ミュール・ドライブ(光素推進機関)
[解説]
聖華暦835年に聖王国の企業、アリアンス・ディ・アトリーに所属する魔導器技師、ノーファル・オルコックを中心とする研究チームが発明し、試作型軽機兵 ペルセシエルでの試験を経て、聖華暦840年に実用化された新機軸の推進機。
光魔法を用いることからクルセイダーや神官、ウォル専用ではあるが、非常に高い出力を誇り、出力の面だけでいえば、機兵を空に飛ばすことすらも可能である。
光魔法を用いることからクルセイダーや神官、ウォル専用ではあるが、非常に高い出力を誇り、出力の面だけでいえば、機兵を空に飛ばすことすらも可能である。
実際、このミュール・ドライブ発明当初は機兵を飛行させるためのユニットとして使用することが考えられていた。
しかし、聖華暦835年時点の技術力では十全な姿勢制御を行うことが到底不可能であり、あくまで地上用の高出力推進機として実用化されている。
しかし、聖華暦835年時点の技術力では十全な姿勢制御を行うことが到底不可能であり、あくまで地上用の高出力推進機として実用化されている。
なお、聖華暦840年時点において、このミュール・ドライブ本体及び、ミュール・ドライブ搭載型機兵を開発技術を保有しているのは、アリアンス・ディ・アトリーの他、同社と共同で試作型軽機兵 ペルセシエルの開発を行ったシームド・ラボラトリーズ及びアイオライト・プロダクションの3社である。
[作用機序]
1.機体後方に弧を描いた光壁(ミュール)をそれぞれの反発方向が向かい合うように二重に展開させる。
2.2枚の光壁(ミュール)は反発により互いを押すため機体が前に押される。
あとは2と3の繰り返しにより機体は前に押され続けることになり、機体の剛性が許す限り加速し続けることになる。
実際には空気抵抗による減速があるため、何処かで速度がつり合うことになるが、例えば、空気抵抗のない宇宙空間であれば、理論上光の速度にすら到達可能というものである。
実際には空気抵抗による減速があるため、何処かで速度がつり合うことになるが、例えば、空気抵抗のない宇宙空間であれば、理論上光の速度にすら到達可能というものである。
ただし、この機構が推進機として一応の完成をみた聖華暦840年時点においても、依然理論として改善の余地を残してはいる。
反発の力を効率よく機体に伝えるため2枚の光壁(ミュール)は機体の背部を頂点として弧を描くように展開する必要があるのだが、機体の両斜め後方の領域では、機体の進行方向と垂直に近い角度で反発が発生しているため、反発の大部分が機体を押す力として使われていないのだ。
[方向制御]
ミュール・ドライブではその進行方向を変える際には、機体後方に展開する2枚の光壁(ミュール)の形を歪ませ、反発の方向をわずかに変えるという方法がとられており、その際の光壁(ミュール)の形状制御及び機体の姿勢制御にフェアリーを用いている。
当初、飛行用ユニットとして開発されていた際には光壁(ミュール)の形状制御の自由度が高すぎた(とは言っても飛行のためには必須ではあるのだが)ために演算能力に特化させたフェアリーであっても演算能力が全く足りておらず、バランスを保つことが不可能であった。
そのため、地上用推進機として再調整されたミュール・ドライブでは、光壁(ミュール)の形状制御の自由度を最低限地上用の推進機として用いるために必要な範囲に抑えることで、実用化可能な範囲に収めている。