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30系電車

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30系電車 (30けいでんしゃ)は、ちばドリームエクスプレス(cdx)の直流一般形電車である。



概要

横浜環状線開業用の車両として1998年に登場した。
8系の派生系列で横浜環状線での運用に特化した仕様となっており、8系との混結も可能。(今日に至るまで、営業運転での併結・混結実績は無い)
なお、8系は東日本旅客鉄道(JR東日本)209系をベースにしているため、本系列は209系の派生系列とも言える。

基本構成

本系列は8系をベースに横浜環状線での運用に特化した変更を行っている。8系との相違点は、次の通りである。
  • 前頭部の貫通ドアが片側に偏っている。(4系と同じく非常用)
  • 電動車の比率(MT比)が高く、加速性能が高い。
  • 他線区での運用に必要な保安設備・通信機器を備えていない。

車種構成

横浜環状線は最大8両編成まで走れるように設計されている。しかし当面は6両編成で運用することになったため、本系列は6両でも8両でも組める構造となっている。加速性能を高めるため、電動車の比率は高くなっている。
6両 クハ300(Tc) モハ301(M) モハ302(M') モハ301(M) モハ302(M') クハ307(T'c)

仕様

特にことわりの無い限り、登場時の仕様について記述する。車体は前述の通り8系をベースにしているため、本系列の仕様も8系と同様である。

車体

材質はアルミ合金製である。車体長20,000mm、車体幅2,880mmのストレート車体であることも8系と共通である。

客用扉

客用扉は両開き扉で、片側に4カ所設置。ドアエンジンは電動(スクリュ)式で8系と同様に209系と同じものを使用しているが、ドアチャイムの音は本家のものと異なる。
ドアボタンは設置していない。

側面表示器

30系では行先表示器のみ設置している。
  • 行先案内用の表示器を各車両の中央部に設置。表示は3色LED式で、区間によって表示内容を自動的に切り替えることが出来る。これは途中駅止まりを除いて基本的に列車の「終点」が存在しない環状線ならではの特徴である。なお当初は幕式の表示器も検討されていたが、見送られた。
  • cdxの電車では珍しく、列車種別表示器は設置していない。これは、横浜環状線が当初快速運転は行わない計画であったためである。なお、現在環状線では直通快速が運行しているが、線内では各駅停車である。
  • 環状線は6両固定編成であるため、号車番号表示器も設置していない。その代わり、車体に号車番号を記したステッカーを貼付している。

前頭部

前頭部は8系を基本としつつ、貫通扉を片側にオフセットするアレンジをしている。同じ8系の派生系列で同時期に導入されていた4系も同様のレイアウトとなっているが、デザインは独自のものとなっている。
30系の前頭部のデザインは1990年代後半にしては落ち着いたデザインとなっており、当時は斬新であった4系とは対照的である。

貫通扉

助士席側(正面から見て左側・車内から見て右側)に設置。貫通扉は非常時の脱出用で、開閉方式はスイング式である。貫通扉の内側には脱出用のステップが備わっており、ワンタッチで展開可能。

灯具

角形のライトボックスを前面窓の下部に設置。ヘッドランプは角形シールドビーム灯を、テールランプは角形のLED灯となっている。

前面表示器

行先表示器を運転席側の窓内に、列車番号表示器を貫通扉の窓内にそれぞれ設置している。
  • 行先表示器は3色LED式で、側面の行先表示器と同様に区間によって表示内容を自動的に切り替えることが出来る。
  • 列車番号表示器は黄色のマグサイン式で、4桁の列車番号と1文字のアルファベットが表示出来る。

走行機器

走行機器は8系とほぼ同様である。

電源装置・制御装置

制御方式はVVVFインバータ制御で東芝製のCDX-CS08型をM車(モハ301)に設置。素子はGTOである。一部の編成は老朽化に伴いIGBT素子のVVVFインバータ制御装置に換装している。
1台の装置で2両分(8個)のモータを制御する(1C8M方式)。
補助電源装置としてSIV(CVCFインバータ)を、空気圧縮器はドイツ製でスクリュ式のものを1編成あたり2台設置している。

モータ・駆動方式

駆動方式はTD継手平行カルダン駆動方式で、モータはCDX-MT08型を電動車の各台車に搭載している。定格出力は180kWである。

台車

台車は209系と全く同様で、電動台車はCDX-DT08型(DT61型相当)、付随台車はCDX-TR08型(TR246型相当)をそれぞれ使用。枕ばねは空気ばね、軸箱支持方式は軸梁式で、軸ばねはコイルばねとなっている。

ブレーキ

ブレーキ制御は電気指令式である。モータの無い車(Tc車・Tc'車)は遅れ込め制御に対応している。

パンタグラフ

パンタグラフはシングルアーム式のCDX-PS08型を搭載。

客室

伝送装置

伝送装置は8系やJR209系と同じMON-8型を搭載していた。これにより、今まで1本1本信号線が必要だったものが不要となり、電気配線や機器類の大幅な削減に伴う車体の軽量化に成功している。
  • MON-8型では列車の走行に必要な各機器の制御をはじめ、空調、表示装置などのサービス機器の制御も行う。
  • 運転席にタッチパネル式の液晶パネルを設置。この液晶パネルで各車両の状態や各種装置の操作を乗務員が行う。
  • 2000年問題対策と信頼性向上のため、1999年末までに早くも新開発のTIMS-LIGHTに換装している。

カラーリング

カラーリングは現在のcdxにしては非常にシンプルである。
車体はアルミ車体ながら白地に塗装しており、ロイヤルブルーの帯をまとっている。特にレタリング等は行っていない。
客室

製造年次による変化


機器更新工事

本系列ではリニューアル工事は行っていないが、一部の編成はVVVFインバータ制御装置をIGBT素子の新型に換装している。

スペックシート

30系
車体材質 アルミ合金
起動加速度 3.5 km/h/s
営業最高速度 100 km/h
設計最高速度 120 km/h
減速度(常用最大) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 先頭車141名・中間車156名
最大寸法
(長×幅×高)
20,000 × 2,800 × 4,067 mm
車両質量 21 – 31 t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
歯車比 1:7.07
駆動装置 TD継手平行カルダン駆動方式
電動機 三相かご型誘導電動機(CDX-MT08形 / 180kW)
台車 軸梁式ボルスタレス台車(CDX-DT08・CDX-TR08)
制御装置 登場時:VVVFインバータ制御(GTO素子・東芝製)
更新後:VVVFインバータ制御(IGBT素子・東芝製)
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ
伝送装置 MON-8(→TIMS-Light)
保安装置 Digital-ATC・ATS-G
製造メーカ 川崎重工
東急車輌製造

姉妹車・派生系列

  • 4系は本系列と同じく8系の派生系列である。共通点も多い。
  • このほか、8系の派生系列には0系6系がある。

所属・運用

新杉田車両センター(浜スキ)


横浜環状線の開業用として、新杉田電車区時代から全車が在籍。車体は白地にロイヤルブルーの帯をまとっているが、同線のラインカラーがクロームオレンジに変わった後もその配色は変わらない。
主に横浜環状線の運用に就いているが、大横本線町田行き直通快速のうちの何本かも本系列が担当している。

  • cdxは2021年、後継の24系に置き換わることを発表。2022年度から本格的な置き換えが始まり、すでに3編成が試験運用(営業試験)に就いている。

2022年2月現在の運用線区は、以下の通り。

今後の計画

2021年3月、cdxは1990年代に製造された車両を順次新型車両(24系電車)に置き換えることを発表。30系もこの対象に含まれており、早速24系の第一陣が新杉田車両センターに次口と配置されている。
30系は一部の編成が制御装置を交換したほかは特にリニューアルを行っていないため、全編成が早々に置き換わると予測される。

関連項目


ちばドリームエクスプレスの直流電車
特急形 現役 32000系 - 34000系 - 35000系 - 37000系 - 38000系 - 39000系
一般形 現役 0系 - 2系 - 6系 - 7系 - 8系 - (新)10系 - 12系 - 13系 - 14系 - 15系 - 17系 - 18系 - 27系 - 30系
AC-TRAIN 21系 - 22系 - 23系 - 24系 - 25系 - 28系 - 29系
引退 1系(・旧10系) - 3系(63系) - 4系 - 5系 - 16系
旧東湘急行電鉄:7000系 - 9000系
旧北関東鉄道:3000系 - 3500系 - 3700系
その他:旧内房鉄道旧型車
計画のみ 20系
その他

最終更新:2022-02-12 一般形 直流 車両

タグ:

車両 一般形 直流
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