日販調べでの1994年ベストセラー「新書(一般・教養)」部門で第10位にランクインした。
内容
- 前書き
- 北朝鮮の核の脅威という地獄、大不況という地獄、環境問題という地獄に加え、第四の地獄があると述べている。
- 3章「『地獄の王子』の前兆」
- 4章「魔のエルニーニョ海域」
- 5章「『地獄の王子』をついに発見」
- 6章「『地獄の王子』の戦慄の正体」
- これらの章では、異常気象や生態系の異常の例を挙げ、それがエルニーニョ現象と関わっていること、そのエルニーニョはインカの伝説では海底の大魔王と結びついていたこと、エルニーニョの原因が東太平洋の海底火山脈が生み出す巨大な熱水塊であるらしいことなどが述べられている。
カバーでは、従来のシリーズで目を瞑っていた顔が、カッと目を見開いた印象的な表情で描かれている。
推薦者は食生態学者の西丸震哉。
コメント
この本のキーワードである「
地獄の王子」は
単なる誤訳に立脚しており、海外の論者では誰一人扱っていない。
また、
マドレーヌとの対話にしても、
ノストラダムスとマドレーヌの年齢差が44歳として描かれているが、伝記的研究の成果から分かる実際の年齢差とは一致しない。
エルニーニョがインカの大魔王の伝説に由来するという話も確認ができない。
五島はペルー大使館や中南米の神話や伝説についての研究からさえも見つけられなかったと述べているが、
山本弘も指摘したように、そのような忘れ去られた伝説をどのような史料によって再現したのかについて、五島は一言も説明していない。
「異変詩トリオ」や「二つの秘詩」も、五島の独自の分類である。
それらが
詩百篇第1巻と
第2巻に集中しているのは、
初版本の原文のコピーが掲載されていることと関係があるのだろう。
つまり、
ノストラダムス協会による初版の影印本を入手したことから、それを効果的に使うべく、初版収録分の詩篇の中から安直に候補を選んだものと思われる。
書誌
- 書名
- ノストラダムスの大予言・地獄編
- 副題
- 1999年 未知の超エルニーニョが地球を襲う
- 著者
- 五島勉
- 版元
- 祥伝社
- 出版日
- 1994年4月30日
- 注記
外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)
- Titre
- Nosutoradamusu no dai-yogen, Jigoku-hen (trad./ Les Grandes Prophéties de Nostradamus, sur l'enfer.)
- Sous-titre
- 1999 nen, michi no chô Eru Nînyo ga chikyû wo osou (trad./ L'an 1999, Quelque chose sans précédent, qui surpassera El Niño, frappera la Terre.)
- Auteur
- GOTÔ Ben
- Publication
- Shôdensha
- Lieu
- Tôkyo, Japon
- Date
- le 30 avril 1994
- Note
- Examen des quatrains I-17, I-21, I-67, I-87, II-41, IV-29 & du Sixain 48
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コメントらん
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- 地獄の往時 -- 峰元 達意 (2015-11-18 11:51:05)
最終更新:2015年11月18日 11:51