
「旧世界の支配者にして世界をその体で表す存在。それを世界龍(オルヴィルス)と呼ぶのだ」
今作品で終始激闘を繰り広げることになり作品のテーマでもある存在。それは今存在している世界が生まれる前に、旧世界と呼んでいる世界を統べる6体の世界龍。名をオルヴィルスと呼ぶ。
今は大世界という無数の小世界を包括する世界の土台と化している。無数の世界が存在する前、6界の世界龍は各自生命体を生み出し、どれが一番かを競わせていたと言う。
その中で生き残った、白龍の生み出したヴィダール、黒龍の生み出したコズモズの2生命体はつぶし合いをしたくないと言う意見の合致から生みの親でもある龍たちを封印しようと考えるようになる。その結果、犠牲者を多く出しながらも世界龍は力の源である龍霊玉を粉々に砕かれ、楔を打たれ、封印され眠りについているのである。
しかし、世界龍の意思とも呼べる分霊体こと幻龍、正式名称を幻霊龍(ミラディアス)と呼びそれが定期的に生み出され、封印するための楔こと世界柱を壊そうとしていた。また、ヴィダールとコズモズにより壊された、龍宝玉の破片こと因子を集めるため持っている人を襲いにやってくる。
封印された龍たちは、自身の分身とも呼べる幻霊龍を生み出しては龍を封印せし一族、ヴィダールに度々攻撃を仕掛けてきたが敗北している。仕掛けた理由は、ヴィダールのソラ・ヴィシャナティクスが世界龍自体を支配しようと開発した神造的世界龍ことP、その力を取り込み霧散した霊玉の代わりにし復活しようとしたのだが龍のサイズと能力が弱く返りうちに会い、さらに力を削られてしまう。
実はサイズによっては異界空間内を出ても短時間しか存在を維持できない特性を持っており、そのため肉体を明確に持つ優秀な依代探しをしている。
名称 | 説明 | 司る欲 | 備考 |
白界の世界龍 アスノプロス | 光と白を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・ヴィダールを生み出した | |
赤界の世界龍 エリスキノス | 炎と赤を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・アンヴィエントゥを生み出した | |
青界の世界龍 ルラキニウス | 水と青を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・ニュートイノスティを生み出した | |
黄界の世界龍 キトリノウス | 雷と黄を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・イストライスを生み出した | |
緑界の世界龍 プラシニオス | 風と緑を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・ダルノスタルジスを生み出した | |
黒界の世界龍 カタマヴロス | 闇と黒を支配する世界霊龍 | 龍素エネルギー生命体・コズモズを生み出した | |
七界の世界龍 ハーネイト | 虹と世界を支配する世界霊龍 | 女神ソラが世界龍自体を支配するために生み出した対龍兵器にして世界龍そのもの | |
虚界の世界龍 ガセリアス | 菌と虚無を支配する世界霊龍 | 女神ソラが世界龍自体を支配するために生み出した対龍兵器にして世界龍そのもの |
L級以上が異界空間内から出てくる時点でその世界はかなり危険な状態となる。それは出現した幻霊龍が力をつけ境界を突破するだけの力を得ている状態、もしくはその世界のどこかにそのサイズの龍が易々と現界に出てこられる出口ができている状態であるから。血海や異界化現象などは巨大な龍が出てくる出口であるようなもの。これを早くつぶさないと龍に全てを喰われることになる。
異界化ルフループと呼ばれる、次元ブラックホール現象も実はこの幻霊龍たちが強引に通った穴から生まれているという。
L級以上の恐ろしさは、その被害範囲と能力にある。存在するだけで徐々に周囲の物質は霊量子こと龍気に還元され消滅していくし、さらに龍気爆撃や龍気威吹などでその現象は加速していく。まさに世界を喰らう力を持っており、集めた霊量子を世界龍本体が世界柱を経由して吸収することで復活のための力の1つが溜まる。
またこれはS級以上のサイズの話だが龍霊玉こと霊龍の宝玉、その欠片を集めるためある程度凝縮し成長したカケラを持つ存在を襲うため異界空間から出てくることがよくある。といってもこれは地球においては10年ほど前から目撃されておりそれ以前はほとんどなかった。
これに関してソラやドラギスなどヴィダールの者は、カケラの生物濃縮により龍たちが認識でき回収できるサイズになれば龍は再び活動を活発化すると予測していた。
ソラは龍と戦うのが面倒なので生物の総量を調整するべく対龍兵器として元々開発し実質的な肉体が明確にないため干渉を受けやすいと分かっていた微生界人の龍を倒す力を半ば封印し、不完全な状態にしたうえで生物に取り付き依代を得なければ存在できない状態にし生物に感染しその数を一定量にならないように調整することにした。
しかしその前後に龍戦争により負傷したヴィダールの神柱たちは記憶が欠損しPを見て恐怖を覚え逃げ出してしまったのであった。一人残ったソラは微生界人とは違うプラン、霊形戦機の改良を1人で研究していた。また実は自分たちが龍により生み出された存在だというのを知る者がほとんどいなかったのも問題。
ドラギスはというと微生界人に関しては自分の力こと龍王の力でもあるU=ONEの力で彼らの欠陥を完全に治せると考え元々の力を開放させようとしていた。それにより生命体の数が増えカケラの濃縮度が上がることによる龍たちの活動もU=ONEになった者たちで抑えきると判断しつつ最終的に7番目の龍王を生み出し、世界龍自体を管理できる存在を誕生させようとしていた。
龍はこのヴィダールたちの行動を見ながら微生界人が一番数も多く龍の力を持っており異界空間の外でも安定して活動できる依代として利用することにした。微生界人の生物に対する干渉感染能力を利用し、生物に取り付く病気の概念、それに憑りつく霊龍という形の2段憑依を持って今度こそソラを倒し旧世界の復活のために力を集めるべく暗躍する。
龍は精神干渉しやすい霊体だけの存在に主に接触し利用している。龍による干渉を受けて被害を受けているのはコズモズ、微生界人及び血徒、神霊機。龍の活動により被害を受けているのが微生界人と多くの生命体になる。
コズモズ:ヴィダールと共に龍を封印した龍より産まれし生命体。だが野望と邪念を利用され憑りつかれている。
微生界人:元は龍に憑りつき感染、支配及び分解する対龍兵器。しかし龍の精神干渉を受けて性質が変化している。カケラを持たない者を選別し死に至らしめる存在にもなっている。ソラという生みの親を知り、それに復讐心を抱く。だがそれは、ソラが彼らが龍に憑りつかれるのを防ごうとしたためであることに気付いていない。
血徒:ウイルス界系の微生界人の集団。その中でも血にまつわる者たち。初代血徒であったヴァリオーラがU=ONEになり離脱してから、それを再現するために研究してきた存在。その中で不完全に自分たちを作った存在、ソラをオベリスを通じて知り憎むようになる。その負の感情を龍に利用されている。と言っても既にその事実はルベオラがヴァリオーラを探していた際にドラギスと出会い知ってはいたのだがソラに矛先が行かないように、龍大戦に備えるために周りに隠してきたのだがオベリスのせいで内紛が起きたという。
神霊機:実は龍たちはこっちが依代の本命らしい。これを大量に持っているソラ以外のヴィダールたちを呼び寄せるためかなり回りくどいことをしている。霊量子でできたこの霊量戦機は馴染みやすく血徒の様に意志を持たないためこれを利用されると相当まずい。これを知ったスフティスは独自に動きPの解放を行うのだが……。龍を倒すための兵器が龍に利用されている。ソラはこれの危険性を見抜き霊機開発と微生界人の研究を凍結していたのだが阻止できなかった。
巨大神霊機を破壊された龍たちは再度血徒に取り付き、呪血龍としてハーネイトたちに立ちはだかる。
このことから、この現霊龍たちは負の感情の力を利用し、あるいは喰らっている特性も持っている可能性がある。人間の数が増えればそれだけ負の感情なども渦巻きやすくなり、これも龍の活動に影響している可能性は十二分に考えられるだろう。
先述したカケラの生物濃縮とこの負の感情で満たされた場所、これがかみ合っているのが今の地球という事になる。他の世界でもカケラ持ちは存在するため龍の被害はあるにはあるが、事変レベルになるのはかなりレアだとハーネイトたちは分析している。
血徒を使い血海を作らせているのは、人間を収穫しカケラを集めるためとも言われている。単純にカケラを集めるのと並行し、わずかに持っている存在も集めれば計画が早く完遂すると龍たちはそれぞれ示し合わせ、一旦協力体制を取り微生界人を制御していた。強くなり過ぎた微生界人を捕食したり憑りついて力を奪ったりしているのは、人間などの数が減りすぎないようにしているため。
なのだが、実はこれだけでなく血海に沈んだ街の建造物などを利用し、とてつもなく巨大な塔を作り出していた。
また余談になるが、どうも龍たちは今の生物たちの増加状態について限界が来ていると見ており今のうちに動かなければカケラを集めるのが難しくなると感じているため活動を活発化させているようでもある。
ソラの作った「P」と霧散したカケラとチカラ、この3つが事件のカギを握ると言えるだろう。
微生界人及び神霊機は共に対龍兵器として脆弱性があり共通してハッキング、もとい精神干渉を受けやすいという。一方で肉体も明確に存在する第3、第4世代の対龍兵器は基本的に肉体が強烈に侵入をブロックするため依代に基本ならない。
さらに研究の結果判明したことだが、この龍達は対龍兵器であるはずの微生界人の特性、憑依感染と変異について興味があり操っていた理由も彼らの能力に触れ理解し、それを元に直接生物に憑りついても龍素陥象を起こさないようにするための技術を研究しているのではという話もある。この影響で、第5部以降の龍達は人間をはじめ様々な生物に憑りつき龍合化という現象を起こさせるようになった。
以下にサイズごとの特徴、性質をまとめた表を記載するが、小型であればあるほど小さい亀裂から外に出て、必要な維持エネルギーが少ないがカケラを集めることはできない。逆に大きいと周囲に影響を及ぼし分解しエネルギーを取り込めるが消耗の激しさと亀裂を抜け出す際にかかる負担のため長時間の現界維持は難しい。
等級 | 能力 | サイズ | 備考 |
SS級 | 主に人や霊体、機械などに取り付きエネルギーを奪う | 1~2mほどで大体人と全高は変わらない | 龍のカケラを持たない存在にとってはこのサイズでも生命を吸い取られ絶命する。斥候やエネルギー回収が主でカケラは取り込めない |
S級 | SS級に準拠するがより大きなものに取り付いたりSS級を操ることも | 5~10mほど。 | 現霊士なら単騎で撃破できるライン。街中に出れば多くの犠牲者を出すがやることはSS級とあまり変わらない |
M級 | 龍のカケラを持つ者を捕食しカケラを回収したり、周囲の物を分解、発電所などに取り付くなど | 10m以上50m以下まで | このサイズまでなら現霊士は数名いれば撃破できる。霊機龍の主力でもある |
L級 | M級以下を派遣し、その龍たちを吸収し大きくなり世界龍本体に力を届ける | 50m以上100m以下 | このサイズ以降だと対巨大生物戦闘術をマスターしていない者は一方的にやられる |
LL級 | 個体数はかなり少ないがL級以上に世界龍事変による被害を起こす | 100m以上 | 存在しているだけで徐々に龍騎汚染が始まり周囲の物は溶け始め復活の材料になる。伯爵はこのサイズまでなら単騎で倒せるらしい |
特級 | 幻龍魔になる一歩手前で、現れただけでその世界は徐々に分解され消滅するほど | 500m以上で数km級の全長の個体がいる | ハーネイトでも苦戦する時があるが戦形変化で仕留められる |
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