28系電車

28系電車 (28けいでんしゃ)は、ちばドリームエクスプレス(cdx)の直流一般形電車である。2014年4月4日より運転開始した。



概要

東湘本線で使用している4系の置き換え用として登場。
東湘本線は車両限界が他のcdxの路線よりも一回り小さいため、2012年までは8系のモデルチェンジ車を新製することで車両の増備や旧型車の置き換えを行っていた。2014年からは4系を新型車に置き換えることが決定したが、モデルチェンジ車(5000番台以降)ですら設計から既に10年が経過しているため、21系をベースに新形式車両を起こすことにした。それが、この28系である。
前述の通り、本系列は21系をベースとしている。21系はcdxの次世代型車両「 AC-Train 」シリーズの一員だが、本系列はAC-Trainの改良型である「 AC2 」シリーズに該当する。外装・内装のデザインはひまわりデザイン研究所が担当している。

最大の特徴

本系列の最大の特徴として、台車に川崎重工が開発した世界初のサスペンション台車「ef-Wing(イーエフウィング)」を採用している。従来の溶接台車が抱えていた問題を解決するために開発された全く新しい台車で、従来の側梁や軸ばねに相当する部分をカーボン(炭素繊維強化プラスチック)製の弓型のばねで支えるという斬新な方法をとっている。カーボン素材特有のしなかやかさにより、乗り心地が従来よりも大幅に向上したほか、従来よりも40%も軽量化したことでレールへの負担も小さくしている。

基本構成

モハ281形 (M・M3)・ モハ282形 (M')・ クハ280形 (Tc)・ クハ287形 (Tc')・ サハ283形 (T・T3)・ サハ284形 (T')の6車種。電動車1両に対して付随車2両まで連結出来る構造となっている。

編成表

形式の後の小文字は区分番台
10両編成

8両編成

仕様

車体

材質はアルミ合金押出型材のダブルスキン構造で、摩擦攪拌接合による滑らかな外観が特徴である。車体長(連結面間距離)20mクラス、車体幅2,800mmのストレートボディである。重心を下げるため車体の高さを従来よりも低くしているが、屋根の形状を工夫することで客室内の高さを確保している。
  • 客用扉は片側に4カ所設置、全て両開き扉である。ドアエンジンは電動(リニアモータ)式。本系列は寒冷地でも使用するため、半自動モード(押しボタン式)にも対応している。
  • 側面表示器は車体中央に設置。表示はフルカラーLED式で、左から号車番号・列車種別・行先の順に表示する。表示幅を従来よりも大きくすることで、「新宿経由 春日部方面 前橋」といった長い表示も余裕で表示出来る様になった。
    • 二次車からは表示器の天地寸法が小さくなり、直下の窓は他の窓と同じ高さになった。

前頭部

前頭部は23系などと同じAC2シリーズでありながら、他系列とは異なるデザインとなっている。
  • 貫通扉を中央に設置し、その両側に運転席の窓を配置している。窓の周囲は黒のガラスパネルを嵌め込み、その周囲を銀色のフレームで縁取っている。
  • 貫通扉は併結時に通り抜け可能。貫通幌は下り方先頭車にあり、自動幌連結システムに対応している。
  • 正面表示器は、運転席側に行き先表示器を、助士席側に列車種別表示器と列車番号表示器をそれぞれ設置している。いずれもフルカラーLED式である。
  • ライトは、メインランプ(HID灯)とテールランプ(LED式)を下部に設置。サブランプは6系でも採用した白色LED式で、貫通扉上部に設置。日中の地上区間では、このサブランプを標識灯として使用することも可能。

走行機器

走行機器はAC-Trainではおなじみの「コンテナ方式」を採用。さらなる改良を施し、メンテナンス性を改善している。
  • 制御方式はVVVFインバータ式(IGBT)で、日立製のものを使用。コントローラは各電動車に設置し、1両単位でコントロールする。
  • 台車は前述の通り、川崎重工製のef-wingを採用。形式は動力台車がCDX-DT28形、付随台車がCDX-TR28形である。台車の構造上ダイレクトドライブモータが搭載出来ないため、AC-Train(・AC2)シリーズでは唯一、カルダン駆動方式を採用している。
  • モータは前述の理由により、カルダン駆動方式に対応したモータを使用。CDX-MT12形をベースにCDX-DT28系台車専用に新設計したCDX-MT28形。
  • ブレーキは電気指令式で、T車(付随車)は遅れ込め制御に対応。
  • 空気圧縮機(CP)はスクリュ式を採用。
  • サービス電源装置はCVCFインバータ(SIV)方式を採用しており、VVVFインバータ制御器と一体化している。万が一故障した際はVVVFインバータのうちどれか1群をCVCFインバータに切り替えられる様になっている。
  • パンタグラフはシングルアーム式で、東湘本線用のCDX-PS8N形を改良したCDX-PS28形。「p」の付く車に2基搭載しているが片方は予備用で、万が一故障した際にはこの予備のパンタグラフを使用して集電する。

客室

客室はこれまでのAC-Trainシリーズとは異なり、都会的で落ち着いたデザインとなっている。
  • 窓はUVカットガラス(グリーン)を使用した大型1枚窓で、一部の窓は下方向に開閉可能。カーテンは設置していない。
  • 各扉の上部には、車内案内用のディスプレイを設置。8系リニューアル車に採用した超横長液晶ディスプレイを1枚配置し、次の駅・行き先・路線図・乗り換え案内・マナー文・cdxや沿線の案内文などを表示する。
  • 座席はオールロングシートである。一部の座席はユニークな形のハイバックシートとなっている。定員着席を促すため、座面・や背もたれは1つ1つ独立している。
  • 荷物棚はアルミ製の板状で、下からも荷物が見えるようにスリットが設けられている。
  • つり革は引き続きAC-Trainで採用された新デザインのものを採用、車両全体にわたって設置している。扉付近は九州旅客鉄道(JR九州)817系の様な環状配置となっている。
  • ごみ箱は設置していない。

カラーリング

  • 車体 :白を基本とし、側面は窓と「おでこ」の部分にマリンブルーの帯を配置。車体の裾部にはブルーグレーの帯が入る。
    客用扉の両脇には注意喚起とアクセントを兼ねた赤を入れている。なお、この赤色は本系列の最大の特徴でもある台車のアクセントカラーと同色である。
  • 前頭部 :貫通扉とスカートは、側面の窓と同じマリンブルーに塗装。貫通扉上部のライトベゼルは一段明るいブルーを入れてアクセントとしている。
  • 客室 :青系のクールグレーを基調としている。

伝送装置

AC-Trainで採用された伝送システム DAIMS (Chiba D ream Express A dvanced Train I nformation and M anagement S ystem)を搭載。車内のあらゆる機器を車内に張り巡らされた通信回線を利用して制御している。
  • 運転席にタッチ式の液晶パネルを設置。この液晶パネルで各車両の状態の表示や、各種装置の操作を行う。
  • TIMS-LIGHTやそれ以前の伝送装置(MON8形など)を搭載した車との併結は出来ないが、非常時は最低限の機器が在来車の機器と接続出来る様になっている。

スペックシート

28系
起動加速度 3.5km/h/s
営業最高速度 120km/h
設計最高速度 120km/h
減速度(通常) 3.5km/h/s
減速度(非常) 4.5km/h/s
車両定員 先頭車135名・中間車153名
最大寸法(長×幅×高) 20,000×2,800×3,800mm
車両質量 22 – 31t
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
歯車比 1:6.77
駆動装置 TD平行カルダン駆動方式
主電動機 CDX-MT28形(160kW)
制御装置 VVVFインバータ制御(IGBT素子)・日立製・1C4M
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ
保安装置 Digital ATC・ATS-G

所属・運用

現在所属・運用している線区

東湘車両センター(浜トシ)


2020年12月現在、8両編成と10両編成が在籍。2014年4月より営業運転を開始した。

2020年12月現在の運用線区は以下の通り。

今後の計画


ちばドリームエクスプレスの直流電車
特急形 現役 32000系 - 34000系 - 35000系 - 37000系 - 38000系 - 39000系
一般形 現役 0系 - 2系 - 6系 - 7系 - 8系 - (新)10系 - 12系 - 13系 - 14系 - 15系 - 17系 - 18系 - 27系 - 30系
AC-TRAIN 21系 - 22系 - 23系 - 24系 - 25系 - 28系 - 29系
引退 1系(・旧10系) - 3系(63系) - 4系 - 5系 - 16系
旧東湘急行電鉄:7000系 - 9000系
旧北関東鉄道:3000系 - 3500系 - 3700系
その他:旧内房鉄道旧型車
計画のみ 20系
その他


最終更新:2022-05-22    一般型 直流 車両

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最終更新:2022年05月22日 01:58