忘れ去られた巨兵の鎧
私達の集落は襲われた。
戦士達は襲いくる脅威に立ち向かい、皆死んでしまった。
私の夫も殺された。
私の夫も殺された。
森が焼け、あちらこちらで何かが爆ぜる音が聞こえる。
あの竜達は散り散りに逃げ惑う私達を嬲るように、一人、また一人と高みから炎を撒き散らして丸焼きにしてゆく。
あの竜達は散り散りに逃げ惑う私達を嬲るように、一人、また一人と高みから炎を撒き散らして丸焼きにしてゆく。
私は息子の手を引いて、炎に包まれた森を一心不乱に走り続けたが、竜の一匹が私達を追い越して目の前に…
もうダメ…
足の力が抜けて、その場にへたり込む。
息子はそんな私を庇う様に前へ出て、両手を広げて竜を睨む。
竜は口端を引きつらせて笑った様に見えた。
息子はそんな私を庇う様に前へ出て、両手を広げて竜を睨む。
竜は口端を引きつらせて笑った様に見えた。
その時だった。燃え盛る炎を掻き分けるように、巨兵の鎧が現れたのは…
そんなモノでは、目の前の竜に太刀打ちなど到底出来ない。
現れたモノには悪いが、助かる見込みはまるで無かったのだ。
そう思ってしまった。
現れたモノには悪いが、助かる見込みはまるで無かったのだ。
そう思ってしまった。
そして竜は新しい玩具を見つけたとばかりに顔を引きつらせると飛び上がった。
高く舞い上がり、頭上を二周ばかり旋回すると、真正面から火焔弾を吐くために鎌首をもたげ始めた。
高く舞い上がり、頭上を二周ばかり旋回すると、真正面から火焔弾を吐くために鎌首をもたげ始めた。
対して愚鈍な機兵は一歩も動かず、だが、背中の上側の突起が二本、竜に狙いを付けるように稼働する。
何かが回転を始めたような低い唸り声を上げ、突起の先端の先の空気が揺らめき始める。
何かが回転を始めたような低い唸り声を上げ、突起の先端の先の空気が揺らめき始める。
竜が口を大きく開けて火焔弾を放った。
それと同時に機兵の突起から一瞬の閃光が放たれた。
それは澄んだ蒼い光だった。
それと同時に機兵の突起から一瞬の閃光が放たれた。
それは澄んだ蒼い光だった。
何が起きたのか、すぐには判らなかった。
ただ、竜が放った筈の火焔弾は消し飛び、竜の頭が無くなった。
竜の身体は力を無くし、ゆっくりと落下する。
ただ、竜が放った筈の火焔弾は消し飛び、竜の頭が無くなった。
竜の身体は力を無くし、ゆっくりと落下する。
助かった……?
どうやったかは判らない。でも助かった。助けられた。
だけど、すぐに異変を察知した二匹の竜がこちらは向かって来るのが見えた。
あぁ、流石にもうダメだ。奇跡は何度も起こってはくれないだろう。
あぁ、流石にもうダメだ。奇跡は何度も起こってはくれないだろう。
でも奇跡は起きた。
一条の光の帯が竜の一匹を貫いた。
竜は絶命して墜落する。
一条の光の帯が竜の一匹を貫いた。
竜は絶命して墜落する。
風を切る金切音を響かせて、新たな機人の鎧が空を駆ける。
あまりの速さに最後の竜は何も出来ずに接近され、その首を跳ね飛ばされた。
あまりの速さに最後の竜は何も出来ずに接近され、その首を跳ね飛ばされた。
本当に私達は助かった。
その後、目の前の巨兵の鎧の導きにより、私達は旧時代の地下シェルターへと避難する事が出来た。
他にも大勢、私達のように助けられた人達がすでに居た。
他にも大勢、私達のように助けられた人達がすでに居た。
LEVは旧時代に建造された人型の戦闘兵機で、上手く説明出来ないが、私達の狩装兵や機装兵とは似て非なるものだ。
それはアンドロイドとて同じ事で、見た目は私達と同じ。
でも彼らは私達とは全く似て非なる存在なのだ。
それはアンドロイドとて同じ事で、見た目は私達と同じ。
でも彼らは私達とは全く似て非なる存在なのだ。