総じて言える事は、どのシャーシもフロントが弱い。
採用していたレーサーミニ四駆がもともとRCバギーのJr版マシンだったため、フロントバンパーもRCカーに準じたものでほとんど1枚板のような形で剛性・強度とも低い。
特に剛性に関しては致命的。
しかもその板状バンパーは上方向に向かって伸びるような形をとっていて、ねじ穴にスラストが付いていないことも相まってコーナーであっさりローラーが上を向く。
つまりここの補強・強化は必須。
また、これらのシャーシに使える
中空プロペラシャフトはすべて生産停止である
(2009年3月に限定で色変え版が再販したがTYPE1系は対象外)
●TYPE1
[基本データ]
- ホイールべース:80mm
- 使用ドライブシャフト:60mm
- 対応ギヤ比:5:1、6.4:1、8.75:1、11.2:1
- 重量(シャーシ骨格のみ他未装着):?g
レーサーミニ四駆としての初のシャーシ。というか初の高速レース向けシャーシ。
シャフトドライブ構造はこの時点でほぼ確立されていて、基本レイアウトは後のVSシャーシにまで受け継がれる(ただしSXは特殊)
だが採用マシンの多くがバギーをモチーフにしていることからも判るように、どちらかというとオフロード向け。
初期型においてはコースでの走行が考慮されていなかったため、ローラー用のねじ穴がない。
さらにバッテリーホルダーが(バーニングサン以外)標準で付属しないため、電池が外れやすい。
さらに、さすがに初期のものだけあって駆動形も精度が悪く、
ギヤの噛み合わせが悪くまともに走らないなどザラ。
良くも悪くもオフロード用といったところ。
軸受けも標準ではハトメが入っているだけで、ボールベアリングを取り付けるには軸受け部分の穴を自分で広げないと取り付け不可など速くするには茨の道を歩く覚悟が必要なシャーシ。
TYPE1で速くしているとヒーロー感覚になれます。
でも子供達には「何コレ?」と言われる覚悟も必要・・・。
特徴として
- フロントのネジ穴は2つだけ(上記の通り初期型は穴がない…)
- サイドのビス穴がない
- バッテリーホルダーがない(ファイヤードラゴン等の一部クリアボディに付属のバッテリーホルダーが使用可能。また、バーニングサン TYPE1のみ標準で付属する。)
- オフ走行を考慮してか、軽量化or冷却用の穴がない
- ↑のため電気系に熱が篭りやすい(特にギヤカバーで密閉されているモーター)
- 11.2:1のパワーギヤが付属する(但し初代バーニングサンは6.4:1と5:1が付属、またサンダーショットTKCにはタイプ3のギア袋も同封されている)
- 干支ミニ四駆など、一部を除いてみんなスパイクタイヤ
- ホイールも現在主流のものとは規格が違う専用のものが付属
など。
再販品やメモ箱、干支ミニ四駆のおかげで入手は割りと楽。
リヤローラーをつけたい場合にはリヤローラースタビセットが必要になる。
ミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2で入手可能。
※TYPE3と基本設計が同じなので、一応コンペティション
ギヤを使えますが、レースによってはTYPE1に装着OK、
NGなど意見がわかれます。
TYPE1にコンペティションギヤをつけている場合には
車検の際に確認してみて下さい。
以下、その他カラーバリエーション
一番標準的な色。大抵の車種ではこれ。
サンダーショットBSにて採用された色。
ホットショット、FOX、ビッグウィッグなどで透明シャーシエディションが発売された。
このエディションはシャーシが透明なだけではなくスパイクタイヤの水色や黄色が付属する。
また、ロッテ景品にてタイプ1の透明シャーシが同梱された。
2003年の干支ミニ四駆(未年)で採用された色。
シャーシの色変えでは定番の色で、よくGUPとして販売されることが多い色だが、
このシャーシに限ってはGUPで販売されていたか不明。
2001年の干支四駆(馬)で採用された色。
灰色に透明シリコンのスパイクタイヤが付属する。
初期の頃モデラーズギャラリーなどで販売された。
赤いレーサーミニ四駆という紙のタグで、GUPの番号は不明。
●TYPE2
[基本データ]
アバンテjrから採用されたシャーシ。
RCのアバンテが先進的な技術を多く取り入れた画期的なものだったのに対し、Jrでも新技術を多く取り入れた新型シャーシを引っさげてきた形。
特徴としては、
- 軸受けに直径6mmのボールベアリングが無加工で取り付けられるようになった。
- ローラーが標準で付属するようになり、フロントバンパーのビス穴がTYPE1の倍に増えた。
- サイドガードにもローラー取り付け穴がついた。
- モーターがむき出しになり、冷却性が向上した。
- TYPE1に比べて軽量化され、車高も低くなった。
- ホイールベースが2mm伸び、直進性うp。
- 現在と同規格の、大径ホイール・スリックタイヤが採用された。
- リヤースキッドローラーセットのアタッチメントを使えばリアローラーステーが装着可能
などが挙げられる。
駆動系の精度もTYPE1から大幅に改善され、基本レイアウトこそ同じものの半分以上のギヤが一新され、ほぼ別物。
このシャーシで初採用された5:1、4.2:1のギヤは最新型のVSシャーシにも使えること(つまり基本設計は同じ)や、リヤのモーターマウント及びギヤケースの構造やパーツ構成もVSと良く似ていて、如何にこのシャーシの設計が優れていたかが伺える。
ターミナルも(ZERO系シャーシをのぞき)
TZ-Xまで同形状のものが使われ、さらに
X、
VSのターミナルもこれの改良型と言える。
まさにVSまで続く本格オンロード用シャーシの直接の始祖といえる。
このように優秀なシャーシではあるが、その後の主要ラインナップがTYPE3シャーシ車に移ったためか、限定版を除けば4車種しか採用されていない。
現在ではメモ箱のほかにも、再販品がそこそこ市場に出回っているため、比較的入手しやすい。
しかし、このシャーシが世に出たのは1988年。
昔のシャーシを知らない子供には「何コレ?」と言われるだろう。
また
超速ギヤが着けられそうな形状をしているが、無加工では取り付け不可。
ギヤボックスを改造すれば載るが、レギュ的にはアウトなので注意。
なので使える最高速のギヤは4:1のハイスピードギヤセットになる。
リヤローラーをつけたい場合にはリヤローラースタビセット、リヤースキッドローラーセットのどちらかが必要になる。
前者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2、後者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.3で入手可能。
以下、その他カラーバリエーション
基本的な色。
アバンテjrブラックスペシャルにて採用された色。
アバンテJr.スペシャル、バンキッシュJr.スペシャル及びスコーチャーJr.スペシャルで採用された色。
詳細不明。
昔モデラーズギャラリーにて発売された、もしくは抽選などで配った模様である。
●TYPE3
[基本データ]
- ホイールべース:80mm
- 使用ドライブシャフト:60mm
- 対応ギヤ比:4:1、5:1、6.4:1、8.75:1、11.2:1
- 重量(シャーシ骨格のみ他未装着):?g
TYPE1の後継シャーシ。
TYPE1と比べて
- 軸受けに6mmベアリングが無加工で取り付けられる
- フロントのバンパーのビス穴が倍に増えた
- サイドにローラー取り付けができる
- 軽量化・冷却用の肉抜きがされている
- スリックタイヤの採用が増えた
- 4:1のコンペティションギヤが使える
- 駆動形の精度がある程度改善
- リヤースキッドローラーセットのアタッチメントを使えばリヤローラーステーが装着可能
などの利点が増えた。
でもやっぱりTYPE1系列なので早くしようと思ったら大変。
しかも変にギヤを削ったりすると遅くなったりするシャーシ。
また、TYPE1と同じくホイールも現在主流のものとは規格が違う専用のものが付属している。
子供達に「何コレ?」と言われるのも相変わらず・・・
上記の通りリヤローラーをつけたい場合にはリヤースキッドローラーセットが必要になる。
ミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.3で入手可能。
※TYPE1同様にリヤローラースタビセットも装着可能。
ちなみに下記のキットに入っているTYPE3シャーシは、ポリカーボネイト混合ABS樹脂製。
- ダッシュ1号 皇帝タイプ3シャーシ仕様 スペシャルキット
- ダッシュ01号 超皇帝スペシャルキット
以下、その他カラーバリエーション
一番標準的な色。大抵の車種ではこれ。
ライジングバードにて採用された色。
ミニ四駆限定シリーズ ダッシュ1号・皇帝 (エンペラー) タイプ3シャーシ仕様 スペシャルキット
などで採用されている
上記のポリカABS生産より前に行ったテストショット用と思われる。
2009年のニューイヤーMTGで発売された福袋に入っていた。
強度は高いが高すぎてバンパーは折れやすい。
●TYPE4
[基本データ]
TYPE2の後継シャーシ。
TYPE1に対するTYPE3の関係に近い…が、肉抜きの形状が変わったせいで強度が低下したといわれ、実際TYPE2と比べてあまり利点が無かったのかたったの2車種(バリエーション含めても4種。しかも2つあるバリエは両方イグレス…)しか発売されない有様だった。
さらに言うと、もう一台のセイントドラゴンリッキー仕様はセイントドラゴンの色変えである。
これほど扱いのひどいシャーシも珍しい。…しかし後に
TZ-Xが同じような運命を辿るとは
TYPE2との違いは
- 上記の通り肉抜き形状や一部ディティールが変わった(半分改悪)
- バッテリーホルダーとボディキャッチの形状も変わった。
- 付属ローラーの角が丸くなった(TYPE2ではエッジが立っていた)
など。
その他は大体TYPE2と同じ。ぶっちゃけあまり変わらない…
リヤローラーをつけたい場合やっぱりリヤローラースタビセット、リヤースキッドローラーセットのどちらかが必要になる。
前者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2
後者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.3
で入手可能。
以下、その他カラーバリエーション
基本的な色。通常ラインナップ二台は両方この色。
イグレスJr. BSに採用されたシャーシ。
●TYPE5
[基本データ]
TYPE系シャーシの総集編
…のはずが、すでに駆動伝達部にあたりの出やすい
ピンククラウンギヤと抵抗の少ない1.4mmプロペラシャフトで駆動効率を向上させた
ZEROシャーシがあった上に、登場した翌年には現在でも使われるZERO改型の
スーパー1が発売され、すっかり陰に隠れてしまった感がある。
スーパー1はフルカウルで成功したのがそれに拍車をかけている。
特徴として
- 部品の厚みを薄くすることで強度を保ったまま重量を抑えたシャーシ本体。
- 肉抜き穴をなくすことでフラットになったシャーシ底面。
- TYPE2系シャーシから受け継いだと思しき、82mmとZEROより長く直進性に優れたホイールベース。
- からし色超速ギヤが使える。
- ZERO、FMの後に出たシャーシのため、標準で各種リヤローラーステーが装着可能。
などがある。
超速ギヤを使えるのは大きい。
しかし駆動伝達が硬くてあたりの出にくい(かわりに頑丈)オレンジクラウン+抵抗の大きい2mmプロペラシャフト(かわりに頑丈)のためここでロスが出てしまい、同じく超速が使えるZERO、スーパー1にお株を奪われてしまった。
クラウンギヤとプロペラシャフトさえ何とかなれば何とかなるかもしれない…
と、別系統で進化していったシャーシ達に置いてけぼりを食った感があるが、実を言うとカラーバリエーションがTYPE形の中で一番多く、恐らく旧シャーシの中ではVSについで多かったりするので、その点では恵まれていたのかもしれない・・・
以下、カラーバリエーション
一番標準的な色。
一部限定車種に採用された色。
限定GUP。
シャーシの色変えでは定番の色だが、明確に確認できるのはこのシャーシからなので(TYPE1のホワイトは干支ミニ四駆での採用なのでかなり後)もしかしたら白シャーシの先駆けだったのかもしれない。
限定GUP。
近畿地方のイベントで限定発売されたとうろ覚えすまん。
限定GUP。
近畿地方のイベントで限定発売されたとうろ覚えすまん。
限定GUP。
近畿地方のイベントで限定発売されたとうろ覚えすまん。
ちなみに、
スーパーFMは主な整形色や肉抜き穴が少なくフラットなシャーシ裏、よく似たサイドガード・バッテリーホルダーの形やスーパー1の後に出たのに駆動伝達がオレンジクラウン+2mmプロペラシャフトだったりと、このシャーシをひっくり返したような感じである。
また、
TZは82mmのホイールベース、フラットなシャーシ裏など謳い文句がかぶっているため、このシャーシの後釜といえるかもしれない。
番外編
●トラッキンシャーシ
[基本データ]
- ホイールべース:80mm
- 使用ドライブシャフト:60mm
- 対応ギヤ比:11.2:1、8.75:1、6.4:1、5:1
- 重量(シャーシ骨格のみ他未装着):?g
トラッキンミニ四駆に採用されていたシャーシ。基本はTYPE3と同じ。
違いはトラッキンはバンパーが前後にあるのと、サイドガードがなくて代わりにトラッキン用のボディをつけるキャッチがついてる事。
このキャッチはワイルドミニ四駆と規格が一緒なので、無改造(若しくは小改造)でワイルドのボディが乗る。
また、リヤステーは取り外しが出来る。
※現在公式レースではトラッキンシャーシは車検に
通らないとの証言有り。
メインでトラッキンシャーシを使っている人は公式の
車検で確認してみてください。
(あくまで未確認の情報です)
※追記
トラッキンは車検通ります。
念のため車検の人にトラッキン大丈夫ですよねと聞くと良いかもです、タイプ1のコンペと似た扱いかと。
自分は2大会ほどトラッキンで出ましたが、車検で聞いた所特に問題ありませんでした。
ちなみに25周年の3月24日にトラッキン限定でレースがありましたが、その後、若干トラッキンでレースに出ている人はいました。
●FM
[基本データ]
TYPE4(TYPE2?)をひっくり返したようなシャーシ。そのため駆動形も前後をひっくり返した形となる。
その特殊な構造上、フルカウル時代にもSFMが出るまでちょくちょく使われた。
特徴として、
- 重心が独特。そのためローラーやタイヤのセッティングがリヤモーターのシャーシとは違ってくる
- モーターが通常とは逆回転のため、それようの慣らしが必要だったり
- 肉抜き穴が電池の形をしており、方向を間違えないようになっているという小技が
- ホイールベースは1mm伸び、83mmになっている
など。
また、ZEROの後に発売されたためリヤローラーステーの取り付け部が標準で整形されているため、無改造で各種ステーが装着可能。
その他、大体TYPE2、TYPE4と同じ。無改造で超速ギヤーが使えないのも同じ。
使ったら使ったでレギュアウトなのも同じ。
ちなみに、駆動系に関しては後のSFMより優秀な模様。比較的簡単な改造でかなり静かになる。