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溶着系 - (2009/08/18 (火) 00:58:56) のソース

プラスチックモデルにおいては最も基本的な接着剤。
接着する対象の双方を溶かし、融合させてくっつける。言ってみれば熱の代わりに薬品を使った溶接である。
初期接着力に劣るため、ある程度の保持が必要。しかしくっついてしまえばかなり強力になる。
(ただし接着部は樹脂の密度が下がるため、どうしても他の部分に比べると強度は劣る。こういう場所には力学的に応力が集中しやすいため、その点でも破損しやすい)
また、溶剤が揮発して硬化する分、「ひけ」が起こるのにも注意が必要。


・樹脂混入型
俗に言う「はけ塗りタイプ」で、大抵ビンのふたについている筆で接着面双方に塗布し、乾く前に貼り付ける。
樹脂が混入されている分粘りがあり、これが急激な溶剤の揮発を抑え、張り合わせの時間を稼ぐと同時にある程度の強度の確保につながっている。
その特性上、指定されている樹脂以外は接着力が極端に劣るか、まったく接着しないので、ちゃんと選ぶ必要がある。

模型関連企業各社から販売されていて、ホームセンターやDIY店などでもセメダイン製のモノが置いてある。
基本的にはスチロール樹脂用が殆どではあるが、セメダイン社からはABS樹脂用、ポリ塩化ビニル用のものが出ている。


・無樹脂型
俗に言う「流し込み系」。樹脂混入型と違い、あらかじめ接着面を張り合わせておき、その隙間にビンに付属の筆(若しくは別途用意した筆)でサラサラと流し込むことで対象物双方を溶かして接着する。
言ってみれば塗装に使うシンナーの強力版みたいな感じ。
揮発が早いため、はけ塗りタイプのような張り合わせ接着は無理である。
あらかじめ位置決めをしておける上、樹脂が入っていないため、適切な量であればはみ出しても塗装してしまえば殆ど目立たない。
影響が出たとしても、完全硬化後に軽く紙やすりをかければ元に戻る。
反面、接着力(接着強度)は若干樹脂混入型に劣る。

樹脂混入型ほどではないが、各社から販売されているので模型店やジョーシンに行けば大抵手に入る。
どこかのモデラーの談によると、タミヤのものよりGSI製の物の方が強力らしい。
スチロール用が殆どであるが、実は樹脂が混入されていない所為かABSなどにも使える場合が多い。
特にモデラーズのものはスチロール、ABS以外にもアクリル、塩ビ、ポリカーボネイトにも使えるという万能ッぷりで、さらに非常に乾燥が速く(その揮発力は湿気の多い日には使った筆に気化熱で霜が着くくらい)浸透力・溶着力も強力(下手したら樹脂混入型以上)でしかも無臭性・不燃性という、三拍子どころか五拍子も六拍子もそろった、まさに最強のプラモデル用接着剤。
欠点としては筆が付属しないもで別途用意する必要があることと、前述の通り揮発力がすごいのでしっかり蓋をしておかないといつの間にかなくなってしまうこと(無臭なので蓋が開いていても気づきにくい)
そして最近モデラーズ製品が見かけなくなったこと・・・