『児童のための聖人伝』抜粋とその裏側
『聖オニキス(オニキス・ノーマン)』
[解説]
人魔大戦中期から後期にかけて聖王国の傭兵として活躍した人物。武人然とした女性で、主に聖王国東部域で魔族との戦闘に従事している。
彼女は二人の部下を引き連れ、三人とも一風変わった機兵を所持していた。彼女らについての詳しい資料が無く、おそらくカナド猟兵で、所持していた機兵は狩装兵だったのだろうと推察される。
彼女は東部域で魔族軍相手に戦場を神出鬼没に闊歩し、大悪魔等の上位魔族を何体も屠っている。その働きぶりによって聖王国東部域の戦線維持に貢献し、聖王国から多大な褒賞を授与されている。
しかし、魔界遠征が始まる頃に姿を消し、それ以後の消息を知る者はいない。
彼女は二人の部下を引き連れ、三人とも一風変わった機兵を所持していた。彼女らについての詳しい資料が無く、おそらくカナド猟兵で、所持していた機兵は狩装兵だったのだろうと推察される。
彼女は東部域で魔族軍相手に戦場を神出鬼没に闊歩し、大悪魔等の上位魔族を何体も屠っている。その働きぶりによって聖王国東部域の戦線維持に貢献し、聖王国から多大な褒賞を授与されている。
しかし、魔界遠征が始まる頃に姿を消し、それ以後の消息を知る者はいない。
[裏話]
実はオニキス・ノーマンはアンドロイド『オーニュクス』であり、この時代の新人類および、侵略者たる魔族の情報収集の為に傭兵として聖王国に潜り込んでいたのである。(ちなみに部下とされる二人はザフィーア、スマラクトである)。名字のノーマンは『No Man(人外)』という洒落のようなものである。
で、狩装兵とされている機兵はベルクート、ファイアボルトⅡ、グローリアの3機のLEVを陸戦仕様に改修したものだ。
彼らはこの戦いで新人類と魔族について十分な情報を取得することに成功し、人魔大戦末期には情報収集任務を終えてケイブ・セクター04へ帰還したのだった。
で、狩装兵とされている機兵はベルクート、ファイアボルトⅡ、グローリアの3機のLEVを陸戦仕様に改修したものだ。
彼らはこの戦いで新人類と魔族について十分な情報を取得することに成功し、人魔大戦末期には情報収集任務を終えてケイブ・セクター04へ帰還したのだった。
『聖モージズ(モージズ・ポロック)』
[解説]
彼は人魔大戦時の、一介の聖騎士であった。ある時彼は、とある街を護る任務に就いていた。しかしながらその街は、魔族の軍団に襲撃を受ける。圧倒的な数の魔族の群れに、彼の上役は苦渋の決断で街からの撤退命令を下した。
しかしながら彼はその撤退命令に従わず、街から逃げる避難民のために単身魔族の注意を惹きつけて戦ったのだ。その街は後に奪回されたのだが、何故か街には魔族の1体としておらず、ところどころに破壊の跡が残る以外は損害もほとんど無かった。逃げ遅れた人々や、戦った聖騎士たちの遺骸もまったく無く、街の中央には頽れたモージズの機装兵、そしてその前方の地面に突き立ったモージズの佩剣にもたれかかる様にして、空っぽのモージズの甲冑がただ立っているだけであった。
それを見た人々は、モージズの崇高な志に感じ入った聖華の三女神が、彼を天へと召したと噂したのである。今現在彼の名は、アスピーダ級陸上戦艦の1隻の艦名として知られている。
しかしながら彼はその撤退命令に従わず、街から逃げる避難民のために単身魔族の注意を惹きつけて戦ったのだ。その街は後に奪回されたのだが、何故か街には魔族の1体としておらず、ところどころに破壊の跡が残る以外は損害もほとんど無かった。逃げ遅れた人々や、戦った聖騎士たちの遺骸もまったく無く、街の中央には頽れたモージズの機装兵、そしてその前方の地面に突き立ったモージズの佩剣にもたれかかる様にして、空っぽのモージズの甲冑がただ立っているだけであった。
それを見た人々は、モージズの崇高な志に感じ入った聖華の三女神が、彼を天へと召したと噂したのである。今現在彼の名は、アスピーダ級陸上戦艦の1隻の艦名として知られている。
[裏話]
聖モージズについての裏話は、830年現在まったく伝わっていない。それどころか、本当にこの人物が実在したのかどうかすら定かでは無く、ただその逸話だけが独り歩きしている状態だ。
『聖ラフィアン(ラフィアン・ブラックビューティ)』
[解説]
人魔大戦で活躍したウォルの1人。生涯に討伐した悪魔は100を超え、中でも上級魔族シトリー・ゲンヴァ討伐、狂竜ミロヒビナ封印、そして最後の戦いである上級魔族13体斬りは叙事詩として今なお伝わる。彼の実力は物凄く、あの光魔法『星光剣』を最大で3本まで行使できたと伝えられる。
聖導教会の編んだ聖人伝には初版から名を連ね、後年アスピーダ級陸上戦艦の1隻が彼の名を名付けられるなど、カーライル王朝・聖王国では極めてメジャーな英雄である。
聖導教会の編んだ聖人伝には初版から名を連ね、後年アスピーダ級陸上戦艦の1隻が彼の名を名付けられるなど、カーライル王朝・聖王国では極めてメジャーな英雄である。
[裏話]
彼は聖痕を得たものの、あまりの素行の悪さにクルセイダーへの推挙を得られなかった元聖騎士であった。クルセイダーになれず不貞腐れた彼は聖騎士資格を返上し、一介のウォルとして戦い続け、名を上げた。幸か不幸か実力は本物であり、討伐記録そのものは全て事実である。
ただし本人は飲む打つ買うの道楽に明け暮れ、金銭その他の物理的な報酬がなければ自主的に魔族討伐に動かずなかった。その上彼はかつての聖騎士時代に、腐敗した枢機卿の弱みを握っており、それをネタにしてゆすりたかり同然に高価な魔導器から果ては機兵までも聖導教会から強請り取って使い潰した。なお聖剣技や光魔法は、そのコネで獲得、習得した物である。
その乱行ぶりに、教会自体も大いに手を焼く。だが彼はあまりに強すぎた。暗殺者を送り込んでもあっさり抹殺されるし、暗殺に成功したとしても魔族との戦線に穴が開く。だが彼が大戦後に生き残れば、間違いなく功績からクルセイダー叙任なり貴族の地位の授与なりを受けてしまうだろう。それを危惧した聖王国貴族、そして聖導教会は、ついに彼の暗殺を決意。そしてとうとう彼は、戦いの中で不意を突いて暗殺者に殺された。
その死は『一人で13体の上級魔族を相手取った華々しい討死に』と偽装され、盛大な国葬を持って送られた。
ただし本人は飲む打つ買うの道楽に明け暮れ、金銭その他の物理的な報酬がなければ自主的に魔族討伐に動かずなかった。その上彼はかつての聖騎士時代に、腐敗した枢機卿の弱みを握っており、それをネタにしてゆすりたかり同然に高価な魔導器から果ては機兵までも聖導教会から強請り取って使い潰した。なお聖剣技や光魔法は、そのコネで獲得、習得した物である。
その乱行ぶりに、教会自体も大いに手を焼く。だが彼はあまりに強すぎた。暗殺者を送り込んでもあっさり抹殺されるし、暗殺に成功したとしても魔族との戦線に穴が開く。だが彼が大戦後に生き残れば、間違いなく功績からクルセイダー叙任なり貴族の地位の授与なりを受けてしまうだろう。それを危惧した聖王国貴族、そして聖導教会は、ついに彼の暗殺を決意。そしてとうとう彼は、戦いの中で不意を突いて暗殺者に殺された。
その死は『一人で13体の上級魔族を相手取った華々しい討死に』と偽装され、盛大な国葬を持って送られた。