丼もの

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丼もの - (2014/07/30 (水) 01:14:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/04/12(木) 23:48:28
更新日:2021/07/23 Fri 01:27:32
所要時間:約 5 分で読めます




丼ものとは丼容器、もしくは普通の飯茶碗に具材をのせた料理である。
様々な種類があり大抵は「○○丼」と呼称される。

歴史に初めて「丼」と言う呼称が登場するのは江戸時代。
現在で言うファーストフード的な飲食店だった「一杯飯屋」・「一膳飯屋」と言う店があり、
この店は、その名の通り基本的に飯のお代わりを認めず、茶碗一杯のみの飯でオカズを食べなければならなかったと言う。
これを不満に思った客達の要望により、茶碗一杯辺りを大きくしたと言う。

この一杯飯屋は、お代わりを認めない事から、「つっけんどん(ケチ)屋」と呼ばれており、そのでかい茶碗は「つっけんどん振り茶碗」と呼ばれていた。
これが段々と縮まり、「どんぶり」になったのだとされる。

その後、鰻の蒲焼きを載せた鰻丼が誕生すると、「どんぶり」とはすなわち「鰻丼」であると言う風潮が広まったが、
明治になってから牛鍋の残りを卵とじしてのせた、牛丼の原型となる「開化丼」の誕生を皮切りに、
おなじく卵とじからの派生である親子丼、カツ丼が登場するなどして、やがて丼のバリエーションは日本中で発生するに至ったのである。

「米の飯の上に食材をのせた料理」はアジア各国に存在するが、それらと丼とは大きな違いがある。それは「かき混ぜない事」。
元来、飯にオカズを載せる事を下品と見なしていた日本人は、更にそれを「かき混ぜる」行為には自然と抵抗があったのだ。
が、諸外国のそれらはその概念が無いため、むしろかき混ぜる事前提の味付けをされているのが、日本の丼との大きな違いなのだ。

機会があれば、アジア人に丼料理をごちそうしよう。何も教えなければ高確率でかき混ぜ始める筈だ。

ちなみに「~丼」だと「どん」と読むのが基本的だが、「丼」(どんぶり)自体は「どん」とは本来は読まない。
まぁ、最近混ざってる気もするが、「丼ぶり」の使用はさすがにやめておいた方がいいと思う。



■種類


◆鰻丼
蒲焼きしたを載せた、丼のパイオニア。関東と関西で作り方が違い、関東は一旦焼いた鰻を蒸すが、関西ではそのまま焼いてしまう。
関東版は皮と脂のトロリととろける感触が、関西版はパリっ焼けた焼き魚の風情を味わえる。

親子丼
ダシ醤油で煮込んだ鶏肉を卵とじにしたもの。
詳しくは項目参照。

カツ丼
切り分けた豚カツを卵とじにしたものが一般的だが、ソース味だったりバリエーション豊富。
詳しくは項目参照。

牛丼
甘辛いツユに牛肉、玉ねぎの組み合わせが定番。
詳しくは項目参照。

◆ウニ丼
北海道発祥だが、ウニの漁獲地域ならば全国で食べられる。
生ウニをたっぷり載せ、あとは海苔が少しあるくらいで、白米とウニのみをたっぷり味わうのが本道。
ウニをケチらないのが通だが、それを味わいたけれは是非生産地へ行こう(それなりに金もかかるが)。

◆海鮮丼
たまに海鮮ちらしと同一視されるが、飯が酢飯で無いのが海鮮丼である。
シャケやマグロ、タイ、ホタテや甘エビなどの刺身を豪快にのせ、醤油をつけながらワサビと共に飯ごとかきこもう。

天丼
海老や穴子、野菜の天ぷらをツユにからめてご飯にのせたもの。カラっと揚がった天ぷらに濃い天つゆ。この濃厚さがたまらない。
海老や穴子などの単体天丼もうまーいが、かき揚げを乗せたかき揚げ丼も絶品

カレー丼
ダシをきかせたカレーを丼にかけたもの。
詳しくは項目参照。

◆木の葉丼
鎌倉発祥。かまぼこを卵とじした丼。ごちそうを食べた胃にもすんなり入る優しい味わいである。

◆深川丼
飯の上にアサリなどの貝類の味噌汁をぶっかけたもの。
貝の苦味を伴った深い味に味噌の旨味が加わり、サラサラと手軽に食べられるながらも高貴な美味しさ。

中華丼
中華料理の八宝菜をのせた丼。
詳しくは項目参照。

◆三色丼
挽き肉そぼろ+卵そぼろ+桜でんぷのコラボが嬉しい一品。
なんだかめでたい気分になる。
上の画像(拾えてません)のように、三色を別の食材で表現した丼も少なくない

◆麻婆丼
麻婆肉のトロミを優しく包む豆腐、そして白いご飯の仄かな甘さが引き立てる香辛料の風味が最高である。

◆ステーキ丼
できるだけ良い牛のステーキを、焼きたてのまま飯に直行。
霜降と赤身のジューシーさを内封した肉汁がご飯にからむ。
ワサビをのせても美味。

◆照り焼き丼
甘辛い照り焼きを豚でも鶏でも良いから美味しく仕上げてご飯へ。
甘辛い照り焼きタレがご飯に染みる。
マヨネーズをかけて更に濃厚トロリにしても良し。

◆鉄火丼
真っ赤なマグロのお刺身を醤油でヅケにし、熱いご飯と共に。ワサビはお好みで。
トロ鉄火も美味いが江戸っ子には邪道らしい。

◆目玉焼き丼
あつあつの半熟目玉焼きをフライパンから直接丼飯へ。
白身の上に黄身を広げ、醤油をかけて。
温められた黄身は旨味が活性化し醤油のうまさ、飯のうまさと相まって手軽ながら味わいは至高の一品。

◆開花丼


※どっからどう見ても豚肉です


親子丼の豚肉バージョン。
他人丼とも言う。
鶏肉とはまた違った食感で美味だがマイナーなため取り扱っている店を探すのは一苦労である。 
(他人丼は地方によっては、牛肉を玉子でとじる場合もある)

◆焼き鳥丼
焼き鳥を串から外し、ご飯の上に。
焼き鳥の種類は色々とあるが、やはり基本となるモモ肉が多いだろうか?
真っ白なご飯に絡む甘辛いタレとパリパリふわふわな鶏肉の食感は絶品の一言。
刻み海苔やネギを乗せれば、その旨味を何倍にも引き立ててくれる。

◆玉子丼
簡単に言えば、親子丼の鶏肉無しバージョン。
親子丼より安価に作れるため、親子丼よりこちらを好む人も。
『肉無し親子丼』と侮ることなかれ。
トロトロ半熟の卵と味わい深い出し汁、シャキシャキ新鮮な野菜の組み合わせは時に親子丼を凌駕する美味さを我々に与えてくれる。

◆たぬき丼
天かすを卵とじしたもの。たぬきの置物で有名な信楽が名物とした。
意外にコクがあって美味。家庭でも簡単にできるぞ。

◆きつね丼
関東では馴染みが無いが、関西ではたまに食卓に並ぶ。甘辛く味付けた油揚げを卵とじにしたもの。

◆いくら丼
イクラオンリー。プチプチとした触感がたまらない。海苔をのせる人もいるが、ない方が多分うまい。
家で作る場合はイクラで買うよりも筋子から処理して作ったほうが沢山安価で買えておいしい。

ロコモコ
ご飯の上にハンバーグと目玉焼きを乗せ、更にその上からグレイビーソースをかけた、ハワイの郷土料理。
日本でもロコモコ丼と呼ばれ、親しまれている。
詳しくは項目参照。



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