näleːɴtœtoː kämoʔœräːi heläɔɱäːtomo
(国旗) |
(国章) |
国の標語(日):愛による平和、平等、団結 (マ):Linyeaimu, Möyara, Sukamāha |
国歌:ナレーンテァトーに栄光あれ |
主要言語 |
標準マウサナ語 |
首都 |
マーテパーナ |
政府 |
連邦政府 |
国家元首の称号 |
ヘラッオ(皇帝) |
事実上のトップの称号 |
党中央委員会事務総長 |
政治体制 |
立憲君主制 |
人口 |
およそ205億人(1780) およそ450億人(2000) |
主な宗教 |
サーナ教 |
通貨 |
ラリウ |
建国年 |
シンテーア暦1533年 |
加盟年 |
シンテーア暦1728年 |
領 有 |
母星 |
惑星マウサナ |
首都星 |
惑星マウサナ |
その他惑星 |
ニャレス マロサール イーリナーワン ネーロアール ラーノターム パーロナーム |
領有星系 |
計4星系(アナ星系、ピマオール星系、ッイーワナール星系、エーレリール星系) |
「人民はみな、多かれ少なかれ自由を望み、権威は望まないだろう。
しかし同時に、秩序と幸福を熱烈に求めている。
だからこそ国家というものは、人民の秩序と幸福を保証するために、
ある程度の権威を持ち、そしてある程度の自由を与えるのだ。」
――初代 全マウサナ共同体主義党中央委員会事務総長
ナレーンテァトー連邦帝国は、スラーン宙圏に位置する象徴君主制のエーンヤイッア民主主義国家である。首都は
惑星マウサナ。
帝国を名乗っているものの皇帝(ヘラッオ)には政治的な実権がない。貴族階級はおらず、いわゆる公務員が国家の統治を担っている。現時点ではアナ、ピマオール、ッイーワナール、エーレリールの4星系を中心に保持する星間連邦である。
アナ星系、惑星マウサナの文明は
マウサナ人という種族が独自に築いた文明である。マウサナ文明は長い間、巨大な石造建築と中小の木造建築、高度な治水技術、体系化された宗教、文学や科学、土器や織物などの工芸品、道路網や洗練された官僚機構からなるすぐれた統治システムなどを特徴としていたが、技術爆発(産業革命)以降になると飛躍的に技術が向上し、ついにFTL航法を発明するに至った。
主産業は農林水産業、重工業、
アンドロイド工業、ウェアラブル工業で、マウサナイネ(ミャペ)という作物が主食である。経済システムが社会主義的であるため第三次産業は他国と比べて発展していないが、その代わり第一次産業と第二次産業の従事者が多い。
得意なテクノロジー分野は機械工学、アンドロイド技術、ウェアラブル技術、造船工学(スペースコロニー含む)、実体弾兵器で、その一方で生命工学(遺伝子操作など)やレーザー兵器、シールド技術などは他国に劣後しており、テラフォーミング技術に関しても(ステラリスと比較して)制約がある。
概要
ナレーンテァトー連邦帝国は通称マウサナ、あるいは連帝などと呼ばれている。
大宇宙連合会議への加盟は1728年で、後発組に入る。
人口は周辺国と比較してそれなりに多いものの、様々な要因から一人当たりの経済力や労働生産性が低いため、国力も周辺と比較して突出していない。
外交面では
ラノー条約機構の原加盟国である。外交の方針は協調的で自ら敵を作ろうとせず、他国情勢には必要以上に介入することはない。
軍事力としてはそこまで強くはないが弱くもない。20世紀前半の地球に例えるなら中華民国やポーランド、チェコスロバキアのような中堅国家だろう。
なお、大宇宙連合会議への加盟以前からアンドロイド関連技術がガラパゴス的な発展をしていた国家であり、アンドロイドの国民が2割ほどを占めている。
国名
正式な国名はマウサナ標準語で[IPA:näleːɴtœtoː kämoʔœräːi heläɔɱäːtomo](ナレーンテァトー・カモッエァラーイ・ヘラオムァートモ)である。
大宇宙においては「ナレーンテァトー」や、別の通称として「マウサナ」と呼称され、国内でもマウサナと呼称されることが多い。
国旗
国旗は三角形で、「2:1に引き伸ばした正三角形を薄黄、黄緑、水色、桃色の4色の面積が同じになるように分割し、重心にサーナ教のシンボルを配置、旗の外周を金色の糸で縁取りしたもの」と決まっている。
重心に配置されたサーナ教のシンボルは、国民統合の象徴である皇帝と恒星神サーナの権威を表し、周囲の4色はマウサナ人の髪の毛の色であり、全ての国民は平等であることを表し、それを金で縁取りすることで国家全体を表している。
マウサナ文明における国章は国家の名称を示すための長方形の旗でありサブの国旗であり、空と海と大地を示す色で塗り分け、その上に「ナレーンテァトー連邦帝国」と書かれている。
種族
マウサナ人
- 身体能力:人間と比べて瞬発力が高いが持久力では劣る。聴覚が人間より優れる。
- 知能:人間と同程度
- 個体数:国内の大部分を占める
- 寿命:人間より短い
- 備考:惑星マウサナ発祥の種族であり、雌雄同体の猫系ヒューマノイドである。
両性具有であるため全員が猫耳と尻尾のある美少女のような外見をしている。平均身長165cm。髪の毛の色は水色、黄緑色、金色、桃色がある。
温厚な気風を持つ種族で共感性と協調性が高く、誇りよりも実利を重視する傾向にある。
産まれてから6シンテーア年で肉体的には大人になるが、その代わり寿命が人間よりも短い。
精神を重視し、平等主義的な価値観をもつ。農耕民族であり争いは好まないが防衛には積極的である。
表情の代わりに、特殊な器官によりマウサナ人同士であればテレパシーのようにお互いの感情を読むことができる。
ネーロアートー
惑星ネーロアール発祥の種族。乾燥型惑星であるため、身体能力は概ねマウサナ人と同等だがそれに加えて、乾燥と暑さへの体制が非常に高い。
ネーロアートーは狐系ヒューマノイドであり、雌雄異体である。耳は獣耳だが、非常に大きく顔の面積くらいあり、暑さへの体制に繋がる。
戦士気質のある種族であり、マウサナ人とは対照的に誇りを重視する。テレパシーのような能力は持たないが、聴覚と嗅覚に優れる。
歴史
1ムク=およそ0.41シンテーア年
大宇宙連合会議加盟以前の年表
先史時代
(文明誕生以前)
55万ムク前:マウサナ人の出現
4万ムク前:農耕の開始
古代
(文明誕生~技術爆発)
2万ムク前:文明誕生
サーナワン暦0ムク:旧法サーナ教の教義が確立し、サーナワン暦が制定。
サーナワン暦22世紀:新法運動(新たな芸術や文化を追求する動き)
サーナワン暦24世紀:大航海時代
サーナワン暦29世紀:科学革命
中世
(技術爆発~惑星マウサナ統一政府樹立)
サーナワン暦31世紀:
マウサナ技術爆発(産業革命)
サーナワン暦35世紀前半:第一次マウサナ大戦勃発。数ムクで終結、死者1億人。世界連盟設立。
サーナワン暦36世紀前半:宇宙飛行とマウサナ人の衛星への到達。
サーナワン暦37世紀前半:情報化革命。インターネットが台頭し個人用のデバイスが普及する。
サーナワン暦37世紀後半:AI革命。AIの性能はやがてマウサナ人を上回るようになった。
サーナワン暦3779ムク:とあるスペースコロニーの自治政府が過激派アンドロイドと組んで反乱を起こし「
第二次惑星マウサナ大戦」が勃発。
近世
(マウサナ統一政府樹立~大宇宙連合会議加盟)
ハーメノー暦0ムク/
シンテーア暦1533年:講和条約が締結。第二次マウサナ大戦終戦。惑星マウサナ統一政府樹立。
ハーメノー暦21ムク:復興に大きく貢献した「尊敬される者(ニメワースートー)」、ヤーキトループのネミティーカというマウサナ人が皇帝(ヘラッオ)に祭り上げられる。しかしヤーキトループのネミティーカは「いい人」であったためその地位を悪用することなく引き続き復興に尽力し、その生涯を終えた。
ハーメノー暦65ムク:崩御したヤーキトループのネミティーカの後継として、ニメワースートーであったヌデーンパミーのポソッエーウが選ばれ、二代目ヘラッオとなる。ヌデーンパミーのポソッエーウは立憲君主制を採用し、ここに惑星マウサナ連邦帝国(ナレーンテァトー連邦帝国の前身)が建国された。
ハーメノー暦150ムク頃:惑星マウサナの復興が概ね完了する。
ハーメノー暦168ムク:惑星ニャレスのテラフォーミングが再開する。
ハーメノー暦185ムク/1609年:内惑星戦争の勃発。宇宙艦隊戦により兵士に莫大な死者を出し、合計1000万人に及んだ。
ハーメノー暦312ムク/1661年:優生マウサナ人によって北極戦争が勃発する。これにより遺伝子改変がタブーとなる。
ハーメノー暦374ムク/1687年:惑星ニャレスのテラフォーミングが完了し、温帯の惑星となる。
ハーメノー暦390ムク頃/1693年:最高速度が光速に到達する。
ハーメノー暦415ムク/1703年:ピマオール星系(G5V型)第二惑星イーリナーワン(温帯)への入植が開始される。それに伴って国号をナレーンテァトー連邦帝国に改める。
ハーメノー暦473ムク/1727年:シルア領アトゥルズとピマオール星系の間で、全シルア労働者連盟とのファーストコンタクト。軍事衝突があったが、大惨事となる前に停戦し、ファーストコンタクトが成立する。
大宇宙連合会議加盟以降の年表
アンドロイド時代
ハーメノー暦475ムク/シンテーア暦1728年:エルミアのスモラクでナレーンテァトー連邦帝国が大宇宙連合会議に加盟。
シンテーア暦1730年代:周辺諸国との関係を築く。
アクース内戦は不参戦。
デクトリア社などの中小企業アンドロイドを導入。
シンテーア暦1743年:
マーカス内戦にデクトリア派として参戦。
シンテーア暦1747年:マーカス内戦終結。勝利。派遣規模がシルアと比較して小規模な傾向なのでその分損害も少なかった。なお、40年後に痛い目を見る(予定)。
シンテーア暦1750年代:マウサナ版アーパラーパ(テワーパナ社およびルライソ社。前者はデクリア、後者はデクトリア以外の中小企業を、それぞれ国内の企業と統合)の設立。
シンテーア暦1760年代:ポスト・マーカスのアンドロイド先進国となる。
領域
居住可能惑星一覧
星系 |
惑星 |
入植年 |
備 考 |
アナ星系 |
マウサナ |
母星 |
熱帯型惑星 アナAの第三惑星で、母星。半径7541kmで、国内の主要惑星では最大。人口120億(1780) 地球の1.2倍の半径で、重力がやや強く、大気圧と酸素濃度が高い。7割が海洋で3割が陸地。 生命にとって地球よりも理想的な惑星であるが故に、強くて攻撃的な生態系が繁栄し、 スーパー台風と共にマウサナ人を悩ませてきた。 現在はナレーンテァトーの首都惑星として、国内では政治的にも経済的にも最も強い力をもつ。 |
アナ星系 |
ニャレス |
1687年 |
大陸型惑星 アナAの第四惑星。半径7321km。人口20億(1780)。 元々は低緯度地域を除いて氷河で覆われた寒冷な惑星で植物もなかったが、 テラフォーミングで現在の地球くらいの環境に変化した。 ナレーンテァトーではマウサナに次いで重要な惑星であり、人口が2番目に多い。 |
アナ星系 |
マロサール |
1700年 |
潮汐固定惑星 アナBの第二惑星。半径6760km。人口3億(1780)。 赤色矮星アナBの惑星で、潮汐ロックにより昼側は灼熱、夜側は極寒であり、 僅かな明暗境界帯にのみ居住が可能である。そのため、黄昏の惑星と呼ばれる。 |
ピマオール星系 |
イーリナーワン |
1703年 |
大陸型惑星 ピマオール星系第二惑星イーリナーワンサーッエ(半径79130km)の最大の衛星。 半径5410km。人口15億(1780)。 元々、地上に高度な生態系があった温暖な惑星でテラフォーミングは不要だったため、 ニャレスとほぼ同時期に入植が始まった。後述のネーロアールとは軌道共鳴の関係にある。 6割が陸地で4割が海。陸地の大部分は森林で、湖が多い。 |
ピマオール星系 |
ネーロアール |
|
乾燥型惑星 ピマオール星系第二惑星の第二の衛星。半径5132km。人口35億(1780)。 草原と砂漠に覆われた地表は主に台地と峡谷で構成されている。 高緯度地域には森林も存在するが、それ以外の場所に生える植物は草と潅木のみである。 ネーロアートーと呼ばれる前FTL種族が居住しているため17世紀末に2つの保護国が成立した。 ネーロアートーは狐人であり乾燥と暑さに強いという特徴がある。 保護国:ニレンコ王国連合、クルライミ諸民族連合 |
ッイーワナール星系 |
ラーノターム |
1750年代後半 |
熱帯型惑星 ッイーワナール星系第三惑星。半径6377km。人口5億未満(1780)。 惑星マウサナによく似ている。入植は1750年代後半。 |
エーレリール星系 |
パーロナーム |
19世紀後半 |
海洋型惑星 エーレリール星系第二惑星。半径5930km。 惑星の8割以上が海洋となっている惑星。入植は19世紀後半。 |
主要都市
マーテパーナ
この国における政治・経済・文化の中心地であり、都市圏人口10億人を擁するハイパーメガロポリスである。
中心部には政治施設の他に、様々な企業の本社ビルや各国の大使館、そして中心部の外れにはこの国最大の歓楽街がある。
保護国
ニレンコとクルライミは共にネーロアートーと呼ばれる惑星ネーロアールの前FTL種族の国家である。17世紀末の接触時には機械化時代であり、小規模な衝突の後、トナウッア条約によって数十の国家が二つの保護国として再編されることとなった。
保護国であるため大宇宙連合会議には加盟せず、外交権を持たない(統計では連邦帝国の一部として扱われる)。連邦帝国による技術的教化と、政治体制の「中庸化」が進められた。
惑星ネーロアールの中緯度地域に存在する先住民国家。連邦帝国の指導のもと、様々な王国や諸侯が合併している。人口17億(1780)。
惑星ネーロアールの高緯度地域に居住するクルライミ系の諸民族を集めた先住民国家。構成国には共和国や王国がある。人口13億(1780)。
政治
▲エーンヤイッア民主主義についてイデオロギースペクトルで説明した画像。
政体は共同体主義(エーンヤイッア主義)象徴君主(事実上の共和)制。統治体制は、全マウサナ共同体主義党による事実上のヘゲモニー政党制であり、全マウサナ共同体主義党とその衛星政党以外の政党は憲法上認められておらず、国民には結党の自由がない。
立法機関としてナレーンテァトー国民議会が置かれ、行政機関として党中央委員会政治局が、司法機関として最高裁判所と最高検察所が存在する。三権分立ではないが、司法機関の独立が憲法で規定されている。
国家元首たる皇帝、全マウサナ共同体主義党の最高職であり外政担当の党中央委員会事務総長、政府の長であり内政担当の首相、司法機関である最高裁判所長官、この四名の共同指導者により組織を運営する所謂トロイカ体制が敷かれている。
この「四頭体制」は一人に権力集中するのを防ぐために、四人に権限を分散させた集団指導体制であり、憲法によって兼任が例外なく禁じられている。任期は事実上終身(ただし選挙は行われるため失脚もある)。
選挙制度としては普通選挙・平等選挙・直接選挙・強制選挙を特徴としており、単記移譲式大選挙区制である。選挙では全マウサナ共同体主義党から定数を上回る立候補者が出馬するのに加え、無所属候補も多く立候補するため、ある程度は民主的といえる。
軍事
ナレーンテァトーにおいては、「国家防衛軍(国防軍)」と「国家親衛軍(親衛軍)」の2つの組織に分かれている。宇宙における艦隊戦においては専ら国防軍の航空宇宙軍の担当となっている。
惑星上での戦闘においては、国防軍の陸軍はその大部分が軍用オートマトンによって構成される機械の軍であり、個々の強さよりも物量を重視し戦線の数的主力を担う。一方で親衛軍は国民の志願者によって構成される精鋭の軍であり、数よりも練度を重視した少数精鋭として戦線の中核や特殊な作戦を担うという違いがある。
国防軍は陸軍・航空宇宙軍からなる。一方で親衛軍は惑星上での戦闘のみを担当するため宇宙艦艇を保有していない。国防軍・親衛軍ともに兵役制度が存在するが、宇宙艦艇は自動化技術によって省人化に成功していることもあって、基本的に志願者で賄っているため事実上は兵役がない。
経済
自主管理社会主義に類似した「共同体経済」を採用している。政府による計画経済を参考にしつつ、資本家ではなく労働組合によって所有される企業(法人)が人民の需要と供給に基づいて生産活動を行う。
政府による計画経済は五ヵ年計画などあくまでも道筋を示すもので強制力がなく、ノルマも課されない。生産の詳細はそれぞれの労働組合や、地域別の農業組合の采配に委ねられている。
労働組合の人民は、労働組合の生産物に対し等しく所有権を有し、それゆえ地位や任務にかかわらず等しい稼ぎと等しい便益を得る。企業は労働組合の下部組織である。
国家「AとBを作ってもらいます。Aを50、Bを30作ってください」→労働組合「Aは40で十分、Bは30だと足りんから40作るわ」→人民「欲しいものがちゃんとあるぞ」
共同体経済
「五ヶ年計画」においては当局が予め目標を定めて経済をそれに誘導しようと試みるものの、価格設定など仔細な点まで立ち入らず、目標にも固執せず柔軟に対応する。
共同体経済体制が敷かれ、社会の市民すべてが参加して経済活動を民主主義的に計画している。ソビエト連邦等の計画経済と異なり政党を要さず、資本主義と異なり剰余価値はその生産者である労働者達が獲得し、非労働者による搾取が無い。
企業経営の仕組み
企業の経営は通常だとトップダウン形式であるが、ナレーンテァトーにおける「共同体経済」は逆で、ボトムアップで労働組合を通して、労働者の意志が反映される仕組みとなっている。
しかし、企業の複雑な運営を労働者と技術者だけで行うことは不可能であるため、労働組合はAIに経営を委ねる。
資本主義企業では出資者が経営者と労働者を雇うが、「共同体経済」では労働組合(と労働者)が経営者を雇う形になる。
最高意思決定権は労働組合にあるため、労働者・技術者が労働組合を通じて間接的に経営をチェックできることになる。
また、企業の活動には資金が必要となるが、その資金は国または地方自治体による出資と、余剰利益からの投資によって賄われる。
国に出資される企業を国家法人、地方自治体に出資される企業を地方法人と呼び、まずは後者で起業してから事業拡大に伴って国家法人に移行するのが一般的である。
大宇宙への加盟以降には外資系企業がマウサナに進出できるようにするために、特別法人という区分が設置された。
なお、財閥のような複数分野も跨る企業は禁止されており、例えるアンドロイド工業法人はアンドロイド工業(アンドロイドの製造・販売・維持など)の分野でのみ活動できる。
マウサナ人にはこれまで贅沢品をほとんど作らなかったので、いわゆる贅沢品の技術は、大宇宙諸国の平均より数十年遅れており、その多くが他国の旧型製品の技術供与を受けたもの、もしくは無断コピーや、戦争において他国から接収した技術の流用であった。
著名な企業
重工業国家法人トルオポラ社
宇宙船、軍用ドロイド、軍事兵器の製造・販売を行う、マウサナ二大重工業会社の一つ。ライバルのリートア社よりも全体的に大きなものを作る。
重工業国家法人リートア社
機械、建設機械、航空機、軍用ドロイド、軍事兵器の製造・販売を行う、マウサナ二大重工業会社の一つ。トルオポラ社よりも小さいものを担当する。
アンドロイド工業国家法人テワーパナ社
1752年、マーカスのデクトリア社の国有化に伴い、アンドロイド工業特別法人マウサナデクトリア社と既存の国内アンドロイド国家法人を合体させて設立された結果、ナレーンテァトー首位のアンドロイド法人となりマウサナ市場を複占した。1760年代以降は国外に積極的に進出。当面の間は「マーカス二大企業亡き後のアンドロイドの整備補修」が国外における主要な事業となった。
アンドロイド工業国家法人ルライソ社
テワーパナ社に次ぐアンドロイド法人。デクトリア社以外のマーカス系中小企業を国内の企業と統合させて設立された。積極的に国外進出したテワーパナ社に対して、ルライソ社は国内を中心としている。
交通
宇宙における交通手段には輸送用の宇宙船が利用されている一方で、惑星上における交通手段は第二次大戦後の文化的停滞もあって、21世紀の地球程度の水準からさほど進化していない。
惑星上の主要な交通手段は、完全自動運転の電気自動車(未だに空を飛ばず、ゴムタイヤである)、鉄道(レールではなく、浮上するタイプのもの)、航空機(スペースプレーン。一度宇宙空間に出ることでより高速での飛行を可能としたもの)などが使用されている。
科学技術
アンドロイド産業
ナレーンテァトー連邦帝国は、大宇宙の加盟以前よりアンドロイドの技術がガラパゴス的な発展を遂げていた。大宇宙加盟以降は、国内のアンドロイド技術体系から大宇宙のアンドロイド技術体系への移行が進み、1760年には大宇宙では上位のアンドロイド技術(流石にマーカスには劣後する)を有するようになった。総合的に見ると、この国のアンドロイド産業はスラーン宙域では第一位である。
ルハーマオ思考AI
1760年代以降、ナレーンテァトー連邦帝国の企業によって開発
異なる3つの思考回路を有するアンドロイド。簡単に言うと、感情と論理を両立した偉人のような存在である。
ルハーマオ思考AIは、製造された当初は感情がない。しかし周囲の環境から学習し、3つの思考回路が形成される。そのため、トリニティ思考AIは皆違う思考回路を持っている。
有機生命体は思考回路が1つなので、時には感情的になり過ぎて謝った判断を下すことがある。しかし思考回路が3つあることにより、常に感情があるにも関わらず論理的な判断を下す、つまり感情的でありながら論理的である。
有機生命体と全く同じアンドロイドなら有機生命体に対する利点がない。しかしルハーマオ思考AIは、感情のないAIに近い論理的な判断を下すが、同時に感情を持っていることで、有機生命体に対する利点がある。
最大の利点は、感情的になりすぎないので、困難に直面してもある程度耐久して臨機応変に対応できることである。
ウェアラブル機械産業
歴史的な経緯や文化的な理由から、マウサナ人は自身に遺伝子改造を施したり、インプラント装置を埋め込んだりすることに抵抗が強いため、代わりに外部に装着することで自身の性能を高める「ウェアラブル機械」が発展している。
第一世代流体金属服
1750年代以降、ナレーンテァトー連邦帝国の企業によって開発
流体金属服により、従来の物理的機能のみを有する服から、ウェアラブル端末を兼ねた情報的機能を有する服に進化する。
流体金属服は、サイボーグとは別のアプローチからアンドロイドと有機生命体の格差を産めるものである。流体金属服は強化外骨格として働き、また情報端末として着用者に様々な情報を与える。
例えば、アンドロイドのように高い身体能力を発揮出来るようになり、また情報補助により視界に様々な情報を表示したり、計算を代わりにやってくれたりする。
外見は、外側はディスプレイにようになるため、外見上は任意の普通の服を着ているように見える。
なお、第一世代、第二世代と時代が下るごとに性能は高くなっていく。
機能的竹筋コンクリート建築
鉄筋コンクリートではなく、竹を処理したものと高機能性コンクリートを用いて、一般家屋やビルヂングを建設している。惑星マウサナの竹は地球のそれよりも頑強なものがあるため、様々な処理を施すことで鉄筋の代用となり、原子力時代には「四竹一鉄(建造物の8割は竹筋コンクリートを用いる)」と言われていた。現代においては竹に特殊な処理とコーティングを行い、高機能コンクリートと併用することで、原子力時代の鉄筋コンクリートと比較して強度と耐用年数において十倍ほどの性能を誇る。また、PC工法が一般的で、工場で量産したパーツを組み合わせることで自由自在に建物を短期間で安く作ることができる。
文化
宇宙関連の技術や文化は他の大宇宙諸国とほぼ同等であるが、惑星上における生活水準や文化は後述の文化的停滞によって初期宇宙時代の水準であり、宇宙関連と比較して発展のギャップが存在する。
ハーメノー暦時代の文化的停滞
ハーメノー暦時代の文化的停滞とは、第二次惑星マウサナ大戦終結後から大宇宙への加盟にかけてのハーメノー暦時代において、惑星マウサナ文明の生活水準がほとんど変化しなかったことを表した用語である。
原因としては、第二次惑星マウサナ大戦によって人口の6割を喪失したことによる人的資源と技術の衰退、復興に100年を要したこと、大戦以降に資本主義を国是とする政体が出現せずイノベーションが鈍化したことなどが定説である。文明の生活水準は大宇宙加盟の頃でも、21世紀~22世紀の地球文明のレベルであった。
ただし技術革新が無かったわけではなく、FTL航法技術を筆頭に常温核融合技術や核融合電池、レプリケーター、陽電子砲、反物質兵器、世界タービンなどこの期間にもいくつかの革新的な発明があった。また、既存技術の改良は徐々に進んでいた。そのためカルダシェフ・スケールの観点では、さほど停滞していないという事実を補足する必要がある。
服飾
基本的に色の薄い半袖のワイシャツを着て、ベルト付きの短いプリーツスカートとニーハイソックスを履いている。これはマウサナ人の正装である。必要に応じて、ノンラーに類似した日除け笠を被ることもある。基本的にマウサナ人は皆、似たような服装をしている。
住生活
都市では団地のような集合住宅が主流であり、これはナレーンテァトーが社会主義に類似した経済システムを持っているからである。
一方で農村部には伝統的な高床式の住居も残っており、多くが木造であり、熱帯の気候においても快適に過ごすことができる。
食生活
マウサナ文明発祥の地である惑星マウサナは、温暖湿潤な熱帯気候が多い惑星であるため、地球における熱帯アジア地域のような食文化を発展させてきた。
主要な主食はミャペという米に似た穀物と、グーカナというバナナに似た果物である。豚や牛のような大型の陸上動物を食べる習慣はなく、代わりに「プイ」と呼ばれる大型のネズミや、その他の小動物や鳥類が飼育されている。
食品
料理の一般的な特徴として、魚を塩漬けにして発酵させた魚醤という発酵調味料を使うこと、ミャペ食文化であり麺類や春巻の皮などもミャペから作ることなどを挙げられる。伝統的な料理は砂糖やハーブを多用し、全体的に甘い味付けや辛い味付けが多い。
「プイ」と呼ばれる大型のネズミは飼育が容易で、繁殖力が強く成長が速い。味はウサギや鶏のもも肉に似ている。かつては祝い事の際のみに供されるご馳走だったが、現在では日常的に食べられる。食用の両生類や昆虫なども市場で売られており、屋台などで食べられる。魚介類も食材として一般的である。
ナレーンテァトーの国民食としては、芋か穀物を野菜と一緒に煮て、少量の肉または魚介類を加えた雑炊のような料理「ビーマ」が存在する。ビーマの味付けは多種多様であり、ビーマ専門店は数多く存在する。
飲料
ナールイというカフェインを含む果物のジュースが良く飲まれる。また、ナールイは濾過せずにスムージーのようにすることで天然のエナジードリンクにもなる。逆に牛乳のような乳製品を飲む文化はない。
嗜好品
マウサナ人はアルコールを分解する能力が低いので、酒を飲む文化はあるがさほど発展しなかった(ミャペという稲的作物から作る濁り酒は存在する)。
その代わりにマウサナ人は「ムロイ」という植物の葉に含まれる、複数の有機化合物(酩酊物質と呼ばれる)を同時に摂取することにより酔ったような状態になるため、こちらが利用される。ムロイを摂取するメジャーな方法は二種類あり、一つはムロイの葉を粉末にしたものを果汁に入れて飲む方法、もう一つは「ソクレレ」という器具を使用する方法である。近年では電気式ソクレレが一般的になっている。
マウサナ人の名前
30秒でわかるマウサナ人の名前の仕組み
マウサナ人による例:シッエーバールマのリーウリノー(任期1738-1753 ナレーンテァトー連邦帝国党中央委員会事務総長)
シッエーバールマは惑星の地名、リーウリノーが名前。
マウサナ人の名前は大抵、サーナ教聖典の登場人物か、故郷の偉人から引用される。
ただし一部、卜占によって新規作成された名前を持つマウサナ人も居る。
関連項目
最終更新:2023年10月10日 16:07