憧れの『LCE』を求めて
『LCE』………
それは旧人類、その最後の英智。
旧大戦において追い詰められた旧人類が作り上げた、狂気の生体インターフェース。
その姿形は稀有な美少女なのだと言う…
それは旧人類、その最後の英智。
旧大戦において追い詰められた旧人類が作り上げた、狂気の生体インターフェース。
その姿形は稀有な美少女なのだと言う…
悪夢の兵器、第5期LEVの演算装置として開発され、登場直後は幻装兵を圧倒する性能を見せたという……
しかし、新人類解放軍の決死の作戦により、LCEの量産は叶わず、よって、LCEの生産数は決して多くは無い……
結果、旧人類は敗北し滅亡。LCEもまた、同様に消えていった……その筈だった。
少数のLCEは、今だ何処かの遺跡に眠っている……
トレジャーハンター界隈では、古くから実しやかに語られている噂話、都市伝説の類い。
全くもって確証など無い。
旧大戦頃の遺構で、『かつて存在した』という証拠が確認出来るのみなのだ。
だから、私も存在なんてしていない、と思っていた。
全くもって確証など無い。
旧大戦頃の遺構で、『かつて存在した』という証拠が確認出来るのみなのだ。
だから、私も存在なんてしていない、と思っていた。
私の親父はトレジャーハンターだった。
腕は良かったらしい。
だが親父はLCEに取り憑かれていた。
家族を顧みず、ひたすらにLCEを追い求めていた。
腕は良かったらしい。
だが親父はLCEに取り憑かれていた。
家族を顧みず、ひたすらにLCEを追い求めていた。
お陰で生活は苦しかった。
それなのに、ありもしない幻を追う親父の姿は、酷く滑稽に思えてならなかった……
それなのに、ありもしない幻を追う親父の姿は、酷く滑稽に思えてならなかった……
だから、私は親父を見捨てた。
私は自由都市同盟軍に入隊した。
馬鹿げた夢と浪漫を追い求めて困窮するよりも、安定した生活を望んだのだ。
訓練はキツいし危険もあるが、三食食えて寝床がある。加えて給料は良いのだ。
豊かな生活を謳歌する為、私は不満も漏らさず任務に邁進した。
馬鹿げた夢と浪漫を追い求めて困窮するよりも、安定した生活を望んだのだ。
訓練はキツいし危険もあるが、三食食えて寝床がある。加えて給料は良いのだ。
豊かな生活を謳歌する為、私は不満も漏らさず任務に邁進した。
軍に入って何年か過ぎた頃だった。
『軍がLCEを秘密裏に確保し隠匿している。』
という噂を聞いた。
何を今更……馬鹿馬鹿しい。
こんな所にまでそんな与太話が流布しているのか……
怒りに近い感情を覚え、その時はそう思っていた。
こんな所にまでそんな与太話が流布しているのか……
怒りに近い感情を覚え、その時はそう思っていた。
だが、私は見た!見てしまった‼︎
それは全くの偶然だったが、見てしまった。
連隊長のデスクの上に無雑作に放り出されていた書類、その一番上の記述を。
連隊長のデスクの上に無雑作に放り出されていた書類、その一番上の記述を。
それはただの都市伝説が、いるはずの無い幻が、私の父親を狂わせた元凶が、だが、確かに存在するという証拠だった。
いつから、同盟軍のどこに、どうやって、どう管理しているかは伏せられていたが、間違いなくLCEを、それも複数体、同盟軍は確保していた。
衝撃だった。
その書類に添付されたLCEの写真。
そこには銀の髪に灰色の瞳を持つ美しい少女の姿が焼き付いていた。
その書類に添付されたLCEの写真。
そこには銀の髪に灰色の瞳を持つ美しい少女の姿が焼き付いていた。
その少女の姿に、私は目を、いや、心を奪われた。
彼女らは、LCEは存在した。存在していた……
心が……心が騒ついた。
彼女らは、LCEは存在した。存在していた……
心が……心が騒ついた。
親父………
後日、私は軍を辞めた。
衝動的にいてもたってもいられなくなったのだ。
衝動的にいてもたってもいられなくなったのだ。
そして親父と同じトレジャーハンターになった。
実のところは私も親父と同じで、LCEに魅了され、取り憑かれたのだ。
私も、私に傅く、私だけのLCEが、欲しくて欲しくて堪らなくなっていた。
実のところは私も親父と同じで、LCEに魅了され、取り憑かれたのだ。
私も、私に傅く、私だけのLCEが、欲しくて欲しくて堪らなくなっていた。
そして禁忌の地を探し続けてすでに数年……
かつて、いるはずがない幻だと決めつけていた存在をひたすらに、ただひたすらに求めていた。
この生涯をかけてでも、いつか必ず見つけ出す。
かつて、いるはずがない幻だと決めつけていた存在をひたすらに、ただひたすらに求めていた。
この生涯をかけてでも、いつか必ず見つけ出す。
憧れのLCEを求めて、私は今日も探し続ける。