最終更新 : 2023-11-24
「未使用曲集 -空の軌跡-」のBGM別作曲者推測
目次
データ
- 発売日 : 2004年6月24日
- 作曲者 : クレジット無し
外部リンク
更新情報
- 2021-12-11 : 推測コメントを全面的に刷新・推測に変化はなし
概要
「英雄伝説VI 空の軌跡」の初回特典CDとして付属していた。ただエステルとヨシュアのシルエットが描かれたジャケットこそ空の軌跡に沿ってるが厳密に空の軌跡での未使用曲かは分からない。このアルバムの正式な名称は「Unused Music : Falcom Sound Team jdk」となっていてこれだけなら括りはかなり大まかだ。もしかして以前のタイトルの未使用曲も含まれているのかもしれない。またどういった理由で未使用に終わったのかも分からないが聴く限りは本編使用曲とは聴き劣りはしない。仮にどれかの曲が本編で紛れて使われていても違和感はないだろう(「星」はややメロディが弱いとは思うが)。少なくともクオリティが低いからボツとなった曲を集めましたというアルバムではないだろう。そしてそういった優れた曲が溢れるぐらい当時のサウンドチームは脂が乗っていた。
こういった未使用曲集はこれまでも何度か発売されていて当Wikiでも推測をおこなったイース & イースII エターナル、朱紅い雫 未発表曲集やファルコム・スペシャル・ボックスシリーズなどでも各タイトルの未使用曲が収録されていた。そしてこのアルバムを最後に未使用曲集の発売は途絶えている。未使用曲が無くなったということは当然ないはずなので(実際に閃の軌跡では宇仁菅氏と萩生田氏の未使用曲が存在する)、世に出すビジネススタイルが失われたのは残念なことだ。
このアルバムを推測するにあたって当然空の軌跡FCのサントラが大きなサンプルとなる。曲別作曲が確定している園田氏、石橋氏、村山氏らのそれぞれの曲を聴き込むことが重要。さらにその前年のイースVIも聴くべきだし同年12月に発売されたぐるみんも聴いていたほうがいい。ぐるみんだけは当Wikiの推測になるが幾多に渡る推測を重ねた結果精度は100%に近い。こちらも園田氏と石橋氏、村山氏の異なるサウンド傾向が明確に現れているので十分サンプルとなり得る。
今作は曲数が少なく作曲者が絞られている、各作曲者のスタイルが色濃く出ている、音質も良好ということもあってファルコムサントラの推測入門にうってつけかもしれない。
アルバム
No. | 曲名 (Spotify) | 推測 | コメント |
---|---|---|---|
01 | 父さんだもの | 石橋 | 色鮮やかできめ細やか、密度の濃いサウンド、ポップなメロディラインが展開。空の軌跡FCの石橋氏で同様のサウンドを展開した石橋氏のテイストが当てはまる。似た曲を挙げると空FC「旅立ちの小径」「Rock on the Road」になるだろう。アコギやマリンバ、フルート、ブラスはそれらの曲と同じだ。氏は左右の音像を近接気味に位置させることが多くそれらも氏のサウンドスタイルと一致。こういったスタイルから園田氏はもちろん村山氏も過去のメンバーも当てはまらない。本編に当てはめると「旅立ちの小径」ポジションだろう。 |
02 | エステルパンチ | 園田 | 園田氏による空FC「撃破!!」「奴を逃がすな!」「奪還」といったオーケストラ曲を聴いていただければ明快。1:20からの展開とリズム感にも氏の個性が現れている。ドラム、ブラス、全体の定位感など氏のサウンドの特徴が全て当てはまる。ぐるみんからだと「なんだか大変!?」が近い。ドラムも同じだ。 |
03 | すくすくスクラッチ | 石橋 | ぐるみん「Animal Minimal」「bomber girl」、さらに未来のエネルギー「チョウフプラスチック」「Technology」と同じ得意のテクノポップスタイル。SEやボイスパーカッション、スクラッチや左右の位相の変化の多さも氏ならでは。氏ならではの一流の遊びを感じられる。当時こういったアレンジを仕掛けられるのは石橋氏しかいない。空FCでの未使用曲がとして当てはめると…ちょっとシーンが思い浮かばないが「行く手をはばむ鋼の床」的なダンジョン曲ポジションか、それかもしかして作り始めていたであろうぐるみんの未使用曲のひとつかもしれない。サウンド的にはぐるみんの世界だろう。 |
04 | いつもの感じ | 石橋 | 氏はアコースティックなサウンドもお手のもの。ここでも左右に揺らすシンセ0:15、0:27で氏のアレンジの特徴が現れておりこのシンセ音は「父さんだもの」と同じ。 |
05 | MOUNTAIN PATH 2 | 石橋 | 「父さんだもの」と同じハーモニカとキック。右側では空FC「旅立ちの小径」「Rock on the Road」と似た伴奏も聴こえる。アコースティック系でも緻密で色鮮やかなサウンドとなっているのは氏だからこそだろう。 |
06 | 掘って掘られて | 石橋 | 「すくすくスクラッチ」と同じテクノポップスタイル。0:42から「父さんだもの」と同じマリンバもある。うねるようなエレキベースは「すくすくスクラッチ」と同じ。1:08からのサビにも石橋氏のメロディセンスが色濃く現れている。例えば石橋氏によるイースVI「ERNST」のメロディを追えばすぐに気付くだろう。 |
07 | アガットのアは赤毛のア | 石橋 | 石橋氏による「俺達カプア一家!」「グランアリーナ」に通じる氏のオケスタイルが明確に現れている。これらの曲と同様に石橋氏はストリングスを右に置くことが多いが園田氏は基本的に左側に置く。ハープは「グランアリーナ」の位置と同じ。園田氏の「エステルパンチ」と聴き比べるとふたりのオーケストラアレンジのセンスの差がよく分かる。1:17から曲終わりまでの弾んだ展開はオーソドックスなスタイルを持つ園田氏ではあり得ない。 |
08 | 山小屋のストローク 2 | 村山 | 村山氏と推測するザナネク「Harlech」とほぼ同じサウンドと曲調。笛やバッキングギターも同じ。これまでのファルコム音楽でこういったカントリー感のある曲調はない。0:49からの左側のシンセ?の伴奏にも注目。村山氏による「賑やかに行こう」でも同じ位置で同じ伴奏音形を刻んでいる。また同じアコーディオンと笛、ギターも入っている。間違いなく村山氏のアコースティックサンドだ。 |
09 | 星 | 村山 | 本編「星の在り処 Harmonica Ver」に位置するハーモニカだけのソロ。確かに園田氏による「星の在り処 Harmonica Ver.」と同じハーモニカの音だがそれはただ同じ音源を使っているだけ。メロディラインからはいわゆる園田節は聴こえてこない。氏の曲にはすぐ口ずさめるような古き良き歌謡曲的な侘び寂びを感じさせられそれは氏の曲全てに当てはまる。この曲にはそういったテイストをまるで感じられない。むしろ園田氏よりは石橋氏のほうがまだ可能性があるが石橋氏ならもっとキャッチーなポップスになるはず。また今作といいぐるみんといい才気煥発していたこの時期の石橋氏としては面白味のない曲だ。そういったことから当時ニューフェイスだった村山氏しか当てはまらない。また2曲を聴き比べると園田氏のほうが細かくフレーズのニュアンスを付けていて吹くときのブレス音といった演奏ノイズも含んでいる、一方こちらはニュアンスは付けておらずベタ打ち込みに終始していて演奏ノイズも含ませていない。ふたりに経験の差が現れているとみる。恐らくヨシュアが吹くハーモニカシーンを想定して作ったのだろう。 |
10 | a tempo | 村山 | 一聴して分かる広大な音場を感じられるだろう。音像も奥まり全体的にリバーブも強く掛けられてふわっとしたソノリティとなっている。同じオーケストラでも園田氏による「エステルパンチ」や石橋氏による「アガットのアは赤毛のア」とはまるで異なる。園田氏ならもっと無骨で素朴、石橋氏ならもっとクリアで色鮮やかなサウンドとなる。なので確実にこのふたりのサウンドではない。リバーブの差こそあるがストリングスの響きや位置は「山小屋のストローク 2」と同じ。チューブラーベルは空FC「賑やかに行こう」と同じ。ホルンはぐるみん「復讐の賛歌」と同じ。全体的なアレンジのテイストはフェルガナの誓いプレアレ「Wanderers from Ys」と同じ。 |
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