旧木成線系統(あさひ線・九十九里線・木長線・富津線)だが、2021年現在はあさひ線での定期運用は無い。
主な運用線区は旧木成線系統(あさひ線・九十九里線・木長線・富津線)だが、2021年現在はあさひ線での定期運用は無い。
2010年7月3日のダイヤ改正から2014年3月のダイヤ改正までは、富津線内での運用がメインで、安房急行館富線と相互乗り入れ運転も行っていた。内房鉄道から買収した千葉本線が転換開業してからは千葉市内にも足を延ばす様になったが、居住性は高いが収容力は低い車体構造が災いし、3ドア車の6系安房路ライナーに置き換えられている。
さらにその前は東京湾横断線経由で三浦線へ乗り入れる定期便にも使用しており、定期運用が無くなった後も度々臨時快速で使うことがあった。
2010年度に5編成(10両)を安房急行電鉄にリースしていたが、2012年に新たに用意した5編成と共に売却している。
さらにその前は東京湾横断線経由で三浦線へ乗り入れる定期便にも使用しており、定期運用が無くなった後も度々臨時快速で使うことがあった。
2010年度に5編成(10両)を安房急行電鉄にリースしていたが、2012年に新たに用意した5編成と共に売却している。
2021年4月現在の運用線区は以下の通り。
過去の使用実績は以下の通り。
- cdx
- 安房急行電鉄
今後の計画
2021年3月にcdxは1990年代に製造された車両を新型車両に置き換えることを発表。27系も対象となっており、今後、直接または間接的に新型車両に置き換わる予定である。