ここにはアポラ星系国際連盟の歴史を示す。折り畳み内にすべて記述

~1690年代:帝国主義再び

 大宇宙連合会議加盟前夜である1690年代は星連の最初期の失敗を露呈させる時期となった。星連全体の経済は、星連成立以前の列強がほぼそのまま十大国となって強大な力を維持するままとなった。1660年代以降、ラペアの帝国主義による植民地支配体制が崩壊して久しいとはいえ、依然として新興国の多い地域には多くの問題が取り残されており、十大国がこれに付け込んでかつての影響圏下にあった国家を掌握しようと試みたことから星連の意義は形骸化し、列強による帝国主義が再びはびこる結果となった。

シンテーア暦18世紀前半

1700年代:銀河恐慌

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 1702年、プルスティアの宇宙船がアポラ星系に侵入。信号の発信源が身元不明の宇宙船であることが発覚すると事態が急変。十大国は宇宙船に対して意見が分かれ「武力行使(ハードコンタクト)論」と「温和交信(ソフトコンタクト)論」で真っ二つになった。議論の末、後者の意見が採用され、プルスティアとの交渉が試みられる。その後1年間、星連は総力を挙げ交渉して成功に持ち込んだ(プルスティア側がこちらの文明に合わせたため成功が早まっていたことが後に分かった)。
 交渉の中で大宇宙連合会議の存在が発覚する。連合会議への加盟を決意した星連は当時、星間航行の技術を持ち合わせていなかった。そのため、プルスティアの宇宙船の力を借り、ようやく初めて外交使節はエルミア共和国のスモラクの地を踏み、1705年、ついに星連は大宇宙連合会議に加盟した。これにより星連の真の宇宙時代が始まる事となる。
 しかし、星連に与えられたのは栄えある星間文明への道ではなく、遅れた文明が背負うことになる地獄への道であった。これには以下の理由が挙げられる。
  • 既存の情報時代の文明が突然に時代遅れの産物になり、社会の変革を強いられる状況になった
  • マルチデバイスなどの機器や星間航行技術は星連域外からの輸入に依存せざるを得なくなった
などの諸要因により、星連の経済事情は急激に悪化した。連合会議の星間文明の信用の強力な通貨に対して弱い星連の諸通貨は暴落し、わずか数週間で紙屑同然と化した。星連経済はこれにより大打撃を受けることとなり、失業率は急激に上昇して1707年には12%に達した。さらに失業者の発生で国際競争力の低下も経済の低迷に拍車をかけ、状況は絶望的になった。この一連の動向を「銀河恐慌」と呼ぶ。
 1708年、これらの状況を打開するために十大国は各国の経済動向の回復後、星連諸国の通貨の信用をより大宇宙文明内で強力なものにするため、星連域内の全通貨の統一という強硬な発想に出た。同年、1720年までに星連の統一通貨を作ることを目標として星連の標準通貨単位アプロルが制定された。
企業名 概要 末路
フェルテト燃料公社 エネルギー ダグテェガデ財閥に買収
アンヴァー・メディウス 交通 ゲルデン航宙公社が子会社化
カルテス 造船 エルメト社が子会社化
ランディオン発動機 内燃機関 クファールストレクター社が買収
サフュト 電子機器 オムニダ社が買収
星系連合報道社 放送 ゾラック銀河の系列局化
コメトリアス社 ロボティクス アイローム社とリヴァダー社で分割
アヴァイヴァニス・シュトーゼ 穀物・食料 ホムゼラカ・ヒェダ財閥に買収

1710年代:改革と焦燥

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 経済統合を目標とした星連だが、他星間文明との外交を拒むわけにもいかなかった。特に隣国となったマーカス連邦は産業を振興し自国企業の事業規模を拡大するため、アンドロイドメーカーとして名高いアイローム社リヴァダー社を斡旋した。1712年にはマーカス連邦との通商条約を皮切りに多くの国と通商条約が結ばれ、この年から様々な星間企業による買収合戦が始まると同時に、今後30年近くにわたるアンドロイドの大量輸入が始まった。その後1715年にマーカス連邦との技術支援協定が締結され、この条約でマーカス連邦にエンジニアを派遣し研修させて帰還させ回収することで、国内の経済回復と技術力の増強を図ろうという思惑があった。
 一方経済は、1714年に星連内諸国の経済調整会議、また統一通貨に向けて星連銀行が設置された。統一通貨の名前は「ルイシェ」に決定され、統一通貨の施行にあたって財政・経済成長などの細かい規定が制定された。Sint.1719/15/10(Lape.3699/08/34)当初の規定通り、各星連加盟国の通貨とルイシェとの相場が固定され、翌Lape.3700/00/00にアプロルはルイシェに切り替わり、Lape.3700/01/01から星連内諸国との通貨との交換が可能になった。
 1718年、星連は大宇宙諸国と協力する形で未確認文明調査隊を組み、銀河に未だ見ない文明が存在すると踏んで調査部隊を派遣した。当該部隊は1721年にウビウリ首長国共同体と接触し、かの国が連合会議に加盟する契機になった。ウビウリとはこの後のPJCQD時代まで我が国の友好国として関係が継続する。

1720年代:その場凌ぎの星間国家

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 1720年以降、共通通貨が次第に星連全域に受け入れられたが、同時に問題が生じ始める。星連は経済基盤がぜい弱な国家も内包しており、星連は各構成国の実体経済とかけ離れた一つの財政政策を強いることになった。インフレ率も実態と乖離する事態を招き、経済均衡は崩れ始めていた。また、当時の星連は大宇宙諸国に対して「連邦国家」として振る舞う一方で、実際は十大国の思惑に振り回される「国際機関」だった。さらに並行で発生したアポラ固有企業の買収合戦による壊滅は、のちの星連の産業の成長能力を著しく阻害する要因になった。星間文明として強力な政府になるには星連の構成国政府を解体し、集権された中央政府を設立する事であったが、当時の十大国はそれぞれの思惑により動いていたためこれは実現しなかった。
 一方で輸入されたアンドロイドも、得体の知れないものとして当初は忌避されることも多く、労働需要から溢れたアンドロイド失業者が急増した。そのうえ、産業の効率化やアンドロイドの急激な導入で再び失業率は上昇を開始した。この頃から労働の需給バランスが崩壊し、失業者の手当のため社会保障費が膨れ上がっていくこととなる。
 1721年、大宇宙連合会議諸国との共同調査によりウビウリ首長国共同体と接触。同年ウビウリと星連との間に友好協定が締結された。この協定は、ヘンネベベ星系の採掘基地を星連に譲渡し、代わりに技術指導をウビウリに与えるというものも含まれていた。星連政府はウビウリが同じ星間文明としてまだ若いことに親近感を覚える一方、自分らの政府と同じような展開を負わないかを危惧していた。
 1724年、前述した統一通貨と企業買収の影響によってアポラ経済の悪化が進んでいたため、星連はウビウリの採掘基地の領有権を手放すことを持ち掛けた。ウビウリ側は技術供与を絶たれることを恐れ、星連への一回目の経済支援を開始、ウビウリ企業が最初に星連域内に進出したのがこのころである。

1730年代:不一致、不誠実、不平等

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 1730年代に入るとアクース内戦が勃発するも、星連は体制の欠陥によってまともに外交が出来ず、星連構成国同士ですら判断が分かれる始末だった。アクース内戦に関する連合会議安保理では、星連の立場が代表者の出身構成国で毎回異なるという珍妙な事態が起こっていた。さらに星連は実際のアクース内戦に関しては財政支援などもほぼ行わず(実際は既に内部崩壊が始まっており何も出来なかった)、星連は脆弱な国家であると連合会議に思われるようになった。
 1732年、アクース内戦が終結してタリッサ・ユル体制になってからも星連の政策の失敗はたて続けに発生した。まず、アンドロイドエンジニアをマーカス連邦との協定に基づいて星連への帰還を命じるも、半分近くがマーカス連邦の待遇の良さからこれを拒否した。この時点で星連は産業振興計画が破綻することを防ぐため強硬的な帰還を命じ、帰還拒否を刑事罰で裁く暴挙に出た。この政策はヴァルエルク共和国を筆頭とする自由解放連合に批判された。また同年、大宇宙諸国の大企業の買収によるこれ以上の自国産業の破壊を防ぐために、法規制および関税の吊り上げを行おうとしたものの、既にサーヴァリア企業連合等に買収された企業らとそれに近い外交関係にあった諸国の圧力によって法案採択に失敗。同年、ウビウリからラブブメデ傭兵団を雇用し、翌1733年にはマロ・オビアブ傭兵団を雇用した。
 1737年、アンドロイドが民間人を殺そうとしていた所を別のアンドロイドがかばって死ぬという事件(オレンジの花事件)が発生。これにより、アンドロイドに対しての法の適用に関して再検討がなされ始める。しかし、当時の星連はこれを相手にする余裕はなかった。なぜなら、星連銀行の赤字国債が内部発覚したのがこの頃であり、火消しと関係者の激しい潰しあいが水面下で行われていたからである。
 民衆は星連の一切の言動も起こさない態度に不満を感じ、複数の思想の勢力などに分かれ動きは活発になっていった。また議論の的になっている当事者のアンドロイドも、当時のマーカス連邦と同様にアイロームとリヴァダーの二大勢力を中心に様々な派閥が入り乱れた。
 1739年、民衆の動きに応じて星連構成国同士でも次第に態度が分かれていき、ついには十大国同士での動きへと変化していったものの、思惑のバラバラな十大国では星連全体としての態度がまとまらず、ギリギリの投票でアンドロイド人権に対し優越するアイローム陣営に付く流れとなった。

~1742年:アポラ動乱と崩壊

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 1740年には星連主導の赤字国債の火消しも収まってきたものの、隣国マーカス連邦ではきな臭い情勢が展開されていた。これに呼応して星連内でもより対立が深刻となり、不満を募らせた十大国政府同士が一触即発寸前になっていた。その情勢下でサーヴァリアが星連の持つウビウリの採掘権に関して強力に圧力をかけたため協定は破棄された。まもなくして、ディガイナのラジオ放送で星連の膨大な赤字国債が暴露され、マーカス連邦の国債の価値を巻き込む形で叩き落とした。
 これによってアポラに国債を返済する能力がないとエルミア共和国とエルトリア王国の著名な信用格付け会社に債務不履行、デフォルトの烙印を押された。同日、星連では中小国ら過半数の賛成により緊急決議が発令され、十大国はこれらに関する責任を追及された。十大国うち七か国はこの決議を欠席した。この時点で星連は完全に機能不全に陥り、憲章は効力を失った。同年、エンヴァイス・アリドール星連本部長らが事態鎮静化を図るための平和演説中に暗殺され、これにより星連は一層不安定な状況に置かれる。また当時の星連軍は構成国軍から提供される形で運営されていたため、一部構成国が星連軍への部隊の提供を停止し治安維持も儘ならなくなった。この時、ウビウリは金融危機の救済案としてウビウ・アポラ国際国有銀行を設立し、この危機に対して助け舟を出した。
 一方、星連の債務不履行も遠因となりマーカス内戦が勃発。アイローム社とリヴァダー社による対立が本格的な戦闘を起こし始めていた。アポラの両企業の支社も対立を深め始め、互いのアンドロイドの囲い込みを開始した。また、アイローム社から兵の派遣を打診されるも、星連の機能不全のため派遣は決定せず、最終的にテリオン・カパート臨時星連本部長による直接交渉で8個大隊の派遣が決定された。これを受けてリヴァダー社はアポラ・リヴァダー支社経由でこれら星連の行動を強く非難し、リヴァダー社製アンドロイドの新規輸入を停止した。
 1741年16月7日、星連は契約を履行する形で参戦するも、内政が実質機能停止を起こしていた星連は形式的な参戦しか行わず、実部隊の派遣人員数はそれ以前の契約の半分以下である3個大隊になるという事態になった。同年アポラ・アイローム支社とアポラ・リヴァダー支社の両企業はカパートの要請を受け、本社の意向に背いて中立を保つことを宣言した(アンデの密約)。同年ウビウリが失業した星連の労働者の積極的な雇い入れ、二度目となる経済支援を星連に行った。
 1742年7月18日、カパートが交渉のため航空機で移動していたところ、何者かによって撃墜され死亡した。直後にリヴァダー社製のアンドロイドが暴走してアイロームアンドロイドの殺傷を始めたため、アポラのアイローム、リヴァダーの両支社は中立宣言を破棄して戦闘の開始を宣言した。星連は事態の鎮静化を図ったが、星連本部長不在で有効打を打てず、ファイド・ヴァルダ臨時星連本部長の就任まで行動を起こせなかった。これにより星連はマーカス連邦に派遣していた大隊を即時に呼び戻した。このアンドロイドの暴走を発端としてアポラ動乱が勃発したとされるのがのちの時代の定説である。同年ウビウリによって星連の大手銀行に対し監査が実行されるも、混乱で詳細の判別に大幅な遅れが生じることとなり、一部データは動乱で破損したことがのちにわかった。

十大国の各事案に関する決議結果

決議内容 年号(Sint) 賛成 棄権 反対
未確認宇宙船への交渉に関する決議 1702 6 1 3
星間文明組織への加盟に関する決議 1703 8 2 0
星連為替相場調整機関設置 1707 10 0 0
星連通貨単位アプロルの制定 1708 10 0 0
マーカス連邦との通商条約 1712 8 1 1
統一通貨関連諸規定の制定 1714 10 0 0
リヴァダー社との協力 1739 3 1 6
アイローム社との協力 1739 5 2 3
マーカス内戦への参戦 1740 6 4 0

~1747年:アポラ動乱

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 1742年9月13日、星連の緊急連絡会合が開催され、十大国と議長国フランヴェントは交渉を行い立て直しを図るも、交渉は決裂した。その後、数か月以内の間に多くの大国の脱退を許し、中小国は陣営に深く肩入れしていなかった国家と既に崩壊していた国家が中立となった。

フランヴェント 議長国
エオラム 脱退
エルヴァク 脱退
レチョヴ 脱退
ヒルグ 脱退
セヤガワ 脱退
シャーシーヤ 脱退
アピラデア 残留
ラフィス 脱退
フォリネア 脱退
キヤナ 残留

 また同年10月8日、エオラムの脱退に伴い、星連本部庁舎がエオラム政府に差し押さえられ閉鎖された。これに伴いアポラは中央機関を失い、キヤナとフランヴェントに庁舎を移し活動することとなった。この時点でアポラ星系国際連盟が滅亡したと扱う場合もある。
 同年12月17日、突如としてアポラ星系全域の衛星通信網が強力なジャミングを受けて壊滅し、その後の修復をもってしても元々の衛星の3割しか回復できなかった。統一された星連という連絡機関を喪失し、通信網を絶たれたそれぞれの国家たちは、陣営やイデオロギーで徒党を組み、幾つかの緊急政府、連邦国家、統一戦線などを急いで組んで抵抗したものの、それらはいずれも謀略や内乱などに耐え切れずに多くが崩壊してしまった。1742年末には中小規模の勢力・軍閥の総数は記録では100を超えていたとされる。その後ゲリラ的な戦闘による勢力の集合離散と衝突が繰り返され、血みどろの戦争が繰り広げられた。
 1743年初頭に、星連の後継国としてフランヴェントとアピラデアなど数か国からなる合同政府である連合国家緊急政府が設立され、残存するわずかな通信網を用いて決死の協力支援を各国に要請した。回答が得られたのはウビウリ、ファルトクノア共和国スレフィエ国等数か国であり、経済支援、軍事支援など多くを勝ち得ることに成功した。
 1745年の間は衛星通信網やインフラは途切れ途切れのため、敵味方の分別はまるでつかず、多くの民間人や罪なきアンドロイドが巻き添えで殺害され、凄惨な人道危機が幾度と発生した。一方で外国からの支援により一部地域では補給が安定し、立て直しの光明が刺し始める。
 1746年、フランヴェント帝国やアピラデア連邦帝国の率いる幾つかの国家連邦が合流し、アポラ星系国際連盟をフランヴェント帝国首都リモアで再結成。同じころ西エオラム連邦共和国がレヴィシロ・エオラム企業複合体を統一し、エオラム諸州連合の再結成を宣言した。エオラムとアポラは二大企業領土を粉砕し、外国勢力の援助も受けながら諸悪の根源を絶ちに向かった。しかしそれら企業は放逐された後、真の黒幕として機械国が暗躍していることが判明し、対峙していくことになる。後のCQD元首のユノアは同年に動乱の軍閥のひとつであるナヴィヘイン・イェスカ主義共和国からユエスレオネに送られることとなった。
 1747年、イヴェル・アーラプト機械国は「運命の6時間」で決行された日食作戦で壊滅し、アポラ星系全域でヴァルダ臨時星連本部長の命と引き換えにアンドロイド暴走が停止、間もなくしてアポラ星系全域へと停戦交渉が送られ、各地で繰り広げられた長い戦いは終わった。この停戦をもってしてアポラ動乱は終結したとされる。

~1749年:戦闘は終われど、混乱は終わらず

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 停戦後、星連に残った各勢力は星連の将来について議論した。しかし、星連は「国際機関として」やり直すのか、それとも「集権化された惑星規模の連邦として」やり直すのかで議論が紛糾し、政治は再びの混乱状態に陥った。一方、市民生活も動乱の影響で都市部に避難していた人が急激に戻ったことによって統制に限界をきたし、食糧難が発生。ファルトクノアなど、大宇宙各国からの食糧援助が決まったものの、インフラが壊滅していたことで十分に配給することが出来ずに多くの餓死者を出した(麦燃やしの冬)。
 1749年、レーネン・キルダ臨時星連本部長のもとで、星連の行く末に関わる交渉が終結し、フェレネ共同声明が発表された。星連はラペアの一部とキヤナの統治を行う連邦国家として成立し、星系全体の再統一は叶わなかった。同じころ、星連からの資本流出が止まらず、各国の財政支援もむなしく再びの債務不履行を起こした。これら政治・経済での失敗に強く反発した軍部強硬派のハンゲンフォルタイナー・ファーダらが蜂起する(第一次雷鳴蜂起)ものの、失敗。ファーダは一度は逮捕された。

シンテーア暦18世紀後半

1750年代:慟哭の雷鳴

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 1750年に星連は大宇宙からの資金援助をレーネン・キルダ本部長の右腕であったアドロン財相によりこぎつけ、アプロルの価値の大幅な切り下げによって何とか持ち直した。しかし1752年には再びファーダによるクーデターが発生(第二次雷鳴蜂起)。政府は急進派路線にシフトしていき、1756年にはフェレネ共同声明を覆す形で元星連構成国のレチョヴとの国境に兵士の動員を始め、指揮統制も儘ならないままに開戦に踏み切ろうとする一触即発の状況になった。幸いにも1756年にファーダは突然多臓器不全で倒れ*1、一斉に関係者が検挙、逮捕されることにより事なきを得た。
 ファーダ暗殺後の星連議会は、イェスカ主義政党のAJVFを率いるユエスレオネから帰還したユノアに全権が委任され、アポラ星系国際連盟は「国内立て直し」を名目に臨時体制としてファールリューディア自決権条約によるイェスカ主義CQD独立自治領域(PJCQD / PJCKfD)に移管され、星連は一時的に機能が凍結されることとなった。翌1757年、財政の負担となっていた星連宇宙軍を売却した。また、星連内でサーヴァリアの強い影響下にあった組織である星連企業連合を突如として捜査し、外患誘致の疑惑ありとして解散した。
 1759年には電脳仮想空間を用いてファルトクノアとともにグロスクロイツ社会主義共和国連邦の援護に回りベリオン共和国、ヴァルエルク、サーヴァリアと交戦した。電子空間での交戦の報酬として電子通貨を獲得した。

1760年代:蒼の復興

 1763年、619部隊の傘下であった一組織である隷下第一降下中隊・保護国現地部隊が本体との距離が離れていることによる運営が難航したため部隊が再編され、独立した機関としてCKfD独立行政機関特別任務部隊(のちの星連特務機関)が代表シェンド・ルーネムのもとに設立された。
 1765年、ヴァルエルク共和国大宇宙連合会議からCQDをファルトクノアの傀儡政府として除名処分を下そうとしたが連合会議に棄却された。
 1768年、第一次スラーン宙域戦争が勃発し、ファルトクノア側の統戦派として参戦し、フェレル・ターテ率いる艦隊が戦果を多く残した。

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最終更新:2023年01月07日 23:11

*1 実際にはファルトクノア619部隊による暗殺