ミッドシップ系シャーシ、ARシャーシおよび
トラッキンシャーシ以外は、
シャーシにリヤステーが形成されていない(ただしトラッキンのものは取り外しができるタイプ)為、リヤローラーを装着する場合はシャーシへ何らかのリヤステーを装着する必要がある。
リヤステーのマウント方法はいくつかあり、それぞれの
シャーシに適合した方法を選ぶことになる。
余談だが、下記のGUPの欄を見てもらえば解る通り、タミヤではリアのことをリヤ(リヤー)と発音・表記していたりするため、リヤーステーという表記になっている。
■各方式
TYPE-1
ITEM.15027 リヤーローラー・スタビセットで
ボディキャッチ部へマウント
TYPE-2~4
ITEM.15082 リヤースキッド・ローラーセット付属のアタッチメントをビス2本で取り付ければ1点止め方式のリヤステーが使用可能
SX以降
シャーシのマウントポイントを使用(最大ビス3本支持)
(比較的強度の高い)一点止めリヤステーとFRPリヤーローラーステーを同時にマウントし、それらをネジなどでつなぐと3点支持化できる
シャーシもある。
強化リヤダブルローラーステーでは標準で3点固定ができるようになっている。
■現在流通しているリヤステーの種類
●キット付属リヤステー
リヤステー付属のマシンや
シャーシ系GUPについているリヤステー。
一部を除きプラスチック製で、
シャーシによって形状が異なるが、あまり強度が高くない物が多い(但し、一部限定キットや
シャーシキットなどでは標準でFRP製リヤステーが付属している)
そのため、そういう物はある程度速度が出るようになったらGUPのリヤステーに変えることをオススメする。
SFM
シャーシで初採用されたタイプ。以降、TZでも標準的なものになる。
それまでGUPでのオプション扱いだったリヤステーが標準化されたのは画期的だった。
元々はビートマグナム、同TRF、バスターソニックに付属したリヤステー。
上記の標準型より格段に強度が高くなり、少しの補強で実戦にも使えるほどだった。
ネジ穴が追加され汎用性も向上していて、ステーの
ローラー穴の内側でFRPを固定した場合、直FRPの場合は両端から3番目の位置や弓FRPの場合は真ん中から2番目の位置に合う穴があいていて、従来のステーよりもセッティングの幅が広くなっている。
なかなかの高性能ゆえ、後述する素材を変えたものが限定GUPとして発売されている。
SUPER-XX採用キットやGUPのXXカラーバリエーションにも標準で付属する(スーパーXX
シャーシ Evo.Iを除く)。
スーパーX
シャーシに付属している2点止め式のリヤステー。
2点止めなのでがたつきは少ないものの、根本的な強度、剛性がSFM、TZ標準型と同じく低い。
ネジ穴が少ないため加工しない限り汎用性が低く、使えるパーツやセッティングがかなり制限される。
また、安定性重視のX
シャーシに沿ってのことか、後方に反るような形をしているため
ローラーベースが長くなっている。
そのためコーナーで安定はするものの、鋭く抜けることが難しくなっている(SX用FRPリヤーローラーステー・アルミリヤーローラーステーも同じ規格)。
一部の車種やGUPを除き、
VSシャーシとTZ-X
シャーシに付属している2点止め式のリヤステー。
強度・剛性はSFM、TZ標準型やXのものよりは上がっている。
X型とは逆方向に反っているため
ローラーベースが短くなるようになっているため鋭いコーナリングが可能となり、
VSシャーシの特性を生かし、他の2点止めステーが使用可能な
シャーシでもコーナリング性能の向上が望める。
また、ネジ穴も上記のものから2つ追加され、汎用性が向上している。
そのため、適切な補強さえ行えば実践でも十分に活躍できる。
ラジ四駆に付属のリヤステー。
2点止め方式のプラ製リヤステーでは最強クラスの強度を誇る。
ローラーベースに関しても(
TR-1の全長が非常に長かった所為か)VSと同等かそれ以上にコンパクト。
しかし、
ラジ四駆規格のためネジ穴の位置が少々中途半端。
S2ではSXなどと同じように2点止めステー用のネジ穴が追加されたため、付属するリヤステーも新型の2点止めになっている。
この2点止めステーは、SX型・VS型などの強度が低くいまいち役に立たない物から、ネジ穴が多く強度も高い新型に変更され、
ローラーベースも程よくなるように改められている。
特に根元付近の強度の高さは特筆に価し、そのままパーツ取り付け用のベースとして使用可能なほど。
先端(
ローラー用のネジ穴付近)が細くなっているが、リブが深めで、強度はそこそこある。
またS2のフロント
バンパーと同じく、84mmのネジ穴も標準で成型されている。これはキット付属のプラ製リヤステーとしては唯一の特徴。
FM-A標準のリヤステー。取り付け方式はX式の2点止め。
FM-Aに合わせたディフューザー形状になっている。
■GUP
FRP製の物は一部の限定キットなどで標準装備として採用されている。
●リヤーローラー・スタビセット ITEM 15027
マウントポイントが
ボディキャッチの為、強度は見た目どおり。
タイプ1唯一のリア
ローラー取り付け方法だった。
破損するとボディ、シャーシ両方のボディキャッチ受けがまとめて壊れるので要注意。
●リヤースキッド・ローラーセット ITEM 15082
1次ブーム期末期に登場したGUPでミニ四駆初の本格的なリヤステー。
ローラーを縦に装着できる部品があるため、スキッド
ローラーを付けてウイリー防止と減速を抑制するのが当時のセッティングセオリーだった。
そのため、現在ではそのまま使っているユーザーは皆無。
しかしTYPE2~4までの
シャーシにリヤステーを装着するためのアタッチメントが付属するので、その点では非常に有用なGUP。
ミニ四駆グレードアップ
パーツセット クラシックVol.3にも同梱されている。
●リヤーブレーキ・ローラー ITEM.15113
ステーのマウント部の先に
ブレーキを取り付ける筒があり、ノック式消しゴムのようなブレーキパッドを詰めることでブレーキを付けられる。
昔からあるパーツの割には強度もそこそこ。
ただ、ネジ穴はレギュレーションの最大幅が100mmだった時の設計で、19mm径の
ローラーを末端へ取り付けると幅が98mmになる。
ブレーキパッドは後のスラダンブレーキが1種類しかなかったのに対し、こちらはソフト(ライトグレー)とハード(ピンクっぽい肌色。スラダンブレーキ付属の物と同じモノ)の2種類が付属した。
●アルミリヤーマルチステー ITEM.15143
限定で発売されていたアルミステーを、実践的に仕様変更したもの。
二次ブーム時にはよく使われた。
発展型に部品を追加して
ローラーが2段になった「ダブルアルミステーローラーセット(ITEM.15167)」がある。
●リヤースライドダンパー・ブレーキセット ITEM.15198
通称スラダンブレーキ
前述の
ブレーキローラーにスライドダンパーを一体化したもの。S2
シャーシでは
ボディキャッチ部に干渉する為、若干の加工が必要。
本体部分は多少重いが非常に高い強度。
また、アルミプレートも材質が変更されているようで、従来のものよりも強度が高くなっている。
スライドダンパーは現在でも公式
コースの荒いつなぎ目対策として用いられることが多い。
ただしステーの幅の規格が古いので、最大幅にしたいなら19mmの
ローラーが必須。
●スーパーXシャーシ・FRPリヤーローラーステー ITEM.15243
もともとX
シャーシ専用として発売されたGFRP製ステーだが、SX以降の全ての
シャーシで使用可能。
シャーシへは2点で固定するため、それまでの1点固定のリヤステーより強度がある。
ゼンキッシュプログレスには標準で2枚付属する。
素材違いでアルミ3種+@(無塗装、ブルーアルマイト、ゴールドアルマイト)が限定販売された。
●ラジ四駆 FRP プレートセット(リヤ) ITEM.15314
もとは
TR-1専用のGFRP製ステー。ただし取り付けるネジ穴(根元)の規格はSXと同じなので、SXとそれ以降のミニ四駆
シャーシに流用が可能。
TR-1のワイドな設計に合わせるため、
ローラーベースが縮まるような形状をしている。
そのため、対照的な形状のSX用FRPリヤステーの代価として使われることも多い。
ネジ穴の位置が中途半端だが、ドリルによる穴の追加とFRPワイドプレートなど、他のFRPプレートと組み合わせることで十分解決できる。
ラジ四駆の商品展開終了で、現在は生産停止。
●スーパーXシャーシ・FRPマルチ強化プレート ITEM.15242
実は2点止め方式のリヤステーと同じ規格のネジ穴があり、リヤステーとして使用可能。
ローラーベースをかなり縮められる。
ただし、その分
タイヤや
ボディと干渉しやすいので工夫が必要。
FRPマルチワイドステー(ITEM.15394)も同様。
ワイドプレートがいらない分こちらのほうが軽く出来る。
- FRPマルチワイドリヤステー ITEM.15430 定価315円(本体価格300円)
機能的にはMS
シャーシEvo.1のリヤステーとXX
シャーシEvo.1のリヤステーを足して洗練したような感じのもの。
従来主力だったSX用FRPリヤステーが後退翼型で、
ローラーベースが異様なまでに後方に広がってしまう形だったのに対し、こちらは逆に前進翼方で
ローラーベースが縮まる形になっている。
さらに、ステー付け根の
シャーシとの固定用ネジ穴も左右2箇所儲けられているので、その部分で
ローラーベースを2段階調整できるようになっている(ただし、
ミッドシップ系シャーシ以外だとギヤ
ケースと干渉するので、ステーを削る必要がある)。
またワイドステーの名の通り、9・13・19mmの3種の直径の
ローラーならば追加部品無しで規定幅ギリギリまで広げられるようになっている。
リヤブレーキ固定用のネジ穴もあるので、MS
シャーシ用プレートブレーキセットやブレーキスポンジセットを最後部に取り付けることが可能になっている。
- ARシャーシ FRPリヤワイドステーITEM.15452 定価315円(本体価格300円)
AR
シャーシ用とあるが、SX以降の
シャーシすべてに使える。9・13・19mmだけでなく11mm・17mm
ローラーにも対応しているのが特徴。
■限定販売
●ローラー用7mmボールベアリングセットカーボン入り強化リヤーローラーステー付 ITEM.94298
通称カーボンステー。
ビートマグナム型と同形状であり、素材がカーボン入り強化X
シャーシと同じため、強度が高く、耐久性も抜群なのが特徴。
ただしネジ穴がバカになりやすいので、長めのビスを使ってロックナットやスプリングワッシャと組み合わせたナットで止めてやると良い。
カーボンとはいえ締め付けすぎると潰れるので、ロックナットを使って適度に締めるといい。
●リヤダブルローラー・FRP&強化ステーセット ITEM.94608
通称赤ステー
ビートマグナム型の赤い強化リヤステーと直FRP、19mm
プラローラー×4と両ネジボルト、スチール製スペーサー、ワッシャー類、黄色いアンダースタビヘッドのセット。
ステーの素材がポリカーボネートABSの強化素材になった事により、強度が高く、粘りもあるため耐久性が高いことが特徴。
ローラーベースが適度なこともあり1点止めステーしか使えないシャフトドライブ
シャーシで用いられる。
形状はビートマグナム型と同じため、使い方もほぼ同じ。
付属のボルトは両端がネジとなっていて、ネジ加工されていない部分は通常のビスより太いため強度も優れる。
長さも40mmと従来からあった長ビスより長く、非常に使いやすい。
ダイナホークGX XXスペシャルにはステー本体のみ標準で付属する。
●ミニ四駆PRO MSシャーシ Evo.I付属品 ITEM.94661
このキット付属のリヤ用FRPステーは厚さ2mmで従来より高い強度を誇る。耐久性も高い。
また、
ブレーキセッティング用のネジ穴もあり、
ブレーキを使う場合は便利な形状になっている。
固定方式は2点止め。
MS
シャーシ Evo.1に付属した部品の中で、単品販売されなかった部品。しかし、このパーツで得たノウハウは後のFRPマルチワイドリヤステー等に生かされている。
●強化リヤダブルローラーステー (3点固定タイプ) ITEM.94745
カーボン強化リヤダブルローラーステー (3点固定タイプ) ITEM.15412
最初から3点固定を想定したリヤステー。
樹脂プレート取り付け位置をズラす事により各種
シャーシに対応している。
また、これにより若干の
ローラーベースの調整が出来る。
TR-1をのぞくSX以降のシャフトドライブ
シャーシではすべて3点で固定でき、強度が高い。
3点固定にはX系とS2以外には付属の各
シャーシ対応スペーサーが必要。
また、専用のワイドプレート(ステー本体と同じ素材)を本体に固定し、そこに
ローラーをセッティングする方式のため、従来のステーよりも
ローラー取り付け位置や
ローラー取り付け穴も多く、若干マイナーな11㎜・17㎜
ローラーでも103㎜幅にすることが出来る。
また、STZ以前の
シャーシにも、1点固定にできるなら使用可能になっている。
S2はモータークーリングシールドと同時装着できないので注意。
最初に発売された限定版の赤ステーと最近発売されたホワイトはポリカABS、通常ラインナップの黒ステーはカーボン強化素材になっている。
●ミニ四駆 スーパーXXシャーシ Evo.I付属品
CFRPプレートとしては初の2mm厚となっている。
薄くはなったが、CFRPがGFRPの強度をはるかに上回っていることを考えると、十分な強度があると言える。
薄くなった分、従来のCFRPプレートよりもかなり軽くなっている。
ローラー用のネジ穴が非常に多く、現在主流の
ローラーほぼ全てに対応していて、汎用性という点において最も優れたリヤーステーとなっている。
●HG ARシャーシ カーボンリヤワイドステー(2mm)ITEM.94903 定価1,008円(本体価格960円)
2mm厚のCFRPステー。AR
シャーシ用とあるが、SX以降の
シャーシすべてに使える。GFRPのものと異なり11mm・17mmには対応していないので注意。
最終更新:2024年10月21日 17:14