カイザー級履帯式陸上戦艦
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[解説]
製造はバウム・ウント・ヴルカン社。聖華歴500年代初頭に合計5隻が作られ、艦には歴代の皇帝の名前がついている。
全長140メートルに達する巨体を片舷4本、合計8本の巨大キャタピラで支え、主砲は24cm連装速射砲2基4門、単装片舷2基2門で合計4門の、合わせて8門を搭載。
舷側には接近する機兵などを狙い撃つための8.8cm単装砲が片舷9基の計18基配置され、さらに接舷切込みをかけてくる敵兵を排除できるよう、艦橋と艦上にはガトリング砲型対人魔導砲を備えたファイティングトップが設けられた、当時最大最強を誇った戦艦であった。
しかし、いざ戦闘が開始すると、聖王国軍の艦隊に一撃すら当てられず逆に自らは防御陣形を抜かれてさんざんに撃ちまくられることになる。
旧態依然とした履帯式陸上軍艦を使用する帝国に対し、聖王国はホバー移動式の陸上軍艦を実用化、戦線に投入したためだ。
圧倒的な機動力の差の前に、まともに射撃を当てることすらできず帝国艦隊は全滅を喫した。
当然カイザー級も、頑強な艦体のため形こそ残したが、あるいは履帯を切り裂かれあるいは魔導障壁を抜かれて砲塔が吹き飛びまた環境がへし折られるなどして、無残な姿をさらすことになった。
この戦い以降帝国もホバー艦への本格的な編成切り替えを行うことになる。
ちなみに、戦後に自由都市同盟が比較的に損傷の軽微だった1隻を買い取り、損傷部位のパーツを他のカイザー級の残骸から取ってきて修復。
戦艦「アマルーナ」と命名し、同盟製ホバー艦が完成するまでの間、中央都市アマルーナの防衛に供していた。
退役後は解体論が出たが、とある同盟議会評議員が軍人の支持を集めるために記念館化を提案、可決させる。
現在はアマルーナ近郊のソルビアンコの町に、「同盟陸上艦隊記念館・記念艦アマルーナ」として鎮座している。
[兵装]
24cm連装速射魔導砲塔 2基(前甲板1・後甲板1)
24cm単装速射魔導砲塔 4基(右舷2・左舷2)
8.8cm砲郭式単装魔導砲 18基(右舷9・左舷9)
対人・対魔獣用魔導ガトリング砲 8門(艦橋前後左右の射撃所に各1・ファイティングトップ2門×2か所)
24cm単装速射魔導砲塔 4基(右舷2・左舷2)
8.8cm砲郭式単装魔導砲 18基(右舷9・左舷9)
対人・対魔獣用魔導ガトリング砲 8門(艦橋前後左右の射撃所に各1・ファイティングトップ2門×2か所)