サンサーラ・チャクラヴァルティン
心を読み取る能力
サハスラーラが神威に到達する前までに有していた能力。他人の心がなんとなく見えるし聞こえる。
幼少期は相手の心がぼんやりと見えるだけだった。しかしそれからも能力が成長して、声が聞こえるようになる。現在は自由に扱えてるようである。
兵学院の授業においては、カンニングのために使用している。座学を有利にしているだけでなく、戦闘では敵味方の意図を素早く正確に汲みとれるので、教練でサハスラーラの班は無敗である。
ただし本人が言うには「大したものじゃない」とのことで、一部の人間の頭を読み取ることは困難。
例えば、優秀な人の頭は総じて読みづらく、読めても無意味なことが多いらしい。
異様に捻くれていたり、愚直すぎたり、臨機応変を体現していたりするなどの理由で、サハスラーラの思考処理が追いつかないことや、察しのいい奴と警戒されて躱されるパターン等を経験してきた。
序章(別の世界線)で、
須弥山の
遺物から
零の時代の記録を読み取ってから能力が拡張され、遺物に触れることでその秘密を解き、用途や使い方を理解できるようになる。
また須弥山で発見した遺物の一部を通して、過去の神座の情報を知る事ができるようになった。
さらに時間を経ていくと、読心能力が使えなくなるが、能力が別の階層へと昇華し、「あらゆるものの情報の可視化」が出来るようになった。
サハスラーラの目には人間どころか、概念までもが絡まりながら整然と螺旋していく奇怪な記号と数字の集合体に見えている。
この記号は
ブラフマプラの
神代の文字であり、世界が生まれた零の時代に使われていたもの。
そのためこれを読めば、零以降の歴史がどう編まれていったのかを正しく記すことや予測も可能。
例えば人間相手ならその人物の未来、いつ死にどこに転生するのかわかる。
しかし未だ神威というレベルにはなく、電卓に量子コンピュータを積むのは無理という表現がされたように、これらの力を十全に振るえる器が出来あがっていない。
心を読めなくなったのは、最後の進化を果たすための一時的な休眠。この段階ではまだ能力のオンオフの切り替えができる。
また飲食も生命維持装置も必要とせず生きられるようになっているなど、肉体の変化も起き始めた。
根源レベルで他者の真実がわかるので、戦闘にも力は応用できる。ただし使い手は非力な少女でしかないこと、そもそもが戦闘用の力ではないこと、
覇道と違い他人をどうこうするものではないため他人がこの情報を信じるとは限らないと言う問題がある。
神威
アカシャの死を契機にサハスラーラの力は
神威の領域に到達する。この神威に到達した際、サハスラーラの額に第三の目が開眼した。
なお、サハスラーラが神となる運命に一役買ったアカシャはそのせいで、
転生や
回帰を経ても非業の死を遂げる運命になり、そういう形でしか世界とか関わらなくなった。
だからこそサハスラーラは彼の体質の原因を見つけ出すこと、真っ当な人生を送れるようにするために彼を救い出すための情報を願った。
ゆえに能力の発現のもとになった
想いは
「アカシャの謎を解き明かすことで、彼を救い出してあげたい」。
すなわちこの能力の源になった感情は
他者への愛、
いつまでもアカシャだけを愛する誓いである。
その力は
「過去現在未来、あらゆる可能性宇宙までも含めた森羅万象の事象と因果を解明する神眼」
如何なる時代の
神座の記録も読み取れるサハスラーラは「千眼」と呼称される。
サハスラーラはこの神威に到達した時点で
自我を喪失する。なぜなら情報を読み取るという能力の究極に位置するこの力は、演算をするため以外の機能の一切を許していないので、彼女に自我という雑念を抱えられる余地はない。
今のサハスラーラは情報の集合体。森羅万象を網羅する図書館であり辞書。ただの機械、神託を吐くだけのラジオと言えるだろう。
つまり今の世界を統べている
超越者たち(
黄昏・
刹那・
黄金・
水銀)を打倒するための知識すら持っており、おそらくはアカシャを救う方法も見出している。
しかし、前述の通り自我を失っているのでどれだけの情報・世界の真理を持っていようとサハスラーラ自身がそれを活用して何かを能動的にすることはできない。他者あってこその力である。しかもどんな知識が記されていようと、信じるか信じないかは読み手の自由。
ただサハスラーラは、
危険な人物には
危険な情報を、アカシャと分かり合える人物には希望の知識を、というような設定は出来るかもと考えている。
備考
サンサーラとはサンスクリット語で「輪廻」「輪廻転生」を意味する。
チャクラヴァルティンとは古代インドの理想的な王を指す転輪聖王(チャクラヴァルティン)が元ネタだろう。チャクラは「車輪」や「円」、ヴァルティンは「動かすもの」を意味している。
関連項目
コメント
- 何気にこれって覇道型の求道神っていえる存在じゃないだろうか -- 名無しさん (2025-06-19 03:03:01)
- あー、「救い出す方法を見つけたい」という求道の渇望だが、その根本にある願いは「アカシャを救いたい」という他者ありきのものだと -- 名無しさん (2025-06-19 10:39:04)
- 本来なら自分一人のみ捧げるはずだった求道の容量をアカシャに割いた結果が自我の消失なのかな -- 名無しさん (2025-06-19 21:18:27)
- “神座深奥の奈落迦”とか完全に第零神座まで見てるじゃん…。大丈夫?不死者汚染受けてない? -- 名無しさん (2025-06-21 09:28:18)
- そりゃ歴代神座の情報知れるわな -- 名無しさん (2025-06-21 19:11:31)
- アカシャへの愛で神に至ったのに愛どころか感情を失うってとんでもねぇ本末転倒すぎる -- 名無しさん (2025-07-17 06:42:20)
- 他者愛から生まれたこれの果てが自己愛の凶神なの悲惨すぎない? -- 名無しさん (2025-07-17 13:13:04)
- アカシャを救済する方法が分かったとこで自分では実行できないのも・・・波旬が自己愛強すぎて無を望むようになったし他者愛強すぎても渇望あるはずなのにその元である自我が消えて自己愛すらあるのか怪しい状態になるという。まあだから人間に戻したいって考えも出てくる -- 名無しさん (2025-07-17 14:03:15)
- 神座世界でよくある話(本末転倒) -- 名無しさん (2025-07-17 21:33:09)
最終更新:2025年07月17日 21:33