とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
これはわたしの……そうだな。
夢、と言っていいのかもしれない。
あの狂気の瞳を映した赤い目の悪魔。奴から受けた、心底堪え難き悪夢。
『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の呪いを受け、永久の悪夢を魅せられ続けていたあの頃とよく似た、狂った夢。
眼孔から溶岩を流し込まれ、脳髄に五寸釘を数秒間隔で打ち込まれ、胃の中を腐った生ゴミで埋め尽くされるような。
そんな、不快感と呼ぶにはあまりに底気味悪い夢を、もはや何時間魅せられてきたことか。
その間、心から神に縋る気持ちでわたしはコールを流し続けてきたのだ。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。
もうダメかと思った。腹心の部下は二度とわたしの声に応えてくれないと、絶望が心を包んだ。
何もかもを諦めかけた、その時だったよ。
とおるるるるるるるる……
とおるるるるるるるる……
とおるるる――『ぷつッ!』
『も……もし、もし…………ドッピオ、です』
「お、……おぉ、おお! 無事だったか……! よくぞ出てくれたぞ、わたしの可愛いドッピオ……!」
こういうのを奇跡、と言うのかもしれない。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの呪いを脱し、今またあの兎の呪いを脱する機に繋がった。
電話の向こうの腹心は、酷く気だるげな声で朦朧としながらも、わたしの声に返事してきた。
「お前に繋がるのをずっと待っていた……! 随分と眠たそうな声だな、睡眠中だったか?」
『あ…………ぼ、ボスっ! ぼくも、ずっと待っていたんですよ! ようやく……ようやくあなたの声が聴けた……!』
「ああ、言わずともいい。お前のことはわたしが誰よりも知っている。―――独りで、ずっと戦っていたのだな」
『ボス……! ボスぅ……! ぼく、ぼくは、ずっと……!』
感動の対面――面は合わせられていないが、とにかく奇跡的に我が部下と『繋がった』。
わたしが『外』に出て行けるチャンスは、今を逃せば次はいつ来るか……! それほどまでに、あの兎から打ち付けられた『楔』は深い。
しかし最大の『幸運』は今を置いて無い。わたしには……『ある考え』があった。
「ドッピオよ。今まで本当によく戦ってくれた。この殺し合いでのことばかりではない。
わたしとお前は一心同体と言えるほどの、信頼しあう主従だ。わたしはお前無しでは、帝王の座には至れなかったろう」
『ぼ、ボス……?』
「千載一遇のチャンスなのだドッピオ。……今、ここより近い場所――恐らく上だ。我が『娘』、トリッシュが居る。なんとなく分かるのだ」
『…………』
「わたしが今、『そこ』に出て行けば、トリッシュの方もわたしの存在に気が付くだろう。……言いたいことはわかるな?」
『……ええ。分かりました、ボス。……ぼくがなんとか、何とかトリッシュに近づいてみせます』
「流石だドッピオ。わたしはお前のそういう執念を、何よりも頼りにしている。―――もう少しだけ『エピタフ』の力をお前に貸そう」
『任せてください。必ずやあなたの期待に沿えるよう……やり遂げてみせましょう』
「信用しているぞ……わたしのドッピオ」
通話はそこで、再び切れた。
ドッピオは何も―――あえて何も訊かなかったが、きっと全てを察していただろう。
恐らくこの通話が……わたしとドッピオの『最後』の通話になるだろう、ということを……
それでも。
それでも、わたしと真に心を通わせる繋がり……『家族』なのは、アイツだけなのかもしれない。
わたしは今より『繋がり』を、自ら断ち切る。
だがそれは『捨てる覚悟』とは違う。繋がりの『手段』は消えても、我々の『絆』は決して千切れることはない。
全てが確証の無い賭けだが、ドッピオならば大丈夫だ。
アイツは私の、信頼する腹心なのだから。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
『血』……とは、時に厄介である。
人の遺伝子、性質や先祖から受け継がれた因縁、意志を子に遺す。
それは、あるいは愛であったり。
またあるいは、呪いと表現されたりした
多くの場合――あくまで多くの場合であるが――『家族』とは、取って代わることの出来ない唯一の愛。
その唯一の愛とも言える『血の繋がり』が……『親』にとって只々、邪魔でしかない『枷』あるいは『呪い』でしかなかった時。
まだ未成熟である『子』が、親から向けられた敵意に立ち向かうだけの力を蓄えられていなかった時。
壁に圧し潰された子は、どのような末路を辿るのか。
重い枷を断ち切った親は、どのような力を得るのか。
『過去』というものは、人間の真の平和を雁字搦めにする。
かつて男は、人生の絶頂を保つ為に―――あろうことか、娘を自らの手で消し去ろうと目論んだ。
一度は黄金の意志たちによって砕かれたその企みも、起こってはならない巡り会わせという奇跡によって―――再び。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
『
トリッシュ・ウナ』
【昼】D-2 猫の隠れ里 入り口付近
ジョルノから言われて、ぼんやりと悩み続けていたことがある。
『突然ですが、トリッシュ。貴方は今、夢がありますか?』
『はい?』
『夢や目標。まあ、そんな感じのものです』
夢。
彼らが私を護衛していた期間、たまにジョルノが口癖のように呟いていたのを思い出す。
「この
ジョルノ・ジョバァーナには夢がある」なんて、少年のようにキラキラ瞳を輝かせて真顔で言うのよ。まあ彼、確か15だけど。
内心、そんなジョルノを羨ましい気持ちで見ていた。彼はその夢の内容を決して語ってはくれなかったけど、でっかい夢だったんでしょうね。
同じく私が小さな頃から掲げていた夢も、まあ中々ビッグな夢だった。でも、無理かなーなんて、歳を取るごとに現実的な視線で改めてた。
だからよ、私がジョルノを羨望の目で見ていたのは。だって彼、実現出来て当たり前みたいに自信たっぷりに言うんだもん。
それを見てね、私も少し頑張ってみようかな、なんて思っちゃったり。
まあ、『歌手』……なんだけどね、夢。
一応、昔から母と一緒にステージに立ったりもした。半分は叶えてたのよ、歌手っていうビッグドリームも。
でも母が死んで、それからちょっと落ち込んで、そしてあのギャング抗争に巻き込まれて……いや私が巻き込んだみたいなものだけど。
そして、ブチャラティたちに出会って。
『ジョルノ……悪いけど、私が今目標を持つのにどんな意図があるの?』
『んー……至極単純ですが、目標があれば頑張れる。ものすごく砕いてしまうと、大方そういう意味です』
目標があれば頑張れる。そうよね、シンプルなことだけどその通りだわ。
もう一度、ステージに立ちたかった。立って、夢を叶えて、そして私は――――――
(ブチャ、ラティ……わた、し…………あなたに………………っ)
一体いつの間に近づいて来たのか。
この身体に穴が開くほんの数秒前……確かに私は『奴』の気配を感じた。
ジョルノたちを守らなきゃって、そう思った。そのプレッシャーが結果的に、焦りを生んでしまったのかも。
ほんの一瞬。
ナランチャが殺された時みたいに、私もほんの一瞬で蹂躙されてしまった。
戦場という籠の外から、あの悪魔は機を待ちながら嘲笑っていたのだ。
まさか最初に私が狙われるとはそのときは思いもしなかったけど、よくよく考えれば当然だ。私とアイツは、互いの存在が分かってしまうのだから。
何故なら『家族』だから。
どれだけ奴が他人を――たとえ娘であろうともゴミのように見下す外道だったとしても。
私とアイツは、残念ながら本物の家族。血が繋がっているのだ、憎らしいことに。
信じられない悪魔ね。
家族なのに、ではなく、家族だから、アイツは私を手に掛けた。
「――――――ッシュ! トリ―――ュ!」
ジョルノの必死な声が、暗闇の底に沈みつつある私の意識を揺らしている。
どんなに深い奈落の底に居ても、どこまでも照らし輝くような、爽やかな声。
今は、その声だって絶望に蝕まれつつある。それがよく分かってしまう。
完璧に致命傷、ね…………もう、ジョルノですら治せないくらいに。
ああ……ダメ、みたい。
もう、何も見えない。視界が、真っ暗、に…………
『――――――人生に、本来の『意味』なんてモノはあるのかしら。ジョルノ・ジョバァーナ?』
リサリサさんの言葉が、今になって突き刺さる。
私が生きてきた意味。密かに抱いた夢……『想い』すら、伝えられずに閉じる、人生の意味なんて。
……誓いや、後悔。
…………愛、かあ。
私、今……後悔してる。
夢を叶えて……そして―――『その先』の、やりたかったこと。伝えたかった想い。
そういう、人が誰しも持ってるような……ありふれた幸せに……届かない。
思うに夢ってのは、叶えて終わりじゃあない。
夢を叶えたその先に、本当のやりたかったことがある。
ねえ、ブチャラティ。
私、あの名簿であなたの名前を見た時……本当は物凄く嬉しかったわ。
ジョルノに夢を託して、先に逝ってしまったあなただったけど、この殺し合いに呼び出されて―――本当は私、ちょっぴり喜んだ。
伝えられなかったことがある。
言えなかった気持ちがある。
もしも歌手になれたら……私は、あなたに…………絶対に言いたかったことが……あったのよ……
(…………もう、無理…………みたい、ね)
この気持ちがあったから頑張れた。
ジョルノが言ったように、何よりも代えがたいこの想いを認識出来たから、私は頑張れたの。
ここまで…………頑張れた。
「ねえ……ジョルノ、小傘。
わたし……『夢』を叶えられなかった。
わたし、歌手になって……そしてね……ブチャラティに……―――」
それでも……今のわたしは、ちゃんと前を向けてるかな?
上を……向けられてる?
だったら…………わたしの生きた意味は……飛沫に消えた、亜麻色の夢は――――――きっと、
【トリッシュ・ウナ@ジョジョの奇妙な冒険 第5部】 死亡
【残り 55/90】
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
あまりにも、あっけなさすぎた。
ボスがもたらす悪夢は、いつだってジョルノに唐突な死を突きつけてくる。
ジョルノの決死の治療も功を奏さず、トリッシュ・ウナは殺された。
その腹に空けられた大穴は塞いだにもかかわらず、彼女が目を覚ますことは無かった。
トリッシュは最期に、何かを言おうと懸命にジョルノと――そして、あの空の隙間に一瞬だけ浮き出た『虹』を見上げていた。
とうとう彼女の口からは一言も言葉が漏れることなく、そのまま眠りにつく様に逝ってしまった。
今際の言葉さえ聞いてあげられず、いとも簡単に仲間を失った。
ミスタ、小傘に続いて今度はトリッシュ。しかも目の前で、何も出来ずに失ったというのだ。
その致命的過ぎる心の隙ゆえ、ジョルノは気付くのに遅れてしまった。
たった今失った筈のトリッシュの肉体に―――不可解な『魂』が宿っていたことに。
「――――――全員、すぐにかたまってッ!
ディアボロの仕業よッ! 離れていると『時』を吹き飛ばされるわッ!!」
最後に現れた登場人物、鈴仙。
ヤドクガエルの毒に冒されながらも、執念的な気力でここまで辿り着いた彼女が、爆発するように大声を上げた。
霊夢たちを助ける為、雨の中構わずトラックの後を駆け抜けてきた彼女だった。
全てが手遅れにならない為に。もう二度と、掛け替えのないモノを手放さない為に。
だからこそ鈴仙は、途中で見かけた男女すらも無視してまで、ここまで走ってきたのだ。
愚行だという自覚はある。道端に倒れていた、明らかに只者じゃない男と女――女の方はすやすや寝息をたてる邪仙だった――のトドメすら刺すことなく、傍をほぼ素通りしただけなんて。
童話でいう『ウサギとカメ』の、昼寝こいたウサギを発見したカメのような気持ちであった。ウサギは自分だが。
確証は無かったが、恐らく霊夢らを追っていた追っ手の二人だったろう。この上ない『殺害』のチャンスだったのである。
このまたと無い好機を切り捨て、何より霊夢捜索の目的を最優先させた。まさにお話のカメである。
理由など、考える暇すら惜しい。彼らを下した者たちすらトドメを放棄して先へ進んだのだから、鈴仙もそれに倣っただけだ。
更には、マムシとヤドクガエルの雨の中を傘も差さずに突っ切ってきた。師匠であった永琳ならともかく、自分には毒が効いてしまうのだ。
現に、早速カエルの毒が回り始めてきた。ヤドクガエルの毒は強力だ。この鮮やかな色の皮膚のすぐ下に、吹き矢にも使われるような猛毒が渦巻いていることは知っている。
それでも鈴仙が倒れることなく、この戦場のド真ん中まで到達できたのは(師匠の度重なる実験による毒耐性は多少あるのかもしれないが)ひとえに執念のおかげなのだ。
そして、混沌の中心で彼女は思いもよらない人物に遭遇してしまう。
瀕死の霊夢。雨の中動けずにいる魔理沙。自分をあっさりと下した天候男。
以上に挙げた名など霞むほど、会いたくて会いたくて、そして消し去りたかった男―――ディアボロ。
正確には少年人格の方であるドッピオだが、鈴仙からすれば差異などあって無いようなもの。
今、この場で起こっている状況の正確な所は分かりようもないが、最優先で行うべきは脳に刻み付けている。
一度は霊夢の救出を優先させたが、ゴール地点に『奴』が居るとなると話は別。
到頭、現れた悪魔の抹殺。
コイツを必ず…………殺(け)す!
「うおおおおおおおッ!! 消滅しろディアボロォォオオオーーーーーーッ!!!!」
力を使い切って意識を失うディアボロの姿は、水場から陸に揚げられた魚のようなものだ。
この瞬間をずっと追って来た。己の『大地』を取り戻す為の、孤独な戦い。
それへの終止符が―――いや違う。奴を殺すことで、初めて鈴仙は大地を踏み歩く資格を得るのだ。これは、キッカケを掴む為の戦い。
横転状態のトラックの中、ピクリとも動かない敵に狙いを定めながら鈴仙は走る。
ヤドクガエルの毒がこの命を蝕み始めるまでの数分か、あるいは数十秒か。与えられた猶予の中、我武者羅にひた走る。
「次から次へと……今度は『お前』か。これまた丁度いい、お前にも会いたかったぜ」
鈴仙に与えられた猶予を限りなくゼロへと縮めようと、ウェスが一際鋭く視線を走らせた。
先程軽く一蹴してやったウサギ女が、ウェスとの協定をあっさり破り裏切ったにもかかわらず、早くも顔を出してきた。
よほど死にたいらしい。殺意を向けられていることにも気付いていないのか、鈴仙はウェスを見向きもしていないのだ。
隙、丸出しだ。
「―――っとォ! ちょい待ちお兄さん! アンタはこっちで私らと遊ぶんでしょうが」
「……ッ!?」
鈴仙のドタマに拳銃を放つ間際、その腕を神奈子のビーチ・ボーイの針が貫き、空中でピタリと押し留めた。
「邪魔くせえな、お前」
「アンタでしょ、さっきから色々と邪魔してんのは」
殺戮の手段。数多あるその一つを縛られ、女に主導権を奪われたウェスの表情に焦りはない。
ウサギなどいつでも踏み殺せる。承太郎などいつでも撃ち殺せる。
だがこの女は容易い相手では無さそうだ。少し本気で能力を駆使しなければ勝てない相手だろう。
鈴仙に向けた体勢を、もう一度神奈子へと向きなおした――――――その瞬間。
「――――――グッ…………ァ!?」
死したトリッシュの体を支えていたジョルノの両腕が…………吹き飛んだ。
「ジョルノ!? トリッシュ、あなた……!」
リサリサは一部始終を目撃した。目撃して尚、理解がまるで追い付かずにいる。
確かに死亡したように見えたトリッシュが―――ジョルノの両腕をスタンドらしき腕で切断したのだから。
「え――――――」
少年――ドッピオに迫っていた鈴仙も、不可解な現象に戸惑い、その足を止めてしまう。
気のせいなのかこれは。いや……間違いない!
トリッシュと呼ばれていたあの赤毛の人間から……『ディアボロ』の波長を感じ取った!
(な……なに、アイツ……! ディアボロは一体、何処に潜んで――――――!)
これは鈴仙の脳裏に湧いて出てきた、根拠の無い憶測だった。
永遠亭にて奴と戦った時……確かにディアボロの内には波長が『二つ』あった。
それは鈴仙の仇敵であるディアボロの物と……そしてもう一つ。
今、トラック内で意識を失っている少年の物との、二つだ。
そうだ、あの男は『二重人格』だった!
(解離性同一性障害の類……!? いや、だけどこれはあまりにも、異常……!)
二重人格だろうがなんだろうが、肉体は一つに決まっている。
ならばあの少年の方を抹殺すれば、それはディアボロの精神も消滅することと同義。
同義である……はず、だったのに。
だったら何故、どういう理屈で、トリッシュの肉体にディアボロの波長が生まれてきたのか。
どういう理由で、死んだ筈のトリッシュが再び目を見開き、少年の両腕を抉ったというのか。
鈴仙には想像も及ばない。
真相に到達できたのは……ここではやはりジョルノひとりだ。
「ぐ……ッ! ディア、ボロ……貴様、トリッシュの『肉体』に…………ッ!」
ここから話すことは、全く突拍子もないふざけた論理だ。
ディアボロとドッピオ。先にこの世に生まれたのがどちらの意識で、どちらが『本体』なのか。それは今となっては本人すら分からないかもしれない。
ギャング組織パッショーネの頂点。『ボス』という座に居座る帝王には、いつしか誕生した『精神』が二つあった。
器となる『肉体』は当然一つだが、ディアボロという名を冠する悪魔には、ある一つの化け物染みた『特技』のようなものがある。
自身の精神を器の外に吹き飛ばし、他人の肉体に潜む……これには『取り憑く』という表現がもっとも適当だろう。
実に荒唐無稽で、馬鹿げた冗句のような内容ではあったが―――ジョルノはかつて、その嘘のような光景を目撃したことがある。
ディアボロは確実に……他人の肉体に取り憑くことが行える。
それが肉体的・精神的な波長が似通った『家族』の肉体であれば、尚のこと容易だ。
しかしあくまで『取り憑く』までであり、他人の肉体を完全に支配――『乗っ取る』ことまでは不可能とされていた筈だった。
ましてや今のように、娘のモノといえどその肉体を十全に動かし、完璧にモノにするなど。
(しまった…………ディアボロがトリッシュを真っ先に狙ったのは……『コレ』が狙いだった!)
他人の肉体を完全に支配できないのは、持ち主の精神が邪魔になるからである。
一つの肉体に精神が二つ……元々の自分の肉体すら、ドッピオが『表』に出ている時は、ディアボロが自在に操作することは出来なかった。
だからディアボロは、まずトリッシュという肉体から邪魔な精神を消し去った。
肉体から持ち主であるトリッシュの精神を消滅させ、すかさずディアボロの意識が入り込めば―――肉体一つに、精神一つ。
トリッシュの肉体を自在に操作することまで可能としたのだ。
無論、医学的根拠も科学的根拠も皆無。故にこの行為はディアボロにとっての『賭け』だ。
トリッシュの肉体だったからこそ成功したとも言える。この馬鹿げた策は、血の繋がった親子という条件が必須だったのだから。
その上、策が成功したとしても、肝心の乗っ取るトリッシュの肉体が瀕死であればまるで意味がない。
下手すれば乗っ取って、そのまま親子共々昇天する未来もあった。
突然の仲間の死に動揺したジョルノが、その肉体をすぐさま治療することを見越しての策。
ブチャラティの時も、アバッキオの時も、ナランチャの時も、ジョルノが起こした行動は一貫していた。その全てを目撃しているディアボロがこれを予想するには難くない策だった。
「冥土の土産の『礼』を言うぞ、我が娘トリッシュよ! この血を断ち切ったことで、我が運命を縛り付ける枷を外したことで……!
お前という『繋がり』が私をッ! 上へ押し上げてくれたのだッ!」
皮肉以外の何物でもない。親が、子の命を奪ったことで、更なる栄光を歩み始めるなど。
娘の姿で。
娘の声で。
かつてトリッシュだった姿の者が、倒すべき悪魔となってこの世界に顕現した。
トリッシュ・ウナの精神は死亡し、ディアボロとして新たな覚醒を経たのだ。
これが悪夢でなくて、何だ。
「キング・クリムゾンッ! 『時』は再び消し飛ぶッーーーー!」
ジョルノ・ジョバァーナの両腕が地に着く前に。
鈴仙の赤き狂気の瞳が怨敵を貫通するより前に。
〝トリッシュ/ディアボロ〟の姿は、帝王のみに許された絶対時間空間を移動し―――次の瞬間、音も残さず消え去っていた。
腕を吹き飛ばされた衝撃でジョルノの意識が霞む。
本来ならディアボロの至近距離からの攻撃が、ジョルノの心臓を貫いていた筈である。
かろうじて犠牲を両腕だけに留めきったのは、ひとえに生命を感知するジョルノのゴールド・エクスペリエンスが、間一髪でトリッシュの肉体に潜んでいた『もう一つの精神』に気付き、咄嗟に身を引いたからだ。
だが両腕を失ったジョルノは……もはやスタンド能力の行使は不可能となった。
ジョルノ・ジョバァーナは―――再起不能だ。
「…………あのディアボロなる男……、『娘』であるトリッシュを、殺したっていうのかしら……?」
悪夢の全貌から醒めたリサリサが、サングラスを外して暗く呟いた。その声には、震えを含んでいるようにも。
ジョセフを息子に持つリサリサは静かに憤る。平然と子を殺せる親など、あのDIOくらいのものだと。そう思いたかったが……
「…………親が……子供を…………殺したの? なに、それ…………!」
感情が連鎖していくように、諏訪子も喉の奥から怒りを隠せぬ言葉を吐く。
早苗という、娘同然の少女を想えば、諏訪子のディアボロに対する怒りも当然であった。
「……………………ディアボロ、ね」
先までとは一転して沈下した声をぼやいたのは、神奈子。
その表情には、何か思うところがあるように、自嘲に似た笑みが漏れている。
「悪、魔……。親が、自分の子供を……殺すなんて、……親ってのは、子供にとっての『大地』…の、筈じゃなかったの……?
――――――お前は、それでも『人間』かディアボロォォーーーーーーーーッ!!!!」
またしても。
鈴仙はここまで来て、またしてもディアボロを見失った。
それだけではない。ここに至るまでの数々の経験で、鈴仙は自分だけの『大地』を求めるように彷徨い始めていた。
家族を持たない鈴仙にとって、その存在は彼女が求める『大地』には成り得なかった。
だが少なくとも、普通の人間から見れば家族という繋がりこそが、彼らにとっての確かなる『大地』であると信じられた。
信じられたからこそ鈴仙は、『大地』を清いものだと疑わず、それに取って代われる『ナニカ』を探し求めていた、というのに。
アイツは、いとも簡単に―――その『大地』を自ら穢し、滅ぼした。
鈴仙には、それが信じられなかった。許せなかった。
相反するような価値観が、恐ろしかった。憎いと思った。
アイツは―――人間じゃない。……悪魔だ。
「家族が家族を殺す。……たとえば、『弟』が『兄』を殺す。あるいは『兄』が『弟』を殺す。
―――どこも変じゃねえだろう。繋がりだろうが何だろうが、自分以外はみんな気取った他人。それが『人間』だろうが」
途方に暮れる鈴仙の隙を抉るタイミングを狙うかの如く、ビーチ・ボーイの針が突き刺さったままのウェスが言った。
冷え切った刃物で心臓を突き刺すような、冷たく、刺々しい言葉。肌を凍て付かせる温度を伴って、その男はさらりと言葉を続かせる。
「俺もあのディアボロとかいう奴と同じさ。―――
エンリコ・プッチ。あの兄貴をブチ殺す為なら、どんな非道だって遂げてやるぜ」
その宣言は、またも意味している。
血の繋がった家族を殺す。人間の、禁忌を犯そうという者が……これから先も増えていくことを。
ジョルノとDIOにしたって。
トリッシュとディアボロにしたって。
そして。
神奈子と早苗にしたって、そうだ。
「―――私だって、結局の所はアンタたちとやってることは一緒さ」
ウェスに続き、神奈子も口にした。
「――――――私は早苗を…………大切な家族を、この手で殺すつもりでいる」
神奈子が、あの
八坂神奈子が、宣言してしまった。
諏訪子の目の前で、その『家族』を殺すのだと……とうとう言ってしまった。
「――――――――――――え?」
脳が、貫かれたのかと、思った。
神奈子の思いもよらない宣言に、諏訪子は面食らうことしか出来なかった。
その女の言葉が言い放った台詞の意味を、頭の中で数回逡巡させ、何度か霧散しては再び意味を巡り合わせ、また考える。
くら……っと、意識が揺れた。これ以上考えることが、出来ずにいる。
神奈子は今、何を言ったのか? ……早苗を、どうすると?
諏訪子にとって早苗は間違いなく家族。れっきとした血の繋がりが存在するのだ。
では神奈子にとって、早苗は何だったというのだ。
確かに血は繋がっていない。
だから、家族じゃない?
家族。
家族って、なに?
神奈子にとって、早苗は、諏訪子は、
家族とは、
「――――――なんなんだ。アンタ、神奈子……かなこ……お前…………―――」
――――――本当に、殺されたいのか?
もしその二の句を告げていれば、我慢し切れずに神奈子を殺そうと飛び掛っていたかもしれない。
実際、瞬間的に諏訪子の殺気という殺気が放出され尽くし、辺りに舞っていたカエルもヘビも、ざわりと危機を感じた。
自らの生命を喰い付くさんとする祟り神。この女にだけは殺されたくない……と言わんばかりに、諏訪子の周囲から一斉に逃げ出し始めたのだ。
だが寸での所で留まった。それは諏訪子の最後の理性が成果を上げたわけではなく、神奈子への残った愛情が躊躇を掛けたわけでもない。
今の今まで黙して語ることなく、淡々と『機』を見ていた少女二人が、ここぞとばかりに鬱憤を晴らすように爆発したからである。
「オ……ラァァアアアアアアアッ!!」
「っしゃいいぞ徐倫、いったれ!」
剣呑な空気に茶々でも入れるように、徐倫と魔理沙の大声が轟いた。
一体いつの間に移動していたのか。二人は毒ガエル&毒ヘビの雨から身動きが取れずにいた状態だったはずだ。
蚊帳の外から叫ぶだけのポジションかと思われた彼女らがトラックの傍にまで移動し、横転していたそれを獰猛な物理パワーで再びゴロンとひっくり返したのだ。
見れば二人の足元には、黄色い群体スタンドがうじゃうじゃと蠢いている。
魔理沙の『ハーヴェスト』が、対毒ガエルネットを展開し防御したままで動けなかった徐倫たちをその体の下から持ち上げ、寝たままの移動を可能にしただけの話だ。
かくして徐倫のストーン・フリーにより、オブジェと化していたトラックはもう一度元のままの姿を取り戻す。
その目的など、今更語るまでもない。
「魔理沙、アンタは荷台で父さんたちを見てて! あたしが運転する!」
「よし来た!」
元より、『父』と『友達』を救出しに駆け抜けてきた彼女たちだ。
想像以上に人が集まったが、その目的は心に縛ったまま変わることはない。
ここは今から、更に危険で満ち溢れる。瀕死の承太郎と霊夢を一刻も早く、ここから逃がさなくては。
「ってアンタ! まさかここに残るつもりなのか!?」
「……偶然とはいえ、同じ家族を捜す者同士。もう少しだけ、あのチビッこい神サマと一緒に居るわ。
安心して。その二人の治療は既に『完了』している。後は当人たちの回復力次第」
気障な台詞と共に、リサリサはクールに吐き捨てた。
人間の身で、この毒の雨を物ともせず、あの二人の神やキレた殺人鬼相手に退こうともしない。
そろそろ鈍った身体に運動を与えてやりたいとも思っていた所だ。優雅な足並みでリサリサは、落ち着かない様子の諏訪子の隣へと並んだ。
「リサリサ……悪いけど、今の私に周囲を気遣う余裕は」
「なさそうね。でも丁度いい、私もあの女にちょっと説教でも……と思ってたところよ」
ここにはどうも、家族を敬愛するという『家族愛』の足りない輩が多すぎる。
神奈子にしたって、ウェスにしたって。
そして、自分だって……その本質は大して変わらない。ジョセフという一人息子に対し、母としての愛を注げたなんて間違っても言えない。
どいつもこいつも、本当に恥知らずな連中だ。
徐倫や魔理沙くらいではなかろうか。人間らしい生き方を歩もうとしているのは。
その二人とはすれ違い程度の認識であるリサリサだったが、彼女たちの目を見れば分かるというものだ。
真に大切な者を想う人間の、心の強さというものが。
泥に塗れても星を見続ける、果敢な勇気なるものが。
「―――わかったぜ! アンタと……諏訪子も! 絶対死ぬなよ! それと……霊夢たちの治療、ありがとな!」
ぐったり横たわる霊夢の手を握りながら、魔理沙は心の底からリサリサに感謝した。
ブオオンと勢いよく、トラックのエンジンが起動を開始する。
「それとアンタら! 『コイツ』の処遇があたし達には分からない! ……頼んだわ!」
慣れないハンドル操作にてこずりながら、徐倫が運転席から少年――動かないままのドッピオを乱暴に放り投げた。
彼が結局何者なのかは定かではないが、せめてもの施しとして少年の上にはカエル避けのネットを被せてやった。
コイツに関しては、後はもう知らない。煮るなり焼くなり、カエルの餌にするなりで構わない。
徐倫からすれば、どちらかと言うとあのコロネ髪の少年の方が気にかかる……が、そこは『彼女』に任せるしかない。少なくとも今は、まだ。
「ブッ飛ばすわよ魔理沙! 舌、噛むんじゃないぞ!」
「それはいいがお前、この乗り物ちゃんと動かせるんだろうな? 箒すら乗れなかっただろ」
「…………免許は無い。でもま、普通の車なら運転経験アリよ。……ちょっと盗んだヤツだけど」
「えぇ……」
随分と騒がしいドライブの予感を胸に秘めながら、徐倫と魔理沙はあっという間に走り去っていく。
承太郎と霊夢。二人を乗せて、遥か険しい悪走路を。
「ク……ッ! 徐倫め………ン!? 何だ……?」
その逃走っぷりを眺めるしか出来ないウェスが、己の懐に起こった異変を感じ取った。
彼の支給品であった『お祓い棒』が何の前触れも無く蠢き始め、デイパックから勢いよく飛び出してきたのだ。
そうかと思えば、棒はまるで何かの意思でも介在しているかのように宙を駆け、猛然としたスピードでトラックの後を追っていったのだった。
ポカンとするウェス。アレがそのまま瀕死の承太郎らを殴り殺してくれるのならありがたい奇跡だが、ウェスは棒に触れてすらいない。
真相は謎だが、元よりあのお払い棒はそこまで信頼を寄せていた武器というわけでもない。
今はあっちより―――こっちの対処だ。
結局は承太郎どころか、徐倫すら逃がしてしまった。それもこれも……とりあえずはあの自分勝手な鴉天狗のせいだという事とする。
「……仕方ねえか。不満だが、残り物のお前らの死体でここは茶を濁すとしよう」
「あら、レディに向かって残り物とは言ってくれるじゃない」
どうやらまず、この神とやらとの衝突からだ。神奈子の戯言など聞き流し、ウェスはちらりと周囲を見渡した。
―――居ない。降り積もったカエルとヘビの死骸の山以外に、既にここには神奈子、諏訪子、リサリサ、そして謎の少年しか残っていなかった。
どうやら尻尾を巻くのだけは得意な連中だったらしい。他に居た奴らも残らず全員、煙のように消えていた。
ウェスは小さく溜息を吐くと、指を鳴らして天候操作を中断した。途端に天気は、カエルもヘビもない、実に良好な『雨模様』へと戻る。
「……お前ら相手に、この天気は大して意味がないらしいな。それならそれで構わないが―――じゃあどんな死に方がお好みだ?」
「神奈子……ッ! どうしちゃったってんだ、アンタ……ッ!」
「気持ちは分かるけど、少し落ち着きなさい諏訪子。……敵は二人もいるんだから」
「…………諏訪子は元よりだけど、そこの子供にも用ができたわね」
バチバチと火花交わす四人。その中でも一際落ち着く態度で、神奈子は眠っている少年――ドッピオをチラと覗き見る。
ディアボロとは何なのか。彼がその男の名なのか。事態は上手く飲み込めない神奈子だったが、興味は出てきた。
神奈子は―――早苗を殺す為に、その他の障害を排除する腹積もりだ。
愛する早苗を悪意から守る為に、全ての悪意を根絶やしにする気だ。
そして最後に残った早苗(むすめ)を、自ら殺す。屠るは悪意でなく、愛ゆえに。
結果は同じようでいて、全く異なる。神奈子の中では、絶対的に違うのだ。
そんな彼女がディアボロ/ドッピオに興味を抱いたのは、ある種必然か。
神奈子が与り知りようもない事実がある。ディアボロは娘トリッシュを“自らの手で必ず殺す”ため、ブチャラティたちに彼女の護衛を依頼した過去がある。
他の悪意から彼女を守るため、相当に用心深い手回しでトリッシュを守らせ―――そして最後に屠ろうとした。
全ては娘から自らの断片が零れないようにする為の保身。万が一にも帝王である自分に影響を及ばせない為、完璧なる慎重を心掛けた。
それだけだった。
ディアボロがトリッシュを殺そうとしたのは、本当にそれだけの理由。そこに愛など、欠片すら存在しない。
その事実を神奈子が知る由もないが、ディアボロの行動を垣間目撃し、何か己と通ずる物を感じ取ったのだろう。
だから興味を持ち、話の一つも聞きだしたい所だった。
神奈子とディアボロでは、『子』に対する愛はあまりにも異なる認識を擁している。
だが結局の所……自分もディアボロもそう変わらないと、神奈子は思うだろう。
何を想おうが、そこに愛が在ろうが無かろうが、最後にはその生命を奪おうというのだから。
雨がいよいよ本降りとなって、泥を跳ねさせた。
ここから先は底抜け騒ぎの乱戦となる。
諏訪子も神奈子もリサリサもウェスも。人と神が入り乱れるこの戦陣にて、四人ともが家族を求める者たちだ。
ある者は『娘』を。
ある者は『息子』を。
ある者は『兄弟』を。
流れる血の色は、同じだというのに。
其処には、血で血を洗うような、酷なる運命が大口を開けて待ち構えている。
こんな世界では、家族などという繋がりも……本当に『枷』でしかないのかもしれない。
皮肉な事に、此処に住む者たちはそうと理解していながらも……こぞって其処を目指したがる。
まこと―――『血』とは厄介なモノだ。
ふと、誰かが小さくそう言った。
【D-2 猫の隠れ里 入り口付近/昼】
【
洩矢諏訪子@東方風神録】
[状態]:霊力消費(小)、右腕・右脚を糸で縫合(神力で完全に回復するかもしれません。現状含め後続の書き手さんにお任せします)、濡れている
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:荒木と太田に祟りを。
1:神奈子……どういうつもり?
2:早苗、本当は死んでないよね…?
3:守矢神社へ向かいたいが、今は保留とする。
4:信仰と戦力集めのついでに、リサリサのことは気にかけてやる。
5:プッチ、ディアボロを警戒。
[備考]
※参戦時期は少なくとも非想天則以降。
※制限についてはお任せしますが、少なくとも長時間の間地中に隠れ潜むようなことはできないようです。
※
聖白蓮、プッチと情報交換をしました。プッチが話した情報は、事実以外の可能性もあります。
【リサリサ@ジョジョの奇妙な冒険 第二部戦闘潮流】
[状態]:健康、濡れている
[装備]:タバコ、アメリカンクラッカー@ジョジョ第2部
[道具]:不明支給品(現実)、基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:柱の男と主催者を打倒する。
1:ひとまず目の前の二人に対処する。
2:DIOは絶対に滅する!
3:スピードワゴンさん、シーザー!
4:ジョセフ……
[備考]
※参戦時期はサンモリッツ廃ホテルの突入後、瓦礫の下から流れるシーザーの血を確認する直前です。
※目の前で死んだ男性が『
ロバート・E・O・スピードワゴン』本人であると確信しています。
彼が若返っていること、
エシディシが蘇っていることに疑問を抱いています。
※聖白蓮、プッチと情報交換をしました。プッチが話した情報は、事実以外の可能性もあります。
【八坂神奈子@東方風神録】
[状態]:体力消費(小)、霊力消費(小)、右腕損傷、早苗に対する深い愛情
[装備]:ガトリング銃(残弾70%)、スタンドDISC「ビーチ・ボーイ」@ジョジョ第5部
[道具]:不明現実支給品(ヴァニラの物)、基本支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:主催者への捧げ物として恥じない戦いをする。
1:『愛する家族』として、早苗はいずれ殺す。…私がやらなければ。
2:諏訪子とは『あの時』の決着をつける……が、彼女に対して無痛ガンは使いたくない。
3:あの少年から話を聞きたい(ディアボロとは?)
4:DIO様、ねえ……
[備考]
※参戦時期は東方風神録、オープニング後です。
※参戦時期の関係で、幻想郷の面々の殆どと面識がありません。
東風谷早苗、洩矢諏訪子の他、彼女が知っている可能性があるのは、妖怪の山の住人、結界の管理者です。
(該当者は、
秋静葉、秋穣子、
河城にとり、射命丸文、
姫海棠はたて、
博麗霊夢、八雲紫、
八雲藍、橙)
【ウェス・ブルーマリン@第6部 ストーンオーシャン】
[状態]:体力消費(中)、精神疲労(中)、肋骨・内臓の損傷(中)、左肩にレーザー貫通痕、服に少し切れ込み(腹部)、濡れている
[装備]:ワルサーP38(5/8)@現実
[道具]:タブレットPC@現実、手榴弾×2@現実、不明支給品(ジョジョor東方)、ワルサーP38の予備弾倉×1、ワルサーP38の予備弾×7、救急箱、基本支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:ペルラを取り戻す。
1:この戦いに勝ち残る。どんな手を使ってでも、どんな奴を利用してでも。
2:はたてを利用し、参加者を狩る。
3:
空条徐倫、エンリコ・プッチ、FFと決着を付け『
ウェザー・リポート』という存在に終止符を打つ。
4:あのガキ(ジョルノ)、何者なんだ?
[備考]
※参戦時期はヴェルサスによって記憶DISCを挿入され、記憶を取り戻した直後です。
※肉親であるプッチ神父の影響で首筋に星型のアザがあります。
星型のアザの共鳴で、同じアザを持つ者の気配や居場所を大まかに察知出来ます。
※制限により「ヘビー・ウェザー」は使用不可です。
「ウェザー・リポート」の天候操作の範囲はエリア1ブロック分ですが、距離が遠くなる程能力は大雑把になります。
※主催者のどちらかが『時間を超越するスタンド』を持っている可能性を推測しました。
※人間の里の電子掲示板ではたての新聞記事第四誌までを読みました。
※ディアボロの容姿・スタンド能力の情報を得ました。
【ドッピオ@ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風】
[状態]:熟睡中(放っておいたら6時間は起きない)、体力消費(大)、精神力消費(大)
[装備]:なし
[道具]:メリーさんの電話@東方深秘録
[思考・状況]
基本行動方針:ボスの腹心として、期待に沿える。
1:(熟睡中)
2:ボス……ぼくはあなたの役に立ちましたか?
3:ボスを守る立ち回りをする。
[備考]
※ディアボロの人格とは完全に分離しました。よって『キング・クリムゾン』は持っていません。
※人間の里入り口周辺はヤドクガエルとマムシで埋もれています。
『姫海棠はたて』
【昼】D-2 猫の隠れ里 入り口付近 樹上
この出来事を網膜に映すのみでは、あまりに勿体無い。
近場の樹上にて、雨を避けながら写真を撮りまくっていた姫海棠はたての感想は、つまる所そこに収束する。
つくづく自分が新聞屋で良かった。眼前での衝撃シーンを写真に残すという癖が身に付いているのだから。
「いや~~……大漁ね、コレは」
ネタの宝庫。
はたてから見たら、今起こった光景は垂涎モノ。まさに珠玉の時間を過ごせたと言っていい。
一体どの場面を切り取って記事へ抜粋すればいいのか。その編集作業ですら、心待ちにする自分が居た。
ウェスには悪いことをしたが、ここまで送ってやった交通費はこのネタでおあいことしよう。
ただ……
「やっぱ、“実際に”人が殺されるシーンを生で見るのは……慣れないなぁ」
トリッシュと呼ばれていた、自分に比べたら全く年端もいかない少女。
そんな彼女が惨殺されている光景は、はたての気分に僅かな寒気を及ぼす物だった。
が、肝心要の殺人の瞬間は写真に収められていなかった。
あの時……どういうわけだかあの少女は、気付けば死んでいたとしか言い様がない状況で死んだのだ。
そもそも、死んだと思った少女は不思議なことにすぐに蘇り、次の瞬間に消え失せていた。まるで理解不能だ。
なので実際、はたては人死にの瞬間を本当に見ていたわけではない。だからなのか、小傘の時よりも精神的ダメージはかなり薄い。
どこかホッとしている自分と、極上のネタを逃して悔しい自分の、矛盾した両面が存在している。
気の迷いか、そうでなければ興奮状態ゆえの気持ちの錯覚だろう。
はたてはさっさと断定し、この嫌な気分を忘れるように、少しだけ思案に耽ることとした。
選択は二つだ。今起こった出来事はもちろん記事に起こすが、次はどちらを追うべきか?
引き続き『ウェスたちの戦いを取材する』か、『逃走した巫女たちを追跡取材する』か。
とにもかくにも、まずは正午に予定していた記事を作成しなければならない。
主催者から送り届けられる予定の、今回の更新分リストもそろそろ着く頃合だろう。
はたては脳内で、じっくりと次の記事構想を練り始める。
【D-2 猫の隠れ里 入り口付近 樹上/昼】
【姫海棠はたて@東方 その他(ダブルスポイラー)
[状態]:霊力消費(小)、人の死を目撃する事への僅かな嫌悪、濡れている
[装備]:姫海棠はたてのカメラ@ダブルスポイラー、スタンドDISC「ムーディー・ブルース」@ジョジョ第5部
[道具]:花果子念報@ダブルスポイラー、ダブルデリンジャーの予備弾薬(7発)、基本支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:『ゲーム』を徹底取材し、文々。新聞を出し抜く程の新聞記事を執筆する。
1:ウェスと巫女、どちらを追おう?
2:12:00(
第二回放送)頃に続報を配信予定。
3:岸辺露伴のスポイラー(対抗コンテンツ)として勝負し、目にもの見せてやる。
4:『殺人事件』って、想像以上に気分が悪いわね……まあネタにはするけど。
5:ウェスを利用し、事件をどんどん取材する。
6:死なないように上手く立ち回る。生き残れなきゃ記事は書けない。
[備考]
※参戦時期はダブルスポイラー以降です。
※制限により、念写の射程は1エリア分(はたての現在位置から1km前後)となっています。
念写を行うことで霊力を消費し、被写体との距離が遠ければ遠い程消費量が大きくなります。また、自身の念写に課せられた制限に気付きました。
※ムーディー・ブルースの制限は今のところ不明です。
※リストには
第一回放送までの死亡者、近くにいた参加者、場所と時間が一通り書かれています。
次回のリスト受信は第二回放送直前です。
※花果子念報マガジン第4誌『【速報】博麗霊夢・
空条承太郎再起不能か!?』を発刊しました。
どれ程、だったろうか。
魔理沙が支給品の時計を取り出し、二本の針をじっと見つめた。
現在時刻正午前。最初に集められた会場で霊夢の姿を見たような気がしたから、体感12時間か。
霊夢の姿を見たのは、これで12時間ぶりということになる。
たった半日。寝て起きて、朝食でも摂って運動がてら博麗神社まで赴き、暇そうに箒を振り回しながら境内の掃除辺りをしている霊夢をからかう。
幻想郷でのなんてことのない日常の頃と、同じくらいの時間。絶対時間という物差し上では、12時間という数字でしかない。
それでも魔理沙の体感時間では12時間どころではない、途方もなく久しぶり、といった感覚だ。
本当にたかが12時間の内に、魔理沙の霊夢に対する認識は変わり始めてきた。
そして、己の培っていた世界観も、激変を遂げてきた。
何せ、自分の周囲で人が殺されたのを見た経験など魔理沙には殆ど無い。秋穣子の時と、今回のトリッシュで二回目だ。
おぞましい寒気がする。人に対する尊厳も敬意もまるで感じられない、ひたすらに悪意をぶつけられた死体だった。
ぶるりと震えた肌を、思わず抱くように支える。あんな辛い出来事が、もし霊夢にも起こってしまったなら―――
そっと、目を瞑ったままの友達の頬に手を添えてみる。
冷たかった。
死人のようだ……とまでは行かなくとも、流動する血脈が与えてくれる人本来の温かさは全然感じられない。
そもそも、本当に霊夢の体には血液が巡っているのか、という疑問すら湧いてくる。
見たところ外傷らしい外傷は無い、というよりも塞がっている。
はだけた巫女服から覗く、採れたて大根のように透き通った白肌には痛々しい傷痕が見て取れる。
一体どんな武器で斬られたらこんな大きな刀痕が付けられるのか。
日本刀による、いわゆる袈裟斬りと呼ばれる種の切り口だ。あれは確か、銅の広い面積を斬られるから高確率で致命傷とか聞いたことがある。
普通ならとっくに死んでいる傷だ。少なくとも、普通の中の普通である魔理沙がこれを受けていた場合、気合で耐えられる道理の範疇を高飛びで越えられていただろう。
霊夢を治療してくれた彼らに対し、感謝してもしきれない。願わくば、礼の一つでもしてやりたいものだ。
魔理沙にしては珍しく、真っ当にそんな恩義を感じていた。
「霊夢……お前のこんな弱々しい姿、初めて見るぞ。博麗神社、急いで跡継ぎ見つけた方が良いんじゃないのか?」
「―――うっさいわねぇ。ウチは跡継ぎよりも今晩の献立の方が切迫してるっての」
魔理沙のいつもの皮肉に、霊夢がダルそうにしながらも応える。
そんな日常を期待していた魔理沙の耳に、やはり霊夢の返事は返って来なかった。
死んだように、眠ったままだ。
リサリサなる女性は「後は本人の回復力次第」とは言っていたが、逆を返せば霊夢の体力が足りていなければこのままずっと目を覚まさず……という可能性もある。
死ぬかもしれないのだ。あの(性格以外は)完全無欠の霊夢が、このまま一言も会話を話さず、死ぬかもしれない。
「…………早く、起きやがれ。この寝坊助巫女」
グッと、冷たくなった手を握りしめてやった。
今は、霊夢……いや、霊夢たちが安静に回復できる場所を探すことが先決だ。
そんな天国のような場所があるのか、今のこの幻想郷に。
魔理沙はゆったりとした動作で頬を伝う汗を拭き、ボロボロになったトラックの幌から外を眺める。
その時だ。車の後方から、何か棒状の物がすっ飛んできたのを魔理沙の瞳が捉えた。
ドクンと一層響かせる心臓。早くも敵に追いつかれたか……!?
しかし杞憂に終わった。そいつは魔理沙もよく知る、友達の相棒でもある愛棒だった。
「……っとと、何だお前? 霊夢のお払い棒じゃんか」
予想だにしない知り合いの登場に、魔理沙の顔が先程よりも僅かに柔らかくなる。
空を直進してきたお払い棒は、愛する主人のあらぬ姿を認めた瞬間、心配そうに霊夢の周囲をピョンピョンと飛び跳ね始めた。
「おいおい……この妖怪殺しの棒、まーだ妖器化が解けてなかったのか? こっちは主人に似ず、可愛らしいモンだが」
魔理沙の軽口に反応するように、棒はくく~っと体(?)を曲げ、首(?)を傾げた。さながら小動物のようである。
霊夢の愛する武器(本来は神祭用具のハズだが)の帰還に、魔理沙もふと自分の相棒を恋しく思う。
―――そのタイミングを狙ったかのように、今度は承太郎の懐から見覚えのある小物が飛び出してきた。
「……って、私のミニ八卦炉! アンタが持っててくれたのか!」
承太郎の支給品として配られていたミニ八卦炉が、お払い棒と一緒にピョンピョン踊りだしていた。
……と、思えば八卦炉はすぐに力尽きたかのように、荷台の床にゴロンと横たわった。
どうやらただのエネルギー切れらしく、こっちはあまり主人想いではなかったらしい。普段の人使いの荒さをちょっぴり反省する魔理沙であった。
「何はともあれ、これで私と……そして霊夢。お前の武器も戻ってきたってワケだ。
だから、おい霊夢……すぐに目ェ開けて、コイツを磨いてやれ。ちょっと汚れてるぞ、このお払い棒」
相棒の八卦炉を撫でながら、魔理沙はくすりと笑った。
このミニ八卦炉も、魔理沙が実家を出る際、
森近霖之助が彼女を心配してわざわざ作ってくれたマジックアイテムなのだ。
思い出深いといえば、思い出深い品だ。霖之助……香霖は今ごろ何処で何してるだろうか。最近八卦炉の火力の効きが弱いので、調整を頼みたかったところなのに。
……会いたい奴。会わなくてはいけない奴が、まだまだ多い。
さっきは慌てていたのでロクな挨拶もかけてやれなかった。今なら少し余裕があるだろうか。魔理沙は運転席の徐倫に声を掛ける。
「徐倫、アレ出してくれアレ。まだ“向こう”とは繋がってるんだろ?」
「いいけど……そろそろ“切れる”わよ。この糸、あんま射程距離長くないし。……ホラ」
運転に集中しながら徐倫は、左手の指先に繋がっていた細長い糸をピンと張る。
魔理沙は、徐倫が予め繋げていたその『糸電話』を通して、『彼女』が無事かどうかを確認するのだった。
「あ~あ~。ただいまマイクのテスト中……あ~あ~。ただいまマイクのテスト中……。
おーい紫、聴こえるか~? こっちは無事、奴等から離れたぜ。お前らは無事か? どうぞ」
『―――あ~あ~、聴こえる? 紫よ、魔理沙ね? こっちは……まあ少なくとも私は無事よ。私以外が壊滅的だけど。どうぞ』
「そこはどこだ? そっちに鈴仙と、あの金髪で変なクルクル髪の男は居るか? 鈴仙が『ゾンビ馬の糸』ってのを持ってた筈だ。
急いでその糸使ってまず男の腕を治療してやれ、多分治るから。どうぞ」
『諏訪子の足と腕を繋げた糸ね? 了解、こっちはこっちで何とかするわ。それと、此処は――――――』
【D-2 猫の隠れ里 近隣/昼】
【空条徐倫@ジョジョ第6部 ストーンオーシャン】
[状態]:体力消耗(中)、全身火傷(軽量)、全身に裂傷(縫合済み)、脇腹を少し欠損(縫合済み)、濡れている
[装備]:ダブルデリンジャー(0/2)@現実
[道具]:基本支給品(水を少量消費)、軽トラック(燃料80%、荷台の幌はボロボロ)
[思考・状況]
基本行動方針:プッチ神父とDIOを倒し、主催者も打倒する。
1:魔理沙と同行、信頼が生まれた。彼女を放っておけない。
2:空条承太郎・博麗霊夢をどこかで安静にさせる。
3:襲ってくる相手は迎え討つ。それ以外の相手への対応はその時次第。
4:FFと会いたい。だが、敵であった時や記憶を取り戻した後だったら……。
5:姫海棠はたて、
霍青娥、
ワムウ、ディアボロを警戒。
6:しかし、どうしてスタンドDISCが支給品になっているんだ…?
7:なんだか父さん、若い……?
[備考]
※参戦時期はプッチ神父を追ってケープ・カナベラルに向かう車中で居眠りしている時です。
※霧雨魔理沙と情報を交換し、彼女の知り合いや幻想郷について知りました。どこまで情報を得たかは後の書き手さんにお任せします。
※ウェス・ブルーマリンを完全に敵と認識しましたが、生命を奪おうとまでは思ってません。
※人間の里の電子掲示板ではたての新聞記事第四誌までを読みました。
【霧雨魔理沙@東方 その他】
[状態]:体力消耗(小)、精神消耗(小)、霊力消費(中)、全身に裂傷と軽度の火傷 、濡れている
[装備]:スタンドDISC「ハーヴェスト」@ジョジョ第4部、ダイナマイト(6/12)、一夜のクシナダ(60cc/180cc)、竹ボウキ、ゾンビ馬(残り10%)
[道具]:基本支給品×8(水を少量消費、2つだけ別の紙に入っています)、双眼鏡、500S&Wマグナム弾(9発)、催涙スプレー、音響爆弾(残1/3)、
スタンドDISC『キャッチ・ザ・レインボー』@ジョジョ第7部、不明支給品@現代×1(洩矢諏訪子に支給されたもの)、ミニ八卦炉 (付喪神化、エネルギー切れ)
[思考・状況]
基本行動方針:異変解決。会場から脱出し主催者をぶっ倒す。
1:死んだ奴らの餞の為にもできる事はやらなくちゃ…な。
2:徐倫と同行。信頼が生まれた。『ホウキ』のことは許しているわけではないが、それ以上に思い詰めている。
3:空条承太郎・博麗霊夢をどこかで安静にさせる
4:何故か解らないけど、太田順也に奇妙な懐かしさを感じる。
5:姫海棠はたて、霍青娥、エンリコ・プッチ、DIO、ワムウ、ウェス、ディアボロを警戒。
6:早苗…死んじゃったのか…
[備考]
※参戦時期は神霊廟以降です。
※徐倫と情報交換をし、彼女の知り合いやスタンドの概念について知りました。どこまで情報を得たかは後の書き手さんにお任せします。
※C-4 アリスの家の「竹ボウキ@現実」を回収しました。愛用の箒ほどではありませんがタンデム程度なら可能。やっぱり魔理沙の箒ではないことに気付いていません。
※人間の里の電子掲示板ではたての新聞記事第四誌までを読みました。
※二人は参加者と主催者の能力に関して、仮説を立てました。
内容は
•荒木と太田は世界を自在に行き来し、時間を自由に操作できる何らかの力を持っているのではないか
•参加者たちは全く別の世界、時間軸から拉致されているのではないか
•自分の知っている人物が自分の知る人物ではないかもしれない
•自分を知っているはずの人物が自分を知らないかもしれない
•過去に敵対していて後に和解した人物が居たとして、その人物が和解した後じゃないかもしれない
です。
【博麗霊夢@東方 その他】
[状態]:体力消費(極大)、霊力消費(極大)、胴体裂傷(傷痕のみ)、瀕死(回復中?)
[装備]:いつもの巫女装束(裂け目あり)、モップの柄、妖器「お祓い棒」@東方輝針城、
[道具]:基本支給品、自作のお札(現地調達)×たくさん(半分消費)、アヌビス神の鞘、缶ビール×8、
不明支給品(現実に存在する物品、確認済み)、廃洋館及びジョースター邸で役立ちそうなものを回収している可能性があります。
[思考・状況]
基本行動方針:この異変を、殺し合いゲームの破壊によって解決する。
1:現在、意識不明。傷はほぼ治癒できたが…?
2:戦力を集めて『アヌビス神』を破壊する。殺し合いに乗った者も容赦しない。
3:
フー・ファイターズを創造主から解放させてやりたい。
4:全てが終わった後、承太郎と正々堂々戦って決着をつける。
5:紫を救い出さないと…!
6:『聖なる遺体』を回収し、大統領に届ける。今のところ、大統領は一応信用する。
7:出来ればレミリアに会いたい。
8:暇があったらお札作った方がいいかしら…?
9:大統領のハンカチを回収し、大統領に届ける。
※参戦時期は東方神霊廟以降です。
※太田順也が幻想郷の創造者であることに気付いています。
※空条承太郎@ジョジョ第3部の仲間についての情報を得ました。
また、第2部以前の人物の情報も得ましたが、どの程度の情報を得たかは不明です。
※白いネグリジェとまな板は、廃洋館の一室に放置しました。
※フー・ファイターズから『スタンドDISC』、『ホワイトスネイク』、6部キャラクターの情報を得ました。
※
ファニー・ヴァレンタインから、ジョニィ、ジャイロ、リンゴォ、ディエゴの情報を得ました。
※ディエゴ、DIOから受けた傷は深く、回復したとしても時間が掛かると思われます。
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース】
[状態]:体力消費(極大)、精神疲労(極大)、全身火傷(火傷痕のみ)、瀕死(回復中?)
[装備]:長ラン(所々斬れています)、学帽
[道具]:基本支給品、DIOのナイフ×5、缶ビール×2、不明支給品(現実に存在する物品、確認済み)
その他、廃洋館及びジョースター邸で役立ちそうなものを回収している可能性があります。
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の二人をブチのめす。
1:現在、意識不明。傷はほぼ治癒できたが…?
2:花京院・ポルナレフ・ジョセフ他、仲間を集めて『アヌビス神』を破壊する。DIOをもう一度殺す。その他、殺し合いに乗った者も容赦しない。
3:『聖なる遺体』を回収し、大統領に届ける。今のところ、大統領は一応信用する。
4:大統領のハンカチを回収し、大統領に届ける。
5:ウェザーにプッチ、一応気を付けておくか…
6:霊夢他、うっとおしい女と同行はしたくないが……この際仕方ない。
7:あのジジイとは、今後絶対、金輪際、一緒に飛行機には乗らねー。
8:全てが終わった後、霊夢との決着を付けさせられそうだが、別にどーでもいい。
※参戦時期はジョジョ第3部終了後、日本への帰路について飛行機に乗った直後です。
※霊夢から、幻想郷の住人についての情報を得ました。女性が殆どなことにうんざりしています。
※星型のアザの共鳴によって同じアザの持つ者のいる方向を大雑把に認識出来ます。正確な位置を把握することは出来ません。
※フー・ファイターズから『スタンドDISC』、『ホワイトスネイク』、6部キャラクターの情報を得ました。
※ファニー・ヴァレンタインから、ジョニィ、ジャイロ、リンゴォ、ディエゴの情報を得ました。
※停止時間は2→5秒前後に成長しました。
※DIOから受けた傷は深く、回復したとしても時間が掛かると思われます。
『八雲紫』
【昼】D-2 地霊殿
『そこはどこだ? そっちに鈴仙と、あの金髪で変なクルクル髪の男は居るか? 鈴仙が『ゾンビ馬の糸』ってのを持ってた筈だ。
急いでその糸使ってまず男の腕を治療してやれ、多分治るから。どうぞ』
「諏訪子の足と腕を繋げた糸ね? 了解、こっちはこっちで何とかするわ。それと、此処は――《ブチ》――って、あら?」
彼女たちがトラックで逃走する直前、乗り込んだ魔理沙が投げ渡してきたこの『糸電話』。
中々面白いけど、どうやら距離の限界が来たらしい。通話中にブチっと切れちゃった。
「まあ、霊夢たちが無事なら取り敢えずは良しとしましょうか。……にしても」
周囲をぐるっと見渡す。広大な地下空間に佇むこの無駄に広い屋敷は……恐らく『地霊殿』か。
あの時、神奈子と天候男がいがみ合ってる隙に魔理沙たちと合図し合い、それぞれ別方向に脱出した。
魔理沙らはトラックで地上を。そして私は地面にスキマで穴を開けて、この地下世界にまで。
天井に開けていたスキマを閉じ、私は完全に地上との連絡手段を絶った。隠れ里の地下に地霊殿があるなんて可笑しな話だけど、どうせここも偽造世界だろうし。
結局、諏訪子はあのまま置いてくるしかなかった。神奈子との決着を付けたがっていたのは彼女自身ではあったし、家族の問題は家族同士で……ってのは流石に他人事かしらね。
守矢は幻想郷のトラブルメーカーではあるけど、それでも家族。彼女たちの誰かが居なくなることは、私にとっても哀しいこと。
リサリサなる女性が、どうか彼女の支えとなることを願おう。少なくとも、私があの場に残るよりはマシでしょうし。
「―――あ、……ぅう、ディ……ア、……ろ……っ」
そして、この『ウサギっ子』。
彼女だって家族だ、死なせるわけにはいかない。
鈴仙・優曇華院・イナバ。あの戦場での最後の登場人物として、降って湧いたように現れた永遠亭の従者。
無謀にもヤドクガエルとマムシの雨を、傘無しで突っ切ってきた大馬鹿者。案の定、その身体には猛毒が回っている。
「解毒、しないと死んじゃうわね。さて、困ったわ」
血清なんて持っていない。今の私に、この子を救う術は……無い。
嗚呼……なんて無力で弱い生き物なのかしら、八雲紫という大妖は。
「……く、……ッ ゆかり、さん…………ぼくの、腕を……っ」
そしてこっちのジョルノも。
あのディアボロ(トリッシュ?)に両の腕を切断され、それでも何とか意識を保てている人間の子供。
子供だ、永き時を生きる私たち妖怪にしてみれば、人間など皆子供。
でも、こんな子供でも。
『枷』という名の業を背負う私にとっては―――光にも成り得る。
多くの少年少女たちが目を煌かせて見据えることと同じように、この子もきっと……『夢』の一つも抱いていたのかもしれない。
年寄りが、先行きの明るい少年の『夢』という可能性を絶たせる。
……これほど愚かなことも無いわね。
「貴方の両腕、持って来てるわ。これでもお裁縫は得意科目なのだけれど……本当に治るのかしら?」
魔理沙曰く「ゾンビ馬の糸なら治る」らしい。毒で動けない鈴仙の懐をまさぐってみると、確かに糸があった。
ひとまずはジョルノの復活かしら。それが済めば……次は鈴仙ね。
ジョルノの身体よりも鈴仙の方が一大事のように見えるけど……私では毒など、どうしようもない。
でも、“アテ”はある。ジョルノはさっきまで瀕死の霊夢を治療していた筈。スタンド使い、なのでしょう彼も。
不思議なことに彼はあのカエルの雨の中を(一瞬ではあったけど)外に出た。毒に対する『免疫』……ワクチンのような物を事前に注入していた可能性がある。
もし彼の能力が治癒能力であるなら、もしかしたら鈴仙を助けられるかも。
随分と都合のいい考え方だけど、それに賭けるしかない。今の私は、他人の力無しではただのひ弱な怪しいお姐さんでしかない。
「一応、コレも持って来てるけど……徒労に終わらないで欲しいわね。―――心底、願うわ」
地上からフン掴まえて来た、一匹ずつのカエルとヘビ。
もし血清が作れるなら重要な素材になるでしょう。……ああ気持ち悪い。
そもそも私自身、色々なことが起こり過ぎた。休養は必要、か……
幸せを逃す大きな大きな溜息を吐きながら、私は地霊殿の正門に寄りかかる。
とにかく今の私に出来る唯一は、ジョルノ・ジョバァーナを復活させること、ね。
【D-2 地霊殿 正門/昼】
【八雲紫@東方妖々夢】
[状態]:全身火傷(やや中度)、全身に打ち身、右肩脱臼、左手溶解液により負傷、 背中部・内臓へのダメージ
[装備]:なし(左手手袋がボロボロ)
[道具]:ゾンビ馬(残り20%)、ヤドクガエルとマムシ
[思考・状況]
基本行動方針:幻想郷を奪った主催者を倒す。
1:ジョルノと鈴仙の復活。
2:幻想郷の賢者として、あの主催者に『制裁』を下す。
3:DIOの天国計画を阻止したい。
4:大妖怪としての威厳も誇りも、地に堕ちた…。
5:霊夢たちは魔理沙に任せる。
[備考]
※参戦時期は後続の書き手の方に任せます。
※放送のメモは取れていませんが、内容は全て記憶しています。
※太田順也の『正体』に気付いている可能性があります。
【ジョルノ・ジョバァーナ@第五部 黄金の風】
[状態]:体力消費(大)、精神疲労(大)、両腕切断、スズラン毒・ヤドクガエル・マムシを無毒化
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(ジョジョ東方の物品の可能性あり、本人確認済み、武器でない模様)
[思考・状況]
基本行動方針:仲間と合流し、主催者を倒す
1:八雲紫の治療を受ける。
2:ブチャラティに合流したい。
3:トリッシュ……!
4:ディアボロをもう一度倒す。
5:あの男(ウェス)と徐倫、何か信号を感じたが何者だったんだ?
6:DIOとはいずれもう一度会う。
[備考]
※参戦時期は五部終了後です。能力制限として、『傷の治療の際にいつもよりスタンドエネルギーを大きく消費する』ことに気づきました。
他に制限された能力があるかは不明です。
※星型のアザの共鳴で、同じアザを持つ者の気配や居場所を大まかに察知出来ます。
※
ディエゴ・ブランドーのスタンド『スケアリー・モンスターズ』の存在を上空から確認し、
内数匹に『ゴールド・エクスペリエンス』で生み出した果物を持ち去らせました。現在地は紅魔館です。
※現在両腕欠損中です。今のままだと能力は使えません。
【鈴仙・優曇華院・イナバ@東方永夜抄】
[状態]:疲労(大)、妖力消費(小)、ヤドクガエルとマムシの猛毒進行中、濡れている、泥で汚れている、『大地』への渇望
[装備]:スタンドDISC「サーフィス」
[道具]:基本支給品(食料、水を少量消費)、綿人形、
多々良小傘の下駄(左)、不明支給品0~1(現実出典)、鉄筋(数本)、その他永遠亭で回収した医療器具や物品(いくらかを魔理沙に譲渡)
[思考・状況]
基本行動方針:自分自身の『大地』を見つけ出し、地上の兎になる。
1:アリスの仇を討ち、自分の心に欠けた『大地』を追い求めるため、ディアボロを殺す。少年の方はどうするべきか…?
2:霊夢と魔理沙……心配だ。
3:姫海棠はたてに接触。その能力でディアボロを発見する。
4:『第二回放送前後にレストラン・トラサルディーで待つ』という伝言を輝夜とてゐに伝える。ただし、彼女らと同行はしない。
5:ディアボロに狙われているであろう
古明地さとりを保護する。
6:危険人物に警戒。特に柱の男、姫海棠はたては警戒。危険でない人物には、霊夢たちの援護とディアボロ捜索の協力を依頼する。
[備考]
※参戦時期は神霊廟以降です。
※波長を操る能力の応用で、『スタンド』に生身で触ることができるようになりました。
※能力制限:波長を操る能力の持続力が低下しており、長時間の使用は多大な疲労を生みます。
波長を操る能力による精神操作の有効射程が低下しています。燃費も悪化しています。
波長を読み取る能力の射程距離が低下しています。また、人の存在を物陰越しに感知したりはできません。
※『
八意永琳の携帯電話』、『
広瀬康一の家』の電話番号を手に入れました。
※入手した綿人形にもサーフィスの能力は使えます。ただしサイズはミニで耐久能力も低いものです。
※人間の里の電子掲示板ではたての新聞記事第四誌までを読みました。
『ディアボロ』
【昼】D-2 地下道
ズキン ズキン
ズキン ズキン
頭痛がする。眩暈もだ。
クソ……あの兎耳の女、どこまでわたしを苦しめるのだ……!
これはできれば実行したくはない賭けであった。
娘トリッシュの肉体を支配できたのは良いが、元のディアボロの肉体と比べれば小娘の脆弱な身体。ハッキリ言って後悔している。
だが“仕方なかった”。あの女から受けた精神攻撃が、あまりにも深すぎたのだ。
ディアボロの脳に大きく打ち込まれた楔は、精神の分離を余儀なくされた。一つの肉体に精神二つでは、とても耐え切れない異常な傷を奴は残してくれやがった。
恐らくあのままだと、わたし――そしてドッピオは共倒れとなっていた。
これは苦渋の延命措置に過ぎない。少なくとも肉体に掛かる負担は、精神を分離させたことでかなり減少しただろうが……
「だが……ドッピオ。お前という腹心を失ったこと……それは我が力の『損失』とは限らないぞ」
止むを得ずトリッシュの肉体に移ったのは事実だが、これで良かったのかもしれない。
わたしにとっても、ドッピオにとっても……きっとこれが本来の、儘の姿なのだろう。
再び帝王の座に返り咲く……それに必要なモノは何だ?
力。
誇り。
繋がり。
その全てを、わたしはまだ失ってなどいない。
力も、誇りも、そしてドッピオという繋がりさえも、わたしの心の中には未だ顕在したままだ。
わたしはドッピオを捨てたのではない。肉体的な繋がりは敢えて断ち切り、心の拠り処として新たに絆を築いた。
彼はきっと……わたしの為にこれからも陰で助力してくれるだろう。そういう男なのだ、アレは。
この世界の何処か見えない場所で、自分を思う者が知れず戦ってくれている。
それを考えると―――勇気が湧いてくるのだ。
帝王の座に必要なモノは『勇気』である。
臆病に隠れ続けてきたかつてのわたしには、無縁な俗物だった。
だがそれも『過去』の話だ。
恐怖とは過去からやって来るのではない。
過去そのものが、わたしにとっての恐怖そのものだった。
その恐怖を克服する……過去《ドッピオ》を敢えて断ち切り、今わたしは新しい現在《わたし》となれた。
お前に半分を背負わせてしまうこと。唯一の気がかりがそれだった……ドッピオよ。
心配ではあるが、わたしもせめて祈らせてもらおう。
彼の無事なる行く末を……。
これからは真に独りでゲームの攻略に望むことになる。ドッピオにとってもそうだ。
あの毒ガエルの雨を回避しながら単身突っ切れて来れたのも、わたしが貸した『エピタフ』の未来予知あってこそ。
そうでなければとてもあの状況でトリッシュに近づくことなど出来なかった。
だがそれ以上にドッピオは勇気のある男だ。その勇気が、困難を乗り越えさせた。
今のわたしがあるのは、彼のおかげでしかない。
ここは再び地下空間。壁や地面を突き抜ける、あの不思議なのみを使用してここまで逃げてきた。
まだ精神的な不調はあるゆえ、休みながらとはなるが……
だが、わたしが逃げるのはここまでとしよう。
立ち向かうことへの勇気……大切な物は、全てドッピオが教えてくれたのだから。
【D-2 地下道/昼】
【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風】
[状態]:トリッシュの肉体、体力消費(中)、精神力消費(大)、腹部貫通(治療済み)、酷い頭痛と平衡感覚の不調、スズラン毒を無毒化
[装備]:壁抜けののみ
[道具]:基本支給品、不明支給品0~1(現実出典、本人確認済み、トリッシュの物で、武器ではない模様)
[思考・状況]
基本行動方針:参加者を皆殺しにして優勝し、帝王の座に返り咲く。
1:新たな『自分』として、ゲーム優勝を狙う。
2:ドッピオなら大丈夫だ。
3:『兎耳の女』は、必ず始末する。
4:新手と共に逃げた古明地さとりを探し出し、この手で殺す。でも無理はしない。
5:ジョルノ・ジョバァーナ……レクイエムの能力は使えないのか?
[備考]
※第5部終了時点からの参加。ただし、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力の影響は取り除かれています。
※能力制限:『キング・クリムゾン』で時間を吹き飛ばす時、原作より多く体力を消耗します。
※トリッシュの肉体を手に入れました。その影響は後の書き手さんにお任せしますが、スパイス・ガールは使えません。
※ディアボロが次にどこへ向かうかは後の書き手さんにお任せします。
最終更新:2017年12月20日 13:35