[スパルタ族の統治体制について]
まず、他の部族と比較して特異な部分として、スパルタ族の族長は常に2人存在しているということが挙げられる。
これは、スパルタ族が部族として信仰している精霊ディオスクロイが二柱の精霊であることに由来している。
このディオスクロイはスパルタ族の始祖となった双子の族長であったとされており、それにあやかって2族長制をとっているのである。
もっとも、大きな戦争の時などには、必ず族長の片方だけが出陣し、もう一方はラコニアを守護するという役割分担が存在しているため、単に信仰の対象にあやかるというだけでなく、部族においての象徴としての意味を持つ族長が揃って戦死するというような事態を避けるための安全装置という意味合いもあるのだろう。
このディオスクロイはスパルタ族の始祖となった双子の族長であったとされており、それにあやかって2族長制をとっているのである。
もっとも、大きな戦争の時などには、必ず族長の片方だけが出陣し、もう一方はラコニアを守護するという役割分担が存在しているため、単に信仰の対象にあやかるというだけでなく、部族においての象徴としての意味を持つ族長が揃って戦死するというような事態を避けるための安全装置という意味合いもあるのだろう。
なお、聖華暦320年に帝国が行った北進征伐の中で起きた戦い、炎門の戦い(テルモピュライの戦い)以降は、その活躍から、スパルタ族内において、レオニダスとアルキダモスという2人の族長が伝説的な英雄と語られるようになっており、それ以降2人の族長はレオニダス、あるいはアルキダモスの名を襲名するようになっている。
このような事情もあり、聖華暦830年代において、族長となることができるのはラケダイモンに所属する男性のみと決まっている。
このような事情もあり、聖華暦830年代において、族長となることができるのはラケダイモンに所属する男性のみと決まっている。
それはスパルタ族の統治機構として、民会、長老会というものが設置されており、さらにそれらへの監督権と司法権を持ったエフォロイと呼ばれる監査機関が存在しているからだ。
まず、民会はラケダイモン、ペリオイコイ、ヘロットの全ての階級に属する成人した住民全てのことを指す。
この民会は、共同体としての意思決定を行い、それを統治に反映させる事実上の統治機関となっており、いわゆる直接民主制となっているのだ。
この民会は、共同体としての意思決定を行い、それを統治に反映させる事実上の統治機関となっており、いわゆる直接民主制となっているのだ。
その上で、この民会に所属する50歳以上の住民のうち各階級から6人選出した18名、これに2人の族長を加えた20名からなる長老会と呼ばれる機関が設置されている。
長老会は、民会の決定に対して拒否権を行使することができ、事実上の最高決定機関となっている。
なお、長老会の任期は無制限であるが、なんらかの理由で死亡、あるいは業務の遂行が不可能になった場合にはその人物が所属している階級から1人条件に合う人物が入ることになる。
長老会は、民会の決定に対して拒否権を行使することができ、事実上の最高決定機関となっている。
なお、長老会の任期は無制限であるが、なんらかの理由で死亡、あるいは業務の遂行が不可能になった場合にはその人物が所属している階級から1人条件に合う人物が入ることになる。
さらに、民会からは毎年、無作為に5人選出され、任期一年のエフォロイと呼ばれる集団が作られる。
このエフォロイには2人の族長や長老会員を含む全住民に対する監督権と司法権が与えられており、エフォロイ過半数の賛成を経て処分が決まるとたとえ、相手が族長であってもそれを拒否することはできない。
この仕組みにより、民会及び長老会の暴走や独裁政治への移行が牽制されているのである。
このエフォロイには2人の族長や長老会員を含む全住民に対する監督権と司法権が与えられており、エフォロイ過半数の賛成を経て処分が決まるとたとえ、相手が族長であってもそれを拒否することはできない。
この仕組みにより、民会及び長老会の暴走や独裁政治への移行が牽制されているのである。