シームド・ラボラトリーズ
[解説]
聖華暦800年代において、軽機兵、最低機兵、従機、艦船などを中心に開発、販売を行っている重機器メーカー。
自由都市同盟政府の諮問機関として、半官半民の公社という形で運営されている。
軍用機産業に参入したのは700年代後半と比較的最近のことであるが、特に小型機製造については高い技術を持っており、軍用機産業への参入当初にコンセプトモデルとして開発されたアルタキエラや名機として知られる軽機兵S91など多数の機兵を生み出している。
自由都市同盟政府の諮問機関として、半官半民の公社という形で運営されている。
軍用機産業に参入したのは700年代後半と比較的最近のことであるが、特に小型機製造については高い技術を持っており、軍用機産業への参入当初にコンセプトモデルとして開発されたアルタキエラや名機として知られる軽機兵S91など多数の機兵を生み出している。
諮問機関という特性上、本社は自由都市同盟、首都、中央都市アマルーナの商業区画に設置されているが、生産ラインの中心は同盟南部に存在している。
そのため、南部諸国連合での影響力は強く、聖華暦834年頃より自由都市同盟、ナイジェル・サイアース中将主導のもと、秘密裏に始動した「海洋温度差発電所および完全電化工業都市群建設計画」においては南部諸国連合とのパイプ役として重要な役割を果たしたとされている。
そのため、南部諸国連合での影響力は強く、聖華暦834年頃より自由都市同盟、ナイジェル・サイアース中将主導のもと、秘密裏に始動した「海洋温度差発電所および完全電化工業都市群建設計画」においては南部諸国連合とのパイプ役として重要な役割を果たしたとされている。
社歴
シャングリラ工業連合は人魔大戦により同盟方面に逃れてきた帝国、聖王国の技術者を多く擁する企業を中心として立ち上げられた企業連合体であり、二大国で培われた技術を用いて民間用、軍用の水上艦船、陸上艦船のほか、ダイダラなどに代表される作業用機兵、従機、水中作業用従機など、良質な民間用重機を多く製造していたほか、自社の製品である重機を用いて要塞や街の城壁などの建造も行っていた。
聖華暦549年
諮問機関としての役割を期待した同盟政府からの打診を受け半官半民の公社となる。
諮問機関としての役割を期待した同盟政府からの打診を受け半官半民の公社となる。
当初は軍事拠点となる要塞の戦略的配置やその建造、運用コスト、各種公的施設の補修等のタイミングや支出などに関する内容に関して諮問機関としての助言を行っていた。
また、機兵をはじめとする政府主導で開発された魔導技術や魔導器の民間への払い下げ業務も行っており、同盟政府とは当初から非常に友好的な関係を築いてたといえる。
これ以降はそれまでの助言、払い下げ業務といった諮問機関としての業務に追加される形で、軍事支出、戦略、兵器の将来的展開などの内容にも助言を行うようになったほか、都市同盟軍研究所との共同研究も開始された。
また、シャングリラ工業連合設立当初から行なっていた民間用、軍用の海上、陸上艦船のほか、民間用の機装兵や従機の開発、販売などは続けていたが、公社としての中立性維持のため、軍用の機兵や従機開発そのものには関与していなかった。
聖華暦780年
百年戦争終結の半年後、南部諸国連合構想の一環として行われた組織再編により、戦術戦略研究所は戦略的魔法工学開発研究所(Strategic Magical Engineering Development Laboratorys)、通称シームド・ラボラトリーズ社に改名される。
百年戦争終結の半年後、南部諸国連合構想の一環として行われた組織再編により、戦術戦略研究所は戦略的魔法工学開発研究所(Strategic Magical Engineering Development Laboratorys)、通称シームド・ラボラトリーズ社に改名される。
また、組織再編の流れの中で数社の最低機兵メーカーと獣装甲機・獣翼機の大手メーカー、マンマルズ&バーダーズ社がシームド・ラボラトリーズ社に合流しており、その後はそれまでの業務と並行しつつ正式に従機、最低機兵、軽機兵を中心とした軍用機の開発にも着手し始める。
聖華暦787年
カレッタ・カレッタ級水陸両用輸送艦を補給艦仕様に改装したシルトクレーテ級水陸両用補給艦の一番艦、シルトクレーテが竣工、それに続く形で同型艦の建造も開始され、順次都市同盟軍向けに販売が開始される。
カレッタ・カレッタ級水陸両用輸送艦を補給艦仕様に改装したシルトクレーテ級水陸両用補給艦の一番艦、シルトクレーテが竣工、それに続く形で同型艦の建造も開始され、順次都市同盟軍向けに販売が開始される。
これは南部諸国連合とのパイプを強化する目的で行われたもので、聖華暦803〜806年頃から開始されるの南部諸国連合各国との共同開発事業や聖華暦834年の「海洋温度差発電所および完全電化工業都市群建設計画」に繋がっていくことになる。
またフィーアユーザーを対象にフェンフ仕様への有料改装サービスを開始。
都市同盟軍に納入されているフィーアについても順次フェンフ仕様に改装されることが決定する。
都市同盟軍に納入されているフィーアについても順次フェンフ仕様に改装されることが決定する。
シームド・ラボラトリーズ社のこの提案は、自社の主力製品である軽、最低機兵の受注拡大を目論んでのことでもあったが、防衛戦に特化するためとはいえ、軍用機の多くを重機兵が占めるという組織構造に危機感を持っていたことも一因であった。
しかし、その部門での採用をかけたコンペティションにおいて、その操作性の悪さが仇となり操手が重症を負う事故を起こしてしまう。
この件により、正式採用は一旦見送られることとなる。
聖華暦832年
シームド・ラボラトリーズ社の提案を受けて開催された同盟政府主催の軽機兵コンペティションにおいて、アイオライト・プロダクション社が開発したメサ・オイニーオとシームド・ラボラトリーズ社が開発したS90が、採用の枠をめぐり競うことになる。
シームド・ラボラトリーズ社の提案を受けて開催された同盟政府主催の軽機兵コンペティションにおいて、アイオライト・プロダクション社が開発したメサ・オイニーオとシームド・ラボラトリーズ社が開発したS90が、採用の枠をめぐり競うことになる。
このコンペティションは、最大出力、防御性能、運用コスト、機動性能の4項目の比較による一次審査後に二次審査として模擬戦を行うというものであったが、コンペティションを主催した同盟政府を含め、シームド・ラボラトリーズ社所属の社員を除くそのほとんどがアイオライト・プロダクション社製のメサ・オイニーオの勝利を疑っていなかった。
しかし、その結果は大方の予想を裏切り、シームド・ラボラトリーズ社製のS90の圧勝に終わる。
性能比較ではそれぞれに優位が認められ互角であったものの、二次審査である模擬戦においてS90はその機動力をもって、ほぼ封殺する形でメサ・オイニーオを圧倒したのだ。
性能比較ではそれぞれに優位が認められ互角であったものの、二次審査である模擬戦においてS90はその機動力をもって、ほぼ封殺する形でメサ・オイニーオを圧倒したのだ。
こうして、シームド・ラボラトリーズ社は同盟における軽機兵の採用枠を獲得することとなった。
後にバフォメット事変と呼ばれるこの災害によってシームド・ラボラトリーズ社の主要な工場施設が大打撃を受けることとなった。
聖華暦834年
コンペティションにおける圧倒的な勝利から一転、天災ともいえるバフォメット事変による大打撃で窮地に陥ったシームド・ラボラトリーズ社に救いの手を差し伸べたのは意外にも、コンペティションにおいてシームド・ラボラトリーズ社に敗れたアイオライト・プロダクション社であった。
コンペティションにおける圧倒的な勝利から一転、天災ともいえるバフォメット事変による大打撃で窮地に陥ったシームド・ラボラトリーズ社に救いの手を差し伸べたのは意外にも、コンペティションにおいてシームド・ラボラトリーズ社に敗れたアイオライト・プロダクション社であった。
アイオライト・プロダクション社は、工業力の半数以上を失ったシームド・ラボラトリーズ社に変わって、アイオライト・プロダクション社がシームド・ラボラトリーズ社製品を製造するOEM契約を結ぶことを持ちかけてきたのだ。
もちろん、アイオライト・プロダクション社にしてもシームド・ラボラトリーズ社の小型機兵開発技術を得るという目的があったとはいえ、圧倒的に優位な立場にあるアイオライト・プロダクション社からのOEM契約としては考えられないほどの好条件での申し出にシームド・ラボラトリーズ社は救われることになった。
聖華暦834年
聖華暦830年頃から続く世界的な情勢不安とバフォメット事変で都市同盟軍が被った壊滅的打撃を受けて、以前より懸念が上がっていたカレッタ・カレッタ級水陸両用輸送艦及びシルトクレーテ級水陸両用補給艦の性能調整が行われることとなる。
これ以降の上記同型艦は改型が製造されることになる。また既に運用中の既存艦にも順次改修が施されることになった。
聖華暦830年頃から続く世界的な情勢不安とバフォメット事変で都市同盟軍が被った壊滅的打撃を受けて、以前より懸念が上がっていたカレッタ・カレッタ級水陸両用輸送艦及びシルトクレーテ級水陸両用補給艦の性能調整が行われることとなる。
これ以降の上記同型艦は改型が製造されることになる。また既に運用中の既存艦にも順次改修が施されることになった。
同年、同盟政府からの依頼によりシームド・ラボラトリーズ社において、上記試作型を元にした製品版の生産が開始。
この取り組みは高い評価を受け、これに続く形で順次都市同盟政府により認定を受けた他の冒険者ギルド、傭兵団に対しても販売が開始されることになった。
聖華暦836年
A.D.A社からの打診によりA.D.A社、シームド・ラボラトリーズ社、アイオライト・プロダクション社の三社共同でのミュール・ドライブを搭載し、飛行能力を持った第七世代機兵開発事業が立ち上げられる。
A.D.A社からの打診によりA.D.A社、シームド・ラボラトリーズ社、アイオライト・プロダクション社の三社共同でのミュール・ドライブを搭載し、飛行能力を持った第七世代機兵開発事業が立ち上げられる。
この事業では、A.D.A社がミュール・ドライブの設計、シームド・ラボラトリーズ社が機兵本体部の設計、アイオライト・プロダクション社がエーテリックアクセラレーターとフラタニティフレーム設計をそれぞれ担当する分業制ではあったものの、頻繁に技術者同士の意見交換会が開かれ、設計や仕様のすり合わせが行われるなど、本格的な国家間を隔てた企業同士の共同事業であった。
ペルセシエルは3機製造され、同年、1号機を用いて初の飛行実験が行われる。
結果から言えば、この飛行実験により、ミュール・ドライブを用いた機兵の飛行は「現時点では実現不可能である」と結論付けられることになる。
ペルセシエルではミュール・ドライブの出力調整と姿勢制御の演算補助としてフェアリーを用いていたのだが、フェアリーの演算能力では飛行を十全に行うだけの姿勢制御を行うことができず、水平飛行にうつった直後、制御不能に陥り、姿勢を崩し墜落してしまったのだ。
ペルセシエルではミュール・ドライブの出力調整と姿勢制御の演算補助としてフェアリーを用いていたのだが、フェアリーの演算能力では飛行を十全に行うだけの姿勢制御を行うことができず、水平飛行にうつった直後、制御不能に陥り、姿勢を崩し墜落してしまったのだ。
幸いにしてテストパイロットを担当していた緋鴎騎士団所属のクルセイダーが自身の全演算能力をかけてなんとか減速に成功したことで、ペルセシエル1号機の大破だけで済んだが、この事故により、ミュール・ドライブを用いた三社共同での飛行型第七世代機兵開発計画は全面的に見直されることとなり、ミュール・ドライブは新機軸の推進器として再設計した上で、それを搭載した第七世代機兵開発計画として再始動することになる。
今回の実証実験は成功に終わり、この推進装置は(若干の皮肉を込めて)エール・ロンパース(地を這う為の翼)と名付けられA.D.A社において正式に生産が開始されることとなった。
機体の開発に携わったシームド・ラボラトリーズ社及びアイオライト・プロダクション社はミュール・ドライブの設計及び作用機序の魔導器技術を持ち帰ることとなった。