第一部:呪血病霊怪事・血徒戦線
「旧支配者を封印する一族が生み出した究極の禁断、それが禁じられた力を解放したとき物語は始まる」
大まかなあらすじ
現代の地球。そこを舞台に、病の悪霊こと病の魔人とも呼ばれる、血を使い地を支配する血徒(ブラディエイター)が集いある計画のために活動する組織、血による終焉をもたらす者(ブラッディフィエンダー)と、それを倒す力を身に着けた、後に旧世界の支配者たる霊龍、世界龍と戦う能力者が集う組織、世界龍封印機関(ドラグシェールン)の激闘の部。
霊形戦機(クォルターギアドール)と呼ばれる霊形(れいぎょう)、対龍兵器(アンチドラグアームズ)。それを扱える龍のカケラという世界龍の力、その一部を宿した人間たちは霊使機者こと霊機士となり、世界龍封印機関と世界龍の戦いに巻き込まれる運命を追っていたのであった。
龍星機士、もとい龍葬者(ドラグスレイヤー)となった高校生たちや大人たちは破滅の未来をもたらす世界龍の復活こと世界龍危機(ドラグロク)を止め、事件の真相とその背景に迫るために戦劇の舞台に上がるための力を身に着け、龍とそれに操られた存在との終わらない戦いに身を投じることになる。
この第1部では感染症を起こす微生物の概念こと病の魔人、血徒(ブラディエイター)という存在が起こす事件とその背景に迫りながら、Pという究極にして禁断の存在、それの解放をめぐる戦劇の始まりを描く。
龍星研究会の会議・都市伝説と化した人形使いと仲間の不穏な動き
ある冬の日、怪事件を調査している龍星研究会の会長である間城は響輝と彩音、翼と時枝、さらに帝奈を集め臨時の会議をしていた。それは先輩が何者かに襲われたこと、それを助けた数か月前からうわさになっている人形使いの一人であり、彼がつけていた装備が仲間の一人である亜里沙が最近身に着けているのと同じであるという。
始まりの夜とヒーローな人形使い
人形使いは探偵所長?
霊形戦機を奏演せし霊使機者
病の魔人と初音の関係
怪しい探偵助手の正体と戻って来たかつての上司
展望台事件
学園内血海発生&怪物出現事件
魔薬事件
オベリス探索
戦劇の舞台に上がるために
霊形戦機破壊作戦
巨大血鬼体出現
BB事件
血雨兵器破壊作戦
東京解放作戦
血閣塔出現
血徒幹部追撃戦
塔の頂にての激闘
と大まかに分けられている。
その中で霊形戦機使いになった響輝たち高校生や大人たちは、龍のカケラを生まれながらに宿す存在としての宿命に抗うため世界戦劇の舞台に上がり襲い掛かる災厄を打ち払うため修行、鍛錬を積み憑霊写影術こと現霊の力を手にすることになる。
人形使いであるハーネイトとヴァンもまだ隠された力やトラウマにより使えなくなっていた力を仲間たちとの交流や敵との戦いで取り戻し、ドラギスの後継者としての道を歩んで生き成長していく。
だがいくつもの試練が襲い掛かる。呪血に汚染された薬、魔薬や呪血を降り注がせる呪血降雨装置・ストルレイン、紅儡を利用した生物兵器、融合体にそれらを運用し、ある儀式を行っている血の魔人と呼ばれる存在、さらにそれらを操りPという存在を解放せんとするコズモズと幽霊龍。裏に裏がある壮大な戦いの中であらゆる世界の存在証明を賭けた、世界龍危機ことドラグロクを防ぐ戦い、世界龍戦劇(ドラグテアトル)の幕が今上がる!
龍星研究会の会議
日本の京都にある春花という新興都市、そこにある私立九成学園高等部に在籍する高校1年生の結月響輝と如月彩音はある日授業を終えて空き教室の1つに移動する。そこでは表向きは新聞部として学園内外の情報を集め記事にする部活として、実体はごくわずかな人たちにしか見えない物を追う研究調査会こと「龍星研究会」の仲間が集まって会議を行うという。
会長である間城璃里は、最近会の集まりが悪いといいそれが気になるというが、ある事件とその犯人についての調査進展が進まない中で士気が落ちていると幹部である結月響輝と如月彩音はそう話す。
1年と約半年前に起きた世界規模でのエネルギー、特に電力不足によるエネルギー恐慌が起きた。それは突然発電所が種別問わず発電できなくなったり、施設が火災を起こしたり爆発したりという事件によるものであり、各国は太陽活動などが関係しているかなどを調べるも何も証拠はなく電力が不足し多くの死者を出していた。
しかし問題はそれだけでなく、初めて事件が起きた時から約半年ほど経って世界中で突如発生した紅き領域こと血の海。それが世界各地の都市部などを中心に発生し、半月ほどで陸地の3分の1が死の領域と化していた。街も人も、あらゆるものがその海に飲まれ沈み消えていく。各国は様々な世界規模の怪事件について追う中で疲弊していた所に起きたこの現象に軍などを派遣するが、血海から現れた謎の人の姿をした怪物に一方的に襲われ犠牲者の血や肉体などを利用され、更に血海とその怪物の影響活動範囲は日に日に増していくのであった。
この龍星研究会は、そのどちらの事件もカギを握る犯人の真の姿、正体をこの目で捉えることができる人たちだけで構成されており俗に言う見える側の人たちは、その犯人こと幽霊龍と、同じく自分たちにしか見えずその龍の力を感じる東の夜空に映る紅き星について調査を続けていたのであった。
間城はある話を切り出し、集まった5人の会員、響輝と彩音、真司と鮮那美、楓也に対しすでに数十件も起きている日本各地で報告されている血海に飲まれ、行方不明になっていた人たちが目撃されている件及びそれと同時期に増加している連続殺人事件についての関係について話をしたのであった。
もし血海から戻ってきた人たちが悪事を働いているならば、それは血海を生み出した龍に憑りつかれた怪物たちに何かされ送り込まれた可能性も否定できないといい注意喚起をするのであった。
始まりの夜とヒーローな人形使い
響輝と彩音は帰宅中、道先で彩音の姉である初音の姿を見かける。しかし様子も格好もおかしく、観察すると2人がかつて見た血海を生み出した怪物のそれと似ていることが分かり後を追う。だが初音は壁に吸い込まれ姿を消す。それを見た2人は周辺を調べると光る亀裂を見つける。
響輝はそこに入ったから姿を消したのではと思い近づくと、見たこともない青い空間に引きずり込まれてしまう。一緒に引きずり込まれた彩音はパニックになりそうだったが響輝の言葉と、姉を追わないとという想いで突き進み捜索する。
だが2人の前に突如現れた巨大な幽霊龍が行く手を阻み遅いかかる。2人が今まで見たようなことがない大きさの霊龍は2人を狙い追いかける。絶体絶命化と思ったその時何処からか黒い鎖が降り注ぎ、続いて現れた白い巨人が拳で龍の頭をぶん殴り一撃で倒したのであった。
2人はその光景に驚きつつ、それを行った正体と遭遇する。緑髪で美しい女性のような顔立ちの、紺色のコートと黒のスラックスを着た青年。彼こそが白き巨人こと霊量戦機(クォルターギアス)と呼ぶ物を操る主であり声をかけようとする。
しかし出る方法だけを教えその場を去る彼の行動に驚いてしまった。どこか人と関わろうとしないような素振り、それと両腕につけていた謎の機械と白き巨人の人形、謎の魔法。2人は外に出てから先輩を助けた人形使いが彼ではないかと思いつつ帰宅し、それぞれ響輝は母と連続殺人事件についての話をし、父のことを思い出す。
一方で彩音は間城に初音の件だけを相談し、警察に相談した方がいいというも彼女の熱意に負け間城は割と最近できた探偵事務所を紹介する。また、刈谷亜里沙がそこの所長に依頼をよく持ち込んでおり例の連続殺人事件の調査もしている事、戦闘なども強く仕事も早いなどという事でそう紹介し、亜里沙に話をつけておくといい電話を切りその晩はそのまま寝たのであった。
人形使いは探偵所長?
翌朝響輝と彩音は学校で授業を受け、放課後に亜里沙の元を訪れ探偵を紹介してもらう。早く姉が見つかるといいねと言い亜里沙は名刺を渡し事務所の住所も教えた。
しかし響輝と彩音は、何故昨日助けてくれた人形使いと同じ装備を左腕につけているのか気になり尋ねるも、最新鋭の通信端末だとしか答えない。
その後学園校門にて巌鉄と嘉良雛先輩に会い、巌鉄に人形使いの話を尋ねる。巌鉄も腕の装備を見ており、亜里沙がなぜつけているのか気になっていた。しかし答えてくれないらしい。
響輝と彩音は龍に襲われ、人形使いに助けられた話を2人に話す。それから事務所に行くと言い、巌鉄は事件に深入りしない方がいいと注意しつつ見送るのであった。
移動中に話を整理し、自分と巌鉄は人形使いを見ており助けられ、腕に同じ装置をつけているのを見た。それを亜里沙もつけており、亜里沙はそのハーネイトから受領したと話す。という事は、その所長が人形使いなのではと思いドキドキしながら事務所まで移動しドアをノックした。
木製の想いドアを開き現れたのは、昨日自分達を助けた緑髪の青年。2人はある程度予想していたが、問題は彼がかなり慌てて申し訳なさそうに追いかえそうとする。
そこで昨日の件でもしかして自分たちを警戒しているのだろうと考えた響輝と彩音は、探偵である彼に亜里沙からの紹介でここを知り、ある依頼を持ってきたことを話し初音を探すのを手伝って欲しいと伝える。
それを聞き、少し悩むが気になるところがあり2人を迎え入れ、自己紹介を互いにしてから依頼内容を確認し、対象である初音の写真を見せ昨日会った時の様子などを伝える。
すると彼から、初音は血海を生み出す怪物の支配下、つまり依代体になっていることを話したうえで依代体なら治せる方法があると伝える。その後ハーネイトがなぜ誰とも距離を取ろうとするか理由を知る。怖がられたり、怖がる顔をさせたくないことや恩を仇で返されまくり人間不信などに陥っていること、子どもたちを巻き込みたくないという大人としての責務など、響輝と彩音は自分自身の境遇と重ねお互いに力のせいで苦しんできたことが分かる。
また、ある事件の唯一の生き残りで誰よりも生きて戦って誰かを助けないといけないという言葉に、ある種の恐怖を抱きつつもそんなことを言わせる環境が酷いと思い、言葉で彼の心を開かせる。
ハーネイトは依頼は引き受けると伝え、早く探さないと手遅れになると話したうえで事務所の人が少なく別働で動いていることから、響輝と彩音も手伝わないといけないこと、しかし相手が危険な存在なためある装備を渡そうか考えていた矢先、響輝の携帯端末に電話が入る。
霊量戦機を奏演せし霊使機者
電話をかけたのは鬼塚翼という2人の幼馴染であり、変な空間に引きずり込まれたといい3人でそうなった場所まで移動する。しかし翼から初音に捕まったと連絡がありそれで途絶える。
急いで入ると、血海が空間内にかなり侵食しており、放置すれば1日で春花も血海に沈む可能性があるとハーネイトは2人に説明する。また血海が、ある物が直接生み出したのではなく事件の犠牲者でできた血海だと解析したうえで、初音は病の魔人と言うのに憑りつかれていると説明する。
その中でも血に関する症状を起こし、血を司る血徒(ブラディエイター)が集う組織、血による終焉をもたらす者(ブラッディフィエンダー)が血海をあらゆる場所で発生させ街などを飲み込んでいると話す。
しかも問題はそれだけでなく、現在その病の魔人たちが幽霊龍こと、幻霊龍の手駒、龍徒(ドラグストル)になっており龍の活動を支援しているような形になっているとも話す。
龍の活動が活発化した前後で、血徒の行動や活動などに明確な差が生じており、恐らく龍に憑りつかれ洗脳状態になっているのではと話したハーネイトはドラギスという存在に会えば色々とわかることがあるとそれを探していると話す。
その後血海をどうするかと言うことになり、飛び越えるなどができないと分かりハーネイトは事務所の話の続きを行う。
それは万能霊量装具こと、クォルツ・ドライヴデバイスをつけ、捜索に協力しつつ人形使いにならないかという事であった。どの道は常と今であってもまず命がない可能性が高いことと、2人が龍のカケラを持っているという点に注目していると話す。また亜里沙が、ハーネイトたちに助けられた後2人をストーカー&尋問し根負けし、お互いに協力し亜里沙はCDDと霊量戦機のテスターとして協力し、その代わり他に龍が見える人たちに関わらないで、自分が全部背負うと告げたことを話した。
しかしそれならなぜ亜里沙は自分たち龍星研究会の人を紹介したのか、それは大切な仲間のためでもあり友として力を貸したい、しかしあまり深く関係を結ばないで欲しいという苦肉の策ではとハーネイトが話す。
その後ハーネイトが異世界から来た魔法学校の先生であり、魔法工学の博士でもあることなどを知り色々と驚かされる。しかしその後に、幻霊龍。その活動により起こる世界龍危機(ドラグロク)という破滅の未来を防ぐ機関、世界龍封印機関の代表でもあり、龍のカケラを持つ者たちは巨大な龍に狙われ続ける定めを負うと話す。亜里沙も話を聞いた上で機関と契約しており、2人も辛く重い荷物を分け合って背負えばいいといい、龍や霊量戦機と言う道具を知ることができると、それと友や街を救うために契約し、人形使いこと霊量戦機使い、霊機士になるのであった。
早速2人は霊量戦機を召喚し、血海の除去に成功する。ハーネイトもCPFを使いまとめて浄禍し前に進むと、そこにいたのは翼と初音であった。
血の魔人と初音の関係
翼を捕らえた初音、しかしその中にいたのは血の魔人ことツヴェルクロナであった。血海に飲まれた初音を助ける代わりに依代として借り龍を倒せる力を探していたクロナは、血徒の計画のために紅き星を見ることができる人を集めるためハーネイトたちに襲い掛かるが返り討ちに遭う。
質問されクロナは、Pという存在を解放すれば取り返しのつかない事態が起きると言い、魔人たちがそれを解放しようとしているのでそれを妨害しようとある勢力と手を組んでいた。失踪者が増えている事件が血の魔人という存在が起こしていることを伝えた上で。U=ONEという伝説の力があれば囚われの仲間を助けることができ、Pを解放する鍵を持つ一族の生き残りを探していると全部説明する。
U=ONEという力はドラギスの後継者という存在にしか使えない。それを聞いたハーネイトは顔面蒼白になる。それはU=ONEという力について仲間であるエヴィラという存在から話を聞いていたからであった。
クロナはルベオラと言うウイルスの悪魔からドラギスの後継者を探せと言われてもいた。しかし目の前にいるハーネイトがそれであり、クロナはできるだけのことを話しU=ONEを施してほしいと懇願する。
またPという存在を血徒が狙っており、それと血海、その血海を利用し何かを狙っていることも教えるうえでU=ONEになれば全て教えると伝える。ハーネイトが伯爵が仲間に狙われる理由がそのPという存在を解放する鍵を持っているからであり、U=ONEを施せる彼も狙われると伝えた。長年血徒と戦うもその目的が不明であったハーネイトは、ようやくそのPというのがカギを握ると分かり憎き敵であるがクロナをU=ONEに施すことを決める。
しかし使い過ぎれば命を狙われると言われるも、彩音の姉を助けるため彼は使用し、初音とクロナを分離しながら同時に助けることができた。
クロナはルベオラに報告するついでに血徒が血海を使いある物を作ろうとしていること、血海自体が龍の通り道になりかねないと警告する。
翼はハーネイトと響輝、彩音のを見て驚きどうしてそれを手に入れたのかと問う。それは、自分を差し置いて2人で先に突っぱしりやがってという悔しさと寂しさからくるものであり、今起きていることについて話を聞いた翼はどうするべきか考えていたのであった。
しかし人形使いが多くの仲間を助けており、ありがとうとしか言えない状況であった翼は自分も2人の様に人形使いになりたいと思うようになる。
だがハーネイトは響輝たちの懇願に対して冷静に対応する。幾つもの問題を解決しないといけないこと、何より自身が子供を特に戦いに巻き込みたくないという思いが強いからであった。しかし今のままでは近い内に大きな龍に喰われてしまうかもしれない。対抗するには力を得るしかない。ハーネイトは5人に対し仮契約という形でCDDを持たせることにしたのであった。
しかし仮契約とはいえ、自分たちの力を認めてくれたことに響輝たちは嬉しく思い言いつけを護ると約束したのであった。だがハーネイトは昔のことを思い出し感傷に浸っていた。
怪しい探偵助手の正体と戻って来たかつての上司
翼を助けたハーネイトと響輝たちが事務所に戻り病の魔人に関して話している間に、別の場所で動きがあった。表向きはオカルトライター、裏ではある家に仕える調査員であり防警軍の諜報員でもある翼の父こと鬼塚大和は、仕事中に昔警察にいた時の上司、結月勇輝と再会する。
しかし大和は最近ある事件の現場検証や捜査を行っており、それが連続殺人事件についてであった。銀行の頭取とその家族が殺害され、その少し前に血海の飲まれ行方不明になっていた娘がおり追っている中で先輩と会い、彼も血海から戻って来たのではないかと思い警戒していた。
すると勇輝の姿や様子が変化し、大和に襲い掛かる。必死によけるも追い詰められた大和の前にビルの上から飛び降りつつ着地し介入するは、青髪の関西弁を話す陽気な大柄の青年。紫色の和装束を身に纏った彼により難を逃れた大和は、その青年と話をする。そう、彼こそがハーネイトの相棒で助手の、ヴァルドラウン伯爵であった。
ハーネイトに会う以前に知り合いパートナーとなった少女との出会い以前の記憶を無くしている彼は、思い出すために彼と旅を続けその中で血徒という存在と戦っている人ならざる人、微生物の魔人であった。自分が何の微生物の魔人かも分からない中彼は大和に今起きていることについていろいろと教えられる範囲で教え、所長に用事があると聞き連れていくのであった。
その後事務所に戻ると、ハーネイトとクロナがおり伯爵は血徒であるクロナに我を忘れて襲い掛かろうとするが止められ、彼女もU=ONEを施してもらったことを知る。
それからすぐに亜里沙が大和が遅いことを心配し訪れ、響輝と彩音の件については自分が紹介し、今までと違い接触させた理由についてハーネイトたちを見定め、監視していたがお目に叶ったからと言うことを話す。彼女は2人の素性と、人形こと霊量戦機について大丈夫かと思いつつ自分が実験体になっていたが問題はなく、2人も人助けなどを色々し、仲間も助けてもらったことから信用できると判断し方針転換したことを話す。
それから亜里沙は大和に、ある依頼所を渡すように命じそれを受け取ったハーネイトは、その内容に絶句する。それは学園への赴任と新学科設立とそこの主任になることであった。また、連続殺人事件と同時期に広がり始めた謎の紅い粉末。それについてクロナが魔薬だといい、ハーネイトは敵に元先輩がいる可能性がとても高いと判断する。
その後薬の調査はすぐに引き受けるものの、霊量戦機を運用する学科に関してはそもそも世界龍封印機関に入らないとCDDを使えないという問題があるため、その辺りをどうするのかと指摘し保留することにしたという。
大和は帰ってから、世界龍封印機関についてのパンフレットを読み、とんでもないことが知らないところで起きていることに驚愕しつつも、子どもたちをできるだけ巻き込みたくないハーネイトの考えに強調し、自分も入って活動した方がいいのではと考えていた。
病の悪魔に憑りつかれた父との対決
響輝と翼はマンション前の公園で、昨日の出来事について話をした後、事務所で姉の病院の付き添いに行っていた彩音と合流する。
その後事務所に入ろうとすると、一人の少女と出会う。彼女はリリーと言い、関係者でありサポートをする者でもある。2人の話を聞き、別働で動いていて話を聞けていなかったと話迎え入れるとしばらく話をする。
リリーから彼女がイギリス生まれであり、異世界に転移し戻って来た存在だと知り驚く。またハーネイトももちろん異世界から来た存在であり、日本語など話せるのは自分のような転移者から色々教えてもらっているからだと話す。
すると伯爵も帰ってきて、響輝と彩音、翼を見て報告に聞いた高校生だと分かり話をする。伯爵とハーネイトの出会いのなれそめを聞き青ざめる響輝たちは、ハーネイトはどこにいるのかと尋ねる。その矢先事件が起きた。
マンション前の公園で血の怪人が現れ、打ち合わせを一先ず終えた亜里沙と大和、ハーネイトが遭遇し対応しているという話であった。急いで駆け付け、ハーネイトと大和が怪物を抑え込んでいたが響輝はその近くに母の京子がいること、父である勇輝が襲ってきたと言い驚愕する。
大和は伯爵と変わり周囲の人を逃がし、その間に翼は自分も霊量戦機を扱いたいと申し出て伯爵は了承し、CDDを渡し4人がかりで抑え込み、ハーネイトのU=ONEが発動し勇輝と憑りついていたウェルシュ・ヴァージェンスが分離したのであった。
ウェルシュはルベオラの指示の下で動いていたが龍に憑りつかれ暴走していた。U=ONEになったおかげでそれも無くなり、ドラギスの後継者が本当にいたことに驚いていた。
街はずれで発生した血海
春花西区エリアにある、山のふもとにある皆川浄水場にて血海が発生。大和の連絡で駆け付けたハーネイトたちは用意したCDDを大和と翼に与え、契約を結ばせ現霊を呼び出させ作戦に参加させる。
血海を取り除きつつその発生源を叩くためアペリエンスミッションという任務を発令する。
エリアボスは伯爵のかつての戦闘術師範こと、ヴァルフィニカス。彼は仲間を血徒に人質に囚われ仕方なく命令で能力者狩りをしていた。だが龍に取り付かれ暴走、それをハーネイトたちが止め、U=ONEになったことで敵ではなくなりPについての情報を持つ者などについての情報を得る。
また、血徒に入っている者の多くが強制的に計画に参加させられている事をしる。それにあの幻霊龍が関わっており、血徒と龍の関連について調べる必要が出てきた。
一方亜里沙の父である宗次郎は、娘が自分に黙って龍星研究会以外で何か動いていることを大和から聞き、その上でその原因となる探偵ハーネイトと助手の伯爵に関して事実なら今の状況を打破するカギになると判断し、より親密になり情報を手に入れるようにと指示を受けたのであった。血海を除去し、霊龍を倒せるというのが事実なら凄い事であり出自など不明な点はあれど今はそう言ってられないと引き込むように大和に命令する。
宗次郎はこの春花に各地から紅き星が見える人や龍が見える人などを秘かに集めており、移住などに関して好待遇で迎え入れ、親を失った学生たちの中でも見える側の人たちを特に集め寮に住まわせ、安全と勉学のできる環境を保証しつつ娘の亜里沙が裏で支援する龍星研究会の活動も承認していたのであった。
だがそんな亜里沙が最近妙な行動をとっており大和や赤穗などにつけて調べるように命じていたという。最初は何故探偵が自身のことを探っているのではと思いつつ娘に信用されていない自分が悲しくなったが、集めていたのには理由がある。それは宗次郎も見える側であり、その意味と事件を起こす存在の正体に迫るため、見える人たちを保護しながらその中で対抗できる存在がいないかを探していたからであった。
行方不明の令嬢を捜索せよ
発生した血海を除去することに成功したハーネイトたちは、これからどうするかについて響輝と彩音、翼と捜査会議を開き情報の整理を行うことにした。
病の象徴であり魔人である血徒(ブラディエイター)がなぜ血海を生み出すのか、クロナの言っていた塔とは何か、Pという存在とそれを血徒に吹聴している裏で暗躍する謎の存在と霊龍。謎が謎を呼ぶ矢先今度は亜里沙が乗っていた車がそれごと行方不明になったと大和から連絡があり急いで現場周辺を捜索する。
すると光る亀裂を見つけ、周辺に落ちていた車の部品から亜里沙を送迎する車のものであると大和が判断し、他にも状況などから引きずり込まれたとみて全員で中に入る。
すると血徒に感染した生物こと眷属体が襲い掛かるも霊量戦機、現霊の力で撃破し先に進む。するとそこには亜里沙と運転手である負傷している赤穗、それと向かい合う初音及びツヴェルクロナが対峙していた。
亜里沙は果敢に立ち向かおうとするが全く歯が立たない。すると龍に憑りつかれていた初音とクロナは暴走する。しかしハーネイトと響輝たちの連携でそれを止め、U=ONEの力をぶつけ剥がしたのであった。
そのやり取りを見ていた、2人の微生界人はクロナの話が本当であり、改めてドラギスの後継者を見つけることができたのであった。それはルベオラとヴァルチェラというウイルス系微生界人であった。
展望台に潜む星を観測せし者
紅き流星が見える間城と時枝、奥平と九龍は4人で街中にある展望台に行って星を再度観察しようとバスで向かう。すると現地にいたのは、怪しい謎の男女2人組。すると2人は間城たちに声をかけてきた。細菌系微生界人のイコナ、リケッチア系微生界人のプロワツェキイと対峙する響輝たちの間に割り込んだのは、U=ONEになったツヴェルクロナであった。
新たな協力者と拠点確保
亜里沙を助けた後倒れてしまったハーネイトは、ある屋敷のベッドで目を覚ます。すると亜里沙の父である宗次郎が彼に声をかける。娘を助けてくれたこと、娘の頼みを聞いて動いていたことを聞き感謝しながら静養するようにと言う。また亜里沙は、宗次郎がなぜ各地から人を集めていたのか理由を知る。それは宗次郎も龍などが見えており、秘かに対策するための機関を立ち上げようとしていたからであった。また亜里沙が見つけた探偵と助手、つまりハーネイトと伯爵の存在は渡りに船であり龍を知りそれを倒せ、また血海をも取り除けるというならばぜひ協力して欲しいと申し出るが、当のハーネイトは戸惑っていた。
それは彼が基本的に一人、または伯爵とで動くのが楽であったからである。世界龍封印機関も凍結していたのを立て直し自身が代表として勤めているが仲間はさほど多くない。怖がられるのを恐れたり、嫌われたくないという想いが人を遠ざけようとする振る舞いに繋がるのだが彩音と亜里沙の説得が功を奏し、話を聞くことにする。
それから宗次郎はハーネイトと伯爵の手腕と大和からの報告を聞き隠れながら活動できる拠点を2つ用意できるがそのためには確保しないといけないこと、1つはホテルの地下エリアを、もう1つは防警軍の地下基地でありホテルの方は最近建設作業員や関係者が謎の怪物に襲われておりそれを倒すこと、地下基地については血海で汚染されておりそれを除去して欲しいというものであった。
狙われた学園と生徒たち
戻って来た者たちの怪しい行動と謎の薬
建設中のホテル防衛作戦
ハーネイトたちは宗次郎の依頼を受け現場に駆け付ける。するとホテル周辺が血海に包囲されつつあった。中ボスの血鬼人が起点となって汚染を広げているようであり、それらを統べて倒すとそれを操っている血徒・アナプラズマ:メアセアエタラムが出現。霊龍脈が流れるエリアを確保しに来たというがこれを撃退し、完成間近のホテルを護ることができた。だが魔薬ことブラッドエリクスの恐怖を、ハーネイトたちはその目で見てしまった。
魔薬;ブラッドエリクスの恐怖
響輝はハーネイトを連れて勇気の見舞いに来ていた。すると最近妙な症状で運ばれる人が増えていると話を聞く。
京子に確認すると、どうも薬品か何かを摂取しているようであるという。ハーネイトは響輝たちが回収した粉状の薬品を分析するにはしかるべき研究場所と装置が必要だと言う。
しかしすでに、その薬の製造にハーネイトの先輩こと、魔法協会の人間たちが関わっていることが判明していた。それは魔薬には個人個人の配合があり、それを覚えていること。更に元々その薬の取り締まり、製造者の拘束などを彼が任されていたことを響輝たちは知る。
そんな中病院内にてある患者が暴れ医者が襲われそうになっていた。だが響輝とハーネイトの連携がさく裂し患者、アルマンドは事なきを得た。彼はどうも帰る途中で襲われ気絶させられ、あの紅い粉末こと魔薬を飲まされていたという。紅花十音という女性医師は最近不調を訴える患者がいること、血海について研究していると話す。
また、ハーネイトたちを見て興味を覚えた十音は彼らを実験体にしようとする。
その後ハーネイトは異境界航行空間内探索のため動こうとした矢先2人の男、ナブハップとラパッチに声を掛けられる。アルマンドの件と、血海事件が発生した当時の話をラパッチから聞いたハーネイトは、その血海事件の元凶は血徒の依代体によるものよりもその薬の犠牲者によるものが大きいと分析する。
その後彼らが支援をしてくれると言い、物資面などの調達について目途が立ったハーネイトはいい感じで進んでいると嬉しそうに病院を後にした。
その間にも、流星を手に入れるための血徒、龍たちの計画は更に進んでいた。それは地球上を血海で染めつつ、流星に接続するための材料を血海で飲ませて構築するためであった。血閣塔の建設があるエリアにて行われていた。それと異界化現象を組み合わせ、桃京にそれを召喚しようとしていた。
九成学園襲撃事件
魔薬を売っているアナプラズマ一族を追跡していた矢先、今度は九成学園内にて血海が発生。どうも薬を購入、あるいは飲まされた人たちの何人かが眷属となっておりこのままでは学園が血海に沈んでしまう。
薬の売人を追い詰めようとしていた宗次郎のいとこである天糸文次郎、その娘で九成学園に通う間城の友達、文香。更に刈谷グループで働くサラリーマンで防警軍特別諜報員の喜多村、アイルランドから売人を追って来たNEUの諜報員スカーファは伯爵と出会う。
4人は伯爵から世界龍と血徒、血海にカケラ持ちの人の話を聞く。その矢先に時枝から通信が入り学園内にて突然血海が発生したとの連絡を受ける。
基地解放戦:前編
数年前に建設された地下6階まであるこの施設は、血海事件の際に血海の浸食により放棄されている。しかし直接春花駅地下にある地下新幹線に移動出来たり設備なども優秀なものが多く、奪還できれば今後の作戦などが円滑になりやすいと判断し侵入ルートを決め守りが手薄である可能性が高い近くにある水道からの侵入作戦を開始する。
基地解放戦:後編
基地内部に侵入したハーネイトたちだが、戦力が足りない。そこに現れたのはU=ONEになったアウレウスやヴァルフィニカスたちであった。2手に別れ進軍し、汚染を吹き飛ばしながらここを支配しているプロトゾアンのファミリー、更にアナプラズマ一族と勝負することになる。その中で、あの赤い危険な粉末を製造している装置を見つけここが1つの拠点になっていたことが明らかになる。
次の街に向かうために
春花の地下も無事血海が無くなり安全になったことで春花は安全地帯となりハーネイトたちはホテルと地下基地という拠点を手に入れることができた。
そこで宗次郎は防警軍のトップである宇田方元帥もとい総司令官に彼らのことを話す。すると神奈川エリアにて血海が周囲から侵蝕してきていると連絡を受ける。猶予は1週間あるかないか。遅れれば地下シェルターに血海が流れ込み全滅する。
交通要所奪還作戦
まず高速道路上の血海を取り除こうとした矢先、上空から血徒感染生物の猛攻を受け撤退を余儀なくされる。だがそこにスフティスが現れ、早く東京に向かうべきであることと血徒17衆が集結していること、龍に乗っ取られている事などを教えたうえで地下からのルートなら警備が手薄であると教える
地下新幹線の攻防
そこで宗次郎とハーネイトは地下新幹線の車両基地に向かうことになるが血海で汚染されていた。これを除去し車両を点検しまずは宇田方長官のいる神奈川まで向かうことになる。
だが地下線路内にも所々血海が発生していた。これを取り除きながら進むことになる。目的地まで着くと、駅の構内も汚染されており地上部までどうにか抜けると、そこにはビルが立ち並ぶ街が映っていた。
地下駅内にて亀裂を見つけ、ここからも移動できるようにハーネイトは設定する。
東京解放への準備と迫りくる血海の恐怖
防警軍本部まで出向き、宇田方と出会うハーネイトたちは早速依頼を受けることになる。また防警軍の支援を受けつつも独立して血海の除去に当たる集団としてしばらく活動することになる。
ここでサブクエスト、地方都市解放戦線(福岡、大阪など)が発生する。
制空制圧戦・Fミッション発令
空には無数の感染生物がおり、活動の妨害になっている。そこでハーネイトたちは新たな戦術にてこれを撃破することになる。制空権を
血鬼融合体大量出現?
都市上空の妨害を退けた矢先、まだ無事な都市にて突然血鬼融合体が出現し街を破壊しようとしていた。そこで手分けして福岡、大阪、長野の都市防衛を行うことになる。
都市防衛血海戦線
東京解放戦
どちらにしろ東京を解放しないことには他地域への影響が止まらず、なおかつ集まった情報の真偽も不明な点がある。仮にそうなら話しのつじつまが合うが、あの流星に何があるのか分からない以上ハーネイトたちも迂闊に動けない。しかし東京の解放を宇田方に指示され、総力を挙げて解放戦に挑む。
血雨兵器・ストルレイン編
東京の1部を解放したのもつかの間、解放した地域に血海が流れ、血の雨も降り振り出しに戻される。神奈川を襲ったのも実はこれである。異界亀裂内より溢れた血海が襲ってきていたのであった。これは魔薬による血海拡大を妨害されたことによる血徒の別作戦でもある。だが血徒も龍に利用され、龍気を帯びた血海を地球上に広げることでヴィダール神柱の集まる流星をおびき寄せるビーコンであり罠として星ごと仕上げる計画。なので制圧されると最悪流星がこちらを認識しない可能性もある。
血徒に取り付いた龍たちは何としてでもPこと7番目の龍の力を持つ存在の解放と親である世界龍復活のために必要なエネルギー確保のために、流星まで消耗なく移動できるように塔を作ろうとしていた。何せ幻霊龍は依代があっても長時間異界空間の外に出るのが難しい
これを見たエヴィラは手に入れた情報に血雨兵器がありそれの仕業であることが分かる。異界空間内と外にあるそれぞれの装置を壊さない限り不利なままであると彼らはその装置を迅速に破壊する。
血閣塔での戦いと流星の接近
ようやく装置も壊し、残りは上野エリアだけになった。しかしここで突然エアタワーの辺りが突然隆起し、血海から何やら巨大過ぎる建造物が出現した。その高さは何と5000mはある巨大な血まみれの塔。今まで血海に沈めた街の建物を合成し、流星にアクセスするための塔として血徒17衆は召喚、それに上る。
それを追撃するため、塔を上り妨害を打ち破り第3級血徒らと交戦し勝利するが、既に血徒17衆は流星に乗り込んでいたのであった。